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2019年2月20日

ミラーニューロンを使った失語症リハビリ

元
Aphasia rehabilitation based on mirror neuron theory- a randomized-block-design study of neuropsychology and functional magnetic resonance imaging
2019  2月  中国

ミラーニューロンシステムは他者のジェスチャーの意味を読み取るコミュニケーション上の必要性から発達してきたとする考え方があり、じっさいブローカ野やウェルニッケ野にもまたがっている。

そこで、言語訓練に並行して手の動作を見せることでミラーニューロンシステムが刺激をうけ言語皮質の可塑性が促されて失語症が改善するという仮説を立てた。
これを検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症の患者24人をつぎの3グループにわけた。

*動作観察(目的別に手で物を扱うビデオ)+物の呼称を繰り返し
*物体観察(台上で物が回るだけのビデオ)+物の呼称を繰り返し
*通常の言語リハビリ

それぞれ、1回35分間x週5回x2週間 行った。

また、一部の患者と健常者のfMRIを撮り比べた。


次のようになった。

・物体観察グループにくらべ動作観察グループの失語症検査(Western Aphasia Battery)スコアは高く、

・トータルで通常の失語症リハビリにも匹敵し、

・語彙抽出と自発発語の点ではむしろ優れていた。

・fMRIでは 動作観察グループで ブローカ野や ウェルニッケ野 縁上回を含むミラーニューロンシステムがより強く活性化していた。

手の動作観察により言語野をふくむミラーニューロンシステムが活性化され、可塑性がうながされ訓練効果があがったと考えられる、


というおはなし。

図:動作観察 失語リハビリ


感想:

まいどミラーニューロンの万能感。

いちど闘ったあいての技をコピーしてしまう北斗神拳奥義「水影心」もまたミラーニューロンのはたらきなのだろうか。

[ミラーニューロン]の関連記事

2020年7月5日

VRゴーグルを買う理由 ミラーニューロンシステム訓練

元
2020  7月  中国


脳卒中患者へのミラーニューロンシステム訓練(MNST:Mirror neuron system-based training)の上肢機能と認知機能の改善効果をくわしくしらべてみたそうな。

2018年10月20日

下肢動作観察のミラーニューロンシステム

元
Activation of mirror neuron system during gait observation in sub-acute stroke patients and healthy persons
2018  10月  日本

歩行訓練と動作観察の組み合わせが慢性期脳卒中の歩行リハビリをうながすとする報告がいくつかある。

これにはミラーニューロンシステム(下頭頂小葉-上側頭溝-下前頭回)が関与していると考えられている。

亜急性期の脳卒中患者でも動作観察でミラーニューロンシステムが活性化するのか については報告がないので、実験してみたそうな。


入院していて歩行リハビリ中の神経症状の軽い脳卒中患者5人と健常者9人について、

健常者の歩行ビデオを30秒おきに見せながらのfMRIをトータル6分間撮影した。


次のようになった。

・動作観察中、脳卒中患者の左側の下頭頂小葉と左右の下前頭回の活動があきらかに高くなった。

・健常者では、左側の下頭頂小葉と下前頭回 中前頭回 上側頭葉および左右の中側頭回で活動が高くなった。

亜急性期の脳卒中患者でも動作観察によりミラーニューロンシステムが活性化することが確認できた、


というおはなし。

図:動作観察とミラーニューロンシステム


感想:

ミラーニューロンシステムが活性化したから脳卒中患者の歩行が改善したとは思わない。

なぜなら運動神経の経路にダメージがなければ、なにもしなくても勝手に治るものだから。↓
Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかること

2015年11月22日

ミラーニューロンに基づく失語症リハビリの方法とは

元
Mirror neuron system based therapy for aphasia rehabilitation.
2010  10月  中国

ミラーニューロンシステムの働きは運動と言語機能に関連している。そこで、ミラーニューロンシステムを刺激しながら言語訓練をしたときの失語症リハビリ効果を実験してみたそうな。


