元2025 5月 日本
便秘は急性脳梗塞のあとによく見られる症状であり、発生率は16%から50%以上とも言われている。これまでの研究で、便秘は脳卒中の重症度や生活の質に悪い影響を与えることが知られていたが、どの脳の部位の梗塞が特に便秘と関係するのかははっきりしていなかった。
特に、自律神経をコントロールしている島皮質という部分の役割に注目が集まっていたが、右と左のどちらがより関係しているのかは不明だったのでくわしくしらべてみたそうな。
元2025 5月 日本
元
Right insular infarction and mortality after ischaemic stroke.
2016 9月 ドイツ
・168人が島皮質が梗塞だった。
・この間の生存率は 90% vs. 99%で島皮質梗塞ありグループが明らかに低かった。
・特に、右の島皮質に梗塞があると死亡リスクが非常に高かった。

元
Smoking cessation behaviors three months following acute insular damage from stroke.
2015 7月 アメリカ
・梗塞位置は、島皮質が38人、118人はそれ以外の場所だった。
・島皮質に損傷のある患者グループでは、3ヶ月間の禁煙成功やニコチン中毒症状が収まっているケースが多かった。
・喫煙再開までの平均日数は、17.5日 vs. 10.4日で島皮質損傷グループが長かった。
・禁煙成功者のなかでも、島皮質損傷はニコチン中毒脱出との有意な関連があった。

元
Does the insula contribute to emotion-related distortion of time- A neuropsychological approach
2018 11月 スイス
・右島皮質の損傷患者は左損傷もしくは健常者にくらべ時間感度があきらかに低かった。
・感情音源による違いは健常者と差がなかった。
右の島皮質の梗塞は死亡率が高い その理由とは
失音楽症と関係する脳の場所がわかった
元2025 5月 ポルトガル
元
Headache in acute ischaemic stroke: a lesion mapping study.
2015 11月 ドイツ
・頭痛ありとなしのグループ間で 梗塞の体積、範囲、重症度に差はなかった。
・緊張性の頭痛がほとんどだった。
・頭痛ありグループでは梗塞が島皮質や体性感覚皮質にあることが多かった。
・特に島皮質と頭痛の関連が強かった。
禁煙に成功できる脳卒中の部位が明らかに(2015/7/23)
元2024 3月 中国
元
Impaired Recognition of Emotional Faces after Stroke Involving Right Amygdala or Insula.
2018 2月 アメリカ
・右脳損傷患者は健常者にくらべポジティブな感情もネガティブな感情も認識する精度があきらかに低かった。
・とくに右脳の扁桃体と島皮質前部に損傷のある患者は怒りと喜びの識別スコアがはっきりと劣っていた。
・右脳の扁桃体と島皮質前部をふくむトータルの損傷体積が個々の感情識別エラー率と関連していた。

元
Lesion mapping of stroke-related erectile dysfunction.
2017 4月 ドイツ
・61.5%の患者が脳卒中後に勃起不全になった。
・脳卒中前後での勃起低下度は年齢、脳卒中の重症度、梗塞体積によらなかった。
・関連の強い病変位置は、右脳の後頭頭頂と視床、左脳の島皮質および頭頂側頭だった。
元
Hospital acquired pneumonia is linked to right hemispheric peri-insular stroke.
2013 8月 アメリカ
・肺炎グループには右脳損傷患者が多かった。
・非肺炎患者グループには左脳損傷患者が多かった。
・脳幹梗塞では肺炎グループ間の違いはなかった。
・特に、右脳の島皮質の梗塞と肺炎との関連が高かった。
Smoking Cessation 1 Year Poststroke and Damage to the Insular Cortex.
2011 11月 スペイン
元
A Study of the Brain Abnormalities of Post-Stroke Depression in Frontal Lobe Lesion.
2017 10月 中国
・うつ患者の前頭前皮質と辺縁系、運動皮質の灰白質体積が減少していた。
・前帯状皮質を起点にしたとき、前頭前皮質、帯状皮質、運動皮質との機能結合は低下し、海馬回、海馬傍回、島皮質、扁桃体との機能結合は増加していた。
・病変のある側の脳半球は活動が低下していた。
元2021 6月 イギリス
元2025 4月 アメリカ
元
Does stroke location predict walk speed response to gait rehabilitation?
2015 11月 イギリス
・皮質脊髄路へのダメージは歩行スピードを除く移動能力に関連していた。
・皮質脊髄路にダメージのないグループでは、被殻、島皮質、外包、それら周辺組織へのダメージが歩行スピードに関連していた。

元
Somatosensory Deficits After Ischemic Stroke
2019 4月 ドイツ
・59.4%の麻痺側の手にすくなくとも1種類以上の感覚障害があった。脳梗塞患者のおよそ60%になんらかの感覚障害があった。この回復のだいぶぶんは3ヶ月間におきた。一次 二次体性感覚野と島皮質が感覚障害と強く関連していた、
・軽い接触の障害は38.7%でもっとも頻度が高く、
・温度識別は21.8%でもっとも頻度が低かった。
・3ヶ月後、すべての評価項目であきらかな回復が進み、12ヶ月後ではつづく回復度はわずかだった。
・一次 二次体性感覚野および島皮質へのダメージと感覚障害にあきらかな関連があった。
元
Structural changes induced by daily music listening in the recovering brain after middle cerebral artery stroke: a voxel-based morphometry study.
2014 4月 フィンランド
・6ヶ月間ですべてのグループで灰白質体積の著しい増加箇所が認められた。
・体積増加箇所は側頭葉、前頭葉、辺縁系、小脳に局在していた。
・特に、音楽グループの健常側で体積増加が著しかった。
・他の2グループに比べ灰白質の体積が著しく増加した箇所を抽出したところ、左脳損傷患者の音楽刺激グループでのみ前頭葉に3箇所、辺縁系で2箇所見つかった。
・右脳損傷患者では音楽グループの左の島皮質にのみ灰白質増加箇所が見られた。
・体積増加箇所と行動検査結果との関連を解析したところ、左脳損傷患者の前頭葉の体積増加箇所は記憶、言語、スキル、注意力の改善に関連し、辺縁系のそれはウツ、緊張、疲労、イライラ感の減少と関連があった。
・一方右脳損傷患者の島皮質の体積増加箇所は言語スキルの改善と関連があった。
・白質体積の明らかな変化はなかった。

→ 脳の中に音刺激を創り出す
元
Supratentorial infarcts accompanying hiccup
2019 10月 日本
元
Fractional amplitude of low-frequency fluctuations (fALFF) in post-stroke depression.
2017 7月 オーストラリア
・20人がうつ症状を示していた。
・非うつ患者にくらべうつ患者では左の背外側前頭前皮質と右の中心前回でfALFFが有意に高く、
・左の島皮質でうつスコアとfALFFの明らかな相関が見られた。
・うつの有無が0.01-0.027 Hzに、うつの重症度が0.027-0.073 Hzに反映されていた。
元
Is There Full or Proportional Somatosensory Recovery in the Upper Limb After Stroke? Investigating Behavioral Outcome and Neural Correlates
2018 7月 ベルギー
・上肢運動機能には比例回復則がみられ、nonFitterグループも確認できた。
・上肢の体性感覚は6ヶ月後にはほぼ全員が回復していた。
・パッシブおよびアクティブ感覚処理には比例回復則が確認でき、それぞれ86%、69%が自発的に回復した。
・4,7日時点で感覚障害のあった患者には視床-皮質、島-弁蓋路の病変量がおおきかった。