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2016年9月28日

脳内出血でまもなく亡くなってしまう患者の特徴


Predictors of 30-day mortality in patients with spontaneous primary intracerebral hemorrhage.
2016  8月  ドイツ

脳内出血患者の死亡率は高い。

そこで30日以内に亡くなる割合と、予後不良患者の特徴を調べてみたそうな。


平均年齢67、突発性脳内出血患者342人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者102人が外科手術を受け、240人は保存療法だった。

・30日死亡率は25.15%だった。

・死亡率が高く予後の悪いハイリスクグループは、入院時グラスゴーコーマスケールが11未満で血腫体積が32mLより大きかった。

突発性脳内出血患者の30日死亡率は25%で、入院時の意識状態と血腫の大きさをみれば予後の良し悪しがわかる、


というおはなし。
図:脳内出血と回復度

感想:

上のグラフみると low riskグループがぜんぜんLowじゃないのな、、

2016年9月27日

くも膜下出血が大きな病院を選ぶべき理由


Impact of hospital case-volume on subarachnoid hemorrhage outcomes: A nationwide analysis adjusting for hemorrhage severity.
2016  9月  アメリカ

くも膜下出血の予後は入院した病院の年間症例数に依るとする報告がある。

この点を入院時の重症度も含めて検証してみたそうな。


206-2011の診療報酬データベースから11607件のくも膜下出血患者記録を抽出して 各患者の重症度を考慮に入れて解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の67%が年間症例数20件以上の病院で、33%が20件未満の病院だった。

・血管内治療は 58.5% vs 51.2%で高症例数病院で多く、

・他病院から送られて来た患者も 35.4% vs 19.7%で高症例数病院が多かった。

・高症例数病院の院内死亡率は0.82倍、回復良好率は1.16倍だった。

くも膜下出血の重症度を考慮にいれても、年間症例数の多い病院ほど院内死亡率が低く 機能回復率も高かった、


というおはなし。
図:くも膜下出血と年間症例数

感想:

これ↓思い出した。
手術件数が少ない病院だと生きて帰れないの? くも膜下出血のバアイ

2016年9月26日

TIAのあとまもなく脳梗塞になる日本人の割合と特徴


Incidence, predictors, and etiology of subsequent ischemic stroke within one year after transient ischemic attack.
2016  9月  日本

TIA(一過性脳虚血発作)のあとは脳梗塞のリスクが非常に高まると言われている。

どんなTIA患者が脳梗塞を起こしやすいのか、日本人について調べてみたそうな。


2011-2013に57の病院にかかったTIA患者1245人を1年間フォローしたところ、


次のようになった。

・この間に、8.1%が脳梗塞を起こした。

・主な病因はアテローム硬化による小血管病変で TIAから90日以内に多く、

・TIAから90日以降では心塞栓タイプの脳梗塞が増えた。

・1年間の脳梗塞発症率はABCD2スコアに従い高くなり、0-3ポイントで6.2%、4-5ポイントで7.2%、6-7ポイントで11.6%だった。

TIA後1年間でおよそ8%が脳梗塞になり、ABCD2スコアとよく関連していた。主な病因は小血管病変だった、


というおはなし。
図:TIA後1年間の脳梗塞リスク


感想:

8%って思ってたよりすくないな。

ABCD2スコア↓これ

A:age 年齢 60歳以上(1点)
B:blood pressure 血圧 140/90mmHg以上(1点)
C:clinical features 臨床像 片麻痺(2点)運動麻痺のない言語障害(1点)
D:duraition of symptoms 持続時間 10~59分(1点)60分以上(2点)
D:diabetes 糖尿病 (1点)

2016年9月25日

[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について


Transcranial magnetic stimulation combined with upper-limb training for improving function after stroke: A systematic review and meta-analysis.
2016  9月  ブラジル

rTMS(経頭蓋反復磁気刺激)は非侵襲的な脳治療法である。脳の活動を促す高周波刺激と これを抑制する低周波刺激の選択により脳半球間の活動バランスをコントロールでき、脳卒中片麻痺リハビリに効果的であるとする報告もある。

