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2015年9月17日

脳卒中になりやすい いびきの特徴


Self-reported obstructive sleep apnea, simple snoring, and various markers of sleep-disordered breathing as predictors of cardiovascular risk.
2015  9月  フィンランド

いびきや睡眠時無呼吸の自覚と脳卒中など心血管疾患との関連を調べてみたそうな。


30歳以上5177人の健常者に睡眠についてアンケート調査を行い、11年間ほど追跡したところ、


次のことがわかった。

・この間に634人が心血管疾患になった。

・閉塞性睡眠時無呼吸の自己申告があると心血管疾患になりやすかった。

・いびきそれ自体は心血管疾患との関連はなかったが、

・頻繁に呼吸が止まったり、いびき音が非常に大きかったり、不規則だったりした場合、心血管疾患リスクが確認できた。


いびきそれ自体は問題なかったが、睡眠呼吸障害を疑わせるいびきや自己申告性の閉塞性睡眠時無呼吸は脳卒中など心血管疾患と関連があった、


というおはなし。

図:いびき

感想:

いびき録音アプリが役にたつだろうな。初めて聴いたときは衝撃的だった、、

2015年9月16日

重症の脳卒中で延命治療を中止すると何日で死んでしまうの?


Comparing withdrawal and non-withdrawal of life-sustaining treatment among patients who died from stroke.
2015  9月  ノルウェー

脳出血のおよそ3分の1、脳梗塞の3-9%の患者は院内で死亡する。

重症で回復の見込みが無い場合、家族と相談のうえ水分や栄養補給を含めたすべての延命治療を中止する場合がある。

そこで、延命治療中止後なん日くらいで患者が死亡するものなのか調べてみたそうな。


ヘルシンキ大学病院 2006-2011の脳卒中入院患者2506人の医療記録から、該当する事例を抽出して 解析したところ、


次のことがわかった。

・50人の重症患者で延命治療が中止された。

・中止から死亡するまでの日数中央値は4日で、

・4分の1が1週間以上生存した。

・高齢、男性、高CRP、脳出血の患者は中止後はやくに亡くなった。


延命治療中止後1週間、患者の4分の1は生存していた、


というおはなし。

図:延命治療
最長でも11日間、、


感想:

ときどき、「2週間意識なかった」とか言ってるブログ見かけるんだけど、延命治療してなかったら干からびてしんでるんだよね、、

2015年9月15日

脳卒中で姿勢が乱れやすいのは右脳か左脳か!?


Hemispheric specificity for proprioception: postural control of standing following right or left hemisphere damage during ankle tendon vibration.
2015  9月  フランス

右脳損傷の脳卒中患者は姿勢が不安定になりやすいといわれている。

これを実験で確かめてみたそうな。


右脳損傷患者12人、左脳損傷患者14人、健常者20人について、

麻痺足、非麻痺足または両足に振動刺激(80Hz,20秒)を与えて、立位での姿勢動揺を観測した。

腓骨部またはアキレス腱を振動刺激部位とした。


次のようになった。

・アキレス腱を振動刺激したときに姿勢動揺がもっとも大きかった。

・麻痺足よりも非麻痺足のアキレス腱を刺激したときに後方への姿勢動揺が大きかった。

・左脳損傷患者は振動刺激直後は動揺したが、徐々に安定した。

・右脳損傷患者は姿勢動揺が収まらなかった。

・両足の振動刺激時、姿勢が再安定するまでの時間は右脳損傷患者がもっとも長かった。


脳卒中患者の姿勢は、右脳損傷でかつ深部感覚が乱されたときに大きく変動した、


というおはなし。


感想:

