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2013年8月28日

肩甲上神経ブロックで肩の痛み問題が解決!


Suprascapular Nerve Block for Shoulder Pain in the First Year After Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  8月  オーストラリア

脳卒中のあとの肩の痛みはよくある。
そこで肩甲上神経ブロックの効果をためしてみた。


発症1年未満で肩の痛みのある脳卒中患者64人について神経ブロック、または偽薬グループでの改善効果を12週間追跡調査した。


次のようになった。

・神経ブロックグループで著しい痛みの減少が見られた。

・4週間で痛みを半分にするのに必要な神経ブロック注射は4回だった。

・運動機能や生活の質にはおおきな変化はなく、副作用もなかった。


脳卒中片麻痺の肩の痛みは、肩甲上神経ブロックで改善できることがわかった、


というおはなし。

写真:肩甲上神経ブロック



感想:

たしかに肩がすごく痛かった。

なぜ痛くなるのか誰も説明してくれなかったし、未だによくわからない。


"肩甲上神経ブロック"で調べるとやってくれる施設がいっぱいでてくる。


2013年8月27日

よく眠れているものなのか男女で比較してみた


Subjective sleep quality in relation to objective sleep estimates: comparison, gender differences and changes between the acute phase and the six-month follow-up after stroke.
2013  8月  ノルウェー

脳卒中のあとの睡眠状況を調べてみたそうな。


100人の脳卒中患者について、急性期および6ヶ月後の睡眠状況を主観的、客観的に測定した。


次のようになった。

・急性期にくらべ6ヶ月後の方が睡眠の主観評価は良く、目が醒めている時間も短かった。

・両期間ともに、睡眠効率は低下し、頻繁に目が醒めていた。

・睡眠の主観評価と覚醒測定器の評価は急性期では一致していなかった。

・急性期、女性の主観的睡眠効率およびその質は男性に劣ったが、測定器の結果は真逆だった。

・男性は、6ヶ月後の主観的睡眠効率が概ね良好であった。


急性期、6ヶ月後共に、睡眠の質は低下し、睡眠覚醒パターンの乱れが記録された。その性差は急性期にのみ観察できた、


というおはなし。




感想:

女は文句は多いけど、実はよく眠れているってことと理解。


2013年8月26日

脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明


Long-term cortical reorganization following stroke in a single subject with severe motor impairment.
2013  8月  アメリカ

脳卒中のあとの運動機能が、脳の可塑性によって回復する様子を約2年間追跡してみたそうな。


中大脳動脈由来の脳卒中で重度の片麻痺になり、損傷脳側の運動誘発電位がない患者について7,9,10,13,20,21ヶ月後の運動機能と運動誘発電位の変化をTMSで調べたところ、


次のようになった。

・損傷していない側の脳の働きがどんどん変わっていった。

・一方、損傷側の脳は13ヶ月まで変化がなく、20-21ヶ月に劇的な変化が起きた。

・この間、運動機能は徐々に回復していった。


脳卒中で重度の運動障害を負った場合でも、発症後2年経ってなお脳の可塑性により運動機能が大きく回復し得ることがわかった、


というおはなし。

20ヶ月後に劇的変化


感想:

そうあってほしいものだ。


2013年8月25日

院内肺炎になる脳卒中患者には脳に共通点があった


Hospital acquired pneumonia is linked to right hemispheric peri-insular stroke.
2013  8月  アメリカ


脳卒中で入院後に罹る肺炎は主な合併症の1つである。
そこで、脳の損傷部位と院内感染性肺炎との関連を調べてみたそうな。


肺炎になった急性期脳卒中患者215人と、肺炎にならなかった患者で性別、年齢、神経症状のよく一致する別の215人について、脳の損傷部位との関連を比較、解析したところ、


