元2024 3月 スペイン
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2024年4月23日
見間違い易い罠:夕方に潜む脳卒中ミミックの真実
2024年4月9日
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元2023 5月 デンマーク
2023年3月5日
MRIを撮ると脳梗塞が再発する頻度
元2023 2月 中国
2021年10月26日
脳梗塞でないのに血栓溶解治療されてしまう患者
元2021 9月 ハンガリー
2021年9月21日
脳卒中入院の半数はニセ者だった なぜなのか?
元2021 9月 ノルウェー
2020年4月11日
ニセ脳卒中の頻度と特徴
元
Stroke-mimics in stroke-units. Evaluation after changes imposed by randomized trials
2020 2月 フランス
脳卒中の血栓溶解治療の適応は4.5時間を超え拡張傾向にあり、機械的血栓除去術の適応時間はもっと長い。そのため治療を検討するべき患者数は増え、画像検査等にようする間接業務も増大している。
そこで、これら治療が必要のない脳卒中類似症状(stroke mimics)の患者をすばやく見分けるべく、その特徴と割合についてくわしくしらべてみたそうな。
2019年9月30日
軽いしびれやめまいがガチ脳梗塞の率 JAMA Neurol.
元
Rate and Prognosis of Brain Ischemia in Patients With Lower-Risk Transient or Persistent Minor Neurologic Events
2019 9月 カナダ
一過性脳虚血発作(TIA)の10-17%は90日以内に脳卒中をおこすという。
彼らのおよそ半数は運動や言語症状のない 軽いしびれやめまい ふらつきなどの症状が5分以下しか続かないケースであり、くわしい検査もなしに脳虚血ではない単なる類似症状とみなされることもすくなくない。
こういったばあいに本当に脳虚血が起きているケースがどのくらいの頻度であるものか、MRIの拡散強調画像(Diffusion Weighted Imaging:DWI)でくわしくしらべてみたそうな。
複数国の病院施設での、5分以下しか続かない軽いしびれやめまい症状から8日以内の患者1028人について、追加でMRIのDWIを撮り急性梗塞の有無を判定したところ、
次のことがわかった。
・135人(13.5%)がDWIポジティブで急性脳卒中と診断された。
・最終的に、脳卒中の取り消しも含め 308人(30.0%)の診断が覆った。
・これらローリスク患者の1年後再発率は0.7%で非常に低かった。
軽いしびれやめまいの一過性の患者をMRIで精査したところ、13.5%がほんとうの脳梗塞だった。MRI検査は欠かせない、
というおはなし。
感想:
お医者さんもめんどくさいからCTをサッと撮って「異常ありませんね」と家に帰す。
だから「MRIでディフュージョン撮ってください!」と言ってみよう。
2019年8月30日
Stroke誌:脳梗塞後の脳卒中類似症状の頻度と原因
元
Incidence and Etiologies of Stroke Mimics After Incident Stroke or Transient Ischemic Attack
2019 ノルウェー
脳卒中類似症状(stroke mimics)は脳虚血を原因としない神経症状で、脳卒中とのくべつがむつかしい。
また脳梗塞は再発のリスクが高い。
脳梗塞やTIAのあとの脳卒中類似症状の頻度とその特徴についての調査はまだないので再発の頻度や時系列パターンもふくめてくわしくしらべてみたそうな。
2007-2013 ノルウェーのハウケラン大学病院の脳梗塞とTIAの患者1872人について脳卒中類似症状と再発を5年前後フォローしたところ、
次のことがわかった。
・この間に339人で480回の脳卒中類似症状イベントが確認された。
・その頻度は年間1000人あたり58.7回で、再発の頻度34.0回を上回った。
・脳卒中類似症状と再発のリスクは初回脳卒中後1年間がもっとも高かった。
・脳卒中類似症状でもっともおおかった原因は、脳梗塞の後遺症(19.8%)、脳血管障害を疑わせる観察結果(15.6%)、感染症(14.0%)、けいれん発作(9.6%)、めまい(8.3%)、頭痛 片頭痛(7.7%)、失神(7.1%)だった。
・とくに上位2つの原因は初回脳卒中後の1ヶ月間に集中していた。
脳梗塞後の脳卒中類似症状の頻度は脳卒中の再発頻度よりも高かった。脳卒中類似症状には複数の原因がからんでいて、とくに初回脳卒中後はやい時期に集中していた、
というおはなし。
感想:
初回脳卒中の直後はみなが異変に敏感になっているからなんでもないことをおおげさにあつかうのは仕方がない。
じつは脳卒中でなかった割合 in Japan
2019年6月4日
脳卒中と認めてもらえない女性 JAMA Neurol.
