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2012年12月6日

脳卒中、男性と女性の違い in イタリア


Sex differences in clinical presentation, severity and outcome of stroke: Results from a hospital-based registry.
2012  11月  イタリア



脳卒中の症状、予後について男性と女性の違いを調べてみたそうな。



イタリアの4つの都市で2011年に入院した脳卒中患者1272人について調査した。



次のようになった。


・脳梗塞1152人、脳出血120人があった。

・内訳は、女性567人、男性705人だった。

・女性の方が平均年齢が高かった。(75歳vs72歳)

・女性の方が入院時の神経症状が重かった。

・女性は予後(自立度、死亡率)があまりよくなかった。

・血栓溶解治療の件数は男女で違いはなかった。

・女性は心房細動由来の脳梗塞が多かった。





脳卒中になった際の重症度と回復の程度は女性の方が悪かった


というおはなし。



感想:

これは世界共通のようだ。

2012年12月5日

歩きながら話すと歩幅が狭くなる脳卒中患者は転びやすい


Gait analysis with cognitive-motor dual-tasks to distinguish fallers from non fallers among rehabilitating stroke patients.
2012  11月  ベルギー



歩行中に別のことをする能力と転倒のしやすさとの関連を調べてみたそうな。



自立歩行のできる脳卒中患者32人について、

次の2つのグループに分けた。


・いつものスピードでただ歩いてもらうグループ。


・2重課題グループ→

 歩きながら動物の名前をできるだけたくさん挙げてもらう。

 または、歩きながら引き算をどんどん続けてもらう。






この際の歩行の様子を記録し、

その後6ヶ月間の転倒状況との関連を解析した。





次のようになった。

・この6ヶ月間に56%が転倒を経験していた。

・31%は転倒1回だけ、25%は複数回転倒していた。

・転倒者は2重課題中の歩幅、健常足の踏み出し幅が狭かった。

・特に、複数回転倒者は麻痺足の踏み出し幅も狭かった。







2重課題中の歩幅には、その人の作業記憶能力が反映されるので、

それを調べることで転倒しやすいかどうかがわかる



というおはなし。





感想:

これはよくわかる気がする。


同時に2つ以上のことをする能力が激しく低下している。


いまだに

ドライブ中の会話はムリ、音楽を楽しむ余裕もない。

2012年12月4日

『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』


High-intensity unilateral dorsiflexor resistance training results in bilateral neuromuscular plasticity after stroke.
2012  11月  カナダ


脳卒中で麻痺した足のつま先を上げる筋肉を鍛えることが出来れば、

歩行能力がより回復することがわかっている。



両側性転移でこれを解決できるか試してみたそうな。

両側性転移は一方の手足でトレーニングした力やスキルが

もう一方の手足に自動的にコピーされる現象を指す。




発症7年前後の慢性期脳梗塞患者19人について、


麻痺していない方の足の背屈筋に負荷をかけて

おもいっきり力を入れるだけのトレーニングを6週間行った。



その後、筋力や歩行能力を詳細に分析した。




次のようになった。


・つま先を上げる力が健常側で31%、麻痺側で34%アップした。

・同様に筋肉の活動量も両側で20%以上アップした。

・特に、4人の患者は足首の背屈ができなかったのにトレーニング後できるようになった。


脳卒中後何年も経って諦めていた麻痺足の筋肉が、

両側性転移を応用した健常足のトレーニングによって

再び元気にできることがわかった



というおはなし。

図:両側性転移で背屈筋

感想:

過去記事↓

麻痺してない方の足を鍛えると麻痺足もついでに強くなる

両側性転移で麻痺手が勝手に良くなるフシギ

両側性転移ですぐにリハビリ成果を出す方法について


[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事


今日からこのブログは4年目に突入。

これからもおもしろいネタが見つかりますように...