脳卒中で失語症の患者6人について、次の2種類の訓練を行った。

A: 手の動作ビデオを見ながら、対象物の名称を繰り返し答える。
B: 静止画をみながら、写っている物の名称を繰り返し答える。

これを1回30分間x毎日x1週間ずつ、ABAまたはBABの順で計3週間行った。

1週間毎に訓練成果を確認し、関連を解析した。

また、fMRI検査も行い脳の活動部位を比較した。


次のことがわかった。

・6人全ての患者でAの動作観察訓練あとに、言語機能テストのほとんどの側面でスコアが改善した。

・fMRIではAの動作観察訓練あとに、ミラーニューロンネットワークがより広く活動していた。


ミラーニューロンネットワークを利用した言語訓練法は、脳卒中の失語症リハビリに有効かも知れない、


というおはなし。

図:ミラーニューロンシステム


感想:

これほんとだとしたら、huluでアクション映画観ながらその実況を独り言しているだけで効果があるはず。

2020年7月28日

視覚フィードバック療法の上肢機能への効果

元
2020  4月  中国


脳卒中患者の上肢機能回復と運動関連皮質機能の回復についての、

ミラーニューロン理論に基づく視覚フィードバック療法(VFT:visual feedback therapy)の効果をfMRIを用いてくわしくしらべてみたそうな。

2012年1月19日

ビデオを見るだけのミラーニューロン上肢リハビリ

元

Clinical Relevance of Action Observation in Upper-Limb Stroke Rehabilitation: A Possible Role in Recovery of Functional Dexterity. A Randomized Clinical Trial.
2012  1月  イタリア




ミラーニューロンを利用した脳卒中後の上肢リハビリ

の可能性について調べてみたそうな。



脳卒中後30日前後の患者30人を

・実験グループ と

・比較グループ

に分けた。



実験グループには、

通常のリハビリに加え、

上肢を使った他人の日常動作ビデオを見せた。

ビデオの後、2分間、同様の動作を行うよう指示した。



比較グループでは、

通常のリハビリに加え、

人物の写っていない静止画を見せた。

その後、実験グループの患者と同様の

肩、肘の動作を行わせた。





実験前と4週間後、5ヶ月間後

の上肢機能をさまざまな角度から評価した。





その結果、

・両グループ共に機能向上が認められた。

・特に実験グループでのボックスブロックテスト

スコアの向上が著しかった。





ミラーニューロンの働きを応用した

ビデオ動作観察による上肢リハビリの効果を

確認することができた、



というおはなし。






感想:

カンフー映画を観た後に

手足の動きがキビキビするのは

そういうわけだったのか。


写真:ミラーニューロン

2012年7月26日

ミラーニューロンに基づく観察療法 その威力とは

元
Observation-to-Imitate Plus Practice Could Add Little to Physical Therapy Benefits Within 31 Days of Stroke: Translational Randomized Controlled Trial.
2012  7月  イギリス



ミラーニューロンシステムを応用した観察療法を試してみたそうな。



発症後1ヶ月以内の脳卒中患者29人について、

・通常の理学療法のみ

・観察療法+通常の理学療法

の2グループに分けて

上肢、下肢の機能訓練を15日間実施し、

回復程度を比較した。




観察療法は、

療法士の動きを あとで真似するつもりで

しっかりと観察することで、ミラーニューロンが

うまい具合に働いてくれる という治療法である。





結果は、

・下肢機能はいずれのグループも著しい回復を見せた。

・上肢、下肢ともに、両グループ間で有意な違いはなかった。





早期脳卒中患者への観察療法はほとんど効果がないことがわかった、


というおはなし。




感想:

面倒くさいことを全てミラーニューロンに

丸投げしてしまっている感がある。


最初、冗談かと思ったが

観察療法って以前からあるみたい。

The potential for utilizing the "mirror neurone system" to enhance recovery of the severely affected upper limb early after stroke: a review and hypothesis.