元
Sex Differences in Presentation and Outcome After an Acute Transient or Minor Neurologic Event - Acute Coronary Syndromes
2019 5月 カナダ
重症度が中レベル以上の脳卒中のばあい症状のでかたが男女でことなることがしられていて、麻痺や言語障害といった典型症状は女性ですくない。
のちの機能回復度や生活の質も女性で低い傾向がある。
いっぽう脳梗塞患者の半数以上をしめる軽度または一時的な脳卒中の男女差についてはあきらかになっていない。
軽い神経症状の患者は最終的にその3分の1が脳卒中類似症状(stroke mimic)と分類されるという。
そこで軽度の脳卒中患者の入院時症状とその後の男女差を大規模にしらべてみたそうな。
2013-2017 複数の大学病院で、軽いもしくは一時的な脳虚血症状をしめす患者について、
その診断結果(脳梗塞 or 類似症状)および90日後の再発や死亡をフォローしたところ、
次のことがわかった。
・70歳前後の患者1648人を対象とした。
・MRIを撮っていても、女性が脳梗塞と診断される割合は相対比0.88で男性よりも低かった。
・しかし90日時点での再発や死亡のリスクに差はなかった。
・入院時の症状(局在 or 非局在)にあきらかな男女差はなかった。
軽い脳卒中では入院時の症状が男女おなじであっても女性のほうが類似症状とみなされることがおおかった。再発リスクに男女差がなかったことからこれら類似症状扱いされた女性は2次予防指導をうける機会を逸したと考えられる、
というおはなし。
感想:
女性は片頭痛や精神ストレスで病院にかかることがおおいため「またか...」と思われてしまうことが理由ではないか、と言ってる。
じつは脳卒中でなかった割合 in Japan
2019年1月18日
じつは脳卒中でなかった割合 in Japan
元
Stroke Mimics and Accuracy of Referrals Made by Emergency Department Doctors in Japan for Patients with Suspected Stroke
2019 1月 日本
救急医療の現場では脳卒中ではない患者を脳卒中と診断してしまいのちに脳卒中類似症状(Stroke mimics)だったとわかるケースが発生する。
その結果、必要としない患者に血栓溶解治療が施されるなどの問題が生じている。
診断をミスする背景として、日本ではCTやMRIの情報量が非常におおいこと、皆保険制度で個人の負担が少ないこと、医師の数が足りていないこと、ガイドラインで治療をせかされていること、などが考えられる。
日本での脳卒中類似症状についての規模のおおきい報告はほとんどないので、しっかりとしらべてみたそうな。
救急救命部で脳卒中と診断された患者226人について、のちに神経外科医によって下された診断結果とを比べたところ、
次のようになった。
・71.7%については診断は正しかった。
・残り28.3%の脳卒中類似症状のうち75%はただの精神症状やめまいなど脳の損傷とは関係のないものだった。
・診断ミスの直接の理由として、思い込みがもっともおおく43.8%、問診不十分32.8%、読影知識の不足、検査結果の見落とし、これらの組み合わせ が挙げられた。
救急救命医による脳卒中診断の3分の1は正しくなかった、
というおはなし。
感想:
みんなが急げ急げって言うから誤診が増えるようだ。↓
急いで病院に行くと脳卒中でもないのに血栓溶解治療されてしまう危険性について
2018年6月25日
4分の1が血栓溶解治療で悪化
元
Intravenous Thrombolysis May Not Improve Clinical Outcome of Acute Ischemic Stroke Patients Without a Baseline Vessel Occlusion
2018 6月 オーストラリア
血栓溶解治療の薬であるアルテプラーゼは脳梗塞の発症から4.5時間以内であれば有効とされている。
いっぽう脳梗塞患者の39%はCTの血管撮影であきらかな血管閉塞が確認されていないという報告がある。この理由として CT検査時での自然開通、血行動態による脳梗塞、じつは脳卒中でない、などが考えられる。
アルテプラーゼの有効性についてこれまでの研究のおおくは血管閉塞の有無を区別していないので、あらためて血管閉塞していない患者へのアルテプラーゼの効果を検証してみたそうな。
発症から4.5時間以内に入院できた脳梗塞患者でCT血管撮影をしたラクナ梗塞でないタイプ1277人の記録を解析したところ、
次のことがわかった。
・このうち24%には血管閉塞がみられず、さらにその半数に血栓溶解治療がおこなわれた。
・血管閉塞がみられないのに血栓溶解治療をうけた患者はなにもされなかった患者よりも回復が悪く、
・mRSが0-1に相当する回復良好者の割合は 56% vs. 78.8% とあきらかに少なかった。
血栓溶解治療に適した患者のうち4分の1には血管閉塞がみられず、彼らへの血栓溶解治療により状態がさらに悪化した、
というおはなし。
感想:
CT血管撮影は注射1本ですぐできる。これ↓わたしのCT脳血管動画。
2015年7月13日
急いで病院に行くと脳卒中でもないのに血栓溶解治療されてしまう危険性について
元
Do efforts to decrease door-to-needle time risk increasing stroke mimic treatment rates?
