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2017年1月14日

脳卒中チルドレンのてんかんと早期けいれん発作


Early seizures predict the development of epilepsy in children and adolescents with stroke.
2016  12月  ドイツ

脳卒中のあとてんかんになる割合は 成人でおよそ10% こどもでは16-26%である。

こどもの場合 早期けいれん発作がのちのてんかんと関連するという。これを確かめてみたそうな。


18歳以下の脳卒中患者を2年間フォローした93人分の記録を解析した。

脳卒中から48時間以内のけいれん発作を「早期」とした。2年間に2回以上のけいれん発作を「てんかん」とした。


次のことがわかった。

・てんかんになった子供脳卒中患者は 年齢が低く、早期けいれん発作と脳皮質にかかる病変が特徴的だった。

・早期けいれん発作は、てんかんの子供の79%が経験し、非てんかんの子供では13%に過ぎなかった。

脳卒中のあと48時間以内のけいれん発作はのちにてんかんになるリスクが高かった。早期けいれん発作がないばあい てんかんはまれだった、


というおはなし。
図:脳卒中でてんかんになる子供の特徴

感想:

これ↓思い出した。
けいれん発作を起こした脳卒中の子供は 再びけいれん発作を繰り返すのか?

2017年1月13日

ストレスで脳卒中になる仕組みがわかった


Relation between resting amygdalar activity and cardiovascular events: a longitudinal and cohort study
2017  1月  アメリカ

ストレスと脳卒中など心血管疾患との関連は数多く報告されているものの そのメカニズムよくわかっていない。
動物実験では不安やうつへの反応をつかさどる扁桃体との関係が指摘されている。そこで人間でしらべてみたそうな。


平均年齢55の293人の安静時PETの全身検査で扁桃体や骨髄 動脈の活性を調べた。心血管疾患の有無を3.7年間フォローして自覚ストレスとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・22人が脳卒中をふくむ心血管疾患になった。

・扁桃体の活性が骨髄活性、動脈活性、心血管疾患とあきらかに関連していた。

・自覚ストレスと扁桃体活性、C反応性タンパク質が関連していた。

・ストレス→扁桃体→骨髄で白血球→動脈で炎症プラーク→心血管疾患の関係ルートが考えられた。

脳の扁桃体の活発さが脳卒中など心血管疾患と関連していた。感情にストレスをうけると扁桃体から骨髄へ白血球増産シグナルがでて動脈壁の炎症からプラークにつながると考えられた、


というおはなし。
図:ストレス-扁桃体-骨髄-血管炎症
感想:

もう何十年もまえから自分の怒りっぽさにホトホト嫌になる自覚はあったよ。

2017年1月12日

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について


Oral Cnm-positive Streptococcus Mutans Expressing Collagen Binding Activity is a Risk Factor for Cerebral Microbleeds and Cognitive Impairment
2016  12月  日本

虫歯原因の1つであるミュータンス菌にはコラーゲンと結びつくcnm遺伝子をもつ種類があり微小脳内出血との関連が疑われている。

口腔内のミュータンス菌と微小脳内出血、認知症との関連をたしかめてみたそうな。


平均年齢70の男女279人について唾液を採取し cnm型ミュータンス菌とコラーゲン結合活性の有無、MRIでの微小脳内出血、認知機能の検査をおこなった。


次のことがわかった。

・cnm型ミュータンス菌は微小脳内出血のある者におおく観察された。

・ミュータンス菌がコラーゲン結合活性をしめすグループの微小脳内出血リスクは明らかに高く、

・とくに深部の微小脳内出血が67%とおおく 認知機能は低かった。

脳卒中と認知症の予防のためには口の中を清潔にしておく必要があるだろう、


というおはなし。
図:微小脳内出血

感想:

94%がミュータンス菌をもってて そのうち3分の1がcnm型で25%がコラーゲン結合活性を示すんだって。
これ↓思い出した。
脳内出血を起こす虫歯菌の種類が判明

2017年1月11日

脳卒中でてんかんになる2つの特徴


Risk Factors to Develop Post Stroke Epilepsy: Epidemiology and Lesion Mapping
2016  12月  イギリス