ほんとうのところはどうなのか、これまでの研究を総括してみたそうな。


rTMSの上肢リハビリ効果に関する信頼性の高い研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・3234の研究から被験者199人を含む11の臨床研究を選んだ。

・"rTMS+通常の上肢リハビリ" と "通常の上肢リハビリのみ" の各場合で運動機能、痙縮度に有意な差は見られなかった。

通常の上肢リハビリにrTMSを加えるべき十分な根拠は存在しない、


というおはなし。

図:TMSの上肢リハビリ効果


感想:

rTMSは雑すぎる印象。例えるとスマートフォンの調子が悪いから電子レンジに入れて軽くチンしてみた、って発想にみえる。

2016年9月24日

50万人調査でわかった 子沢山は脳卒中のもと


Parenthood and the risk of cardiovascular diseases among 0.5 million men and women: findings from the China Kadoorie Biobank.
2016  9月  イギリス

女性は妊娠 出産での生理学的変化から心血管疾患へのなりやすさが高くなるとする報告がある。

子供の数と心血管疾患との関連を男性も含めて大規模に調べてみたそうな。


中国の都市部、農村部各5地域から 30-79歳の男女50万人について子供の数を聞き取り、心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中)の発生を7年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・一人っ子政策により家族に占める子供の数が高齢世代の4人から 若年世代の1~2人に急速に減少していた。

・子供の数が1人増えるにしたがって女性の心血管疾患リスクが2-3%上昇した。

・この関連は男性についても同様だった。

子供の数と冠動脈疾患 脳卒中リスクの関連が男女で似ていた。この関連は生物学的な違いに由来するというよりはライフスタイルや経済状況に依るのかもしれない、


というおはなし。
図:子供の数と脳卒中リスク

感想:

脳卒中予防的には一人っ子政策は正しかったんだな。

2016年9月23日

右の島皮質の梗塞は死亡率が高い その理由とは


Right insular infarction and mortality after ischaemic stroke.
2016  9月  ドイツ

脳卒中の予後は梗塞の大きさや位置が重要で、特に中大脳動脈支配で交感神経制御を司る島皮質へのダメージは回復がよくないと言われている。

そこで、島皮質の梗塞と生存率、左右での違いについて調べてみたそうな。


脳卒中 TIAから24時間以内の患者736人について、MRIを撮り、100日間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・168人が島皮質が梗塞だった。

・この間の生存率は 90% vs. 99%で島皮質梗塞ありグループが明らかに低かった。

・特に、右の島皮質に梗塞があると死亡リスクが非常に高かった。

脳梗塞で右の島皮質が含まれる場合 死亡率がとても高かった。これは研究同意の選択性バイアスのせいかもしれない、、


というおはなし。
図:島皮質の梗塞と生存率

感想:

左脳梗塞の重症患者は失語のために研究同意が取れない。そのため右脳梗塞グループに重症患者が偏って高死亡率になったんじゃないか、、、って反省してた。

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2016年9月22日

ミラーセラピーは両側性転移を促す


Mirror Visual Feedback Training Improves Intermanual Transfer in a Sport-Specific Task: A Comparison between Different Skill Levels.
2016  8月  ドイツ

ミラーセラピーは脳卒中で片麻痺のリハビリにも用いられ その効果はミラーニューロンネットワークを介した両側性転移またはクロスエディケーションで説明できる。

これをスポーツスキルの異なる健常者で確かめてみたそうな。


健康でバスケットボール経験のある39人と ほとんど素人の41人について、
右手でドリブル訓練を行った。

このとき、高さ120cmのミラーボックスの前で鏡像を見るグループと、
ドリブルを直視するグループに分けた。

4日間の訓練の後、左右各々の手でのドリブルパフォーマンスの改善度を比較したところ、


次のようになった。

・ミラー無しグループのパフォーマンス改善度を明らかに上回っていたのは、ミラーフィードバックがあるバスケ経験者の左手ドリブルのみだった。

両側間の運動能力転移がミラーフィードバックにより強化されたと考えられた。しかしこの効果は個人のスキルレベルに影響される、


というおはなし。
図:ミラーフィードバック ドリブル

感想:

なるほどねぇ~

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