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2014年3月21日

リハビリはいつ始めれば良いのか


When should physical rehabilitation commence after stroke: a systematic review.
2014  3月  オーストラリア

早期リハビリの効果を評価してみたそうな。


関連する過去の研究論文を厳選しデータを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。
・5つの治療試験と38の臨床研究がみつかった。

・発症後24時間以内の身体リハビリは死亡率が増加傾向にあった。

・その一方、48時間後のリハビリと回復成果は変わらなかった。

・88%の研究が7日以内のリハビリ病院への転院を勧めていた。


発症24時間以内の身体リハビリの効果は未だ明らかではない。7日以内のリハビリ開始もしくはリハビリ施設への転院が望ましいのかも知れない、


というおはなし。



感想:

せっかく入院したんだから まる1日くらいはベッドで寝ていたいと思う。

2014年3月20日

リハビリのまえに訓練ビデオを見せるとイイと思うの


Training Videos Help Restore Motor Function, May Aid in Stroke Rehabilitation
2014  3月  イタリア
トレーニングビデオを見せることによる運動スキル改善効果について実験してみたそうな。

4月の米国神経学会議で発表される予定の研究成果。


36人の健常人について、2週間にわたり10回のトレーニングを行った。

トレーニング内容は、利き手を使った動作で、はさみやペン、ハンマー、タイピング、ピアノなどを用いる。

事前に動作内容の詳しい説明を受ける。

2グループに分け、一方には他人が行った当該動作のビデオを見せ、もう一方には風景動画を見せた。


2週間後、次のようになった。

・トレーニングビデオを見たグループでは運動スキルが著しく向上した。

・特に力強さが改善した。

・さらに脳機能MRIでは運動と視覚を司る領域の活動範囲が拡がっていた。


トレーニングビデオによる動作スキル向上効果は脳卒中患者のリハビリにも有効であるにちがいない、


というおはなし。



感想:

動作観察療法っていうのかな。さいきん多い。

ビデオをみるまでもなくイメージができてしまうような単純な動作について、こういった効果はあるのかな? と思った。



2014年3月19日

下肢治療に使える新しい磁気刺激はどこが違うのか?


Deep repetitive transcranial magnetic stimulation with H-coil on lower limb motor function after stroke: a pilot study.
2014  3月  イタリア

反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の下肢への効果を検証してみたそうな。


10人の慢性期脳卒中患者について、3週間11回のrTMS治療を行った。

rTMSは刺激が深部まで届くHコイルを用い、20Hzで刺激した。

4週間の間を空けて偽刺激での実験も行った。


次のようになった。

・rTMS治療により下肢の運動機能が著しく改善した。

・この効果は4週間以上持続した。

・歩行スピードも改善した。


3週間のrTMS治療によって下肢機能が改善しその効果が持続した、


というおはなし。



感想:

Hコイルのwikipediaがあった。

深部刺激とは別の良い点があって、

・ヘルメットの中に偽刺激用のコイルを内蔵できるので

・施術者が治療中にリアル刺激か偽かを知りえなくできる。

・偽刺激でもリアル刺激と同じ音を発生できる。

とのこと。


二重盲検が捗るな…

2014年3月18日

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


Bilateral Priming Before Wii-based Movement Therapy Enhances Upper Limb Rehabilitation and Its Retention After Stroke: A Case-Controlled Study.
2014  3月  オーストラリア

両手準備運動には 脳卒中によって崩れた脳半球間のバランスを整える効果があるという。

実際のところどうなのか実験してみたそうな。


10人の脳卒中患者について14日間の上肢リハビリを行う。

リハビリに際して 15分間の両手準備運動を行い、つづいてゲーム機Wiiを用いた運動訓練を行った。

両手準備運動は健側の手首と連動する器具を用い麻痺手が受動的に動く仕組みになっている。

併行して両手準備運動の無い比較グループも用意した。

訓練前後の運動機能を評価した。


次のようになった。

・両グループともに上肢機能が改善した。

・両手準備運動グループで上肢機能スコアがずっと優れていた。

・この効果はリハビリのあと28日間以上継続していた。


上肢リハビリのまえに両手準備運動をすると回復がとてもはかどることが確認できた、


というおはなし。

写真:両手準備運動装置


感想:

元はといえば前脚だから、歩行訓練と同じように左右同期運動させるのはアリだと思う。

2014年3月17日

ウェルニッケ失語で異常な脳活動を発見


The anterior temporal lobes support residual comprehension in Wernicke's aphasia.
2014  3月  イギリス

ウェルニッケ失語患者の脳の働きを観察してみたそうな。


脳卒中でウェルニッケ失語の患者12人と同年齢の健常人12人について言語テスト中の脳の働きをMRIで観察したところ、


次のようになった。

・ウェルニッケ失語患者では健常人に比べ前側頭葉の働きが過剰なほどに活発だった。

・前側頭葉は意味概念を保存すると考えられている領域だった。

・この活動が助けになっているのかは不明だった。


言語の意味理解に障害を抱えるウェルニッケ失語患者は、意味概念を司る前側頭葉へのアクセスが通常よりも異常に高まっていることがわかった、


というおはなし。

写真:ウェルニッケ失語
ウェルニッケ失語の損傷域


感想:

次はrTMSでこの活動を抑えるんですね。

2014年3月16日

痙縮がすぐに治る干渉電流療法とは


Immediate therapeutic effect of interferential current therapy on spasticity, balance, and gait function in chronic stroke patients: a randomized control trial.
2014  3月  韓国

干渉電流療法がどのくらい効くものなのか調べてみたそうな。


足底屈筋に痙縮のある慢性期脳卒中患者42人について、干渉電流療法グループと偽刺激グループに分けた。

干渉電流療法は、複数のチャネルから振動電流を流しその周波数差に相当する低周波を発生させ対象を刺激する治療法。

脛の筋肉を対象に60分間刺激した。

直後に痙縮、バランス、歩行能力を評価した。


次のようになった。

・干渉電流グループで痙縮が著しく改善した。

・同様にバランス、歩行能力もおおきく改善した。


たった1回の干渉電流刺激で痙縮、バランス、歩行能力がおおきく改善してしまった、


というおはなし。

写真:干渉電流療法


感想:

「干渉電流療法」ってまったく聞いたことがなかった。

検索すると、干渉電流型低周波治療器として販売されている。

導入実績のあるクリニックもちらほら見つかる。

2014年3月15日

タバコを続けていると脳梗塞になったときに助かる


Is smoking associated with favourable outcome in tPA-treated stroke patients?
2014  2月  ノルウェー

血栓溶解療法を受けた脳卒中患者の予後と喫煙習慣に関連があると言われている。

実際のところどうなのか、調べてみたそうな。


発症6時間以内に入院した患者で、tPA治療を受けた患者とそうでない患者について、喫煙習慣と1週間後の自立度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・399人の患者がtPA治療を受けた。内訳は現役喫煙者94人、元喫煙者148人、非喫煙者157人だった。

・424人の患者はtPA治療を受けなかった。現役喫煙者90人、元喫煙者164人、非喫煙者170人だった。

・tPA治療を受けた患者のうち現役喫煙者のみ治療結果が良好だった。

・tPA治療を受けなかった患者についてはこのような関連は見られなかった。


発症直前までの喫煙習慣とtPA治療の好成績との間に関連があった。タバコは脳梗塞治療に効くのかもしれない、


というおはなし。

写真:たばこは善

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