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2016年9月7日

じつは上肢リハビリがほとんど行われていなかった!


What is current practice for upper limb rehabilitation in the acute hospital setting following stroke? A systematic review.
2016  7月  オーストラリア

脳卒中の急性期は回復著しくリハビリ成果のあがる時期である。

そこで理学療法PT、作業療法OTに費やされる時間を求めてみたそうな。


脳卒中の発症後およそ30日以内のリハビリに関する過去の研究を厳選してPT OTに要した時間のうち上肢リハビリに費やした時間も調べたところ、


次のことがわかった。

・被験者3236人を含む7つの研究がみつかった。

・PT+OTの総時間は1日あたり平均36.7分で、

・そのうち7.9分 21.4%のみが上肢リハビリにあてられていた。

脳卒中の急性期リハビリのPT OTの総時間のうち上肢リハビリにあてられる時間はほんの僅かだった、


というおはなし。
図:上肢リハビリに割く時間

感想:

歩行訓練は付き添っていないと危ないから必然的に時間を食う。

それに対して上肢リハビリは患者ひとりでできる。しかも訓練量が成果に反映せず 回復できる人はなにもしなくても勝手に良くなることが経験的によくわかっている。

だから省略しちゃうんだね。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

2016年9月6日

脳卒中後の認知症は亡くなるサイン


Association of dementia with death after ischemic stroke: A two-year prospective study.
2016  9月  中国

脳卒中のあとに認知症になった患者の生存率を調べてみたそうな。


619人の脳梗塞患者について、入院中と3ヶ月後に認知症検査を行い、2年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・23.6%が脳卒中のあとに認知症と診断された。

・フォロー期間中の生存率は、認知症ありで49.3%、認知症なしだと92.5%だった。

・認知症があると死亡リスクは7倍で、

・この関連は年齢、心房細動、脳卒中歴、重症度に依らなかった。

脳卒中後の認知症は非常におおきな死亡要因の1つであり、この関連は年齢や心房細動、脳卒中歴、重症度に依らなかった、


というおはなし。

図:脳卒中後の認知症と生存率

感想:

年齢、重症度によらないってとこがこわい。

2016年9月5日

脳梗塞患者が何歳ぶん老化がすすんでいるのかわかった


Ischemic stroke patients are biologically older than their chronological age.
2016  8月  スペイン

DNAの特定領域のメチル化率には生物学的な老化度が反映されていると考えられる。

そこで、脳梗塞患者についてメチル化率を調べ健常者との比較から経時的な年齢と生物学的な年齢を比べてみたそうな。


39-82歳、82人の脳梗塞患者および41人の健常者について、
イルミナ社のDNAチップを用いてCpGサイトのメチル化解析を行ったところ、


次のことがわかった。

・同年齢の健常者に比べ、脳梗塞患者の生物学的な年齢は平均で2.5歳高かった。

・年齢層別にみると、57歳以下の脳梗塞患者では健常者よりも生物学的年齢が明らかに高く、

・年齢が高くなるほどこの差は小さくなった。

脳梗塞患者は同年齢の健常者よりも生物学的年齢が高かった、


というおはなし。
図:脳梗塞患者の実年齢と生物学的年齢



感想:

15年ほどまえ、メチル化解析を1文字ずつせっせとやってた思い出。

グラフみるとたとえば45歳で脳梗塞だと55歳相当だな、、

2016年9月4日

麻痺した足を動かしてあげたら脳も頑張ってた


The Effect of Passive Movement for Paretic Ankle-Foot and Brain Activity in Post-Stroke Patients.
2016  8月  ハンガリー