脳卒中のあとてんかんになりやすい患者の特徴をしらべてみたそうな。
先月の米国てんかん学会2016での発表。


慢性期の脳卒中患者450人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・てんかんを起こした患者の割合は 左脳損傷で11.4%、右脳損傷で11.1%だった。

・性別、利き手での差はなかった。

・てんかん患者の年齢は 44 vs. 56 で 非てんかん患者よりも若かった。

・脳の病変体積は 148 vs. 73cc でてんかん患者が倍ちかく大きかった。

・てんかん患者の脳損傷は大脳基底核や視床におよんでいるケースが多かった。

脳卒中患者の11%がてんかんを経験していた。彼らは若く脳の損傷体積が明らかにおおきかった、


というおはなし。
図:てんかんを起こした脳卒中患者

感想:

糖質制限に関心あるもんで てんかんって聞くとケトン食療法を連想するんだよね さいきん。

2017年1月10日

脳卒中で復職可能な年数がわかった


Return to Work after a Stroke in Working Age Persons; A Six-Year Follow Up.
2017  1月  スウェーデン

若年脳卒中の増加で復職は社会的にも重要なテーマである。復職率にかんする報告には幅があって45-75%といわれている。

そこで脳卒中患者6年間の復職率と関連要因をしらべてみたそうな。


63歳以下の脳卒中患者174人を6年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・最終的に74.7%が復職した。

・48%は1年内に復職し、 3年間は復職者は増加し続けた。

・脳梗塞と脳内出血で復職率に明らかな違いはなかった。

・退院時の身体障害度と脳卒中まえの病気休職が復職できないリスク要因だった。

脳卒中ですべての患者が復職できるわけではなかったが、これまで考えられてきたよりも長期にわたって復職は可能だった。障害が重かったり別の病気があると復職はむつかしかった、


というおはなし。
図:脳梗塞と脳内出血 復職率

感想:

傷病or障害手当金の支給がとまったことをもって復職と判断したとある。ほんとうの復職率はもっと低いんだろな。

2017年1月9日

マグネシウムと脳卒中後うつ


Association between Serum Magnesium Levels and Depression in Stroke Patients.
2017  1月  中国

血中マグネシウムが低いと脳卒中リスクが高くなることがわかっている。また どうぶつ実験ではマグネシウムの欠乏でうつに似た症状が確認されている。

そこで脳卒中後のうつとマグネシウムとの関連をしらべてみたそうな。


脳卒中患者209人について入院時の血中マグネシウムレベルと3ヶ月後のうつ症状をしらべ、
健常者120人と比較したところ、


次のことがわかった。

・3ヶ月時点で28.2%が脳卒中後うつと診断された。

・脳卒中患者のマグネシウムはうつの有無にかかわらず健常者にくらべて低かった。

・うつになった脳卒中患者のマグネシウムは非うつ患者よりもさらに低かった。

・マグネシウムが 0.84mmol/L 以下だとうつリスクが明らかに高かった。

脳卒中入院時の血中マグネシウムレベルが低いと3ヶ月後のうつの可能性が高かった、


というおはなし。
図:血清マグネシウムと脳卒中後うつ

感想:

マグネシウムは葉緑素を多く含むほうれん草などに多く、スパイスやナッツ、豆、ココア、全粒穀物にも含まれる。
[マグネシウム]←関連記事

2017年1月8日

1年経っても死にたがっている脳卒中患者の割合


Suicidal ideation at 1-year post-stroke: A nationwide survey in China.
2017  1月  中国

脳卒中や心筋梗塞のあとは自殺行動が増えることがわかっている。生への関心がなくなり死ぬことを考えるようになる「自殺念慮」と脳卒中との関連は多くの報告があるが いずれも小規模 短期の調査である。

そこで、脳卒中から1年後の自殺念慮の割合と関連要因を全国的にしらべてみたそうな。

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