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2016年9月4日

麻痺した足を動かしてあげたら脳も頑張ってた


The Effect of Passive Movement for Paretic Ankle-Foot and Brain Activity in Post-Stroke Patients.
2016  8月  ハンガリー

脳卒中で麻痺した足の受動運動の繰り返し効果とその際の脳活動を調べてみたそうな。


64人の脳卒中患者について、
30分間の底屈 背屈を自動的に行う受動グループ49人とそうしない15人にわけた。

並行して受動運動直後のfMRI測定もおこなった。


次のことがわかった。

・受動運動グループでは痙縮度が低下し、

・底屈 背屈の可動域が増え、

・尖足が明らかに改善した。

・麻痺した足首の受動運動により反対側の中心前後回 上側頭回に活動がみられ

・同側の中心後回や小脳にも反応が確認できた。

麻痺足首の受動的な繰り返し運動により関節可動域と痙縮が改善し、両側の関連する脳皮質にも反応が見られた、


というおはなし。

写真:足首受動運動


感想:

うごかしてもらってるだけなのに体性感覚のみでなく運動野も反応すんだね、、

2016年9月3日

6年後にも疲労で悩んでいる脳卒中経験者の割合は


Self-Reported Fatigue and Associated Factors Six Years after Stroke.
2016  8月  スウェーデン

慢性的な疲労は脳卒中のあとに珍しくない。長期的にどのくらいの患者が疲労に悩まされているのか調べてみたそうな。


脳卒中患者102人を6年ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・6年後 37%の患者が疲労を訴えていた。

・脳卒中が軽症よりも中等度以上の患者で疲労は多く、

・うつや不安障害の兆候を示す者も多かった。

脳卒中から6年後、3分の1の患者が疲労を日常生活上の問題と感じていた、


というおはなし。





感想:

疲労問題にはだいぶん慣れた。
当初の疲労感があまりにすごかったばかりに、疲れそうなことを無意識に回避する癖が染み付いてしまったような気もする、、

たとえば ロングドライブにはまっっったく関心がなくなってしまった。

2016年9月2日

失音楽症と関係する脳の場所がわかった


Neural Basis of Acquired Amusia and Its Recovery after Stroke.
2016  8月  フィンランド

失音楽症は音の細かい高さやリズムがわからなくなる症状で、脳卒中のあとによく経験される。これが脳のどの部位と関係しているのか調べてみたそうな。


77人の脳卒中患者について、急性期と3,6ヶ月後にMRI撮影および失音楽症、失語症の検査を行った。
この結果をVLSM解析して脳の損傷部位との関連を求めたところ、


次のことがわかった。

・失音楽症は右脳の上側頭回、横側頭回、島皮質、線条体の損傷と関連していて、

・失語症でのパターンとは明らかに異なっていた。

・失音楽症が回復しなかった患者の右の上 中側頭回の灰白質体積が明らかに減少していた。

・この脳萎縮パターンは、失音楽症のリズムの障害、音の高さの障害で はっきりと異なっていた。

脳卒中後の失音楽症は右脳 側頭の皮質下の領域と深い関係にありそうである、


というおはなし。
図:失音楽症と脳の部位


[失音楽症]の関連記事


感想:

じぶんは↓(動画) まさにその辺りに出血おこしたわけで、


発症数日後にiPodで音楽聴いたら 茶碗か空き缶を連打しているように聴こえて 『あらあら こんなとこまでやられたのか、、』と思った。

2016年9月1日

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!