次のようになった。

・肺炎グループには右脳損傷患者が多かった。

・非肺炎患者グループには左脳損傷患者が多かった。

・脳幹梗塞では肺炎グループ間の違いはなかった。

・特に、右脳の島皮質の梗塞と肺炎との関連が高かった。


右脳の島皮質は免疫の自律システムと関係があるんじゃないか、


というおはなし。

写真:島皮質

2013年8月24日

脳卒中じゃなくても病院に着くまえにどんどんtPAを注射しちゃえ!という近ごろの風潮について


Stroke Mimics under the Drip-and-Ship Paradigm.
2013  8月  アメリカ

近年、急性脳梗塞患者を病院に搬送する前に血栓溶解剤のtPAを注射してしまう処置(Drip-and-Ship Paradigm)が良い成績を収めている。その理由を調べてみたそうな。


過去1年間に急性期脳梗塞で入院した120人の患者データを見なおしたところ、


次のことがわかった。

・20人(16.7%)は最終的に脳卒中類似症状と診断され、すぐに退院した。

・このうち14人はヒステリー、6人はけいれん発作、片頭痛、低血糖だった。

・彼らは若く、精神疾患のあるものが多かった。

・脳卒中類似症状の20人のうち18人(90%)はtPAを注射された。

・この割合は、一般の急性脳梗塞患者のtPA注射率(65%)よりも高かった。

・tPAを打たれた脳卒中類似症状患者に出血などの合併症はなく、すぐに全員自宅へ帰った。

・搬送まえにtPAを打たれた患者83人のうち実に18人(21.7%)が脳卒中類似症状患者であり、一方 基幹病院でのその割合は5.4%に過ぎなかった。


病院搬送前にtPAを打ってしまう治療の成績が良く見えるのは、治療する必要の無い脳卒中類似症状の患者を数多く相手にしてしまうからなのでは?


というおはなし。



感想:

たまたま出血の事例がなかっただけで、ほんとは由々しき問題なんじゃないのかな?

2013年8月23日

脳卒中になると麻痺した手がなぜかむくむよね


Prevention and treatment of hand oedema after stroke.
2013  8月  オランダ

脳卒中後の手のむくみをとるための方法を試してみたそうな。


リハビリ病院の206人の脳卒中患者について、
手のむくみを取るスペシャルマッサージを受けるグループとなにもしないグループに分けて、隔週で手の体積を測定し、浮腫み度を判定、比較した。

次のようになった。

・スベシャルマッサージグループでは16%の患者が、比較グループでは21%がむくんだ。

・むくんでる期間は、マッサージグループが6.5週間、比較グループが3.1週間だった。


良かれと思って編み出した手のむくみを取るマッサージは、改善効果がほとんどないばかりかむくみが長期化する問題を抱えていた、


というおはなし。


図:手の浮腫 脳卒中後

感想:

たしかに退院してもしばらくむくんでた。

手の甲と指が赤くパンパンな状態が続いた。

足もそうだった。


感覚麻痺が強いとむくみやすいらしい


追記:

「肩手症候群」って知ってた? →肩が痛くなって手がむくむ

2013年8月22日

めまいから脳卒中を判別するゴーグル装置を開発


Quantitative video-oculography to help diagnose stroke in acute vertigo and dizziness: toward an ECG for the eyes.
Goggles help distinguish stroke, dizziness
2013  8月  アメリカ

めまいと脳卒中を簡単に区別できる装置を開発したそうな。


めまいは通常、内耳の感染症に由来する 一方、脳卒中の前兆症状でもある。

ベッドサイドでこれを区別することは非常に難しく、めまいを訴える多くの患者がCTやMRI検査を受けるが実際に脳卒中とわかるケースはそのうち3%に過ぎない。


このゴーグルは目の振動を高速カメラが捕捉し、その異常をコンピュータで自動診断できる。

実際にめまいを訴える患者12人についてこのゴーグル診断装置を用いた結果と MRIの結果を照らしあわせたところ、 

椎骨脳底動脈由来の脳卒中を100%正確に診断することができていた、


というおはなし。

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