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2014年7月12日

startReact効果 「よーい」「どん」って言ったらスタートね、、


Startling acoustic stimuli can evoke fast hand extension movements in stroke survivors.
2014  6月  アメリカ

あらかじめ思い描いていた動作が、びっくりするような音刺激をきっかけに無意識のうちに(短時間に)発動される反射がある。これをstartReact効果と呼ぶ。

脳卒中経験者の肘の屈曲動作についてのstartReact効果は、その反応速度、筋肉の動き共に健常者のそれと差がないことがわかっている。

手の伸展動作についてもstartReact効果が脳卒中後そのままであるかどうかを実験してみたそうな。


脳卒中経験者8人と同年齢の健常者10人について、次の2つの音刺激のあとに手を伸展させるよう教えた。

"get ready"

"go"

このときランダムに"go" の部分をびっくり音に置き換えた。

それぞれの反応動作および反応速度を測定し、比較した。


次のようになった。

・両グループ間で 動作および反応速度に差はなかった。


脳卒中経験者でも手のstartReact効果は完全にそのままであることがわかった。リハビリに応用できるかも知れない、


というおはなし。


感想:

徒競走の発砲音はこういう効果を狙っているのかね?

startReactか?

2014年7月11日

争おうとする意気込みの強いひとは脳卒中リスク2倍以上


Chronic Stress, Depressive Symptoms, Anger, Hostility, and Risk of Stroke and Transient Ischemic Attack in the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis
2014  7月  アメリカ


ストレスやウツ、怒り、敵愾心などネガティブな感情と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


年齢45-84で病気のない6749人(白人、黒人、ヒスパニック、アジア人)について、慢性的なストレスやウツ、怒り、敵愾心などをアンケート調査し、脳卒中やTIAの有無を8.5年間ほど追跡調査した。


次のことがわかった。

・この間に147件の脳卒中、48件のTIAがあった。

・敵愾心の強い人は脳卒中やTIAのリスクが2倍以上高かった。

・同様に、ウツ症状が強いと1.9倍高く、ストレスが強いと1.6倍高かった。

・怒りの感情と脳卒中リスクとの関連は見られなかった。


高レベルのストレスや敵愾心、ウツ症状は脳卒中のリスクを著しく上昇させることがわかった、


というおはなし。



感想:

怒り(anger)と敵愾心(hostility)の違いがよくわからないので調べてみた。

敵愾心→「争おうとする意気込み」

強い善悪判断を伴わない競争意識...かな。

2014年7月10日

脳卒中患者はいつごろまでに何の機能がどのくらい回復するものなのか?


Temporal recovery of activities of daily living in the first year after ischemic stroke - a prospective study of patients admitted to a rehabilitation unit.
2014  7月  シンガポール

脳卒中患者の日常生活動作が長期的にどう回復してゆくのか調べてみたそうな。


163人の脳梗塞患者について、入院直後から1年間、日常生活動作の各項目について自立度を追跡調査した。


次のようになった。

・被験者は平均年齢64、3分の2が男性だった。

・自立度スコアの総合値は、1年間で41→73→88→91→84と変化した。

・食事、身繕い、排泄、移動、歩行のスコアは、発症後3ヶ月後に上限に達した。

・着替え、階段昇降スコアは6ヶ月時点で伸びが止まった。

・入浴スコアは12ヶ月後には安定した。

・日常生活動作が「自立レベル」と判定された患者の割合は、入院時から1年間で0%→9%→32%→41%→50%と増加した。

・筋力スコアと自立度が強く関連していた。

・1年後の自立可能性に影響する要因が多数ある中で、年齢要因がダントツだった。


日常生活動作上の機能の多くは発症後3ヶ月以内に回復した。ただし着替え、階段昇降、入浴動作はさらに時間を要した。また、年齢が若いほど自立可能性が高かった、


というおはなし。

シンガポールの病院
この病院

2014年7月9日

ゲームリハビリ すぐに効くのは右脳?左脳?


Comparison of the immediate effect of the training with a virtual reality game in stroke patients according side brain injury.
2014  7月  ブラジル

ビデオゲームリハビリは左脳損傷と右脳損傷のどちらで効きやすいのか 実験してみたそうな。


平均年令50、左脳損傷または右脳損傷の脳卒中患者10人ずつと健康な20人についてビデオゲーム前後での水を飲む際の上肢動作の詳細な解析を行い比較した。

ビデオゲームはXBOX360 Kinectの卓球ゲームを、45秒x10セットを15分開けて2回(計30分間)行った。


次のようになった。

・健常人と患者とではゲームの打数やパフォーマンスにおおきな差があった。

・ビデオゲームの直後、右脳損傷患者のみ左上肢の肩、肘の角度が健常人のそれに近づいた。


右脳損傷患者にはビデオゲームリハビリの即効性が見られた、


というおはなし。


このゲーム

2014年7月8日

体幹コントロールは左よりも右片麻痺患者で・・・


Is the basic trunk control recovery different between stroke patients with right and left hemiparesis?
2014  7月  イタリア

片麻痺の左右の違いと体幹機能(体位の保持能力)の回復度との関連を調べてみたそうな。


94人の脳卒中患者(48人の左片麻痺、46人の右片麻痺)について、入院時と退院時に体幹機能テストと自立度テストを行いスコアを比較した。


次のことがわかった。

・体幹機能スコアは左片麻痺で47→63、右片麻痺で49→79になり、右片麻痺患者の回復が大きかった。

・自立度テストの結果は両グループで差がなかった。


片麻痺の左右の違いによって体幹機能の回復に差があり、右片麻痺患者での回復が大きかった。この差は自立度には反映されなかった、


というおはなし。

2014年7月7日

ヨーガ呼吸法とアーユルヴェーダで失語症がよくなった


Yogic breathing and ayurveda in aphasia: a case study.
2014  7月  アメリカ

アーユルヴェーダ医学は古くから伝わる治療法ではあるが西洋では馴染みが薄い。

ヨガの呼吸法とアーユルヴェーダ療法で失語症が良くなった女性がいるそうな。


彼女は脳卒中後、通常の言語療法を受けていたが発症から5週間目にやめて

アーユルヴェーダ療法を選んだ。

独特の身体操作、呼吸法、食事法などを学んだ。


この治療を受けている3ヶ月間、認知機能と言語機能のテストは継続された。


その結果、言語機能、視覚注意力、気分が改善したことがわかった。


彼女に起きた言語機能の改善効果は、ヨガ呼吸法やアーユルヴェーダ療法に依るものかも知れない、


というおはなし。



感想:

これを思い出した。
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

よくみたら同じ研究者だった。

2014年7月6日

デュアルtDCSで失語症を治療してみた


Ipsilesional and contralesional regions participate in the improvement of poststroke aphasia: a transcranial direct current stimulation study.
2014  6月  イタリア

デュアルtDCS(経頭蓋直流電気刺激)の失語症への効果を調べてみたそうな。


右脳損傷で交差性失語の脳卒中患者について、

・右脳の下前頭回(ブロードマンエリア 44/45:下前頭回)にマイナス極、左脳の下前頭回(44/45)にプラス極を貼る治療を2週間おこなったところ、命名課題スコアが大きく改善した。

・同じ刺激をブロードマンエリア(39/40)について行ったところ、ほとんど改善効果はなかった。

・ところが電極の極性を入れ替えたところ、下前頭回を刺激したときよりも大きく改善した。


脳卒中の失語症回復には損傷側脳、健常側脳の両方のエリアが関与していそうである。tDCSが治療に役立つかも知れない、


というおはなし。
ブロードマンの脳地図
感想:

脳表面のずいぶんと細かい位置を指定をしているものの、塩水で湿らせたでかい電極スポンジを頭皮に貼っている風景を想像するに この種の実験をする研究者のおおらかさ というか心の広さを感じずにはいられない。

2014年7月5日

クモ膜下出血の死亡率の高い病院の特徴


Hospital Case Volume is Associated With Mortality in Patients Hospitalized With Subarachnoid Hemorrhage.
2014  6月  アメリカ