Enhanced apoptosis from early physical exercise rehabilitation following ischemic stroke.
2016  8月  中国

脳卒中後の回復は リハビリをどのタイミングで始めるかにかかっている。虚血による脳の細胞死(アポトーシス)と関連タンパク質からこれを調べてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミについて、再還流後

*6時間(ネズミの超早期に相当)
*24時間
*3日

の各時点でリハビリ(回転棒運動30分)を開始するグループに分け、アポトーシスとその促進タンパク質の量を測定した。


次のことがわかった。

・全体として 脳虚血により脳の細胞死が明らかに増加した。

・運動させない場合にくらべ、6時間後に運動させたグループでのみ細胞死が激増した。

・24時間、3日後のグループでは細胞死のさらなる増加はなかった。

・細胞死の増加には促進タンパク質 BAX と caspase-3 が関わっていたが、Bcl-2は関連がなかった。

脳虚血後、超早期リハビリによってアポトーシス促進タンパク質が増え 脳細胞がどんどん死んだ、


というおはなし。

図:超早期リハビリの害

感想:

効果ないばかりか害なんだな、、↓
ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2016年8月31日

DHAを摂ると傷ついた脳が治るは本当?


Delayed Docosahexaenoic Acid Treatment Combined with Dietary Supplementation of Omega-3 Fatty Acids Promotes Long-Term Neurovascular Restoration After Ischemic Stroke.
2016  8月  アメリカ

脳卒中の治療法は非常に限られていて広く適用できる手段がない。そんな中 オメガ3不飽和脂肪酸が脳卒中治療に期待されている。

その効果を実験してみたそうな。


人為的に脳虚血状態にしたネズミをつぎの4グループに分けた。

1)不飽和脂肪酸なしの比較グループ
2)DHA(ドコサヘキサエン酸)を腹腔内注射
3)オメガ3不飽和脂肪酸(魚油)のサプリメントを餌に加える
4) 2と3の組み合わせ

1ヶ月後、脳損傷、神経新生、認知障害について評価したところ、


次のことがわかった。

・グループ2,3で組織の脱落や認知障害が少なかった。

・この効果はグループ4でさらに有意なレベルで明らかだった。

・グループ4では神経新生、血管新生が促されグリア瘢痕形成が減った。

・これらの変化は水迷路テストでの空間記憶スコアと明らかな関連があった。

DHAなどオメガ3不飽和脂肪酸の投与は脳卒中後の神経血管再構築を促す効果があるのかもしれない、


というおはなし。

図:DHAの脳梗塞治療効果


感想:

そこでDHAにもになるαリノレン酸の登場だね。↓
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2016年8月30日

台湾の脳卒中患者はみな鍼もやっているのだろうか、、


An investigation of the use of acupuncture in stroke patients in Taiwan: a national cohort study.
2016  8月  台湾

鍼(はり)は多くの国で代替医療の1つとして利用されている。

脳卒中患者のさいきんの鍼利用の傾向を調べてみたそうな。


2000-2008、台湾の2300万人の国民健康保健記録から脳卒中患者285001人を抽出して鍼の利用と 関連する特徴を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間、鍼利用者は増加傾向にあった。

・女性、若年、ホワイトカラー、高収入者で鍼利用が多かった。

・また、リハビリサービスを多用する患者ほど鍼も利用していた。

台湾では脳卒中患者の鍼利用は多くの層に受け入れられ 増加傾向にあった、


というおはなし。
図:台湾の鍼利用者 of 脳卒中

感想:

20%ないのか、、、台湾だったらみんなやってるかと思ってた。

2016年8月29日

90歳超えでも血栓溶解治療は効果あるの?


The impact of intravenous thrombolysis on outcome of patients with acute ischemic stroke after 90 years old.
2016  8月  フランス

超高齢脳梗塞患者への血栓溶解治療効果について、実際のところどうなのか調べてみたそうな。


急性脳梗塞で入院した90歳以上の患者記録を見なおして、経静脈血栓溶解治療と3ヶ月後の回復度や出血性変化との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢92、78人の患者が見つかり、37人が血栓溶解治療を受けていた。

・3ヶ月後の生活自立度は、血栓溶解治療の有無とは関連がなかった。

・出血性変化は54% vs. 12%で血栓溶解治療グループに多かった。

・入院期間も血栓溶解治療グループで長かった。

血栓溶解治療を受けた超高齢者の予後は 受けない場合に比べ良いとは言えなかった、


というおはなし。

図:超高齢者の血栓溶解治療

感想:

これ↓思い出した。
103歳の脳卒中女性に血管内治療を施した結果、、

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