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2016年12月12日

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査


Dietary soy and natto intake and cardiovascular disease mortality in Japanese adults: the Takayama study.
2016  12月  日本

大豆には脳卒中予防効果があるとする考え方があって、特に納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす作用がある。

そこで納豆と脳卒中との関連を大規模に調べてみたそうな。


岐阜県高山市の35歳以上の男性13355人 女性15724人を対象に食事調査を行い、脳卒中など心血管疾患での死亡事例を16年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中677人 虚血性心疾患308人を含む 心血管疾患での1678人の死亡が確認された。

・納豆をほとんど食べないグループにくらべ納豆をいちばんよく食べるグループの心血管疾患死亡率は0.75倍だった。

・これは大豆総摂取量や大豆イソフラボン、大豆タンパク質とは関連がなかった。

・納豆と大豆タンパク質をもっとも多く摂るグループで脳卒中全体の死亡率が明らかに低下した(0.75倍)。

・納豆をいちばん多く摂るグループでは脳梗塞死亡率がはっきりと低下した(0.68倍)。

納豆を摂ると脳卒中など心血管疾患での死亡可能性が減る のかも、


というおはなし。
図:納豆と脳卒中リスク

感想:

どういうわけか脳出血にもかなりいいみたいなんだ。

きめた 全力で納豆たべる。

2016年12月11日

起床時脳卒中と日中の過度な眠気は関係あるのか


Wake-up stroke: Clinical characteristics, sedentary lifestyle, and daytime sleepiness.
2016  10月  ブラジル

睡眠からさめたときに異常に気づく脳卒中(起床時脳卒中)では その発症時刻を正確に知ることができないため血栓溶解治療の適応にならない。

睡眠障害が脳卒中リスク要因であることから、日中の過度な眠気と起床時脳卒中との関連を調べてみたそうな。


32-80歳の脳梗塞患者70人について調査したところ、


次のことがわかった。

・24.3%が起床時脳卒中だった。

・起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

・日中の過度な眠気は全体の20%にみられた。

・起床時脳卒中グループとそうでないグループとで脳卒中の重症度や日中の過度な眠気に差はなかった。

・日中の過度な眠気の患者には若年者と座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

起床時脳卒中は脳卒中患者の25%にみられた。起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者がおおかった。日中の過度な眠気と起床時脳卒中は関係なさそうだった、


というおはなし。
図:起床時脳卒中患者の特徴

感想:

かるい糖質制限をはじめて約1年 日中の眠気が劇的に減ったのでこれに関心をもった。

2016年12月10日

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?


Lifestyle Interventions to Prevent Cardiovascular Events After Stroke and Transient Ischemic AttackSystematic Review and Meta-Analysis
2016  12月  オランダ

脳卒中の再発に影響する要因には3種類ある。1つは年齢 性別 家族歴など変えようがないもの。2つ目は薬などの医療行為。3つ目は運動不足や喫煙など改善可能な生活習慣である。

脳卒中患者への生活習慣介入が再発率や死亡率を変えうるものか調べてみたそうな。


関連するこれまでの研究から信頼性の高いものを厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者2574人を含む22の研究がみつかった。

・生活習慣介入によって収縮期血圧が明らかに低下した。

・再発率、死亡率、拡張期血圧、総コレステロールは変わらなかった。

・心肺トレーニングの追加、4ヶ月以上の継続、3種類以上の行動変容を伴うと 収縮期血圧がより効果的に低下した。

脳卒中患者への生活習慣介入によって収縮期血圧が低下した。再発率、死亡率、拡張期血圧、総コレステロールに変化はなかった、


というおはなし。
図:生活習慣介入と収縮期血圧

感想:

なんだ血圧が少し下がるだけなのか、、

すでに脳卒中やるほどに劣化した身体は 生活習慣を改めるくらいでは改善しないってことなんだろね。

2016年12月9日

課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない


Does Task-Specific Training Improve Upper Limb Performance in Daily Life Poststroke?
2016  12月  アメリカ

脳卒中患者の上肢機能がリハビリ訓練により 気のせいではなくほんとうに改善するのなら 日常生活にも必ず反映されるはずである。

そこのところをきっちりと実験してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経ち中等度の上肢麻痺の脳卒中外来患者78人について、
課題指向型訓練のセッションあたりの反復回数ごとにつぎの4つのグループに分けた。