2015 6月 アメリカ
血栓溶解治療を急ぐほど脳卒中でない患者に薬を打ってしまう可能性が高まる。
実際にどのくらいそういった例があるのか、調べてみたそうな。
2010年1月から2014年2月にかけて、大学病院に入院して血栓溶解療法を受けた脳卒中患者の、病院到着から血栓溶解療法開始までの時間と 脳卒中類似症状だった者の推移を解析したところ、
次のことがわかった。
・この間に "病院到着から血栓溶解療法開始までの時間"は89分→56分に短縮した。
・脳卒中類似症状だった患者の割合は、6.7%→6.7%→12.9%→30.0% と増加した。
血栓溶解治療を急かされる気持ちもわかるけど、お医者さんはもっと注意してね、
というおはなし。
感想:
類似症状患者はおおむね若いから、多少無茶しても出血しない ってどこかで読んだ、、
自分だったら、救急車呼ぶべきかどうか悩む余裕があるなら、2-3時間お茶でものんでくつろいでみるけどな。
2015年4月8日
ホントは脳卒中じゃないのに血栓溶解療法やってしまって大丈夫なの、、?
元
Safety of Intravenous Thrombolysis in Stroke MimicsProspective 5-Year Study and Comprehensive Meta-Analysis
2015 3月 ギリシャ
脳卒中患者の病院到着から血栓溶解療法開始までの時間を急ぐと、実は脳卒中でない類似症状の患者にまでrtPAを打ってしまうことが起きる。
そこのところの安全性を検証してみたそうな。
脳卒中の救急救命センターに入院してきた患者について調査したところ、
次のことがわかった。
・5年間に516人の患者に血栓溶解療法を施した。
・そのうち脳卒中類似症状の患者は75人いた。
・血栓溶解療法後に脳内出血を起こした類似症状患者は1人のみで、舌の血管浮腫事例も無かった。
・ついでに 8942件の血栓溶解治療データを含む9件の過去の論文データを再解析したところ、脳卒中類似症状患者への血栓溶解療法後に脳内出血が起きる割合は0.5%だった。
・類似症状患者が治療後に脳内出血を起こすリスクは明らかに低く、回復も良好だった。
脳卒中類似症状患者への血栓溶解療法の安全性が今回の経験および過去の研究からも確認できた、
というおはなし。
感想:
こういう話は信用しないことにしてる。
でも病院が好きな人ならちょっと頭痛いときはすぐに救急車呼んで、心ゆくまでいろんな治療してもらうといい。
2015年3月28日
TIAや軽い脳卒中のあと再発する割合は、、
元
Four Year Follow Up of Transient Ischemic Attacks, Strokes, and MimicsA Retrospective Transient Ischemic Attack Clinic Cohort Study
2015 3月 イギリス
軽症脳卒中やTIA患者に迅速に対応する専門外来「TIAクリニック」を訪れた患者のその後を調べてみたそうな。
1万人あまりの患者を約4年間追跡調査したところ、
次のことがわかった。
・患者の内訳はTIA32%、軽症脳卒中18%、類似症状50%だった。
・その後脳卒中になった者は、TIAの7.1%、軽症脳卒中の10.9%、類似症状の2.0%だった。
・TIAまたは軽症脳卒中患者が90日後に脳卒中になる割合は1.3%だった。
・類似症状者と比べた時の死亡リスクは、TIAで1.7倍、軽症脳卒中で2.2倍だった。
TIAや軽症脳卒中になった患者が90日後にまた脳卒中になる割合が通常よりも小さかった。TIAクリニックは効果があるのかも知れない、
というおはなし。
感想:
通常 TIAのあと5%くらいの人が数ヶ月以内に脳卒中になるという。でも1年、2年経つと 再発する人はやっぱり再発するんだと思う。
患者の半分が類似症状者だから、TIAクリニックってのは人騒がせな患者をフィルタリングする役割も担ってんだろな。
2014年11月29日
TIA(一過性脳虚血発作)には本物と偽者があるらしい
元
Differentiation of true transient ischemic attack versus transient ischemic attack mimics.
