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2012年10月5日

脳卒中後の視力障害は1ヶ月以内に回復する


Recovery From Poststroke Visual Impairment: Evidence From a Clinical Trials Resource.
2012  9月  イギリス



脳卒中後の視力障害からの回復について調べてみたそうな。



11900人分の脳卒中患者データベースから、

発症後30日、90日時点での水平眼球運動、半盲の有無について

データ抽出し、90日時点での自立度との関連も解析した。




次のようになった。


・61%の患者が視力障害を経験していた。

30日以内に完全回復した割合は、43%

90日以内に完全回復した割合は、45% だった。

・持続性の視力障害の割合は、30日で28%、90日で21%だった。

・部分的注視麻痺、固定した偏視、完全半盲の患者の90日時点での自立度はとても低かった。






脳卒中後の視力障害の回復は

最初の1ヶ月間に起きることがわかった



というおはなし。

2012年10月4日

【試されるコミュ力】あなたの手はもう動かないんだからね!


Breaking bad news in stroke rehabilitation: a consultation with a community stroke team.
2012  8月  イギリス



脳卒中医療の現場では患者に悪い知らせを

伝えなければならないシーンがよくある。



かといってそのための特別なトレーニングや

マニュアルがあるわけでもない。



そこで脳卒中リハビリに携わる関係者へ

心理コンサルティングを受けてもらい、

患者への悪い知らせの伝え方、内容、その影響

などについてチームでいろいろ考えてもらった。




その結果、

コンサルティングを受けたリハビリ関係者達は、

患者への難しいメッセージを伝えるための

自信と技術を身につけることができ、

この心理コンサルティングを高く評価した。


後日、現場でもこの心理的変化が実務に反映されていた。





脳卒中患者へ良くない知らせを伝えるためには

コミュニケーション能力が要求される。

そのための技術や自信は

心理コンサルティングによって補強できることがわかった



というおはなし。






感想:

当初、20代前半のカワイイ療法士さんに

『あなたの手がまた動くようになることはありません』

ってキッパリ言われた。 2度も。


でも可愛かったのでまったく不愉快に感じなかったし

悲しい気持ちにもならなかった。

(このひと月後に手は動くようになった)



思い出しながら、カワイイもコミュ力のうち… と思った。

2012年10月3日

女性と男性の違い 脳梗塞 日本


Effects of Sex Difference on Clinical Features of Acute Ischemic Stroke in Japan.
2012  8月  日本



脳梗塞の性別による違いを、日本人について調べたそうな。



2000-2007に日本中の162施設から

33953人ぶんの脳梗塞患者データを収集した。




次の結果が得られた。


・13323人の女性患者を含んでいた。

・脳梗塞発症平均年齢は男性69、女性75だった。

・女性は高血圧、脂質異常、心塞栓などが多かった。

・女性は、発症から病院到着までの時間が長く、

・神経症状も重く、入院期間が長かった。

・また、退院時の自立度も低かった。






日本の女性脳梗塞患者は男性に比べ

重症であることが多く、

入院も長く回復が遅いことがわかった



というおはなし。

図:脳卒中 男女差 回復



感想:

リハビリ病院のころ、

食事どき、食堂に集められて

ごはんを食べさせてもらっている患者は、

たしかに女性が多かった。


でも、いつも大勢集まって

明るく井戸端会議をしていたのも

女性だった。

2012年10月2日

【鍼治療】脳卒中 嚥下障害に効くのか?本当に


A meta-analysis of the efficacy of acupuncture in treating dysphagia in patients with a stroke.
2012  9月  中国




脳卒中嚥下障害の鍼治療効果について調べてみたそうな。




世界中の論文データベースから関連する過去の研究を抽出し、

データを再解析したところ、

次のようになった。


・72件の研究、3208人の鍼治療患者と

2926人の鍼治療なし患者のデータを厳選抽出した。


・多くは研究精度を高めるための工夫について具体的な記述が無かった。


・また、鍼治療は非常に効果があった、とする研究がほとんどだった。


・しかし研究の質は低く、一般の嚥下障害患者に

鍼治療を勧められるレベルではなかった。







脳卒中で嚥下障害になった患者への鍼治療は

効果があるのかもしれないが、

まだまだ詳しい研究が必要であることがわかった



というおはなし。

2012年10月1日

脳卒中対策はどこにお金がかかるのか


Economic burden of stroke in a large county in Sweden.
2012  9月  スウェーデン




脳卒中の経済負担の内訳を調べてみたそうな。



スウェーデンの人口150万人都市での

3074人の脳卒中患者にかかった発症から1年間の

直接的、間接的コストを推し量った。



次のことがわかった。


・男性は急性期病院での治療に主にコストがかかった。


・女性は、退院後のリハビリに要するコストが大きかった。


・若い患者は、病気による生産性の低下と健康維持のためのコストが非常に大きかった。







脳卒中により生じるコストの50%は急性期病院に、

40%はリハビリ等のケアに、10%が生産性の低下で説明できた



というおはなし。

2012年9月30日

ゲロを吐いて倒れた脳卒中患者の運命は?


Vomiting should be a prompt predictor of stroke outcome.
2012  9月  日本



脳卒中発症時の嘔吐と予後の関連を調べたそうな。



京都の脳卒中患者1968人について、

次のことがわかった。


・68.5%の患者が脳梗塞、23.3%が脳出血、7.7%がくも膜下出血だった。

・脳卒中患者の14.5%で嘔吐が見られた。

・嘔吐患者の内訳は、脳梗塞8.7%、脳出血23.7%、くも膜下出血36.8%だった。

・嘔吐した脳卒中患者の死亡危険率は3-5倍に達した。





発症時に嘔吐した脳卒中患者の死亡リスクは非常に高かった。

それなりの覚悟が必要である



というおはなし。



写真:vomitting

2012年9月29日

中国からの飛来物質が原因と思われる脳梗塞被害が福岡で多発!


Relationship Between Asian Dust and Ischemic Stroke: A Time-Stratified Case-Crossover Study.
2012  9月  日本


黄砂現象と日本の脳梗塞との関連を調べたそうな。


1999-2010に脳梗塞で入院した福岡の7429人について、

入院当時の気象状況、浮遊粒子状物質との関連を解析した。


次のことがわかった。


黄砂現象と脳梗塞全般との関連はあまり無かった。

・しかし、黄砂現象とアテローム血栓性脳梗塞とは非常に強い関連があった。

・ラクナ脳梗塞、心原性脳梗塞と黄砂現象との関連はまったくなかった。


黄砂現象にともないアテローム血栓性脳梗塞患者が増えることがわかった


というおはなし。

写真:黄砂のおかげ

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