右脳損傷→左片麻痺だから、こういうこと↓なんだよな、、
左片麻痺は転倒に注意! 繰り返す 左片麻痺は転倒に注意

2015年9月14日

ロシア人がすすめる脳卒中後の肩の痛みに効く薬


The principles of pharmacotherapy of poststroke shoulder pain.
2015  9月  ロシア

脳卒中後の肩の痛みと治療法について調べてみたそうな。


213人の脳卒中患者で いろいろな薬物の効き目を調査したところ、


次のことがわかった。

・回復期前半では16.4%の患者が、後半では35.9%が肩の痛みを訴えていた。

・各薬物の有効性は、回復期の前半/後半 でそれぞれ、

・非ステロイド性抗炎症薬 33%/12%

・アミトリプチリン 24%/42%

・ガバペンチン 10%/13%

・リドカイン 95%/100%

・チザニジン 29%/33%


これらの薬物処方で76%の患者が肩の痛みから解放された、


というおはなし。

図:肩の痛み


感想:

76%ってほんとうか? そんなに効くのか???

2015年9月13日

所得格差と脳卒中死亡率


Income Inequality, Economic Growth and Stroke Mortality in Brazil: Longitudinal and Regional Analysis 2002-2009.
2015  9月  ブラジル

脳卒中は世界の死亡原因の10%以上を占め、その多くは低中所得国で起きている。

ブラジル国内での所得格差と脳卒中死亡率との関連および 1人あたりのGDPの影響を調べてみたそうな。


2002-2009の脳卒中死亡率、所得格差を示すジニ係数を求め、1人あたりのGDPとの関連を含め解析したところ、


次のことがわかった。

・所得格差はそれ自体が脳卒中死亡率と関連していた。

・1人あたりのGDPの向上は、脳卒中死亡率のへの所得格差の影響をわずかに軽減するのみだった。

・ジニ係数の10ポイントの減少は、脳卒中死亡率の18%の低下に相当した。


ブラジルでは所得格差と脳卒中死亡率が明らかに関連していた、


というおはなし。


感想:

日本の所得格差って縮小傾向にあるんだって、、ピケティが言ってた。

2015年9月12日

中枢性疼痛の治療法と効果について


Management of Central Poststroke PainSystematic Review of Randomized Controlled Trials
2015  9月  カナダ

脳卒中患者の中枢性疼痛は慢性的に続く神経障害である。

その数ある治療法の効果を総括してみたそうな。


関連する過去の研究から信頼性の高いものを厳選して、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・計459人の被検者を含む8件の研究成果が見つかった。

・それらは、抗けいれん薬、抗うつ薬、オピオイド系鎮痛薬、rTMS、鍼についての研究だった。

・いずれの治療法も 痛みに対しほとんど効果がないか何の影響ももたらさなかった。

・治療の確からさはきわめて低いレベルにあった。


これまでの研究を精査したところ、中枢性疼痛の治療ガイドラインに沿わない結論になってしまったが、実際に治療効果を示せないのだからしょうがない、


というおはなし。



感想:

rTMSと鍼はともかく、薬物系も役に立たないのは別の意味でつらい。

2015年9月11日

ワレンベルグ症候群で顔面に触覚障害があった例


Ipsilateral Facial Tactile Hypesthesia in a Patient with Lateral Medullary Syndrome.
2015  9月  日本

延髄外側症候群いわゆるワレンベルグ症候群の患者ではさまざまな感覚障害が報告されている。症状は、梗塞と同側の顔面および反対側の体幹、四肢の温痛覚障害が典型的である。触覚が障害されることはほとんどない。

ワレンベルグ症候群の35歳男性でちょっと変わった症状があったそうな。


彼の神経症状とMRIを照らし合わせた結果、


次のことがわかった。

・後下小脳動脈解離により左側延髄外側に梗塞が起きた。

・左側顔面に触覚と温痛覚の障害があった。

・右側上下肢に温痛覚障害があった。


触覚には識別に関わる触覚と、温痛覚のような原始性触覚があり、顔面は識別性触覚と考えられている。

ワレンベルグ症候群についてこれまでは温痛覚にのみ注目していたが、今回の顔面の触覚障害のケースから、原始性触覚の神経解剖学的な経路について重要な情報が得られたと考える、


というおはなし。

図:ワレンベルグ症候群

感想:

ワレンベルグ症候群って患者ブログなどでたまーに目にする。なんのことやらよくわからなかったので この機会にと思い取り上げた。

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