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2011年6月30日

半側空間無視の画期的治療法 → プリズム順応療法


Prism Adaptation Therapy Enhances Rehabilitation of Stroke Patients With Unilateral Spatial Neglect: A Randomized, Controlled Trial.
2011  6月 日本




半側空間無視があるとリハビリが思うようにはかどらない。



そこで、プリズム順応療法を併用することで

どの程度 自立が促されるのか調べてみたそうな。



38人の半側空間無視患者をプリズム順応療法グループと

比較グループとに分けた。



プリズム順応療法はプリズム眼鏡をかけて正しい方向を指し示すだけの

単純なトレーニングで、1日2回、週5日の頻度で2週間おこなった。


比較グループも普通の眼鏡をかけて同様のトレーニングをおこなった。


その結果、


プリズム順応療法グループで自立スコアの著しい改善があった、

というおはなし。





感想:

眼鏡はかけっぱなしではないようだし、

これでなぜ効果があがるのかよくわからない。


すでに98年にはこの療法が提唱さてれいる。
Prism adaptation to a rightward optical deviation rehabilitates left hemispatial neglect.

これほどシンプルなのに未だ実用化に至っていないことから、

おそらく実験室限定の、ほんのわずかな効果 なんだと思う。
プリズム順応療法で半側空間無視のADLは改善しない

2011年6月29日

発症後3日間まったくの無言 → 覚悟が必要


Global aphasia as a predictor of mortality in the acute phase of a first stroke.
2011 6月 ブラジル



失語症と脳梗塞の予後との関連について調べたそうな。



発症後72時間以内の脳梗塞患者37人について、



・全体のおよそ88%が言語機能になんらかの障害を示した。

・8人が42日以内に死亡した。

・全失語症は11人で、そのうち5人が42日以内に死亡した。

・全失語症11人の全てに左脳に大きな梗塞があった。

・全失語症11人のうち9人は声をだすことも出来ない状態であった。




急性期の全失語症は死亡のリスク要因であることがわかった、


というおはなし。


写真:失語症

2011年6月28日

若年脳卒中患者の特徴 → 歯が少ない


The evaluation of oral health in stroke patients.
2011 6月 日本




歯の喪失は脳卒中のリスクと関連があると考えられている。


これを実際に調べてみたそうな。



リハビリ病院を退院した358人の元患者について、


・脳卒中グループ

・別の病気グループ


に分けて、残っている歯の本数を各グループの同年代の人たちと比較した。




その結果、

50、60歳代の脳卒中経験者の歯の本数は約18本で、

同年代の別の病気のグループの人の本数(約24本)よりも

著しく少なかった。



若い人の脳卒中と 歯の喪失とは関連がありそうである


という結論。








感想:

こういう時って親知らずを含めるものなのだろうか…と思う。



ちなみに自分はいまのところ2本喪失。




写真:歯の喪失

2011年6月27日

脳卒中後の慢性疲労感が仕事への復帰を妨げる


Post-stroke fatigue and return to work: a 2-year follow-up.
2011 6月 デンマーク




脳卒中後の慢性疲労(Post Stroke Fatigue: PSF)と

復職との関連を調べたそうな。


60歳未満で職に就いていた脳卒中患者83人について、

2年間追跡調査した。



週に10時間以上働くことを復職の条件とし、

彼らの疲労度も測定した。



その結果、

2年間で58%の人が復職できた。

また、慢性疲労度の高い人ほど復職が難しいことがわかった、


というおはなし。






感想:

とてもわかるような気がする。


筋肉ではなくて脳が疲れてしまう。


なにをやっても

すぐに眠くなり、

思考が停止する。


ホント

2011年6月26日

嚥下障害に効くツボの効果が実証される


Randomized controlled study on dysphagia after stroke treated with deep insertion of Chonggu (EX-HN 27) by electroacupuncture.
2011 6月  中国



脳卒中後の嚥下障害に良いとされるツボ(崇骨:Chonggu)の効果を調べたそうな。


283人の嚥下障害を持つ脳卒中患者を次の3つのグループに分けた。


・崇骨に深く(70mm)鍼を刺すグループ

・崇骨に浅く(30mm)鍼を刺すグループ

・従来の複数のツボに鍼を刺すグループ


それぞれについて電気刺激も加え、

1日に30分間x 2回、合計30回の治療をおこなった。


その結果、

効果があった人数の割合は、


崇骨に深く→97%

崇骨に浅く→65%

従来の方法→70%

であった。


ツボ崇骨を狙って深ーく刺す鍼は、嚥下障害の治療にとても効果がありそうである、

というおはなし。




崇骨の位置:第6,7頚椎の棘突起の間






感想:

脊髄の真上から7センチも針を刺すなんて、

恐ろしすぎて食事がのどを通らなくなる気がする。

2011年6月25日

たまにはパソコンから離れて日に当たれ


Sunlight exposure is important for preventing hip fractures in patients with Alzheimer's disease, Parkinson's disease, or stroke.
2011  6月 日本



日光浴による脳卒中患者の骨折予防について調べたそうな。


一般に、

栄養不良や日光の不足でビタミンD欠乏になり、

骨吸収が進んで骨密度が下がる。

その結果、転倒や骨折が起きやすくなる。



脳卒中、アルツハイマー、パーキンソン病患者の

骨折リスクと日光浴との関連についての過去の研究を探したところ、

信頼の置けそうな研究が3つ、みつかった。



それらを再解析したところ、



日光浴することで、股関節骨折のリスクが77%も下がることがわかった、

というおはなし。







感想:

最近の暑さは異常。

骨が強くなる前に熱中症で倒れる予感。

2011年6月24日

"やればデキる" と "常に出来る" は別のはなし


Disparity Between Functional Recovery and Daily Use of the Upper and Lower Extremities During Subacute Stroke Rehabilitation.
2011 6月 イスラエル




リハビリ入院中の脳卒中患者がマヒした手足を

日常的にどの程度使っているのかを調べたそうな。



計60人の患者に3週間にわたり運動測定器を取り付け、

毎日のOT,PTのリハビリ時間を含めた歩数、上肢の運動合計回数を記録した。


また、比較のために40人の健常な高齢者についても同様の記録を行った。



その結果、


・この間に患者の上下肢の運動機能は著しく向上した。

・PTの時間を含め、毎日の歩数も増えた。

・しかし歩数の増加は主に、入院時に歩くことができず車椅子だった患者で起きた。

・健常人の毎日の歩数は脳卒中患者の17倍であった。

・PTの時間も通して上肢の運動回数は増えなかった。




上下肢の機能が向上したからといって

必ずしも日常的に使用するようになるとは限らないことがわかった、


というおはなし。






感想:

一度マヒになった手足は、かなり意識しないと動いてくれないものである。


タイピングの時や食事の時、

特に人の目がないと、左腕が下がったままのことがいまでもよくある。

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