~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2016年8月21日

話し方の変化から脳卒中後うつを予測できる


Affective Prosody and Depression After Stroke
2016  8月  フランス

脳卒中後のうつになりやすい患者を見分けることができればのちのリハビリ計画に役立つ。

脳卒中患者の話す声の調子や抑揚からその後のうつを予測できるものか調べてみたそうな。


失語症のない発症から4日以内の脳梗塞患者49人について、音読課題を与え これを録音した。

音声の基本周波数およびその変動、声の裏返り率、音量のゆらぎ等を解析して3ヶ月後のうつ検査との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3ヶ月後、22.5%がうつと診断された。

・うつグループでは、基本周波数の明らかな低下と

・声の裏返り率の上昇があり、

・音声周波数と音量のゆらぎは小さくなった。

・脳梗塞の発症部位とうつとの関連は見られなかった。

脳卒中患者の音声を韻律解析すればうつになりやすいかどうかがわかりそうである、


というおはなし。

図:感情音声と脳卒中後うつ

感想:

低く淡々とした無感情な口調になって たまに声が裏返る、、ってことか。

これ↓思い出した。
失感情症と脳卒中後のうつ

右脳卒中の患者は声に感情が乗らない

2016年8月20日

頭痛の無い脳梗塞は動脈硬化の証、、


Role of atherosclerosis, clot extent, and penumbra volume in headache during ischemic stroke
2016  8月  オランダ

脳梗塞発症時の頭痛の理由はよくわかっていない。

これが動脈硬化によるのか血管拡張や脱分極が原因なのか調べてみたそうな。


発症後9時間以内の急性脳梗塞患者284人について各種CT,MRI検査を行い、アテローム性動脈硬化、血栓の拡がり、ペナンブラの体積 および頭痛との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の38%に頭痛があった。

・35% vs. 48%でアテローム性動脈硬化の患者に明らかに頭痛が少なかった。

・血栓の拡がり、ペナンブラ体積と頭痛との関連はなかった。

脳梗塞時の頭痛はアテローム性動脈硬化のある患者で少なかった。頭痛が起きるためには血管の弾力性が必要なのではないか


というおはなし。

図:脳梗塞頭痛患者の特徴


感想:

それでこうなるんだね。↓
脳梗塞発症時、頭痛があればラッキー!

2016年8月19日

失語症アバターで言語訓練できるEVA Park とは


Evaluating the Benefits of Aphasia Intervention Delivered in Virtual Reality: Results of a Quasi-Randomised Study
2016  8月  イギリス

バーチャルリアリティ環境で失語症の治療を行う実験をやってみたそうな。


EVA Park という小さな島をバーチャル空間上に設けた。この上で患者と療法士が自らのアバターを介してコミュニケーションの訓練を行う。

平均年齢58、20人の失語症患者について1回1時間x5週間、計25セッションの訓練を行ったところ、


次のようになった。

・途中脱落者はゼロで、ほとんどがセッションの88%以上をこなした。

・コミュニケーション能力の明らかな改善があり、

・その効果が持続した。

・しかし会話への自信や孤立感の改善までには至らなかった。

バーチャル空間EVA Parkを通した言語訓練の楽しさと効果を確認できた、


というおはなし。

これが↓EVA Park だ(動画4分間)


感想:

10年以上前に流行ったセカンドライフそのまんま。当時から技術的に1mmも進歩していないところに惹かれた。

2016年8月18日

脳卒中後の認知症リスクはカルシウムサプリで倍増する


Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease
2016  8月  スウェーデン

骨粗しょう症予防のためにカルシウムサプリメントを摂る人は多い。そのいっぽうでカルシウムサプリメントが血管リスクになるという報告もすくなくない。

血管リスクは認知症にも関係する。そこで、カルシウムサプリメントと認知症との関連を脳卒中経験の有無も含めて調べてみたそうな。


70-92歳の女性を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・カルシウムサプリメントを摂っていた者の認知症リスクは2.10倍で、

・さらに脳卒中経験がある者に限定するとリスクは6.77倍になった。

・脳に白質病変がある者についても同様の関連だった。

カルシウムサプリメントを摂る高齢女性の認知症リスクは2倍で、脳卒中歴も加わると7倍になった、


というおはなし。

図:脳卒中歴と認知症とカルシウムサプリメント


感想:

こういう↓はなしもあるんだよね。
カルシウムが少ないと脳内出血になったときたいへん

2016年8月17日

JAMA: 脳卒中歴でアルツハイマー病リスク2倍!


