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2017年4月14日

脳卒中やるひとがアルツハイマー病にもなりやすい理由


Association Between Midlife Vascular Risk Factors and Estimated Brain Amyloid Deposition
2017  4月  アメリカ

高血圧や喫煙、糖尿病などの血管危険因子をもっていると のちに認知症になりやすいといわれている。

そこで中年期の血管危険因子とアルツハイマー病との関連はどうなのか、しらべてみたそうな。


45-64歳で 肥満や高血圧、喫煙、糖尿病、コレステロールの検査をした346人をフォローして、20年後にアルツハイマー病に特徴的なアミロイドを定量するPET検査をおこなった。

またアルツハイマー病に関連するAPOE遺伝子型の有無もしらべ関連を解析したところ、


次のようになった。

・中年期に血管危険因子を多くもっているほどアミロイドの蓄積がおおかった。

・血管危険因子がゼロ個の者の30%にあきらかなアミロイド上昇があり、

・血管危険因子が2個以上の者には 60%にアミロイド上昇があった。

・人種との関連はみられなかった。

・晩年の血管危険因子とも関連はなかった。

・APOE遺伝子型との関連も確認できなかった。

中年期に血管危険因子をおおく持っていると、明らかにアミロイドがおおく蓄積していた。この関連は晩年の血管危険因子にはよらなかった。
これが血管疾患患者が認知症になりやすい理由なのかも、



というおはなし。
図:高血圧とアミロイド

感想:

そのうちアルツハイマー病も体験できるのか、、楽しみだ。

2017年4月13日

日本人の脳卒中予防に最適な運動量が判明


Daily Total Physical Activity and Incident Cardiovascular Disease in Japanese Men and Women
2017  4月  日本

アジア人の身体活動量と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで日本人でしらべてみたそうな。


50-79歳の健康な男女74913人の1日あたりの身体活動の内訳(仕事関係、余暇、睡眠)を調査し、トータルの身体活動量MET・時 をもとめた。約9年間脳卒中の発生をフォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に2738件の脳卒中と607件の冠動脈疾患があった。

・1日あたりの身体活動量が 5-10MET・時のときに脳卒中リスクがもっとも小さくなった。

アジア人は1日あたりほどほどの運動量で十分に脳卒中予防になることがわかった、


というおはなし。
図:1日の運動量と脳卒中リスク

感想:

1METは安静時代謝に相当する運動強度で、
5MET・時なら 時速6kmの早足ウォーキング1時間とおなじ。

徒歩通勤のサラリーマンなら余裕だな。

2017年4月12日

人工知能が抗凝固薬を毎日飲むよう勧めたところ、、


Using Artificial Intelligence to Reduce the Risk of Nonadherence in Patients on Anticoagulation Therapy
2017  4月  アメリカ

抗凝固薬治療では定期の服薬がまもられていないと脳卒中や出血のリスクが高くなってしまう。

人工知能AIを搭載したモバイルデバイスを用いて服薬状況の改善をこころみたそうな。


脳梗塞のあと経口抗凝固薬治療をうけることになった患者28人を2グループに分け、

いっぽうのグループには、まいにち服薬をうながし その確認ができるAIアプリをインストールした携帯端末をもたせた。

12週間後、AIアプリの記録と血液サンプルから服薬遵守率を求めたところ、


次のようになった。

・AIアプリの記録による服薬遵守率は90.5%だった。

・血液中の薬の濃度からみた服薬遵守率はAIグループ100%、比較グループ50%だった。

服薬をうながすアプリを入れたスマートフォンを持たせることで、血中濃度レベルで服薬遵守率を50%改善できた、


というおはなし。
図:AIと服薬遵守率

感想:

タイトルに "Artificial Intelligence"って書いてあるんだけど、
これ ただのリマインダーアプリだろ。AIとよぶには無理すぎやしないか?

2017年4月11日

脳卒中患者が医師のアドバイスを無視するとき


How do stroke survivors and their carers use practitioners’ advice on secondary prevention medications? Qualitative study of an online forum
2017  4月  イギリス

降圧薬や脂質低下薬、抗凝固薬は脳卒中の再発予防に有効と考えられているが、患者は時間が経つにつれ薬を飲まなくなってしまう。

そのあたりの背景をさぐるべく、ネット掲示板の書き込みを分析してみたそうな。


脳卒中協会運営のネット掲示板Talkstrokeの2004-2011の書き込み記録から、脳卒中の再発予防薬とかかりつけ医のアドバイスに関連するものを抽出したところ、