*個人の最大回数
*100回
*200回
*300回

訓練は1セッション1時間x週4回x8週間 計32時間とした。これは課題指向型訓練の代表例であるCI療法の時間と等しい。

訓練期間中、週に1度 両腕に加速度計を6つ装着し連続26時間の活動記録を取った。

各グループと加速度計の記録との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・加速度計記録の上肢パフォーマンスに 有意な変化はまったく確認できなかった。

・上肢の機能評価ARATスコアの改善は加速度計の記録に反映しなかった。

・もとの上肢能力や訓練量によらずなんの変化もなかった。

8週間の課題指向型訓練では訓練量にかかわらず 日常生活での上肢パフォーマンスはまったく改善しなかった。病院に通い懸命に訓練して「良くなったよ」と言われても、家に帰ると実はなにも変わっていなかった、、、


というおはなし。
図:課題指向型訓練の効果

感想:

エビデンスがそろってきた。これらは↓ぜんぶ今年の報告。
(11月)コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

(7月)訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

(2月)JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

「特定の課題を集中的に繰り返し訓練することで麻痺は改善する」
この考え方って 裏を返せば

「いつまで経っても良くならないのはあなたの努力不足のせいです」 って言ってるのと同じだよね。
(●`ε´●)

2016年12月8日

うつと不安 脳卒中が再発しやすいのはどっちだ


Depression but not anxiety predicts recurrent cerebrovascular events.
2016  7月  オーストラリア

脳卒中のあとのうつや不安障害は珍しくなく予後によくない影響を及ぼすと考えられている。

そこでうつ 不安障害と脳卒中の再発との関連を調べてみたそうな。


脳梗塞患者182人について退院後2週間時点でのうつおよび不安のレベル(HADスコア)を調査し、退院6ヶ月後の再発事例との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の15.9%がうつ、22.5%が不安ありと診断された。

・退院から6ヶ月間に9人が再発した。

・年齢、性別、脳卒中の重症度を考慮に入れても うつがある場合の再発しやすさは5.22倍で、

・不安がある場合では0.98倍だった。

脳卒中後のはやい時期のうつは脳卒中の再発リスクの増加と関連していた。不安との関連はなかった、


というおはなし。
図:うつと不安 再発しやすさ

感想:

これ↓思い出した。
脳卒中後のウツと不安 その違い

2016年12月7日

脳卒中患者の自動車運転を黙認する


Driving restrictions post-stroke: Physicians' compliance with regulations.
2016  11月  スウェーデン

脳卒中は認知機能や身体機能に影響が残るため多くの国で患者の自動車運転には規制を設けている。

スウェーデンでは入院時 すべての脳卒中患者に今後3-6ヶ月間の自動車運を控えるよう伝え、その旨を記録に残し交通局へ報告する義務が医師に課せられている。

そこのところがちゃんと守られているものか調べてみたそうな。


スウェーデンの中堅病院での1年間の脳卒中患者342人の医療記録を調べ上げ再確認したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者への運転控え勧奨と交通局への報告はその81%が見逃されていた。

・女性よりも男性により多く 運転を控えるよう伝える傾向があった。

・2%についてのみ今後の運転能力評価が予定されていた。

脳卒中患者の自動車運転制限にかんするスウェーデンの規則は 病院でほとんど守られていなかった


というおはなし。

図:脳卒中年齢と運転見逃し数


感想:

上の表の運転見逃し脳卒中患者の高齢者率の高さには笑うしかない。

2016年12月6日

アジア人脳内出血患者の年間再発率は


Incidence of Recurrent Intracerebral Hemorrhages in a Multiethnic South Asian Population.
2016  11月  シンガポール

脳内出血はシンガポールの脳卒中のおよそ25%を占める。しかし再発率はよくわかっていない。

そこで脳内出血再発率とそのリスク要因をアジア人について調べてみたそうな。


2006-2013の国立神経科学研究所の患者記録を使って解析したところ、


次のことがわかった。

・14日以上生存した脳内出血患者1708人をおよそ3年半フォローした結果、60人の患者に68箇所の脳内出血が再発した。

・これは1年間に患者全体の1.1%が再発する頻度に相当した。

・脳梗塞歴、皮質下出血が再発のおもなリスク要因だった。

・再出血位置は 基底核→基底核が44.1%、皮質下→皮質下が17.6%だった。

・再出血患者の死亡率は17.6%だった。

脳内出血の年間再発率は1.1%で、脳梗塞歴や皮質下出血があると再出血しやすかった、


というおはなし。
図:皮質下出血 脳葉出血

感想:

この先100年生きるつもりでなければ逃げ切れるな。

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