2012年12月3日

iPS細胞で脳梗塞治療をしたらメッチャ大きな腫瘍ができちゃったゾ☆(ゝω・)v


iPS cell transplantation for ischemic brain.
2012  12月  日本

iPS細胞をつかった脳梗塞治療の可能性を検証してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミの脳に、

未分化のiPS細胞を移植し、

28日後に行動検査をしたあと

解剖して脳を観察したところ、


次のようになった。


・梗塞のあとに巨大な腫瘍ができていた。

・iPS細胞を移植しなかったネズミに比べ症状の回復が遅かった。

・腫瘍のほかにも梗塞位置に多くの神経芽細胞や神経細胞のあらたな存在が確認できた。





腫瘍形成をコントロールできさえすれば

iPS細胞での脳梗塞治療は有望であることがわかった



というおはなし。

2012年12月2日

脳卒中患者の靴の中敷きを細工して歩きやすくしてみた


Compelled body weight shift approach in rehabilitation of individuals with chronic stroke.
2012  12月  アメリカ



慢性期脳卒中患者への強制体重移動の効果を調べてみたそうな。


強制体重移動は、

麻痺していない足の靴の中敷きをちょっと厚くして

麻痺足側へ重心を戻す操作を言う。



18人の慢性期脳卒中片麻痺患者について、

強制体重移動の有無で2グループにわけて

リハビリを6週間行いその後の歩行、バランス能力

について3ヶ月後まで追跡調査した。



次のようになった。

・強制体重移動グループでは麻痺足の体重支持能力が大きく改善していた。

・同様に、歩行速度も10%ほど優れていた。

・これらの効果は3ヶ月後にも持続していた。





強制体重移動リハビリを6週間続けたところ、

慢性期脳卒中患者の歩行速度、体重支持能力

の対称性が著しく改善し、その効果も持続することがわかった



というおはなし。






感想:

リハビリ病院にいたころ、私を担当してくれた療法士さんが

靴の中敷きをいじるのが好きだったので、なんとなく共感できた。


そのときにはすごくイイと思った。

2012年12月1日

自宅でCI療法ができるハイテクゲームをオハイオ大学が開発


XBOX Kinect Helps with Stroke Rehabilitation
2012  11月  アメリカ


アメリカでは年間70万人の脳卒中患者が生まれ、

その多くがリハビリテーションを必要としている。

しかし、自宅で必要なリハビリができている患者はその3分の1程度にとどまる。



自宅での上肢リハビリを楽しいものにするために

オハイオ大学では5000万円あまりの費用を投入して

マイクロソフトのキネクトセンサーを応用したリハビリゲームを開発した。



このゲームを使うと軽症上肢麻痺患者向けのCI療法を自宅に居ながら実践できる。



病院に通ってリハビリを受ける場合、その時間は非常に限られるため、

麻痺した手は次第に使用されなくなる。


このゲームを使えば、自宅に居ながら

コンピュータが患者の身体の動きを解析し、

適切な運動方法をゲームプレイを通して促してくれるので、


従来の病院で受けるリハビリよりも大きな効果が期待できる。


しかも人件費が節約できるので

患者にとっても 病院経営にとってもハッピーである、



というおはなし。




感想:

考え方が合理的過ぎて身も蓋もないと思う。


わざわざ病院に通うのは、

寂しいから療法士さんにかまってもらいたい、

っていう理由もけっこうあると思う。



それで、

かまってもらったお礼に

しばし回復したかのように振る舞ってあげる。



こういう相互依存の関係があるから

CI療法でも成果がでるし、論文も書ける。



なのに

『CI療法の指導はコンピュータにやらせておけ』

『患者は家でゲームでもやっていろ』

と言うのは 

どこか ちょっと違う と思うんだよね。






補足:CI療法は指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

1日に数時間、麻痺していない手の動きを制限して2週間生活するだけで麻痺手の使用率を高めることができると信じられている。


2012年11月30日

麻痺した脚に焼きを入れたあと急冷する拷問を8週間続けたら脳卒中患者が歩き出した


Effects of Noxious versus Innocuous Thermal Stimulation on Lower Extremity Motor Recovery 3 Months after Stroke.
2012  11月  台湾
脳卒中下肢麻痺患者への温度刺激効果を調べてみたそうな。


発症3ヶ月程度の脳卒中患者34人について、

下肢に与える温度別に

次の2つのグループに分けた。


47℃/2℃:痛みを感じるほどの高温、低温刺激グループ 

・40℃/24℃:比較グループ


各グループとも、

各回30分間×週3回×8週間 の温度刺激と

通常のリハビリを行い、12週間後まで追跡調査した。




次のようになった。

・痛いほどの温度刺激を受けたグループでは下肢運動機能が凄まじく改善した。

・比較グループではほとんど改善はなかった。

・この改善効果のグループ間の差は12週間後に最大になった。


8週間に及ぶ高温、低温刺激と

通常のリハビリとの組み合わせにより

下肢の運動機能が大きく改善し、

その効果が3ヶ月以上持続することがわかった




というおはなし。

図:温冷刺激と脳卒中麻痺

感想:

動物実験かと思ったら人間だったのでオドロイタ。

この記事↓を思い出した。
温度刺激治療で麻痺脚が動いた

2012年11月29日

ホームページでできる半盲治療


Web-based therapies help thousands of stroke survivors
2012  11月  イギリス




脳卒中で半盲になった人向けの

無料Webリハビリサービスが始まったそうな。



イギリスの大学が開発したWebサイト Read-Right にアクセスすると、

半盲リハビリに必要なアプリケーションを利用することができる。



これまでに194名の脳卒中半盲患者で検証実験をし、

半盲で弱っていた読字能力の回復を促してきた。


おかげで復職できた人も続出している。



インターネットを介して半盲脳卒中患者の自立支援をできることがわかった

というおはなし。




感想:

このサービスの紹介ビデオ


Read-Right ホームページ

画面上で右から左に流れる文字を一生懸命に読んでいると

目の走査能力が改善して自然に半盲が良くなるらしい。


このほかにもEye-Searchというサービスも用意されている。




ニコニコ動画もコメントが右から左にどんどん流れる。


使えるかもしれない。

2012年11月28日

リハビリウム"起立くん" が凄いと海外で話題に


Kinect game helps stroke victims walk again
2012  11月  オーストラリアのブログ




脳卒中患者の歩行リハビリ支援のゲームを日本の大学が開発したそうな。



キネクトセンサーを応用して九州大学が開発したゲーム(起立くん)

は 患者の起立動作を促すよう設計されている。



立ったり座ったりすることでゲーム中の樹が成長してゆき、

リハビリ意欲が持続する仕組み。


この樹のアイデアは "となりのトトロ" からヒントを得たという。




すでに80人を超える患者での検証実験も行われており、良好な結果が得られている。


このゲームは今年(2012)の12月に発売予定で、

価格は $1,166 - $1,748(10-15万円)になる、


というおはなし。





感想:

これ↓


たくさん売れるものではないから

15万円は良心的な価格だと思う。


欲しいと思うかは 別。


リハビリウム起立くん ホームページ

2012年11月27日

牛肉、ハム、ソーセージは脳梗塞のもと


Red and processed meat consumption and risk of stroke: a meta-analysis of prospective cohort studies.
2012  11月  中国


赤肉(牛肉、羊肉)、加工肉と脳卒中との関連を調べたそうな。


医学データベースから関連する過去の5つの研究を厳選した。

これら研究の患者データを統合し、

計23万人の被験者、9500件あまりの脳卒中事例を再解析したところ、


次のようになった。

・赤肉や加工肉を多く摂ると脳梗塞リスクが約1割増しになった。

・脳出血との関連は見られなかった。

・赤肉の摂取量が1日100g増えるごとに脳梗塞リスクが13%増加した。

・加工肉の摂取量が1日50g増えるごとに脳梗塞リスクが11%増加した。





過去の研究を再解析した結果、

赤肉や加工肉を摂ると脳梗塞リスクが高くなることがわかった



というおはなし。




感想:

これ↓思い出した。
牛肉を避けて脳卒中予防

【脳梗塞予防】 牛丼はやめて豚丼にしろ


2012年11月26日

脳出血の子供の予後について


Outcomes in Children With Hemorrhagic Stroke.
2012  10月  アメリカ
子供の脳出血の予後について調べてみたそうな。

脳出血で救命センターに入院した49人の子供の医療データを解析し、

患者と両親への面談を行い予後を調査した。


次のようになった。

・20人が脳出血で死亡した。

・生き残った者の多くは軽、中程度の神経症状だった。

・しかし、学業や身体機能に低下を来した者も多かった。

・血管奇形による患者の予後は非常に良かった。

・出血量が多かった者は予後も悪かった。

・入院初期の昏睡が必ずしも悪い予後につながるわけではなかった。


子供の脳出血死亡率は大人よりも低く、後遺症も比較的軽い。

しかし、学業能力の著しい低下を来す場合があることもわかった



というおはなし。
図:子供の脳内出血 予後


感想:

出血の場所によってはヤル気が吹き飛ぶから

学業成績の低下は全く不思議じゃない。


でも、それが悲しむべきことかどうかは考え方次第。



過去記事
子供の脳卒中、傾向と死亡率


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