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2014年11月21日

55歳以降 脳卒中を初体験できる可能性はどのくらいあるのか?


Sex differences in lifetime risk and first manifestation of cardiovascular disease: prospective population based cohort study.
2014  11月  オランダ

55歳時点での脳卒中を含む心血管疾患になる生涯リスク(割合%)を男女で比べてみたそうな。


55歳以上で心血管疾患の無かった8419人を最長20年間追跡したところ、


次のことがわかった。

・この間に2888人が心血管疾患になり、そのうち1198人が脳血管障害、826人が冠動脈疾患だった。

・55歳時点での心血管疾患全体の生涯リスクは、男性で67.1%、女性が66.4%だった。

・種類別では男性で冠動脈疾患27.2%、脳血管障害22.8%、女性では冠動脈疾患16.9%、脳血管障害29.8%の順だった。

・1000人あたりの患者数の差は男性にくらべ女性は冠動脈疾患が102人少なく、脳血管障害は70人多かった。


55歳時点での心血管疾患の生涯リスクは男女でほぼ同じだったが、男性は冠動脈疾患、女性は脳血管障害になりやすかった、


というおはなし。

心血管疾患生涯リスク

感想:

これだけ割合が高いと 特別なことでもなんでもなくて、もう ただの老化現象だな。

2014年11月20日

歩行を改善するためにイメージする力を6週間 鍛えてみた


Influence of motor imagery training on gait rehabilitation in sub-acute stroke: A randomized controlled trial.
2014  11月  ベルギー

脳卒中患者の歩行イメージ訓練の効果を調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者44人を

*イメージ訓練グループ
*筋肉リラクゼーショングループ

に分けた。

イメージ訓練は しずかな部屋で目を閉じて、歩行動作を指示にしたがって視覚的、感覚的に想像する。1回30分間で6週間行った。


次のようになった。
・イメージ能力スコアおよび10m歩行テストの結果がイメージ訓練グループで著しく優れていた。

イメージ訓練は亜急性期脳卒中患者の歩行機能改善に役立ちそうである、


というおはなし。

イメージ訓練

感想:

リバビリ病院で階段のぼり降りチャレンジが始まったころ、あまりの緊張感に ベッドの中で同じようなイメージ訓練をしまくった思い出。

2014年11月19日

病院に担ぎ込まれた脳卒中患者が死に至る合併症の種類は


Functional Outcome After Common Poststroke Complications Occurring in the First 90 Days.
2014  11月  ノルウェー

入院直後の合併症と予後の関連を調べてみたそうな。


入院後1週間の脳卒中患者の合併症を分類し、90日後に重度の障害、死亡に至るケースとの関連を解析した。


次のようになった。

・5%以上に見られる合併症が7種類あった。

・胸部感染症と脳卒中再発では3-7倍の率で予後が悪かった。

・尿路感染症では1.6倍、転倒で1.4倍だった。

・自立度的には心筋梗塞、尿路感染症、疼痛は予後の悪化と関連はなかった。


脳卒中再発と胸部感染症のみが予後の悪化と強い関連があった。他の感染症や転倒と予後の関連はほとんどなかった


というおはなし。




感想:

しばらく尿道カテーテル入ってたので関心を持った。

ところで転倒って合併症なのか?

2014年11月18日

脳卒中の早期にCI療法をやって半年後、、


Efficacy of Constraint-Induced Movement Therapy in Early Stroke Rehabilitation: A Randomized Controlled Multisite Trial.
2014  11月  ノルウェー

脳卒中早期のCI療法には実績が多くない。

発症後4週間以内でのCI療法の効果を調べてみたそうな。


47人の脳卒中患者をCI療法グループおよび通常リハグループに分けた。

日中のほとんどを非麻痺手にミットをはめて過ごし、平日3時間、2週間のCI療法を行った。

6ヶ月後まで効果をフォローしたところ、


次のようになった。

・治療直後はCI療法グループで著しい手の機能改善が見られた。

・しかし6ヶ月時点では、手の障害の程度、機能、使用頻度いずれも両グループで差がまったくなくなっていた。


CI療法はその直後には効果を示したが、6ヶ月後には効果を確認できなかった、


というおはなし。

CI療法


感想:

