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2025年10月20日

全身麻酔なしで脳にカテーテル? その“常識外れ”が命を奪う

2025  10月  アメリカ


急性期の脳梗塞に対して行われる血栓回収療法(EVT)は、詰まった血管を再び開けて脳への血流を取り戻す治療であり、重症の脳梗塞患者の回復に大きく貢献している。

しかし、この治療を行う際にどの麻酔方法を選ぶべきか、すなわち「全身麻酔でしっかり眠らせるのか」「鎮静で少し意識を残したまま行うのか」という点については、これまで結論が出ていなかった。

全身麻酔は患者が動かず手技が安定する一方で、導入に時間がかかり血圧低下の懸念がある。一方、鎮静ではすぐに治療を始められるが、患者が体を動かしたり呼吸が乱れたりして、繊細な血管内手技が不安定になることがある。

そこで、どちらの麻酔法がより良い回復につながるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月19日

深部脳出血、減圧開頭に光? それとも“都合のいい演出”?

2025  10月  スイス


深部の脳内出血(intracerebral hemorrhage:ICH)は、命に関わることが多く、たとえ助かっても重い後遺症が残ることが多い。

これまでのSTICH試験では、血のかたまり(血腫)を取り除く手術は、内科的治療と比べて明らかな効果がなかった。

しかし「減圧開頭術(decompressive craniectomy:DC)」は血腫を取らずに、頭の骨を外して脳の圧を下げる方法であり、別のメカニズムで助けられる可能性がある。
SWITCH試験では、この減圧開頭術によって「死亡または重度の障害(mRS 5–6)」が13%ほど減ったという結果が出ていた。

ただし、その効果が出血の場所(被殻だけなのか、内包や視床まで広がっているのか)によって違うのかは分かっていなかったので、出血の場所ごとに減圧開頭の効果をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月18日

軽症くも膜下出血の7.8%が悪化 その原因は“病気”ではなく“治療”か?

2025  10月  中国


くも膜下出血(aSAH)は「重い病気」という印象が強いが、実際には発症時に意識がはっきりしていて、頭痛だけで見つかるような軽症タイプ(good-grade:WFNS I〜III)が全体の約8割を占める。

このタイプの多くは回復が良いとされるものの、中には治療後に後遺症を残したり、思わぬ経過をたどる人もいる。

なぜ軽症のはずなのに悪くなるのか、その理由はこれまでよくわかっていなかった。
そこで、「軽症くも膜下の中で悪くなる人」にはどんな特徴があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月17日

小さい動脈瘤ほど破裂する?──定説をくつがえす最新研究

2025  10月  ドイツ


脳の動脈瘤は、血管の一部がふくらんでできる小さなこぶのような病変である。近年、MRIなどの画像診断の普及により、破裂していない小さな動脈瘤が見つかる機会が増えている。

これまで医療現場では「大きな瘤ほど危険で、小さい瘤は破裂しにくい」と考えられてきた。しかし、複数の動脈瘤をもつ患者では、実際には小さな瘤が破裂することがあるとの報告が相次いでいる。

過去の研究では、くも膜下出血を起こした患者の20~30パーセントで、最大の瘤ではなく小さいほうが破裂していたとされる。それにもかかわらず、小さな瘤がどのような条件で破裂するのかを系統的に調べた研究はこれまで存在しなかったので、
小さい瘤が破裂する要因を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月16日

くも膜下出血の真相:歯周病が原因なら、瘤を塞ぐ意味はある?

2025  10月  中国


くも膜下出血は、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)が破れて起こる、命にかかわる病気である。
これまで、動脈瘤が破裂する理由としては「血圧が高い」「血管がもろい」などの物理的な原因が考えられてきた。
ところが近年、「慢性的な炎症」も血管を弱くするのではないか、と注目されている。

その中でも歯ぐきの病気――歯周病(ししゅうびょう)は、心筋梗塞や脳梗塞との関係が知られているが、脳動脈瘤の破裂にも関係しているのではないか?

それを確かめるべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月15日

絞め技の一週間後、脳が沈黙した──若者を襲った“見えない解離”

2025  9月  オーストラリア


若い世代の脳卒中の原因には、動脈硬化ではなく頸動脈や椎骨動脈の“解離”が関わっていることが多い。

この動脈解離は、交通事故のような大きな外傷だけでなく、スポーツ中のちょっとした首のねじれや圧迫からも起こることがある。
とくにブラジリアン柔術(BJJ)の絞め技(chokehold)は、頸動脈に強い力が加わる動作であり、解離のリスクがあると以前から言われてきた。
「絞め技がどのように頸動脈を傷つけうるのか」を明らかにした貴重な症例がみつかったそうな。

2025年10月14日

若い人ほど出血しない! 未破裂AVMは“静かに見守る”が正解

2025  10月  アメリカ


脳の動静脈奇形(AVM)は、生まれつき動脈と静脈が異常につながっている血管のかたまりである。
この異常な血管が破裂すると脳内出血を起こし、重い後遺症を残すことがあるため、
「破裂する前に治療すべきか」「そのまま経過をみるべきか」が長年の議論となってきた。

しかし、これまで「未破裂AVMがどのくらいの頻度で出血するのか」という正確な数字は得られていなかった。
多くの教科書や臨床現場では、年間出血率を2〜4%と説明していたが、
それが本当に妥当かどうかは不明であった。

この研究(MARS研究)では、「未破裂AVMを治療せずに経過観察した場合、実際にどのくらい出血するのか」
そして「どのような特徴を持つ人が出血しやすいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

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