脳卒中で麻痺した足の受動運動の繰り返し効果とその際の脳活動を調べてみたそうな。


64人の脳卒中患者について、
30分間の底屈 背屈を自動的に行う受動グループ49人とそうしない15人にわけた。

並行して受動運動直後のfMRI測定もおこなった。


次のことがわかった。

・受動運動グループでは痙縮度が低下し、

・底屈 背屈の可動域が増え、

・尖足が明らかに改善した。

・麻痺した足首の受動運動により反対側の中心前後回 上側頭回に活動がみられ

・同側の中心後回や小脳にも反応が確認できた。

麻痺足首の受動的な繰り返し運動により関節可動域と痙縮が改善し、両側の関連する脳皮質にも反応が見られた、


というおはなし。

写真:足首受動運動


感想:

うごかしてもらってるだけなのに体性感覚のみでなく運動野も反応すんだね、、

2016年9月3日

6年後にも疲労で悩んでいる脳卒中経験者の割合は


Self-Reported Fatigue and Associated Factors Six Years after Stroke.
2016  8月  スウェーデン

慢性的な疲労は脳卒中のあとに珍しくない。長期的にどのくらいの患者が疲労に悩まされているのか調べてみたそうな。


脳卒中患者102人を6年ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・6年後 37%の患者が疲労を訴えていた。

・脳卒中が軽症よりも中等度以上の患者で疲労は多く、

・うつや不安障害の兆候を示す者も多かった。

脳卒中から6年後、3分の1の患者が疲労を日常生活上の問題と感じていた、


というおはなし。





感想:

疲労問題にはだいぶん慣れた。
当初の疲労感があまりにすごかったばかりに、疲れそうなことを無意識に回避する癖が染み付いてしまったような気もする、、

たとえば ロングドライブにはまっっったく関心がなくなってしまった。

2016年9月2日

失音楽症と関係する脳の場所がわかった


Neural Basis of Acquired Amusia and Its Recovery after Stroke.
2016  8月  フィンランド

失音楽症は音の細かい高さやリズムがわからなくなる症状で、脳卒中のあとによく経験される。これが脳のどの部位と関係しているのか調べてみたそうな。


77人の脳卒中患者について、急性期と3,6ヶ月後にMRI撮影および失音楽症、失語症の検査を行った。
この結果をVLSM解析して脳の損傷部位との関連を求めたところ、


次のことがわかった。

・失音楽症は右脳の上側頭回、横側頭回、島皮質、線条体の損傷と関連していて、

・失語症でのパターンとは明らかに異なっていた。

・失音楽症が回復しなかった患者の右の上 中側頭回の灰白質体積が明らかに減少していた。

・この脳萎縮パターンは、失音楽症のリズムの障害、音の高さの障害で はっきりと異なっていた。

脳卒中後の失音楽症は右脳 側頭の皮質下の領域と深い関係にありそうである、


というおはなし。
図:失音楽症と脳の部位


[失音楽症]の関連記事


感想:

じぶんは↓(動画) まさにその辺りに出血おこしたわけで、


発症数日後にiPodで音楽聴いたら 茶碗か空き缶を連打しているように聴こえて 『あらあら こんなとこまでやられたのか、、』と思った。

2016年9月1日

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!


Enhanced apoptosis from early physical exercise rehabilitation following ischemic stroke.
2016  8月  中国

脳卒中後の回復は リハビリをどのタイミングで始めるかにかかっている。虚血による脳の細胞死(アポトーシス)と関連タンパク質からこれを調べてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミについて、再還流後

*6時間(ネズミの超早期に相当)
*24時間
*3日

の各時点でリハビリ(回転棒運動30分)を開始するグループに分け、アポトーシスとその促進タンパク質の量を測定した。


次のことがわかった。

・全体として 脳虚血により脳の細胞死が明らかに増加した。

・運動させない場合にくらべ、6時間後に運動させたグループでのみ細胞死が激増した。

・24時間、3日後のグループでは細胞死のさらなる増加はなかった。

・細胞死の増加には促進タンパク質 BAX と caspase-3 が関わっていたが、Bcl-2は関連がなかった。

脳虚血後、超早期リハビリによってアポトーシス促進タンパク質が増え 脳細胞がどんどん死んだ、


というおはなし。

図:超早期リハビリの害

感想:

効果ないばかりか害なんだな、、↓
ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

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