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2017年4月25日

脳のここをやられると勃起不全になる


Lesion mapping of stroke-related erectile dysfunction.
2017  4月  ドイツ

急性脳梗塞により男性の性機能に障害(勃起不全)がおきることがある。

勃起不全のおきやすい脳の病変位置をしらべてみたそうな。


平均年齢60、52人の脳梗塞患者についてアンケートから勃起機能スコアをとり、脳の断層画像上の変化との関連を "voxel-based lesion mapping"法で解析したところ、


次のことがわかった。
・61.5%の患者が脳卒中後に勃起不全になった。

・脳卒中前後での勃起低下度は年齢、脳卒中の重症度、梗塞体積によらなかった。

・関連の強い病変位置は、右脳の後頭頭頂と視床、左脳の島皮質および頭頂側頭だった。

脳卒中後の勃起不全は 右脳の後頭頭頂と 視覚と体性感覚を統合する視床、そして左脳の島皮質と 隣接し覚醒状態を司る頭頂側頭部に関連がつよかった、


というおはなし。

図:左脳の島皮質


感想:

ようするにエッチな妄想がはかどらなくなるから... ってことなのかな。

[勃起不全]の関連記事

2017年4月24日

受動喫煙と脳卒中死亡リスク


Passive smoking and stroke in men and women: a national population-based case-control study in China.
2017  3月  中国

受動喫煙と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで 中国人を対象に大規模にしらべてみたそうな。


30歳以上で脳卒中で死亡した16205人と、脳卒中以外で死亡した16205人についてその配偶者の喫煙状況から受動喫煙を推定し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・受動喫煙で脳卒中死亡リスクが上昇し、

・とくに脳出血で10%、脳梗塞で12%の脳卒中死亡リスク増となった。

・この関連は性別や本人の喫煙、住む地域によらなかった。

・受動喫煙に曝された期間や1日あたりの本数とともにリスクは高くなった。

受動喫煙は脳卒中での死亡リスクとあきらかに関連していた、



というおはなし。
図:受動喫煙と脳卒中

感想:

中学の担任教師が授業中にタバコ吸いまくってたのを思い出した。

[受動喫煙 OR 間接喫煙]に関する過去記事

2017年4月23日

コレステロールが低い脳内出血患者の予後


Low cholesterol level associated with severity and outcome of spontaneous intracerebral hemorrhage: Results from Taiwan Stroke Registry.
2017  4月  台湾

コレステロールと脳内出血の発生についてはおおくの研究があるが結論はでていない。アジア人での研究も少ない。

そこで コレステロールと脳内出血の重症度、予後についてアジア人でしらべてみたそうな。


台湾の複数の病院での脳内出血患者2444人について、入院時の総コレステロール値および重症度、3ヶ月後の死亡率との関連を解析したところ、


次のようになった。
・患者の34.9%は総コレステロール値が160mg/dl未満だった。

・160mg/dl未満の患者は神経症状が重く、3ヶ月後に要介助の者が多かった。

・160mg/dlより高くてもBMIが22未満の患者の3ヶ月死亡率は高かった。

・脂質降下薬の使用は重症度と予後に関連しなかった。

脳内出血患者には総コレステロール値が160mg/dl未満の者がおおく、彼らは重症で3ヶ月後の回復もよくなかった、


というおはなし。
図:コレステロール値と脳内出血生存率

感想:

じぶんは140なかった。「ごはんたべてなかったんでしょ!」と叱られた思い出。

2017年4月22日

緑茶が脳卒中の記憶障害を防ぐ


Short-term green tea supplementation prevents recognition memory deficits and ameliorates hippocampal oxidative stress induced by different stroke models in rats.
2017  4月  ブラジル

緑茶はおおくの健康効果が報告されており、神経保護作用もあることがわかっている。

そこで、緑茶が脳卒中後の記憶障害の改善に役立つものか実験してみたそうな。


人為的に脳虚血または脳内出血にしたネズミを使った。

脳卒中の10日まえから緑茶を400mg/day(人では400ml相当)を与えた。

脳卒中のあと6日間 さらに緑茶をあたえた。

短長期記憶と海馬での酸化ストレスを調べたところ、


次のようになった。

・脳卒中にしたネズミでいずれも記憶障害がみられたが、

・緑茶を与えたグループでは記憶障害が小さかった。

・脳内出血で海馬に生じた過酸化脂質が緑茶グループでは少なかった。

・脳虚血で低下した海馬の抗酸化力が緑茶グループでは回復していた。

脳卒中になる少しまえから与えた緑茶が 記憶障害から護る効果を示し海馬での酸化ストレスをバランスしているようにみえた、


というおはなし。
図:緑茶の脳卒中の記憶障害 改善効果

感想:

脳卒中への[緑茶]の効果はもっと注目されるべきだね。

2017年4月21日

Stroke誌:ダイエットコーラで脳卒中と認知症が3倍に


Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia
2017  4月  アメリカ

甘味飲料を多く摂ると脳卒中リスクが高くなることはわかっている。しかし認知症との関連は知られていない。

そこで砂糖または人工甘味料を使った飲料と 脳卒中および認知症との関連をしらべてみたそうな。


45歳以降の2888人について脳卒中の発生を、60歳以降の1484人について認知症を10年間フォローした。

甘味飲料の種類と消費量はアンケートから推定した。

関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に97の脳卒中(82は脳梗塞)と81の認知症(63はアルツハイマー病)が起きた。

・年齢、性別、喫煙、運動量、食事量などの関連要因を考慮してなお、人工甘味飲料をおおく摂っていた者の脳梗塞、認知症リスクは明らかに高く、

・人工甘味飲料をまったく摂らない者に比べそのリスクは、脳卒中 認知症のいずれも およそ3倍だった。

・砂糖を使用した飲料ではこのような関連はまったく見られなかった。

人工甘味料を使用した飲み物を摂り続けると脳卒中や認知症のリスクがあきらかに高かった、


というおはなし。
図:ダイエットソーダと脳卒中、認知症フリーの関係

感想:

この件のニュースビデオ↓。


認知症の関連ははじめて。[ダイエットコーラ]に関する過去記事

2017年4月20日

脳卒中リハビリは害!? 骨折しやすくなることが判明


Post-ischemic stroke rehabilitation is associated with a higher risk of fractures in older women: A population-based cohort study.
2017  4月  台湾

脳卒中を経験すると骨折のリスクが2倍になるという。そのおおくはバランス能力の低下が原因の転倒によるもので 大腿骨頸部や脊椎、上腕を骨折する。

これまで脳卒中後のリハビリと骨折との長期的関連を調査した研究はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから2000-2012の脳梗塞患者8384人の記録を抽出した。

このうち半数は1ヶ月以内に脳卒中リハビリを開始し、残りの半数は1年間リハビリをまったく受けなかったケースを選んだ。

1年間の骨折事例との関連を さらに年齢別、男女別に解析したところ、


次のことがわかった。

・リハビリを受けたグループの骨折率は関連要因を考慮に入れてなお あきらかに高く、年間100人あたり6.2人で、

・リハビリ無しのグループでは4.1人だった。

・特に65歳以上の高齢女性で脳卒中リハビリ後の骨折リスクが1.62倍だった。

脳卒中後のリハビリを受けた高齢女性の骨折リスクはあきらかに高かった、

というおはなし。
図:脳卒中リハビリと骨折しない確率

感想:

身体活動がかっぱつになったぶん転びやすくなるのかも...という能天気な推測が書いてある。

じぶんの経験にてらすとむしろ逆で、たぶんこういう↓こと。


入院したばかりで麻痺がいちばんキツイ時期の高齢者をベッドから引きずり出し、
「あなたはこんなにも歩けなくなったけど、いまから一生懸命にがんばれば元のように歩けるようになりますよ」と言い聞かせる。

幾多の人生の苦難を乗り越え ようやく先の見えてきた女性高齢者に「このひどい状況から再び努力で這い上がれ」と告げることは 彼女を絶望の淵に突き落とし歩行能力への自信を完全に失わせるに十分である。

そして歩行への恐怖のあまり たわいないきっかけで転び骨折するようになる。


ところが現実は、

早期にリハビリを開始しても患者メリットはないし、(←リンク)
努力して訓練を重ねても回復が進むわけでもない、(←リンク)
しかもリハビリしなくても治るひとは勝手に治る、(←リンク)

ことが数々の研究で "明らか" になっている。

だから病院で脳卒中リハビリを "受けない" ことを選択した患者は
ゆったりと入院生活を楽しみ 自らの治癒力で努力なしに回復できるので、
歩行能力への自信を失うこともなく その後の転倒や骨折が少ない。

2017年4月19日

検索ボリュームからみたクモ膜下出血の季節性


Internet search volumes in brain aneurysms and subarachnoid hemorrhage: Is there evidence of seasonality?
2017  4月  カナダ

クモ膜下出血には起きやすい季節がある という報告があるが詳細は確認されていない。

そこでクモ膜下出血と季節の関連をネットの検索ボリューム変化からしらべてみたそうな。


無料のサービス Google Trendsを使用して、「脳動脈瘤」「クモ膜下出血」といったキーワード検索量の変化を2004-2016で調査した。
対象国をアメリア、カナダ、フィンランド、日本にも絞って解析したところ、


次のようになった。
・検索件数ではアメリカがもっともおおかった。

・検索語句では "brain aneurysm" のつぎに "cerebral aneurysm"が多かった。

・どの国でも季節との関連をしめす結果は得られなかった。

クモ膜下出血についてのインターネット検索ボリューム変化からは季節との関連は確認できなかった、


というおはなし。

図:クモ膜下出血のGoogle Trends

感想:

あいかわらず鼻水が止まらないので [花粉症 vs.インフルエンザ]でしらべてみた。
このくらいのビッグキーワードになると季節性とボリューム比がはっきりとわかる。

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