2014 7月 イラン
一過性脳虚血発作(TIA)が疑われた患者のうちTIAではなかった者がどのくらいいるのかを調べてみたそうな。
脳卒中センターに入院してきてTIAを疑われた患者について3ヶ月間フォローし、診断を確定させた。
次のことがわかった。
・310人の患者(男性59%、女性41%)がTIAを疑われた。
・そのうち10%の患者がTIA類似症状だった。
・類似症状の患者は本当のTIA患者より14歳ほど年齢が若かった。
・本当のTIA患者には高血圧、失語、症状の継続、高齢といった特徴があった。
・TIA類似症状の主な原因は片頭痛だった。
・麻痺、感覚障害、片目が見えなくなるなどの症状では類似症状との区別がつかなかった。
TIAが疑われた患者のうち10人に1人は類似症状だった。両者を判別するのはなかなか難しい、
というおはなし。
感想:
TIA自体が脳卒中の類似症状のような印象を持っていたので関心を持った。
高齢者の脳卒中のうち13%は脳卒中ではなかった
『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』
2013年8月24日
脳卒中じゃなくても病院に着くまえにどんどんtPAを注射しちゃえ!という近ごろの風潮について
元
Stroke Mimics under the Drip-and-Ship Paradigm.
2013 8月 アメリカ
近年、急性脳梗塞患者を病院に搬送する前に血栓溶解剤のtPAを注射してしまう処置(Drip-and-Ship Paradigm)が良い成績を収めている。その理由を調べてみたそうな。
過去1年間に急性期脳梗塞で入院した120人の患者データを見なおしたところ、
次のことがわかった。
・20人(16.7%)は最終的に脳卒中類似症状と診断され、すぐに退院した。
・このうち14人はヒステリー、6人はけいれん発作、片頭痛、低血糖だった。
・彼らは若く、精神疾患のあるものが多かった。
・脳卒中類似症状の20人のうち18人(90%)はtPAを注射された。
・この割合は、一般の急性脳梗塞患者のtPA注射率(65%)よりも高かった。
・tPAを打たれた脳卒中類似症状患者に出血などの合併症はなく、すぐに全員自宅へ帰った。
・搬送まえにtPAを打たれた患者83人のうち実に18人(21.7%)が脳卒中類似症状患者であり、一方 基幹病院でのその割合は5.4%に過ぎなかった。
病院搬送前にtPAを打ってしまう治療の成績が良く見えるのは、治療する必要の無い脳卒中類似症状の患者を数多く相手にしてしまうからなのでは?
というおはなし。
感想:
たまたま出血の事例がなかっただけで、ほんとは由々しき問題なんじゃないのかな?
2013年7月10日
高齢者の脳卒中のうち13%は脳卒中ではなかった
元
Conditions that Mimic Stroke in Elderly Patients Admitted to the Emergency Department.
2013 7月 トルコ
脳卒中の疑いで救急搬送されてきた患者のうち脳卒中でなかった者の特徴を調べてみたそうな。
救急部で脳卒中とされた65歳以上の患者について記録を再調査したところ、
次のようになった。
・671人の患者のうち、87.3%(586人)は脳卒中で、12.7%(85人)は脳卒中類似症状と診断された。
・類似症状とされた85人は、実は救急部で脳梗塞またはTIAと診断されていた。
・種々の検査の結果、この85人のうち16人は正確には 椎骨脳底動脈循環不全 とされ、
・65人はすぐに帰宅し、18人のみが入院した。
脳卒中で救急搬送された高齢患者のうち、12.7%が脳卒中類似症状に当てはまることがわかった、
というおはなし。
感想:
脳卒中類似症状関連の記事を思い出した。
『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』
脳梗塞でもないのにrt-PA治療されてしまうことがたまにある
2013年5月22日
『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』
元
Predictors of Acute Stroke Mimics in 8187 Patients Referred to a Stroke Service.
2013 5月 アメリカ
脳卒中の疑いで入院してきた患者が実は脳卒中ではなかった、ということがある。
その頻度をよーく調べてみたそうな。
10年間8187人ぶんの患者データを解析した結果、
次のようになった。
・30%が脳卒中類似症状の患者だった。
・彼らは、若く、女性が多い、脳卒中リスク要因がない、などの特徴があった。
・脳卒中類似症状患者は、白人よりも黒人で多かった。
・高血圧や心房細動、高脂血症がない場合、脳卒中類似症状の可能性が高かった。
脳卒中で入院してきた患者の3分の1は、実は脳卒中ではなかった、
というおはなし。
感想:
じゃいったい何の病気なの?
と思って見つけた記事↓
救急隊員と脳神経科医の連携でstroke mimicsを適正に鑑別
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