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2016年1月3日

中枢性疼痛の割合と効いた薬


Central Post Stroke Pain Can Occur with Normal Sensation.
2015  12月  インド

脳卒中後の中枢性疼痛の特徴を調べてみたそうな。


319人の脳卒中患者について調査したところ、


次のことがわかった。

・20.7%が中枢性疼痛だった。

・彼らの年齢中央値は55歳、31.8%が女性だった。

・中枢性疼痛の発症時期、期間、部位は共通していなかった。

・中枢性疼痛の重症度と脳の損傷位置との関連はなかった。

・42.3%の患者は温度感覚や痛覚が正常だった。

・プレガバリン(商品名リリカ)が半数の患者の疼痛レベルを50%以上緩和した。

中枢性疼痛は脳卒中患者の20.7%に見られた。温痛覚が正常な患者も多くいたことから 脊髄視床路の損傷が条件ではないかもしれない。脳の損傷位置と疼痛の重症度との関連はなかった、


というおはなし。

図:中枢性疼痛


感想:

感覚が少し戻りかけたころだろうか、車いすの金属フレームに触れるたびに痛くて、静電気のせいだと思っていた。水に触れても痛いことがわかって、おやおや?と思った。

2016年1月2日

脳卒中で泣き笑いが止まらない患者の特徴


Clinical Features and Related Factors of Poststroke Pathological Laughing and Crying: A Case-Control Study.
2015  12月  中国

脳卒中のあとに病的な泣き笑い症状を示す患者の特徴を調べてみたそうな。


病的な泣き笑い症状のある脳卒中患者56人とない脳卒中患者56人の記録から脳の損傷位置、認知機能、怒りっぽさテストの結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・病的な泣き笑い症状の患者は軽度認知障害、怒り傾向が明らかに強かった。

・病的泣き笑い患者のほとんどに脳幹部の橋 両側に複数の病変を確認できた。

脳卒中後に病的な泣き笑い症状のある患者の多くは橋に病変があり、軽度認知障害、怒り傾向を示していた、


というおはなし。

図:泣き笑い

感想:

笑いが止まらなくなったことが何度かあったので関心をもった。

これ思い出した。↓
感情失禁になる患者の割合について

2016年1月1日

減塩指導したら死者続出


Reducing Salt Intake Might Harm Heart Failure Patients, Study Claims
2015  12月  アメリカ

心不全患者のさらなる高血圧予防のために減塩指導をしたところ 大変な結果になってしまったそうな。


心不全患者833人の3年間のフォロー記録から ナトリウム制限食の130人およびナトリウム制限なしの130人を抽出し、比較 解析したところ、


次のことがわかった。

・この間にナトリウム制限食の42%、制限なしの26%が死にかけて入院した。

・ナトリウム制限食の患者は死亡または入院するリスクが85%高かった。

心不全患者に減塩食を勧めると死んでしまいやすくなるのかも知れない、


というおはなし。

写真:食塩


感想:

こういう常識を覆す系のはなしはおもしろい。じつはこの数ヶ月間、糖質制限食に夢中なんだ、、

2015年12月31日

ミラーセラピーは早く始めた方がいいのか?


The effects of very early mirror therapy on functional improvement of the upper extremity in acute stroke patients.
2015  11月  トルコ

脳卒中上肢麻痺へのミラーセラピーの効果を、発症後早い時期に適用した場合で調べてみたそうな。


発症後10日前後の8人の脳卒中患者を2グループに分け、一方にはミラーセラピーを施した。

両グループには通常のリハビリも併行した。

これらを3週間継続したのち 上肢の感覚運動機能を比較したところ、


次のことがわかった。

・一連の治療後、両グループで有意な改善の差はなかった。

・ミラーセラピーグループに有害事象はなかった。

脳卒中発症後 早期の上肢ミラーセラピーに特筆すべき効果は確認できなかった、


というおはなし。

写真:ミラーセラピー


感想:

ふつーに考えたら早い方が効果的。

CI療法もそうなんだけど、早期に適用すると効果がない治療法っていうのはメンタル効果がとても大きいんだと思う。

2015年12月30日

療法士さんは機能的電気刺激(FES)使ってんの?


Physical Therapists' Use of Functional Electrical Stimulation for Clients With Stroke: Frequency, Barriers, and Facilitators.
2015  12月  カナダ

脳卒中患者の上下肢リハビリには機能的電気刺激(FES)が有効とされている。

実際にどのくらいの理学療法士がFESを採用しているものか調べてみたそうな。


298人の理学療法士にFESの利用頻度、知識、利用しない理由をアンケートして解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者へのFESは、歩行改善、上肢機能、筋力強化、感覚刺激、肩関節など あらゆる目的で利用頻度が低かった。

・52.6%の理学療法士はFESの利用を増やしたいと述べていた。

・40%以上はFESの脳卒中リハビリ効果に懐疑的だった。

・時間がない、機材がない、使い方がわからない などがFES利用を妨げる要因だった。

理学療法士はFESを脳卒中リハビリに あまり用いていなかった、


というおはなし。



感想:

自分が療法士だったら やはり採用しない。 

2015年12月29日

脳卒中患者をトランポリンに載せてみた


The effect of modified trampoline training on balance, gait, and falls efficacy of stroke patients.
2015  11月  韓国