おそらくこういうこと↓だと思う。

・CI療法は早期に適用してすら効果が持続しない。  または

・手指の伸展が可能な非常に軽度の麻痺患者のみがCI療法の対象になるので、患者の多くは6ヶ月後には勝手に治ってしまっていた。

2014年11月17日

だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること


Community re-integration and long-term need in the first five years after stroke: results from a national survey.
2014  11月  アイルランド

脳卒中経験者が何を必要とし、社会生活で何に困っているのかを長期的視点で調べてみたそうな。

24-89歳、発症5年後までの脳卒中経験者196人にアンケートしたところ、


次のことがわかった。

・75%以上が移動、感情、疲労、集中力の困難を経験していた。

・感情的苦痛と疲労がもっともサポートニーズの高い問題だった。

・介助が必要なシーンの52%は家族に頼っていた。

・42%は脳卒中で人間関係が大きく変わったと感じていた。

・60%は経済的に打撃を受けた。

・66歳未満で復職できたのは23%のみである いっぽう、

・60%は自動車運転を再開していた。


脳卒中は金銭面を含む社会生活に大きな影響をもたらす。感情的苦痛と疲労の問題は珍しくなく 満足のゆく解決策もない。家族には高レベルのサポート能力が求められる。若年者であれば復職サポートがもっとも効果的なリハビリであろう、


というおはなし。
図:脳卒中患者の悩み


感想:

疲労と感情問題か、、 同じ悩みを抱える仲間がたくさんいることを知ってかえって安心した。

2014年11月16日

子供のころ脳卒中になると社会に馴染めなくなってしまうの?


Social competence following neonatal and childhood stroke.
2014  11月  アメリカ

子供の脳卒中と社会能力について調べてみたそうな。


新生児期の発症ケースを含む子供の脳卒中について、神経症状や認知能力、社会結果の複数の側面を ぜんそく経験者と比較した。


次のことがわかった。

・全体的に脳卒経験者では適応行動に障害が見られた。

・神経症状が重くなると適応行動、社会適応、社会参加に障害が見られた。

・認知能力の低下および問題行動の増加は社会適応の障害と関連があった。

・梗塞が大きいと神経症状が重く、低IQ、低社会参加だった。


子供の脳卒中は IQや行動に明らかな問題は見られないものの、適応力や社会能力に障害をもたらす。梗塞サイズや神経、認知障害、問題行動は社会への適応や参加を危うくする要因となる。そのような子供たちへの年齢に応じた支援が必要だろう、


というおはなし。


感想:

脳の可塑性の高い子供ですら こういう問題をひきずるってことは、コミュ力ってとても高度な脳の働きなんだろうな、、と思った。

2014年11月15日

あるはずのない腕がもう一本現れたとき 実は驚かなかったんだ、、


Stroke with supernumerary phantom limb: case study, review of literature and pathogenesis.
2014  10月  インド

脳卒中患者の余剰幻肢(手足が増える)の仕組みを、ある女性の事例で考えてみたそうな。


・脳内出血で左側麻痺の59歳女性が、7ヶ月間にわたり左肩から複数の腕が生えていると訴えていた。

・神経心理検査の結果、左側空間無視と余剰幻肢の症状が確認され、

・両側前頭葉、頭頂側頭葉、大脳基底核の関係が考えられた。

・MRI上では右被殻の元血腫位置の横に空洞があり、右前頭頂葉の白質に変性が見られた。

余剰幻肢は身体図式の更新失敗が原因かもしれない。

身体図式は感覚的な位置情報を常に調整しているが、脳の運動に関わる部位に障害を受けると身体知覚が影響を受ける。その結果、腕を動かそうとした際にあるべき位置に腕がないことになる。知覚と運動情報に不一致が起き、同期がとれなくなくなるのである。

この不一致を吸収するために身体知覚が変化して余剰幻肢が出現すると考えられる、


というおはなし。


感想:

余剰幻肢を急性期に何度か経験したことがある。スタンド使いになったかと思ったよ。
脳卒中患者がみる幻肢の特徴とは


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