The Role of Cardiovascular Risk Factors and Stroke in Familial Alzheimer Disease
2016  8月  アメリカ

心血管疾患リスクとアルツハイマー病との関連は未だよくわかっていない。

そこでアルツハイマー病と脳卒中歴、心血管疾患リスク(高血圧、糖尿病、心臓病)との関連を調べてみたそうな。


平均年齢77、遅発型アルツハイマー病研究の患者6553人の医療記録を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・脳卒中歴があると遅発型アルツハイマー病リスクは2.23倍になり、

・高血圧があるとリスクは0.63倍と低下し、

・糖尿病 心臓病との関連はなかった。

・遺伝要因APOEε4を考慮に入れてもこの関連は変わらなかった。

・別研究の患者サンプル5972人ぶんのデータを使っても同様だった。

遅発型アルツハイマー病は 脳卒中歴があるとその発症リスクが明らかに高くなった、


というおはなし。

図:遅発型アルツハイマー病と脳卒中歴


感想:

認知症になりやすいって話はなんども出てるからあまり驚かない。

2016年8月16日

くも膜下出血と喫煙 さいきんの傾向


Incidence of subarachnoid hemorrhage is decreasing together with decreasing smoking rates
2016  8月  フィンランド

くも膜下出血は死亡率が非常に高いため入院まえに亡くなる場合が少なくない。多くの国ではこのようなケースは心不全に分類されるなどして正確な統計が得られにくい。

そこで、検死解剖をきっちりとやる習慣のあるフィンランドでのくも膜下出血と発症リスクとしての喫煙率のさいきんの推移を調べてみたそうな。


1998-2012のくも膜下出血患者と喫煙調査の結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に6885人のくも膜下出血があり、このうち26%が病院外または救急救命室で死亡していた。

・全体的に、くも膜下出血の発生率は10万人あたり6.2-10.0人だった。

・70-75歳の女性で発生率はもっとも高く 22.5人/10万人だった。

・この15年間に、50歳未満ではくも膜下出血が女性で45%、男性で38%減少し、

・50歳以上では女性16%、男性26%の減少だった。

・15-64歳の喫煙率は30%減少していた。

くも膜下出血の発生率は特に若年者で減少傾向にあり、喫煙率と連動しているようだった、


というおはなし。

図:くも膜下出血15年間の傾向


感想:

クモは高齢女性に多いんだな、、

2016年8月15日

脳卒中患者の15年後の運命がわかった


Patient outcomes up to 15 years after stroke: survival, disability, quality of life, cognition and mental health.
2016  7月  イギリス

脳卒中からの生還率は向上し患者の余生も延びている。そこで、脳卒中から15年先までの患者の状態変化を調べてみたそうな。


ロンドン南部の住民記録から脳卒中患者2625人を抽出し、発症から15年後までの生存率、身体障害、認知障害、QoLなどをフォローしたところ、


次のことがわかった。

・15年後21%が生存しており、彼らの発症年齢の中央値は58、

・61%は男性で 87%は自宅暮らしだった。

・33.8%は軽度の身体機能障害、14.3%は中等度、15.0%が重度の障害だった。

・身体機能障害は時とともに増加したが、15年生存者の10人に1人は脳卒中発症直後から中等度-重度の障害持ちだった。

・15年生存者の30.0%に認知障害、39.1%にうつ、34.9%に不安障害があった。

脳卒中後15年時点では5人に1人が生存していたが、身体機能的、認知能力的、精神的に不良な状態が少なくなかった、


というおはなし。

図:脳卒中から15年間の重症度変化

感想:

こんなに死んじゃうのかい?って印象。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *