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2014年10月28日

朝起きて気がつく脳卒中と いつ起きたのかわからない脳卒中がある


Differences in wake-up and unknown onset stroke examined in a stroke registry.
2014  10月  イギリス

脳卒中は発症時刻別につぎの3種類に分けられる。

WUS:睡眠中に発症して起床時に気がつく
AOS:活動中に発症する
UOS:いつ発症したのか不明

これらの患者の特徴について調べてみたそうな。


1999-2011の脳卒中患者3890人の医療データを調べたところ、


次のことがわかった。

・21%がWUS、65%がAOS、14%がUOSだった。

・UOS(発症時刻不明)患者は著しく高齢で、女性または一人暮らしが多かった。

・この12年間にUOSの比率が10→16%に増加した。

・UOSは重症患者が多かった。

・WUSはAOSに比べ脳内出血は少なくラクナ脳卒中は多かった。

・UOSは左脳損傷が多く、ラクナ脳卒中は少なかった。

・WUSに快復した患者は少なかった。

・UOSの院内死亡率はとても高く、機能回復度は低かった。


WUSは脳内出血が少なかったが、重症度や回復度でAOSと大きな差はなかった。UOSは増加傾向にあり重症患者が多く予後も悪かった、


というおはなし。



感想:

UOSには孤独死一歩手前の老人 または緩やかに発症して自覚がないだけのケースの2通りがあるはずだけど前者が多いのかな。

思い返すと自分の場合、早朝から調子がおかしかった 。でも明らかに症状を認識したのは午後になってから。こういう場合どこに分類されるのだろう。

2014年10月27日

時間外入院の脳卒中患者は助からないのか?


Consciousness Level and Off-Hour Admission Affect Discharge Outcome of Acute Stroke Patients: A J-ASPECT Study.
2014  10月  日本

病院の診療時間外に入院した脳卒中患者は予後が悪いという。

ほんとうなのか調べてみたそうな。


262の病院施設に2010年に入院した3万5千人あまりの脳卒中患者について、入院した時刻と退院時の病状との関連を解析したところ、


次のようになった。

・退院時に重度障害または死亡していた患者の割合は、診療時間内の入院では23%、時間外入院では28%だった。

・しかし入院時の意識レベルを考慮に入れるとこの傾向は消えた。


診療時間外に入院した脳卒中患者の予後が悪いのは、より重症な患者が集まることが原因である、

というおはなし。

時間外入院


感想:

このテーマの研究はいままでも何度かみかけた。ほぼかならず医療側に問題はないという結論になる。

けど、仮眠してる最中に叩き起こされてボーっとしながら行う医療が日中のそれと結果に差がないというのは明らかにおかしくはないかな?

ぜひとも差があって欲しいのだが、、、

2014年10月26日

Wiiが脳卒中リハビリに有効であることを文句なしに証明することにした


Does the use of Nintendo Wii Sports™ improve arm function and is it acceptable to patients after stroke? Publication of the Protocol of the Trial of Wii™ in Stroke - TWIST.
2014  10月  イギリス

任天堂Wiiが脳卒中患者の上肢リハビリ訓練に耐えうるものなのか、実際に効果があるのかキッチリと研究することになったそうな。


・ツイスト(TWIST:Trial of Wii in Stroke)と命名。

・発症後6ヶ月以内、複数の病院施設に通う脳卒中患者240人を対象にする。

・Wiiを使った訓練は自宅で行う。

・療法士がWiiの設置と使用方法の説明を行う。

・週に1回電話で励ます。

・期間は45分間/日x6週間で6ヶ月後まで効果をフォローする。


TWISTはWiiの脳卒中リハビリへの有効性を確認するイギリス初の研究になる、


というおはなし。


感想:

なぜかWiiにのみ特化していることと これまでの似たような研究に比べ被験者数が1桁多いことから事業化への本気がうかがえる。

療法士さんが各家庭を廻りWiiの設置と取説、たまに電話を入れて最終日に機能評価とレポート書く。
これが遠隔リハビリテーションなのかも、、
脳卒中の遠隔リハビリテーションが現実味を帯びてきた

2014年10月25日

失語症になったイラン人が入院4日目 さいしょに話した言葉は「メルシーボークー」


Unusual recovery of aphasia in a polyglot Iranian patient after ischemic stroke.
2014  10月  イラン

多言語を話せる人が脳卒中で失語症になり その後ユニークな回復をしたそうな。


・69歳イラン人男性が右半身の麻痺と全失語で入院した。検査の結果、左脳損傷の脳卒中と診断された。

・4日後、話し始めたがなぜかフランス語だった。

・1週間後もフランス語しか話さなかった。

・彼は発症前に、トルコ語、ペルシャ語、ドイツ語、フランス語が話せた。

・フランス語は1年前に習得した言語だった。

・1ヶ月後に退院した際はトルコ語、ペルシャ語も回復しつつあった。


多言語を話す失語症患者は先ず最近に学習した言語から回復するのではないか、、


というおはなし。
CT
感想:

後年の言語学習は脳のまったく別の場所を使っているってことなんだよな。
はやくGoogle自動通訳を実現してほしい。

2014年10月24日

入院して間もない多数の脳内出血患者をリハビリに駆り出したところ 意外にも治りが良くてオドロイタ


Randomized Controlled Trial of Early Rehabilitation After Intracerebral Hemorrhage Stroke: Difference in Outcomes Within 6 Months of Stroke.
2014  10月  中国

脳卒中患者の超早期リハビリの研究はこれまで主に脳梗塞について行われており、脳内出血での効果はよくわかっていない。

そこで脳内出血患者について実験してみたそうな。


平均年令59、243人の脳内出血患者について、

*通常のリハビリのみ または
*通常のリハビリ+早期リハビリ(発症48時間以内に開始)

の2グループに分けて、6ヶ月後の生存率、QOL、自立度等について比較したところ、


次のようになった。

・通常リハビリのみのグループのほうがより亡くなってしまいがちだった。

・身体面、心理面のQOL、自立度、不安度いずれも早期リハビリグループで明らかに優れていた。


脳内出血患者の早期リハビリは、半年後の生存率や機能回復度を向上させることがわかった、


というおはなし。

早期リハビリ


感想:

集中治療室にいたとき、横を向いただけでひどく怒られたのを思い出した。

脳出血患者は動いたらアカンという常識を破った点が評価できる。中国でないとできない研究と思った。

2014年10月23日

脳卒中の遠隔リハビリテーションが現実味を帯びてきた


Telerehabilitation and emerging virtual reality approaches to stroke rehabilitation.
2014  10月  アメリカ

脳卒中は運動機能障害の原因トップであり、人口の高齢化もすすみ広く有効な対策が必要とされている。

そこで遠隔リハビリテーションについてどのような方法が注目を浴び 伸びて来ているのか調べてみたそうな。


その結果、

数ある方法の中で唯一あきらかな成果を挙げているのは

ビデオゲーム主導型の遠隔リハビリテーション」であることがわかった。


さらなる研究が期待される、


というおはなし。


感想:

遠隔にかぎらず単純な動作の繰り返しを患者に促すだけのお仕事は、コンピュータに任せてしまった方がいろんな面で効率がイイってことなんだろな。

いっぽうで直接触れ合うリハビリはどんどん特殊化していって、その手技に療法士さんの名前をつけることが当たり前になる。

佐藤法、鈴木法、高橋法は すでにあるかもしれない、、

2014年10月22日

XaviX(ザビックス)のリハビリ効果をWiiと比べてみた


A controlled pilot trial of two commercial video games for rehabilitation of arm function after stroke.
2014  10月  台湾

商用ビデオゲーム機が脳卒中患者の上肢リハビリにどの程度受け入れられるものなのか調べてみたそうな。


24人の脳卒中患者を次の3グループに分けた。

*通常のリハビリのみ
*Wii を使ったリハビリ
*XaviX(ザビックス)リハビリ

8週間の訓練の後 回復程度を比較した。


次のようになった。

・XaviXよりもWiiのほうが改善効果が大きかった。

・楽しさの点で通常リハビリよりもビデオゲームリハビリのほうが優れていた。

・モチベーション(やる気)の差はグループ間で見られなかった。


患者はビデオゲームリハビリに前向きだった、


というおはなし。

ザビックス
これがXaviX

感想:

XaviXとはなんぞや?と思って調べてみると、
任天堂をスピンアウトした日本人が2000年頃につくったフィットネスゲーム機で、その後これを真似たWii fitに市場を奪われた(by wiki)、とある。

プレステではなく なぜこれを比較対象に持ちだしたのか。 台湾では普及してたってこと、、?

