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2013年4月11日

退院後『運転免許も更新できたし、久しぶりに峠を攻めてくるかな』→崖から転落


Prediction of on-road driving ability after traumatic brain injury and stroke.
2013  4月  ノルウェー

自動車運転ができるようになる脳卒中患者を神経心理テストから予測する方法を検討してみたそうな。


脳卒中患者78人について行った自動車運転実地テストと、神経心理テストとの関連を解析した。


次のようになった。

・43人が自動車運転適格と判断された。

・この結果と3つの神経心理テストのスコアとがよく関連していた。

・神経心理テストのスコアが次の値を超えていることが判断指標になった。

CalCap, 395 ms; Trail Making Test A, 46 s; Grooved Pegboard, 97.5 s.



脳卒中患者の自動車運転適格性が

いくつかの神経心理テストで予想できそうなことがわかった

というおはなし。




感想:

実は問題は別のところにある。


この種の検査に合格したことで

あたかも発症以前の状態に完全に戻ったかのような気になって

運転を始めてしまうことがいちばん危ない。


ホント 崖っぷちで脱輪した。

2013年4月10日

インドの貧乏人は脳卒中に強いのか?


Influence of socioeconomic status on in-hospital mortality and morbidity after stroke in India: retrospective hospital-based cohort study.
2013  1月  インド

脳卒中で入院した患者の社会経済的状況と回復程度との関連を調べたそうな。


インド北部の都市、郊外に住む599人の脳卒中患者について、職種、学歴、疾患既往歴、入院時の症状、退院時の自立度を調査し、関連を解析した結果、


次のようになった。

・平均年齢は56歳

・年齢、脳卒中の種類、喫煙、入院時意識レベルは退院時の予後とよく相関していた。

・就業状況と回復程度とも強い関連があった。

・他の要因を考慮に入れてもなお、無職の場合、予後が悪かった。



無職だったり賃金の少ない職に就いていた患者は退院時の自立度がひどく悪かった


というおはなし。



感想:

インドって、カースト制度のおかげでこの種の格差にはタフだと思っていたけど、そうでもなさそう。

脳卒中平均年齢56はさすが、と思った。


2013年4月9日

脳卒中のあとウツになると死亡リスクが5割増しになる


Depression after stroke and risk of mortality: a systematic review and meta-analysis.
2013  3月  イタリア

脳卒中のあとウツになる患者の死亡リスクについて調べてみたそうな。


医学研究データベースから関連する論文を抽出し、データを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・59598人の脳卒中患者(ウツあり6052人、ウツなし53546人)を含む13件の研究が見つかった。

・脳卒中後ウツがあるときの死亡率のハザード比は1.52になった。


脳卒中後ウツになる患者の死亡リスクはウツがない患者の5割増しになることがわかった


というおはなし。




感想:

オッズ比とハザード比が並んで出てくるんだけど、

いまだによくわからない。

ひどくなるのか軽くなるのか くらいの判断は雰囲気でわかるので、

まぁよしとしている。


2013年4月8日

脳卒中患者に鍼を打っている最中の脳活動を観察してみた


A comparison of brain activity between healthy subjects and stroke patients on fMRI by acupuncture stimulation.
2013  4月  韓国

鍼が脳活動に与える影響を調べてみたそうな。

運動機能麻痺のある脳卒中患者11人と健常人10人について、

左半身の曲池または足三里というツボを鍼刺激しているときの脳の活動状況をMRIで撮影し、比較した。


次のようになった。

・いずれのツボ刺激も両グループで非常に異なる脳活動パターンを示した。

・健常人グループでは脳卒中グループよりも広範囲の活動が見られた。

・"曲池"刺激のとき健常人では、前頭葉、頭頂葉、小脳、中脳に活動域が見られた、

・一方脳卒中患者では右の下頭頂小葉のみが反応した。

・"足三里"では、健常人グループで左右の前頭葉、頭頂葉、側頭葉、および左の後頭葉、右の小脳、中脳が活性化していた。

・同じ刺激で脳卒中グループでは左右の下頭頂小葉および小脳が反応したのみだった。


ツボの鍼刺激により健常人と脳卒中患者とで異なる脳領域が反応していた。

また、ツボの位置を変えるとその反応パターンも変化した


というおはなし。



感想:

経絡や気の考え方を脳の働きから解釈することができるかも知れない。

楽しみ。

2013年4月7日

脳卒中のあとの慢性的な痛みの種類と割合


Chronic Pain Syndromes After Ischemic Stroke: PRoFESS Trial.
2013  4月  カナダ

脳卒中後の慢性的な疼痛が、どのくらい起きるものなのか調べてみたそうな。


15754人の脳梗塞患者について2年半追跡調査した結果、

次のようになった。

・10.6%の1665人が慢性的な疼痛を経験していた。

・そこには、中枢性疼痛2.7%431人、

・末梢神経障害1.5%、

・痙縮からくる痛み1.3%、

・肩の痛み0.9%が含まれていた。

・また、0.6%は複数の痛みを抱えていた。

・女性、飲酒、ウツ、糖尿、などが疼痛の要因にあった。

・慢性疼痛は自立を妨げ、認知機能の低下と関連があった。


脳梗塞後の慢性的な疼痛はまったく珍しいことではない

というおはなし。



感想:

発症当初は水に触れただけで痛かったけど、

現在残っている痛みは、

左の足の裏と 肩が少々のみ。

血が出ているわけでもないのに感じる痛みって

とても不思議な気分にさせてくれる。

2013年4月6日

左脳『これからはお前にも仕事をしてもらう』、右脳『へっ、楽勝っすよ! ん?わけわか※@△』


Recovered vs. not-recovered from post-stroke aphasia: The contributions from the dominant and non-dominant hemispheres.
2013  3月  アメリカ

左脳梗塞で失語になり、そこから回復できる患者とそうでない患者の違いを調べてみたそうな。


発症後1年以上経ち、

・言語能力が回復した脳梗塞患者9人と

・未回復だった患者18人について、

言語テスト中の脳の活動状況をMRIで撮影し、解析した。


次のようになった。
・言語能力が回復した患者は、左脳優位の典型的な言語活動パターンを示していた。

・言語回復できなかった患者は、右脳半球に代償的な言語活動パターンが見られた。

・左脳の活動信号強度が高いと、言語テストのスコアも高かった。

・梗塞が大きいと言語テストの成績が悪かった。



言語機能は左脳が担うようにできているので、

その機能を一部右脳へシフトしてしまった患者は回復が遅い。

右脳シフトと梗塞の大きさとの関連も調べてみたい


というおはなし。




感想:

脳っておもしろい。

むかし同じ職場の、フロアいち可愛かった女の子の脳(実像)↓を思い出した。

左の前頭前野の脳回曲線がとっても魅力的だった。

2013年4月5日

音楽サポート療法の効果を実感


Playing piano can improve upper extremity function after stroke: case studies.
2013  2月  カナダ

脳卒中患者にピアノを使った音楽サポートセラピーを試してみたそうな。


軽中程度の上肢麻痺のある慢性期脳卒中患者3人について、ピアノレッスンを1日1時間×3週間行った。

電子ピアノを使い、5指を用いた動作指示がコンピュータスクリーン上に出る。


この訓練前後での手指の運動機能を複数の評価方法でテストしたところ、



すべての患者について全てのテストで著しい改善を確認できた


というおはなし。

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