次のことがわかった。

・43スレッド、20000以上の投稿から50人の投稿者が浮かび上がった。

・薬の副作用を医師に相談すると、薬を変えるか現行の治療を続けるようアドバイスされる。

・これに対し患者は、1)なっとくして従う か、 2)無視して薬をやめる、3)ネット掲示板で他の患者に相談する などした。

・医師のアドバイスが無視されるケースは、主にスタチンの副作用で 1,2度相談を受けたあとにおおかった。

ネット掲示板を分析したところ、脳卒中の再発予防薬の副作用 とくにスタチンのそれは患者に多大な不安と憤りを与えており、医師にほとんど相談しない場合もすくなくなかった、


というおはなし。
図:スタチンの副作用とアクション


感想:

スタチンってそんなにわりいヤツだったのか、、、知らなかったぞ。
脳卒中の相談にネット掲示板は役にたつか?

2017年4月10日

夢を見て暴れるひとの脳卒中のなりやすさ


Probable REM sleep behavior disorder and risk of stroke
2017  4月  アメリカ

レム睡眠行動異常症(RBD)は睡眠中の夢のなかでの行動がそのまま手足の動きや寝言となってあらわれ、かたわらで寝ている相手を傷つけることさえある。
RBDとパーキンソン病、レビー小体認知症、多系統萎縮症とは関連があるとされている。

そこで 脳卒中との関連についてしらべてみたそうな。


平均年齢54、12000人の健常者にアンケートをとりRBDが疑われる者を割り出し、その後の脳卒中の有無を3年ほどフォローした結果、


次のようになった。

・この間に159件の脳卒中がおきた。

・RBDがあると脳卒中リスクは2.57倍になった。

・種類別では脳梗塞リスクが1.93倍、脳出血リスクでは6.61倍だった。

レム睡眠行動異常症があると脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:レム睡眠行動異常症の脳卒中リスク

感想:

夢の内容をよく覚えていることもRBDの特徴だという。

夢日記をつけはじめて3年以上たった。
夜中、夢を見たらすぐに書き記し 翌朝に読み返してその内容を思い出す。

世界がひろがったよ。

2017年4月9日

再就職で上昇する日本人の脳卒中死亡率


Changes in the Employment Status and Risk of Stroke and Stroke Types
2017  4月  日本

失業と脳卒中リスクは関連する。

日本ではいったん失業すると再び希望の職に就くことは難しい。そこで日本人の再就職と脳卒中リスクとの関連をしらべてみたそうな。


健康で40-59歳の日本人男女4万人あまりを90年代からフォローしたところ、


次のことがわかった。

・男女ともに1度でも失業を経験すると、脳梗塞や脳出血のリスクが高かった。

・連続就業者にくらべ 失業経験のある男性の脳卒中リスクは1.58倍、その死亡率は2.22倍、

・女性では順に 1.51倍、2.48倍だった。

・再就職経験のある男性の脳卒中リスクは2.96倍、その死亡率は4.21倍、

・女性では順に 1.30倍、1.28倍だった。

失業経験のある男女および再就職の男性は 脳卒中とその死亡リスクが非常に高かった、


というおはなし。
図:

感想:

脳卒中死亡率4.21倍...わかる気がするよ。
あてもなく仕事辞めたことが何度かあったけど、毎度あたらしい職場環境に適応するのは胃がよじれるようなストレスがある。

2017年4月8日

アメとムチは脳卒中リハビリに有効か?


Reward and punishment enhance motor adaptation in stroke.
2017  4月  イギリス

たとえば上肢のリーチング動作のブレが 繰り返すごとに徐々に小さくなってゆく様を「運動適応」という。

賞罰フィードバックを加えたときに脳卒中患者の運動適応がどのように影響されるのか しらべてみたそうな。


慢性期脳卒中患者45人について、麻痺手を使ってスクリーン上のカーソルを任意の位置に移動させる繰り返し課題を行わせ、健常者15人と比較した。

このとき患者をつぎの3グループに分けて賞罰フィードバックを与えた。

*賞金グループ:各動作のエラーが小さいほど賞金が加算される。
*罰金グループ:スタート時の持金から 各エラーにしたがい罰金が引かれる。
*賞罰なしグループ:あらかじめきまったすこしのお金が最終日にもらえる。

実験後、さらに運動適応度をフォローしたところ、


次のようになった。

・賞罰なしよりも 賞罰があるグループで運動適応度が健常者なみにすぐれていた。

・この効果の持続度は賞金グループがダントツに高かった。

賞罰フィードバックが脳卒中患者の運動適応を強化することがわかった。臨床シーンへの応用が期待される、


というおはなし。
図:賞罰つきリーチング動作

感想:

捕まえたポケモンを換金できるようになったら 一生懸命にあるいちゃうんだけどな。

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