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2012年5月21日

なぜ脳卒中患者の運動イメージ能力は低下するのか


Motor imagery in stroke patients, or plegic patients with spinal cord or peripheral diseases.
2012  5月  ドイツ




脳卒中患者の運動イメージ能力が弱くなる原因を調べたそうな。



・31人の脳卒中片麻痺患者

・10人の 脳には異常のない筋萎縮症による重度の四肢麻痺患者について

運動イメージ能力を調査、比較した。



結果は、


運動イメージは、

・主観視点よりも客観視点でのほうがやりやすかった。

・感覚麻痺がある患者は難しかった。

・運動麻痺は軽いほうがうまくいった。

・非麻痺手の動きの方がイメージしやすかった。

・重度の四肢麻痺患者は他人の動作イメージはできても自分のはイメージできなかった。






運動イメージ能力は感覚麻痺を伴うと弱くなり、

動作能力とイメージ能力との間に密接な関係があることがわかった



というおはなし。

2012年5月20日

脳卒中から退院したオッサンにGPSを着けて1年間監視してみた


Monitoring community mobility with global positioning system technology after a stroke: a case study.
2012  5月  アメリカ




退院した脳卒中経験者の活動状況をGPSの記録から推測してみたそうな。



脳幹梗塞を患った56歳のある男性に 退院後GPS記録装置を与えて、

寝るとき以外は着けるよう促した。



事前によく行きそうな場所を10箇所ピックアップして

ゴールとして得点カウントした。


退院直後、5週後、9週後、6ヶ月後、12ヶ月後の

各時点での1週間の平均活動状況をGPS記録から分析した。




結果は、

・退院時の6分間歩行距離は73mだった。

・1年後の6分間歩行距離は288mに延びた。

・退院後10週までは、週に平均7.6箇所のゴールを訪れ、27回外出していた。

・加速度分析によると、特に活動的になったわけではなかった。

・1年を通して訪問ゴールの数や外出回数は変わらなかった。






GPSの記録を分析すると

被験者の歩行スピードや外出頻度だけからはわからない

活動状況の別の側面が見えてくることがわかった、


というおはなし。



写真:GPS


感想:

自分のGPS記録を公開したら、

運転中のスピード違反はもちろん、

広い家なら一日に何回ウンコをしたかまで

バレちゃうんだろうな。

2012年5月19日

磁気刺激治療は本当に上肢麻痺に効くのか?


Transcranial Magnetic Stimulation Combined With Physiotherapy in Rehabilitation of Poststroke Hemiparesis: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study.
2012  5月  ポーランド




磁気刺激(rTMS)の上肢麻痺治療効果について調べてみたそうな。


40人の脳卒中片麻痺患者について

脳の正常側運動野への1Hz rTMS治療を30分間の のち、

45分間の運動訓練のセットを3週間行った。



治療前後と3ヶ月後の運動機能を評価した。



偽の磁気刺激グループも作り比較対照とした。




結果は、

・本刺激と偽刺激グループ間で改善程度にほとんど違いはなかった。

・3ヶ月後も同様だった。





磁気刺激治療による脳卒中上肢麻痺改善効果は

ほとんどないことがわかった




というおはなし。





感想:

正常な脳の働きを抑制してバランスをとるというアイデアのようだけど

こういう↓ビデオを観ると 考え方に無理がある気がしてならない…

運動野への磁気刺激

2012年5月18日

磁気刺激で失語症が改善するんだゾ ☆(ゝω・)v


Theta Burst Stimulation Over the Right Broca's Homologue Induces Improvement of Naming in Aphasic Patients.
2012  5月  スイス



失語症患者への経頭蓋磁気刺激の効果について調べたそうな。


脳卒中で失語症の右利き患者18人について


脳波計測で特定した右脳ブローカ野への

経頭蓋磁気刺激治療(シータバースト)

その前後での画像命名課題など言語機能の評価を比較した。


また、

偽の磁気刺激との比較、

脳卒中後の異なる時期での比較も行った。




結果は、

・偽ではない本当の磁気刺激により命名課題の正確さとスピードが著しく向上した。

・この改善は、脳卒中の亜急性期患者で顕著だった。




この治療法は使えるかも知れない、


というおはなし。





感想:

おもしろそう。


ブローカ野を磁気刺激したときに言葉が出なくなる実験


2012年5月17日

桜島に近づくと脳卒中になる可能性について


Sulfur dioxide and emergency department visits forstrokeand seizure.
2012  3月  カナダ




大気汚染物質と脳卒中との関連を調べたそうな。


1999-2003の間に、バンクーバーのある病院に

脳梗塞で救急搬送されてきた患者は19万人だった。


このうち脳梗塞、TIAを含む発作を起こした患者が2000人だった。



当時の大気中の浮遊物質、一酸化炭素、

二酸化窒素、二酸化硫黄等の濃度との関連を解析したところ、



・二酸化硫黄濃度と著しく関連していた。

・女性であることも関連があった。






大気中の二酸化硫黄に急に曝されると

脳卒中が起きやすい
ことがわかった、


というおはなし。




感想:

二酸化硫黄 (wikipedia)より

『火山自体や噴火の規模にもよるが、火口などからは相当量の二酸化硫黄が放出される。日本の桜島は、2011年12月に125回も爆発的な噴火を記録する活発な時期を迎えていたが、この際に観測された平均放出量は日量1,800tから2,900tと推計されている。』





ちょっと前の記事を思い出した。

中国のおかげで日本人の脳出血が増える可能性について

2012年5月16日

こんなテストをされたらボケが疑われていると思うべし


The relationship between executive dysfunction and post-stroke mortality: a population-based cohort study.
2012  5月  スウェーデン



認知機能と脳卒中後の死亡率との関連を調べたそうな。



70歳のときに認知機能テストを受けたことのある

脳卒中経験者155人を追跡調査した。



84人が脳卒中後2年半ほどで死亡した。


年齢、教育レベル、社会的要因なども考慮して解析したところ、



・視野探索課題(Trail Making Test:TMTAの点数が悪かった人は死亡率が2倍ほど高かった。

・最低点の人はトップの人に比べ死亡率が3倍だった。

TMT以外の評価方法ではこのような傾向は見られなかった。





ボケかかったひとは脳卒中をきっかけに

死んでしまいやすい
ことがわかった、


というおはなし。





感想:

入院して間もなく この種のテストを何度もやらされて熱が出た。


頭がバカになっていることがバレるんじゃないかと気が気ではなかった。

2012年5月15日

脳卒中後の疼痛はさらなる障害の前兆か?


Pain following stroke, initially and at 3 and 18 months after stroke, and its association with other disabilities.
2012  5月  スウェーデン




脳卒中後の疼痛と他の障害との関連を調べたそうな。



109人の脳卒中患者について、

発症時、3ヶ月後、18ヶ月後の各時点での

疼痛、歩行、自立、深部感覚、痙縮等の程度について調査をした。




その結果、

・すべての時点で脳卒中後の疼痛と上肢の運動障害が関連していた。

・脳卒中後の疼痛があるからと言って他の障害が現れるわけでもなかった。

・発症時の歩行障害や感覚障害がその後の疼痛と関連していた。







脳卒中後の疼痛により、別の障害が起きるわけではなかった、


というおはなし。





感想:

たしかに、 手が動くようになった頃と

金属や水に触れたときの痛みが消えた時期が

一致しては いる。

2012年5月14日

脳梗塞患者に "気" のサプリメントを飲ませてみた


Effects of qi-supplementing dominated Chinese materia medica combined with rehabilitation training on the quality of life of ischemic post-stroke fatigue patients of qi deficiency syndrome.
2012  2月  中国




脳卒中後の慢性疲労で気欠乏症候群(気虚)の患者に

中国医学の""のサプリメントを与えたらどうか 試してみたそうな。




気欠乏症候群の脳梗塞患者90人について、

30人ずつ次の3グループに分けた。


のサプリメントを飲ませるグループ

・西洋医学で治療するグループ

・偽の気のサプリメントグループ


全てのグループでリハビリ訓練も行い、

治療を4週間継続した。




その結果、

のサプリメントを与えられたグループのみで患者のQOLが向上した。

・西洋医学と偽のサプリグループでは違いが見られなかった。






中国医学が誇るのサプリメントを飲めば、

脳梗塞後の慢性疲労も解決するかもしれない、


というおはなし。



感想:

どこで売ってるのか気になる。


以前のこんな記事を思い出した。

"気" が足りない脳卒中患者は回復が遅い

2012年5月13日

重度の麻痺手が動くようになるCHASE療法とは


A pilot study of contralateral homonymous muscle activity simulated electrical stimulation in chronic hemiplegia.
2012  5月  日本



CHASE療法を患者で実験してみたそうな。(by 脳情報研究所


脳卒中慢性期で重度の片麻痺患者3人について

両手首と指を伸ばす訓練を行った。


このとき、健常側の手の筋肉電流を記録して、

同様のパターンの電流刺激を麻痺手に与えた。(CHASE療法)


これを1日30分 x 2週間続けたところ、

・患者3人全てで手首伸ばしが改善した。

・痙縮も改善して、

・2人のフーゲルマイヤー評価スコアも向上した。




CHASE療法は重度片麻痺患者の上肢運動治療に使えるかも知れない、


というおはなし。

CHASE療法


感想:

CHASE療法をいままで知らなかった。

検索すると同じ研究者によるCHASE療法の資料があった。

運動制御の神経科学から機能回復支援へ
-脳卒中重度片麻痺回復への挑戦-
(pdf)


やってることはともかく 重度片麻痺患者を治療しようというはすばらしいと思う。


以下、共感した部分を引用

...CI療法を初め回復効果が実証されている療法の多くは、麻痺が比較的軽い人を対象としており、数多くの重度片麻痺の人には適用できません。
...

非損傷側の脳による機能回復を促進するには、麻痺手と同時に非麻痺手を動かすこと(両手協調運動)に一定の効果がある...

2012年5月12日

人生の一大事が脳梗塞の引き金になる可能性について


Stressful life events as triggers of ischemic stroke: a case-crossover study.
2012  5月  フランス




人生の一大事と脳梗塞との関連を調べてみたそうな。



247人の脳梗塞患者について、

発症からほぼ5日以内に面談を行い、


近しい人との死別などの

ストレスフルな出来事が最近起きたかどうかを調査した。




結果は、


・過去6ヶ月間の範囲では

187人の患者が1回以上、人生の一大事に遭遇していた。

またその半数以上が直近のひと月間に起きていた。



・過去4週間に限ると、

97人の患者が1回以上の人生の一大事に遭遇していた。

その多くは直近の1週間以内に起きていた。





人生の一大事が脳梗塞のリスクを急上昇させることがわかった


というおはなし。





感想:

脳出血は関連が深いと思っていたけど

脳梗塞とは やや意外。



そもそも脳卒中自体が人生の一大事なので

脳梗塞になった1ヶ月以内にまた脳梗塞になる、

なんてことがザラにあるのかも...


と思ったり。

2012年5月11日

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練


Is modified constraint-induced movement therapy more effective than bimanual training in improving upper arm motor function in the subacute phase post stroke? A randomized controlled trial.
2012  5月  ノルウェー



脳卒中患者へのCI療法と両手を使った訓練との

効果の比較をしてみたそうな。



発症後2-16週間の脳卒中患者30人を

・CI療法(片手訓練)グループ

・両手訓練グループ

に分けた。


療法士による週4時間の訓練を4週間続け、

その後、毎日2-3時間の自己訓練を課した。




CI療法グループでは訓練時間中、健常側の手にミット(デカ手袋)を着け

麻痺手のみを使用するよう強制した。




訓練後の回復程度を複数の評価方法でスコア化して比較した結果、


両グループで回復程度に明らかな違いは見られなかった。


両手訓練はCI療法と同程度に有効であり、

わざわざ手にミットをはめる必要は無いことがわかった、


というおはなし。





感想:

自分の経験上、

麻痺手を動かそうとするときには

必ずしも意識的ではないけれど、

健常な側の手の状態、感覚を常に参照し、

心で見比べながら麻痺側の動きを修正している

という強い確信がある。


こういうときに腕を釣られ、ミットも被せられていると、

これはもう ストレスの原因にしかならないんじゃないか...

と考える。






補足:CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測できるという特長もある。


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