2013年10月24日

動作観察療法時のミラーニューロンの働きを脳波で調べてみた

元
Mirror-neuron system recruitment by action observation: Effects of focal brain damage on mu suppression.
2013  10月  イスラエル

手を動かしたり、運動動作を観察したときに感覚運動野のアルファ波が一時的に低下する現象があり、MU抑制と呼ばれている。

ミラーニューロンネットワークとMU抑制との関連を検証するために、脳卒中患者の両半球でMU抑制強度を比較してみたそうな。


33人の脳卒中患者について手の握り動作のビデオを見せている時の脳波を計測した結果、



次のようになった。

・MU抑制は健常側の脳に比べ、損傷脳では小さかった。

・両半球での差は後頭葉よりも正中付近で大きかった。

・MU抑制の程度と右側の下前頭回への損傷の拡がりと関連があった。



MU抑制をみればリハビリ中のミラーニューロンシステムの働きがわかるかもしれない、


というおはなし。


写真:ミラーニューロン



2019年8月3日

動作観察リハビリにリアルな手は必要か?

元
Is it necessary to show virtual limbs in action observation neurorehabilitation systems?
2019  7月  スペイン

ミラーニューロンシステムは前頭葉と頭頂葉にまたがって存在し、運動を実行する際のみならず動作を観察したばあいにも活性化する。

動作の観察がミラーニューロンシステムを介して運動の実行にリンクすることから神経リハビリテーションの場、とくに実際の運動ができない脳卒中患者への応用が期待されている。

動作観察リハビリテーションでは通常、バーチャルな手の動作を観察することが求められている。

しかしほんとうにバーチャルな手を見せることが必要であるかについては確認できていないので、実験してみたそうな。



14人の健常者について、
バーチャルリアリティシステムをもちいてキャンセレーションタスク(5つの物体から任意の1つを指し示す)を実行させた。

その際に、バーチャルな手を表示するもしくはドットのみを表示する場合にわけて脳の働きをfMRIで観察して比較したところ、



次のことがわかった。

・バーチャルな手の表示の有無にかかわらず、ミラーニューロンシステムの活性化パターンにあきらかな違いがみいだせなかった。

動作観察リハビリテーションにかならずしもバーチャルな手の表示は必要なかった、


というおはなし。

図:ミラーニューロンシステム



感想:

ようするにイメージのなかで動作とむすびつきさえすればイイってこと。

40年以上まえのテレビゲームは棒と点しか表示できなかったけど、テニスやサーキット走行、エイリアンから地球を守る戦いまで すさまじい臨場感で体験できていた。

そういうことだとおもう。

2019年7月6日

クロスエデュケーション+ミラーセラピーで背屈筋アップ

元
Unilateral dorsiflexor strengthening with mirror therapy to improve motor function after stroke- A pilot randomized study
2019  7月  アイルランド

クロスエデュケーションは片側の手脚を鍛えると もう片方の手脚にも筋力増強効果が現れる現象で、脳卒中患者の下肢では30%を超える背屈筋力向上の報告もある。

いっぽうミラーセラピーではミラーニューロンシステムの活性化により両側の一次運動野の働きが強化され、さらに鏡像による感覚フィードバックは脳半球抑制バランスを改善するという。

これまでクロスエデュケーションとミラーセラピーを組み合わせた研究は少ないので、下肢についてその効果をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢62の慢性期の脳卒中経験者35人について、
クロスエデュケーションのみ、と
クロスエデュケーション+ミラーセラピー、の2グループにわけた。

非麻痺足首の背屈筋アイソメトリックトレーニングを週3回x4週間おこなった。

最大随意筋力 MVC、
歩行速度 10-m walk test,
timed up and go (TUG),
Modified Ashworth Scale (MAS),
London Handicap Scale (LHS)
をトレーニング前後で測定したところ、



次のようになった。
・31人が訓練を完遂し、有害事象はなかった。

・クロスエデュケーション+ミラーセラピーグループで、歩行速度のあきらかな向上(0.09m/s)がみられた。

・歩行速度を除いていずれの項目もグループ間での有意な差はなかった。

クロスエデュケーションにミラーセラピーを組み合わせた訓練は、麻痺側の訓練がむつかしい患者の運動機能を改善できるかもしれない、


というおはなし。

図:ミラーセラピーとクロスエデュケーション



感想:

効果のほどはそれほどではないにしても、麻痺側をひたすら訓練させるような考え方にくらべたらずっと好感がもてる。
ミラーセラピーは両側性転移を促す

ミラー訓練がクロスエデュケーションを強化する...