2014年10月21日

最先端医療機器MEG(脳磁図)でミラーセラピーの効果を確認した


Cortical Mechanisms of Mirror Therapy After Stroke.
2014  10月  イギリス

ミラーセラピー中の脳の変化を、脳磁図(MEG)を使って調べてみたそうな。


10人の脳卒中片麻痺患者と13人の健常者について、次の2つの条件下で両手運動をしているときの運動野の事象関連同期信号(15-30ヘルツ)を測定した。

*両手を直接目で見て運動   または
*麻痺手の横に置いた鏡の像をみながら運動(ミラーセラピー)


次のようになった。

・健常者では事象関連信号の左右対称性はミラーセラピー時も変わらなかった。

・患者では事象関連信号が全体的に弱かったが、非損傷側の脳半球で信号が大きかった。

・ところがミラーセラピー中には この左右の信号がより対称的になった。

ミラーセラピーは脳卒中患者の脳の働きの非対称性を正すように作用するのではないか、


というおはなし。
MEG

感想:

MEGの脳卒中ミラーセラピーは初めてみた。おもしろい。

2014年10月20日

仕事にもどれるよう療法士さんが職場に来てサポートしてくれるとしたら


The effect of a workplace intervention programme on return to work after stroke: A randomised controlled trial.
2014  10月  南アフリカ

脳卒中経験者の復職のための職場介入実験をやってみたそうな。


18-60歳の脳卒中経験者80人を、次の2グループに分けた。

*療法士(PT,OT,ST)による職場でのリハビリサポート
*病院での復職を想定した従来型リハビリ

それぞれを4週間行い、比較した。

職場介入は療法士が職場に赴き、各人の状況に則した復職サポートを行うプログラムを指す。


次のようになった。

・その後6ヶ月間フォローした時点での職場介入グループの復職率は60%、従来型リハビリでは20%だった。

・職場介入による復職のしやすさは5.2倍だった。

・職場介入グループは日常生活動作や認知機能、QOLのスコアも高かった。


療法士さんが職場におもむいて復職サポートすることで職場復帰の可能性が高まることがわかった、


というおはなし。

復職を諦めた理由
復職がかなわなかった理由の比較も、、


感想:

そこまでしてくれたら雇い主側も心強いだろうね。

2014年10月19日

抜けた歯が多いと脳卒中になりやすいの?


Tooth Loss and Stroke: Results from the Behavioral Risk Factor Surveillance System, 2010.
2014  10月  アメリカ

抜けた歯の本数と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


2010年におこなった41万人あまりを対象とした大規模な電話調査の結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・失った歯の本数が多いほど脳卒中になりやすかった。

・抜けた歯が1-5本の場合、脳卒中のなりやすさは1.29倍、

・6本以上の場合 1.68倍、

・全部失っている場合の脳卒中のなりやすさは1.86倍だった。


失う歯の本数が多くなると より脳卒中になりやすくなることがわかった、


というおはなし。

歯が抜けた


感想:

なんでかな、、と思ってよく読むと

理由として
・脳卒中予防に良い野菜や果物を摂りにくくなる
・歯周病の慢性的な炎症やバクテリアが血管にどうのこうの

といった考察をしていた。

2014年10月18日

メンタルプラクティスでリハビリがはかどり脳の働きも変わった


Changes in brain activation in stroke patients after mental practice and physical exercise: a functional MRI study.
2014  8月  中国

メンタルプラクティスが運動機能の改善に伴う脳の活動にどう関連するものなのか調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中患者15人の上肢機能について、通常の理学療法を行い、そのうち10人には運動イメージ訓練を伴うメンタルプラクティスを追加した。

4週間の訓練の後、脳の活動域をfMRIで確認し、上肢の機能回復程度との関連を解析した。


次のことがわかった。

・メンタルプラクティスのグループでは上肢の機能回復程度が著しく高かった。

・fMRIでは左脳感覚野の活動が増強され、右脳運動野の活動強度が弱くなった。

・そして 麻痺した右手の運動イメージ中の右小脳の活動が強くなった。

・これら脳皮質上の変化は上肢機能の回復度と関連があった。


上肢機能の回復につながったメンタルプラクティスのあとに大脳皮質および小脳機能の再編が起きたに違いない、


というおはなし。
MP+PPとFMA
MPありだと成績がこんなに伸びる


感想:

この結果と似ている。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

この機会に用語をまとめてみた。

運動イメージ(motor imagery)は外部からの運動動作上の細かい指示に従うことを指し、視覚的シミュレーションは伴わない。
メンタルプラクティスは運動全体の様子を目的意識を持って主に一人称視点で視覚的に思い描くこと。
・これに加えて、五感や感情までも含めたリアルな体験を頭のなかで行うのがイメージトレーニング

こんなふうに理解している。

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