脳卒中患者へのトランポリン訓練の効果を調べてみたそうな。


介助付きで2分間以上歩行可能な脳卒中患者24人について、半数にトランポリン訓練を施した。

訓練は、手すり付きトランポリンの上での体重移動、歩行、ジャンプなどを繰り返し、1回30分間x週3回x6週間行う。

全員には通常の理学療法訓練も施した。


次のことがわかった。

・両グループ共に訓練前に比べバランス能力、歩行能力、転倒恐怖感が明らかに改善した。

・さらにトランポリングループでそれら改善度が有意に高かった。


トランポリンを使った訓練により脳卒中患者のバランスや歩行能力、転倒恐怖感が著しく改善した、


というおはなし。

このひと↓片麻痺なんだって

よくみると右手は手すりを掴んでる



感想:

おもに自信がつくんだろね。

入院すると勝手な歩行は一切禁止で車いすが強制される。そして実際以上の重症感を抱く。トランポリンの危なっかしい体験は萎縮した感覚を解放する。

2015年12月28日

運転技術 損傷脳 左右での違い


A comparison of driving errors in patients with left or right hemispheric lesions after stroke.
2015  11月  韓国

脳卒中患者の自動車運転エラーが、ダメージ側が右脳か左脳かで違いがあるものか調べてみたそうな。

右脳損傷の脳卒中患者16人と左脳損傷の患者14人についてドライブシミュレーターを使って実験したところ、


次のことがわかった。

・シートベルト忘れやスピードコントロール、脱輪頻度 にグループ間の差はなかった。

・右脳損傷だと方向指示忘れやセンターラインはみ出し、トータルエラースコアが高かった。

・左脳損傷ではブレーキ反応時間が長かった。

損傷脳の左右別に運転技術に違いが生じた。運転リハビリではこの点に留意が必要だろう、


というおはなし。

図:自動運転 左右脳

感想:

右脳損傷だと右の手足がまともだから操作上は有利なんだけど、注意力に問題があるみたいなんだよなぁ、、、経験的に。

2015年12月27日

脳出血 手術を拒否する親族の気持ち


Treatment choice for patients with hemorrhagic cerebral stroke expected to be in a disabled condition -An analysis of questionnaire responses of patients' families.
2015  12月  日本

意識障害をともなう脳出血患者への外科的手術の適用の可否は通常 患者親族が決定することになる。

この決断に影響を与える要因を調べてみたそうな。


脳出血患者の親族30人と看護師18人について、
仮想状況として 患者を手術した場合の後遺症程度を4段階設け、
それぞれのケースでの手術希望をアンケートした。

また、自分が患者であった想定での選択にも答えてもらった。


次のことがわかった。

・後遺症が重くなるほど手術拒否が多くなった。

・自分が患者だったらどう考えるか、が決断に影響するもっとも大きな要因だった。

・看護師は、患者親族よりも手術を望む傾向にあった。

この種の決断は患者の事前の意志確認が望ましい。医療スタッフによる患者親族へのできるかぎり詳細な説明が必要である、


というおはなし。

図:植物状態だけど手術希望
感想:

原文が日本語(pdf)で読める。 とても興味深い内容だった。

『...で、このあと脳死が確認された場合にはですね、こちらの臓器提供同意書のほうに速やかにサインをしていただきたいのですが、、、』 と続くんだろか?

2015年12月26日

脳卒中後うつになりやすい人種が明らかに


Prevalence of Depression Among Stroke Survivors
Racial–Ethnic Differences
2015  12月  アメリカ

脳卒中後うつになりやすい人種を調べてみたそうな。


平均年齢64、発症後2年前後の脳卒中経験者556人について調査したところ、


次のことがわかった。

・黒人、白人、ラテン系アメリカ人を対象とした。

・ラテン系の2人に1人、黒人の4人に1人、白人の8人に1人がうつを経験していた。

・若い、女性、3つ以上の合併症、障害、社会サポートの欠如、がうつと関連する要因だった。

・ラテン系のうつになるリスクは黒人や白人の3倍だった。


ラテン系の脳卒中患者は他の人種に比べ明らかにうつになりやすい、


というおはなし。

写真:典型的ラテン系



感想:

これ思い出した。↓
ラテン系のメンタルは脳卒中に強いのか?

2015年12月25日

ボツリヌス療法、痙縮、疼痛の関連


Relationship Between Botulinum Toxin, Spasticity, and Pain: a Survey of Patient Perception.
2015  12月  カナダ

痙縮と疼痛のある脳卒中患者へのボツリヌス療法の効果を調べてみたそうな。


痙縮のある131人の患者について、疼痛の強さ、痙縮との関連、ボツリヌス療法後の主観的改善程度を評価したところ、

2015年12月24日

けいれん発作を起こした脳内出血患者は生存率が高い


Do Early Seizures Indicate Survival of Patients with Nontraumatic Intracerebral Hemorrhage?
2015  12月  ドイツ

脳内出血の早期にけいれん発作を起こす患者の回復度を調べてみたそうな。


平均年齢72、484人の脳内出血患者について調査したところ、


次のことがわかった。

・10.7%(52人)の患者に平均12日以内の早期けいれん発作があった。

・けいれん発作のあった患者の入院時の神経症状は発作のなかった者に比べ軽かった(NIHSS: 7 vs. 10)。

・出血位置を除けば発作の有無で患者の特徴に違いはなかった。

・大脳皮質の出血で早期けいれん発作が多かった。

・院内死亡率は 9.6 vs. 24.0% でけいれん発作グループが低かった。

・その後の日常生活指標が良好な者とけいれん発作の有無との関連は確認できなかった。

脳内出血患者の早期けいれん発作は生存率の高さと関連があった、


というおはなし。

図:脳内出血の院内死亡率


感想:

なぜだなんでだろう、、♪

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