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2011年4月14日

放射能で元気なお年寄りが増える可能性について


Brain irradiation improves focal cerebral ischemia recovery in aged rats.
2011 4月 アメリカ


脳への低線量被曝

脳梗塞の回復に影響を与えるかどうかを調べてみたそうな。




まず老齢ネズミの脳に比較的弱い放射線を照射する。


10日後に人為的に脳梗塞を起こさせる。



その後の経過をMRIを使っておよそひと月追跡したのち

解剖して組織を直接観察した。




放射線照射を受けたグループでは、

脳梗塞周辺の浮腫が半分になり、

細胞壊死が6割減り、

神経の回復を妨げるグリア細胞の増殖も著しく防ぐことができた。



事前の放射線被曝がとてつもない神経保護作用をもたらす場合がある、

というお話。




写真:がんばれ日本

2011年4月13日

自分で救急車を呼ぶのは甘え かな


脳卒中医療、格差なくせ
基本法制定へ超党派議連
関係者「前進目指す」

2011 4月 共同通信



夢の脳梗塞治療薬tPAの使用率が2%に過ぎないことを問題とし、

・tPAを扱える専門医と

・救急対応できるインフラ、

・すぐに救急車を呼ぶ啓発活動

の充実を求める国会議員の集まりができた、 というおはなし。



これ読んで、直感なんだけど、

tPA治療の対象になる患者は増えない、  と思った。




記憶を辿ると、

最初の症状を認識したのは入院前日の晩だった。

足の感覚の鈍さ をなんとなく憶えている。



翌朝の通勤途上でも足の違和感があった。

その後、登り階段でつまずいて転んだり、

かばんを落としたり、

財布を開く手がおぼつかなくなっていたことも

憶えているのだけれど その時点では脳卒中だとは思わなかった。




キーボードの打ち間違えを連発してようやく脳卒中の可能性に気づいたのは昼過ぎ。


ことの重大性に気づいてはいたものの、

まずは仕事に区切りをつけて、

一旦家に帰ろうとして途中で力尽きて倒れ、

救急車を呼ばれて病院に運ばれたのが16時だった。




tPAは発症後3時間以内でないと適用できないから、

自分のようなケースではまったくの問題外になる。

(自分がもし脳梗塞だったら手遅れ)





心の中で警報は鳴っていたのだけれど

すぐに病院へ避難することはしなかった。




人は自分の危機的状況をなかなか認めようとしない。



自分にだけはそんな恐ろしいことが起きるはずはない、

と深いところで信じている。




もしくは 

危機から逃げてはいけない、

立ち向かわなければならない、と思うのかも知れない。





ふたたび 自分が同じ状況になったときに

救急車を呼べる自信がない  …

2011年4月12日

もう ゲームオーバー? 運転あきらめた方がイイかもね


Support for stroke patients in resumption of driving: patient survey and driving simulator trial.
2011 3月 日本



日本の脳卒中経験者の自動車運転事情 と

シミュレータを使った運転能力評価についての報告。




運転免許のある118人の脳卒中経験者へのアンケートから、


そのうちの

・36%は自動車運転をすでに再開していた。

・34%は運転の再開を望んでいた。

・63%は入院中に自動車運転についての助言はまったくなかった。


ということがわかった。




次に

ホンダ製のとってもリアルな感じのドライブシミュレータを使って、

障害物が現れたときのフルブレーキングに要する時間を測ったところ、

脳卒中経験者は初回の反応がめっちゃ遅かった。

でも2回目、3回目になると健常人並に早くなった。




自動車運転は社会復帰のための重要な要素の1つであり

多くの患者が運転再開に必要な情報を望んでいる。


シミュレータを使うと、安全に運転を諦めさせることもできるから

いろいろとはかどるかもよ、  という内容。


ホンダのドライブシミュレータ  1台およそ700万円



高価なシミュレータを買って、今はそのリアリティさに満足できていても、

おそらく5年もしないうちに陳腐化して使い物にならなくなることは明らか。




それよりも

病院は近所の自動車教習所と提携して、片麻痺患者のための運転実習コース

でも作ってくれたら ほんと、有り難いと思うんだよね。

2011年4月11日

アルファリノレン酸に脳卒中予防効果あり


Alpha-linolenic Acid intake and 10-year incidence of coronary heart disease and stroke in 20,000 middle-aged men and women in the Netherlands.
2011 3月 オランダ




