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2019年6月14日

Stroke誌:くも膜下出血のあと精神病になる割合


Antipsychotic Use Among 1144 Patients After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2019  5月  フィンランド

くも膜下出血は55歳前後の若年者におおく、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどを占める。

脳動脈瘤は一般人口の3%にみられおおくは破裂にいたらないが年間10万人あたり7-12人がくも膜下出血をおこす。

くも膜下出血では頭蓋内出血、脳室内出血、遅延性脳虚血、水頭症、頭蓋内圧亢進症や再出血予防手術による合併症などにより脳の損傷がおきる。

くも膜下出血患者の長期の精神疾患と抗精神病薬の使用についての研究はなさそうなので大規模にしらべてみたそうな。



くも膜下出血後12ヶ月間生存できた1144人と年齢性別のいっちする一般人3432人について、その後の抗精神病薬の使用を9年前後フォローしたところ、



次のことがわかった。

・患者の12%がくも膜下出血のあとに抗精神病薬をはじめた。いっぽう一般人では4%だった。

・抗精神病薬の利用率は1年後6%、5年後9%で、一般人では順に1%、2%だった。

・回復良好患者(mRS0-1、シャントなし、脳内出血や脳室内出血なし)での抗精神病薬の5年後利用率は2%で、

・シャントや水頭症だった患者の抗精神病薬の5年後利用率は23%だった。

・抗精神病薬利用者の63%は抗うつ薬と抗てんかん薬を同時にのんでいた。

くも膜下出血を経験した患者は一般人にくらべあきらかに高率で抗精神病薬をのんでいた。かれらは抗うつ薬や抗てんかん薬もいっしょに飲んでいた。脳への直接のダメージがなかった者はこれらの薬を飲む割合が低かった、


というおはなし。

図:抗精神病薬 くも膜下出血後の



感想:

メンタルの不調をうったえるといろんな薬をもらえるんだな。

2019年6月13日

自然な光環境とメンタルヘルス


An exploratory investigation of the effect of naturalistic light on depression, anxiety, and cognitive outcomes in stroke patients during admission for rehabilitation: A randomized controlled trial
2019  5月  デンマーク

サーカディアン(概日)リズムは神経伝達物質の放出や体内時計遺伝子の発現に影響することがわかっている。

また太陽光に含まれる波長の短い成分ブルーライトにたいしてサーカディアン・リズムは敏感である。

そこで室内にいることのおおい脳卒中患者を、自然光を模した環境においたときのうつ 不安 認知機能への影響をしらべてみたそうな。

2019年6月12日

アジア人の身長と脳卒中死亡リスク


Association of taller stature with lower cardiovascular disease mortality in Asian people- a systematic review
2019  6月  日本

身長には遺伝のほかに栄養や経済状態などの環境要因が反映していると考えられ 健康度の指標とされることがある。

じっさいこれまでの研究から身長が6.5cm高くなるごとに総死亡リスクが3%低下し、心血管疾患についても同様の傾向があることがわかっている。

しかしこれらの研究のおおくは西洋人を対象としたもので、身長が低いアジア人についてはよくわかっていない。

そこで、アジア人の身長と脳卒中など心血管疾患での死亡リスクについて これまでの研究を総括してみたそうな。

2019年6月11日

梗塞の[位置+体積]と機能的自立度FIM


Predictive value of the combination of lesion location and volume of ischemic infarction with rehabilitation outcomes
2019  6月  アメリカ

これまで脳梗塞のリハビリ病院での回復度と脳の損傷位置や体積との関係を別個にしらべた報告はある。

しかし位置と体積を組み合わせた調査はすくない。

そこで脳梗塞の位置と体積および機能的自立度FIM(Functional Independence Measure)との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月10日

O型の脳内出血が止まりにくいはほんとうか?


Blood Type O Predicts Hematoma Expansion in Patients With Intracerebral Hemorrhage
2019  6月  中国
脳内出血は脳卒中の20%を占め死亡率がたかい。その3分の1には血腫増大がおき予後が悪化するといわれている。

血腫増大には止血の仕組み(Hemostasis)がつよく関わっているとされ、とくに血液O型では第8凝固因子とフォン・ヴィレブランド因子があきらかに少ないことから他の血液型にくらべ出血がつづきやすいと考えられる。

そこで脳内出血から早い時期での血腫増大がO型でおきやすいものかたしかめてみたそうな。



発症後6時間以内にCTを撮ることのできた患者のうち48時間後CTと比較して、33%もしくは6mL以上拡大したばあいを「血腫増大」とした。

患者210人の記録を解析したところ、



次のことがわかった。

・患者の34.3%がO型だった。

・かれらのうち41.7%に血腫増大がおきた。他の血液型での血腫増大は18.1%だった。

・O型および入院時意識レベル(GCS)スコアは独立した血腫増大の予測因子だった。

血液O型の脳内出血患者は血腫増大リスクが高かった、


というおはなし。

図:O型と血腫増大


感想:

じつはこっちの調査↓ではB型で血腫増大した。
脳内出血がとまりにくい血液型
その理由として初回CTのタイムリミットを24時間以内としていたため早期の血腫増大をみのがしていたからではないか、、、と言ってる。

2019年6月9日

Stroke誌:血液中の金属と脳卒中


CirculatingZ Multiple Metals and Incident Stroke in Chinese Adults
2019  6月  中国

環境に存在する重金属は人間の代謝や機能に影響し有害となりうる。

これまでの研究から、ヒ素、鉛、銅、セレニウムの単体と心血管疾患との関連があきらかになっている。

しかし脳卒中との関連については結論がでていない。

そこで、同時に複数の金属にさらされているばあいの脳卒中との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月8日

【メタ解析】ロボット支援歩行リハビリ...効果ない


Robotic-Assisted Gait Training Effect on Function and Gait Speed in Subacute and Chronic Stroke Population: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
2019  6月  サウジアラビア

脳卒中経験者の65%は下肢運動機能になんらかの問題を抱えているという。

ロボティクスの脳卒中リハビリへの応用は セラピストを支援して患者の麻痺脚のアクティビティを高めることができると期待されている。

そこで下肢運動機能の回復にロボット訓練がどのていど有効なものかこれまでの研究をメタアナリシスしてみたそうな。



研究データベースから信頼度の高い(PEDroスコア6-8)ランダム化比較試験を厳選して、データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・1371の研究から9つに絞り込んだ。そのうち4件は慢性期、5件は亜急性期のものだった。

・歩行スピードの点でロボット訓練と通常訓練ではあきらかな差がなかった。

・しかし慢性期患者に限定すると効果量0.04のごくごくわずかなアドバンテージがみられた。

ロボット支援の歩行訓練は通常訓練よりもすぐれているとはいえなかった、


というおはなし。
図:ロボットリハビリ



感想:

派手な見た目は「客寄せパンダ」として優秀。
HALリハビリ 期待外れだった
上肢も↓
ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まったく効果ない

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