クモ膜下出血患者の院内死亡率と、病院の症例数との関連を調べてみたそうな。


2003-2012の脳卒中登録データベースを使って、病院ごとのクモ膜下出血患者の年間症例件数と病院内死亡率との関連を解析した結果、


次のことがわかった。

・685施設、31973人のクモ膜下出血患者データを対象とした。

・1病院あたりの年間クモ膜下出血症例件数の中央値は8.5人だった。

・院内死亡率の平均は25.7%で、扱う症例が増えるほど死亡率は低かった。

・症例数がもっとも少ない病院にくらべ、もっとも多い病院では死亡率が約2割低かった。

・症例数と入院日数にも関連があったが、予後の良さとは関連はなかった。


クモ膜下出血患者をたくさん経験している病院ほど死亡率が低かった、


というおはなし。



感想:

この差が大きいのか小さいのかわからない。

頼りにされる病院ほど難しい患者が多くきて逆に死亡率が高くなりそうではある。

患者や病院の特徴によらない、とあるから 術者の経験に依るところが非常に大きいのかもしれない。

2014年7月4日

[コミュ障] 右脳損傷患者は会話から感情を読み取れないことが明らかに


Right hemisphere dysfunction is better predicted by emotional prosody impairments as compared to neglect.
2014  1月  アメリカ

通常、右脳損傷後の認知機能障害の有無は半側空間無視テストで判断される。

しかしながら、右脳はコミュニケーション関連のさまざまな機能も担っている。

そこで、言葉の調子(韻律)から感情を読み取る能力の低下をもって認知機能障害を判定できるものか調べてみたそうな。


右脳損傷の脳卒中患者28人と、年齢、教育レベルの同等な24人の一過性脳虚血発作患者について、

*感情韻律タスク:音声を聴いて感情を当てるテスト
*半側空間無視テスト

を行った。

結果を解析して右脳損傷患者(であるかどうか)の判別能を比較した。


次のようになった。

・右脳損傷患者の判別能は、韻律テストが79%、半側空間無視テストで56%だった。

・韻律テストの結果を用いると、神経症状の重症度をはかるNIHSS評価とほぼ同等の右脳損傷判別能があった。


言葉の調子から感情を読み取る能力のテストは、半側空間無視テストよりも右脳機能障害の有無を判定する目安として適しているかも知れない、


というおはなし。

感想:

自分は右脳出血なのでコミュ障をさらにこじらせている可能性があるわけで…

でも 自覚すること が大切なんだと思う。

2014年7月3日

自分はたばこを吸わなくても家族に喫煙者がいるとクモ膜下出血が…


Stroke mortality associated with environmental tobacco smoke among never-smoking Japanese women: a prospective cohort study.
2014  6月  日本

自宅での喫煙環境と脳卒中死亡率との関連を調べてみたそうな。


喫煙経験のない36021人の女性を約15年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・この間に906人が脳卒中で死亡した。

・家族に喫煙者がいる場合、脳卒中死亡リスクは全年齢で1.14倍、40-79歳に限定すると1.24倍、80歳以上では0.89倍となった。

・この関連はクモ膜下出血でもっとも顕著だった。


自宅に喫煙者がいる場合、たばこを吸わない女性の脳卒中死亡リスクは上昇する、


というおはなし。

2014年7月2日

楽器演奏で半側空間無視を治す


Reducing chronic visuo-spatial neglect following right hemisphere stroke through instrument playing.
2014  6月  デンマーク

半側空間無視は脳卒中で右脳を損傷した患者に特徴的に起きる 左方への注意が著しく欠けた状態を指す。

これを音楽演奏によって改善できるものか試してみたそうな。


半側空間無視で慢性期の2人の患者について、

音階の異なる12本のキーを左右に等間隔に並べた楽器を演奏させた。

単純なメロディーを選び、慣れるにしたがってキーの間隔を広げた。

1回30分間の演奏療法を、週に1回のペースで4週間おこなった。

各回の前後および最終回の1週間後に、半側空間無視の程度を測定する複数のテストを行いスコアを比較した。
横長楽器

次のようになった。

・2人の患者は、短期的、長期的に著しい改善を示した。

・1人は最終回の1週間後に ほとんど正常レベルの改善度を維持していた。


横長の楽器を演奏させることは半側空間無視の治療に役立つかも知れない、


というおはなし。


感想:

半側空間無視が脳のどういう仕組みでなるのか自分にはさっぱりなんだけど、治療法のほとんどは左方への注意喚起で とてもシンプル。

そのへんのギャップがおもしろい。

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