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2011年5月28日

脳卒中経験者の視力低下はよくあること、心配いらない


Reading difficulty after stroke: ocular and non ocular causes.
2011  5月 イギリス



脳卒中後の読書困難(Reading difficulty)には視覚に原因がある場合と

認知、言語機能に問題がある場合の2通りがある。


どちらの割合が多いのか調べてみたそうな。




21施設の合計915人の脳卒中患者についての結果は、


・177人(19.3%)が読書困難であった

・39人は原因不明

・15人は視覚正常で失語症

・8人は失読症

・109人が視野欠損

・85人が眼球動作異常

・27人低視力

・39人 視知覚障害

・87人は上記複数の視覚問題


であった。



脳卒中後の読書困難で

視覚に問題のないケース(失語、失読症)は非常に少なかった、

というおはなし。





感想:

脳卒中後、およそ5人に1人は目がわるくなるってこと。


脳卒中をきっかけに視力が いきなり1.5→0.4 になった身としては

仲間が大勢いることがわかってすこしホッとする。

2011年5月27日

電気刺激で足が勝手に動き出し転倒する恐怖とは


The effect of functional electrical stimulation on balance function and balance confidence in community-dwelling individuals with stroke.
2011 4月 カナダ




機能的電気刺激装置(FES)をもちいた歩行訓練によって

バランス機能の改善にどんな効果があるのか調べたそうな。



15人の慢性期脳卒中患者について、

FESのある、なし のグループに分けて歩行リハビリを4週間行い、バランス機能を評価した。




その結果、

・FESありのグループでは歩行時のつま先位置が高くなった。

・両グループで歩行スピードに違いはなかった。

・FESありの半数以上の患者はバランス感覚の自信スコアが低下した。

・FESありの3分の1の患者はバランス感覚について自信喪失状態になった。


というおはなし。







感想:

この種の電気刺激装置って、

自分の意志で筋肉を収縮させるわけではないから

動作をコントロールしている感がまったく得られないのだと思う。

尖足対策なら装具のほうがずっとシンプルで

身体も理解しやすいんじゃないかな。



2011年5月26日

美味しかった病院食ベスト3: カレーライス、天ぷらそば、コロッケ


Dietary intake, nutritional status and rehabilitation outcomes of stroke patients in hospital.
2011 5月 イギリス



脳卒中で入院している患者の栄養状態を調べたそうな。



100人ほどの患者について調査した結果、


・カロリーの推定平均必要量を満たしている患者はわずかだった。


・3割の患者はカロリー必要量の半分も満たしていなかった。


・1割ほどの患者は栄養失調状態にありその割合は増加傾向にあった。




リハビリにも影響するから栄養管理にもっと注意を向けましょう、

というお話。







感想:

最初に入院した救命病院の給食は

ホントまずかった。

チューブからひねり出した鯛みそとおかゆと牛乳。

お腹が空いているのに残したくなるマズさ。




リハビリ病院へ移ると 一転して美味しい給食。


入院前の普段の食事をはるかに上回るウマさ。



でもホント量は少なくて、


隠れてチョコレートを食べていた思い出。


写真:病院給食




脳卒中になる人って糖尿病持ちも多いから、

カロリー制限に厳しくて 勢い 量が少なくなるのだと思う。

2011年5月25日

ねぇ "脳卒中後マニア" って知ってる?


Post-stroke mania precipitated by withdrawal of antidepressant in an elderly patient with chronic major depression.
2011 5月 台湾


脳卒中後うつ はよく耳にするけど、

脳卒中後そう もあるそうな。

脳卒中患者の1%以下に見られる珍しい病状で、

どこかわからない脳の特定の位置の損傷に由来する、

とも考えられている。



日本での報告が1つだけみつかった。

post-stroke maniaの1症例 臨床的特徴と病巣部位







mania(マニア)って "躁病" の意味だった。今まで知らなかった...




2011年5月24日

学生時代、テストの点がよかった人は、脳卒中後もいい調子


Factors Related to Quality of Life of Stroke Survivors.
2011 5月 タイ


脳卒中経験者の生活の質(QOL)に影響を与える要因について調べたそうな。


20~91歳の脳卒中経験者237人にアンケートをとった。


その結果、

身体健康面のQOLが高くなる要因は

・男性であること

・50歳未満であること

・大卒以上の学歴

・不労所得があること。



一方

心理面のQOLを向上させる要因は、

・高い学歴

・就業先があること

・十分な月収があること

・後遺症が重くないこと。



というおはなし。






感想:

一見当たり前な 結果だけど、

教育レベルがQOLに影響するという点がなんとも興味深い。

2011年5月23日

奇跡の治療法の作り方


The recovery of motor function in post stroke patients.
2011 5月 セルビア




一般的な脳卒中患者の身体回復具合を評価したそうな。


30人の脳卒中患者について、

内訳は

・男性20人、女性10人

・平均年令59歳

・左麻痺77%、右麻痺23%

・脳梗塞92%、脳出血8%

であった。


入院時のバーゼルインデックスの平均:57

3ヶ月後、
退院時のバーゼルインデックスの平均:79


57%の患者が自立的に移動できるようになった。

という内容。





感想:

この機会にバーゼルインデックスを調べてみた。

100点満点で全自立、60点以上で部分自立、

とのこと。




ときどき思うのだけれど、

この種の評価スコアを 単純に平均してどの程度意味があるのかな... ?

って。




以前、ブルンストロームステージの平均をとっていた例をみたことがある。


たとえば次のような場合、

・被験者のブルンストロームステージは3~5であった。
被験者総数は2人。
この治療法を施行後、
ブルンストロームステージの平均値は4になった。



→ もともとステージ3と5の人が1人ずついて

なんの治療効果もなく ただ平均をとっただけなのに


これを読んだひとはきっと

ステージ3の、"手のひらの握りしか出来ない" ひとが

ステージ4の "手のひらが少し開く" にうーんと近づいた、

という印象を持つに違いない。



奇跡の治療法の出来上がりである。

2011年5月22日

クラッチ制御できなくて愛車を手放した悲しい思い出…


The loss of dexterity in the bilateral lower extremities in patients with stroke.
2011 5月 日本


脳卒中片麻痺になった人の

麻痺側の膝を伸ばす筋力のコントール具合を健常な人と比べたところ

ハンパなく不器用な状態だった、というおはなし。



感想:

足が不器用というのも一見妙な話だけれども、



退院後、外見上まったく普通に歩けるようになって

慎重を期してさらに半年をかけてリハビリしてなお、

マニュアル車のクラッチコントロールがまったくできなかった経験を思うと、


この研究の意味が よくわかる気がする。

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