不飽和脂肪酸であり必須脂肪酸でもある

アルファリノレン酸の心血管疾患の予防効果を調べてみたそうな。



2万人以上についておよそ10年間にわたり追跡調査した結果


アルファリノレン酸の摂取量と

冠動脈疾患リスクとの間には関連は見られなかった。



一方

脳卒中リスクはアルファリノレン酸をほどほどに摂ったほうが3~5割低くなった。



アルファリノレン酸はドレッシングやマヨネーズにたくさん含まれているので

意識して摂ったほうがいいかもよ、という内容。




参考:
α-リノレン酸 - 「健康食品」の安全性・有効性情報:厚生労働省

2011年4月10日

病院を主席で退院しても、社会に出たらタダの人以下

昨日の記事についてOTセラピストの方から次のようなメールをもらいました。


『担当している方が、
ブルンストロームステージ6、全運動可にも関わらず
介護レベル2のままで病人状態です。
これは一体どういうことでしょうか?』



といった内容でした。




常々考えていることを記す良い機会と思ったので

ここで勝手にとりあげさせてもらいます。





こういうこと、と思います。


脳卒中リハビリのシーンで用いられる機能評価スケールの多くは

その最良スコアの状態が

"生活動作の自立ができる"、

に相当していると考えます。



つまり病院では自立ができるほどに身体が機能すれば満点評価されます。



ところが、自立に要する身体機能レベルというのは、

健常人が持つ限界能力の20%程度で済むと考えます。



なぜ20%かというと、

健常人は瞬間的に時速20キロ程度で走ることができます。

しかし、自分のような脳卒中経験者で驚異的なまでに回復した者でも

走ることは極めて難しく、せいぜい健常人の通常歩行速度の

時速4キロメートルが精一杯です。



交差点で信号が点滅していても小走りにできません。


この速度の比をもって 例として 20%と考えます。





病院でどんなに優秀な回復成績を収めたところで

発症前の身体機能レベルには程遠いのです。



じゃあ、もっとがんばって発症前のレベルに到達するよう

さらにリハビリすればいいじゃないか、とも思いますが、


すでに生活動作の自立ができているため差し迫ったその必要性は感じません。




ところがその一方で、

この社会では異常なまでの体力重視の勤勉さが求められます。


例えば、

サラリーマンは地震や台風が来ようが、電車が動いてなかろうが

必ず出勤しなければなりません。



健常時の20%の身体能力でこんな修行僧のような通勤生活を送る

ことはほとんど不可能に感じられます。



こういった社会状況から受ける不全感の壁が非常に高く感じられ、

心理的に病人ゾーンを抜け出せなくなっている人が多い、




そう考えるのです。

2011年4月9日

夢の上肢麻痺治療法、rTMSで信じられない奇跡の成果が 再び


Anti-spastic effect of low-frequency rTMS applied with occupational therapy in post-stroke patients with upper limb hemiparesis.
2011  4月  日本





反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)と通常の作業療法を

脳卒中片麻痺患者に施したところ、

上肢機能が著しく改善した、という いつもの内容。





ここで 被験者として選別する際の上肢麻痺程度の条件として


"手指のBrunnstrom stageから"


とあったので検索してみた。





Brunnstrom stage
brunnstrom.png
(Brunnstrom S: Movement therapy in hemiplegia; A neurophysiological approach. Harper & Row, New York, 1970.)





自分の麻痺経験から、

ステージⅢの "握れるが開けない" と

Ⅳの "横つまみ・僅かな伸展"

との間には非常に高い壁があって、



これを超えるための効果的な治療法は

現在この世には存在していない、と理解している。





もし、このrTMS治療法で ステージⅢをⅣ以上に押し上げる効果があるのだとしたら、

是非、ノーベル医学賞をもらって欲しいと思う。





一方で、ステージⅣ、Ⅴの状態をさらに改善することは極めて易しいことと考える。

(すでに指を開くことが出来るのだから、たくさん練習させればイイだけ。)





だから、Ⅲと Ⅳ,Ⅴの患者を一緒くたにして

上肢麻痺に著しい改善効果があった、


とするのはあまりフェアではないと思うんだよね。


関連記事:rTMS治療中に居眠りしていた脳卒中患者の末路

2011年4月8日

脳卒中になったら、サプリはDHA入りがオススメ


Docosahexaenoic Acid Therapy of Experimental Ischemic Stroke.
2011 3月 アメリカ




ドコサヘキサエン酸(DHA)の神経保護作用について調べてみたそうな。



ネズミの脳を人為的に血の巡りの悪い状態にした後、

2-6時間おいてからDHAを注射した。




脳の変化をMRIで7日間にわたり観察したところ、

DHAを与えたグループのネズミの脳では

壊死してしまう組織の大きさが非常に小さかった。

また機能の回復も早かった。




脳を虚血にしたあと5時間を超えるとこの改善効果は見られなかった。



DHAにはすっごい神経保護作用があることがわかった、

というおはなし。





写真:DHAは脳梗塞を防ぐ。
ネズミの脳:梗塞になった領域
左:DHAなし、    右:DHAあり

2011年4月7日

イメージトレーニングは、"奇跡"のリハビリ法ではないことが判明


A Multicenter Randomized Controlled Trial to Compare Subacute 'Treatment as Usual' With and Without Mental Practice Among Persons With Stroke in Dutch Nursing Homes.
2010 10月 オランダ




脳卒中リハビリへのイメージトレーニングはイイと評判なので、

あらためてその効果の有無を調べたそうな。



養護施設の平均年令78の脳卒中患者36人を2グループに分けて、

一方には6週間にわたりイメージトレーニングを施した。


その間、両グループとも通常のリハビリは継続した。




結果、

両グループで改善の程度に違いは まったく見られなかった。



もっと回復の見込みのありそうな患者を選んでおけばよかった…

というおはなし。








イメトレのお供に


2011年4月6日

10年も経つと、およそ4割がまた脳卒中を経験している


Risk and Cumulative Risk of Stroke Recurrence: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2011 3月 イギリス


脳卒中の再発の危険性が、

年を経るごとにどのように蓄積されてゆくかを調べるべく

過去の研究成果を再検証したそうな。




延べ9000人以上の患者データの再分析の結果、

発症からの期間と脳卒中再発率との関係は次のようになった。


・30日後:3%

・1年後:11%

・5年後:26%

・10年後:39%



というおはなし。

図:脳卒中の10年再発率

2011年4月5日

鍼の効果で脳梗塞患者の血中タンパク質も変化


Proteomic analysis of serum proteins in acute ischemic stroke patients treated with acupuncture.
2011 3月 中国


脳梗塞リハビリへの鍼灸の効果が、

血中タンパク質と上下肢の筋力にどう反映されるかを調べたそうな。




35名の急性期脳梗塞患者について、

10日間の鍼灸治療を施すグループとそうでないグループに分けて、

血中に発現しているタンパク質の種類と量、

上下肢の筋力を測定した。




その結果、

鍼灸治療を施したグループでは筋力が増加し、

血中タンパク質の内容にも おおいに変化が起きたことがわかった。




鍼灸は 主観的な改善効果だけでなく

観察可能な変化をも もたらすことができる、 という内容。


2011年4月4日

脳卒中後アパシー(無気力)って なんだ?


Post-stroke depression and apathy: Interactions between functional recovery, lesion location, and emotional response.
2011 3月 日本



脳卒中後のうつはよくある話だけれども、

この症状は抑うつ気分無気力(アパシー)の2つに分けることができる。


これらの感情反応の背景を分析すると

"回復に対する強い固執"

という要因が見えてくる。


この感情はこれまで、回復の妨げになるネガティブな要因の1つとして考えられていた。


しかし適度なレベルの"回復に対する強い固執"

抑うつや無気力の低下と関連があり、結果としてリハビリも捗る。



抑うつや無気力は多くの要因が絡んだ複雑な反応であり、

多面的なアプローチが必要である、


というお話。


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どこかで聴いた内容…と思ったら

この記事と同じ著者だった。
脳卒中後のうつと意欲低下




わざわざアパシーを持ち込んでくる理由はよくわからないが、

脳卒中リハビリが抑うつ対策ではかどるというというのはそのとおりだと思う。





最近は頭や筋肉に電流を流したりするのが流行っているけれど、

患者を壊れたロボットのように考えているようで 実はあまり好きになれない。




だからこういう記事を読むとホッとする。

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