上肢ミラーセラピーの効果的なやり方

2017年10月23日

メンタルプラクティスとミラーセラピーのちがい

元
Immediate effect of mental practice with and without mirror therapy on muscle activation in hemiparetic stroke patients.
2017  10月  ブラジル

メンタルプラクティスとミラーセラピーは実際の運動をともなわないという点で共通している。

これらの違いをさぐるべく、筋肉反応を測定してみたそうな。


脳卒中で上肢麻痺の男女4人ずつについて、

a)手首を曲げるイメージを繰り返す。(メンタルプラクティス)
b)麻痺手を隠すようにおいた鏡の前に健常手を置き、鏡に映る手首曲げ動作を麻痺手の動きであると考える。(ミラーセラピー)
c)実際に手首を曲げる。

これら3つの動作時の筋電図をとり比較した結果、


次のようになった。
・実際の動作よりもメンタルプラクティスとミラーセラピー時に筋電活動が大きかった。

・メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動の大きさに明らかな差はなかった。

・これらの反応は麻痺手および健常手にも同様に観察できた。

メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動にすぐに反応がでた。その反応の大きさに両者の違いはなかった、


というおはなし。
図:メンタルプラクティスとミラーセラピー

感想:

ようするにミラーセラピーはメンタルプラクティスとおなじ。
鏡に映すのはイメージしやすくするための方便であって、ミラーニューロンがどうのこうのはあとづけの理屈にすぎない。

2016年9月22日

ミラーセラピーは両側性転移を促す

元
Mirror Visual Feedback Training Improves Intermanual Transfer in a Sport-Specific Task: A Comparison between Different Skill Levels.
2016  8月  ドイツ

ミラーセラピーは脳卒中で片麻痺のリハビリにも用いられ その効果はミラーニューロンネットワークを介した両側性転移またはクロスエディケーションで説明できる。

これをスポーツスキルの異なる健常者で確かめてみたそうな。


健康でバスケットボール経験のある39人と ほとんど素人の41人について、
右手でドリブル訓練を行った。

このとき、高さ120cmのミラーボックスの前で鏡像を見るグループと、
ドリブルを直視するグループに分けた。

4日間の訓練の後、左右各々の手でのドリブルパフォーマンスの改善度を比較したところ、


次のようになった。

・ミラー無しグループのパフォーマンス改善度を明らかに上回っていたのは、ミラーフィードバックがあるバスケ経験者の左手ドリブルのみだった。

両側間の運動能力転移がミラーフィードバックにより強化されたと考えられた。しかしこの効果は個人のスキルレベルに影響される、


というおはなし。
図:ミラーフィードバック ドリブル

感想:

なるほどねぇ~

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

2019年9月3日

動作観察トレーニングのメタアナリシス

元
The effects of action observation training on improving upper limb motor functions in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  8月  中国
脳卒中患者の最大80%は上肢に麻痺を生じ、およそ50%はその状態が何年もつづく。

上肢リハビリ法のおおくは麻痺手のくりかえし運動がベースになっている。しかし麻痺手が動かない重症の患者には適していない。

動作観察(action observation)によりミラーニューロンシステムを介し運動皮質への働きかけが進むことがわかっていて、麻痺手の運動を必要としない「動作観察トレーニング」として期待されている。

動作観察トレーニングの効果を検証するべくこれまでの研究をメタアナリシスしてみたそうな。



関係する研究論文のうち、脳卒中患者への訓練セッション5回以上のランダム化比較試験を厳選して データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中被験者276人をふくむ7つの研究がみつかった。

・動作観察による上肢トレーニングは効果がちいさいながらもあきらかな改善を示していた。

脳卒中で上肢麻痺の患者への動作観察トレーニングは有効そうである、


というおはなし。

図:動作観察トレーニングのメタアナリシス


感想:

ミラーニューロンがどうのといってるけど これは運動イメージ訓練のImplicitタイプなんだよな↓。
エビデンスレベルⅠ 推奨度Aの脳卒中リハビリ法とは

2018年1月22日

動作観察訓練の効果

元
Action observation training to improve motor function recovery: a systematic review.
2018  1月  イタリア

ミラーニューロンシステムには他者の動作を見て それを自分のことのように脳内を活性化するはたらきがあり 90年代に発見された。

動作観察訓練(Action observation training)もミラーニューロンシステムで説明ができる。脳卒中などの中枢神経の損傷により手足が動かない患者に他人の動作をビデオ等で観察させることで脳の関連ネットワークを刺激し劣化を防ぎ、その後のリハビリを円滑にできると考えられている。

そこで動作観察訓練についてのこれまでの研究をまとめてみたそうな。


神経科や整形での動作観察訓練について、信頼性の高い研究を厳選してコクランツールでバイアスリスクを評価したところ、


次のことがわかった。

・20件のランダム化比較試験がみつかった。

・4つの研究で慢性期脳卒中の上肢機能の改善があり、亜急性期と急性期脳卒中の研究も1つずつあった。

・6つの研究で慢性期脳卒中の歩行改善効果があり そのうち3つでバランス能力の改善があった。

・パーキンソン病での日常生活動作および上下肢の自発的運動の改善効果もあった。

・脳性小児麻痺の子どもや術後の整形外科患者での改善効果も示されていた。

動作観察訓練は通常リハビリへのおまけとしては概ね効果的だった。さらにくわしい研究が期待される、


というおはなし。

図:動作観察訓練のランダム化比較試験

感想:

重症でなくても入院してしばらくのあいだは手足が絶望的にうごかない。そんなときにリハビリがんばっても自信をなくして落ち込むだけ。

そこでNetflixのアクション映画で動作観察をおすすめしたい。

2015年2月3日

運動観察が慢性期の脳卒中上肢麻痺に効くことが判明

元
Does Action Observation Training With Immediate Physical Practice Improve Hemiparetic Upper-Limb Function in Chronic Stroke?
2015  1月  オーストラリア

運動観察はミラーニューロンネットワークを介して運動システムへの準備を促すという。

運動観察と理学療法を組み合わせたときの上肢機能の改善効果を調べてみたそうな。


脳卒中の慢性期で片麻痺の14人について、

*運動観察グループ
*リラクゼーション(比較)グループ

に分けた。

運動観察グループでは 30秒間の上肢運動ビデオを観せた直後に 同内容の理学療法訓練を行った。

2週間つづけた結果、


次のようになった。

・両グループ共に上肢運動機能および上肢使用の自己認識度が改善した。

・運動観察グループでの改善度はリラクゼーショングループのそれを大きく上回った。

・被験者は訓練前の運動ビデオを高評価した。


理学療法に運動観察を加えるとより効果的である。脳卒中の慢性期であっても簡単に成果を出せるかも、


というおはなし。
ビデオ観察


感想:

事前にリハーサルビデオを見せたら仕事がはかどった、ってだけの話にみえるけど 「ミラーニューロン」って単語をひとつはさむだけでアカデミックな印象になるよね。

2019年11月1日

発語失行の動作観察療法

元
The Effectiveness of Action Observation Therapy Based on Mirror Neuron Theory in Chinese Patients with Apraxia of Speech after Stroke
2019  10月  中国

脳卒中後の慢性期ではなんらかの失語症が25-50%にみられるという。

そのなかで発語失行(apraxia of speech)は発語運動のプランニング障害で韻律に異常がみられ、有効な治療法がほとんどない。

ミラーニューロンシステムにもとずく動作観察療法(action observation therapy)の失語症への応用はいくつか報告されているが発語失行についてはないので実験してみたそうな。



脳卒中のあと発語失行と診断された患者42人を2グループにわけた。

両グループともに通常の言語療法を4週間おこなった。

いっぽうのグループには言語療法の直前に動作観察療法を加えた。

動作観察療法では、日常生活動作に関連する単語30種類のビデオを10分間観る。
各ビデオは単語を発話する唇の動きと それに関連するジェスチャーを伴う内容になっている。



次のようになった。

・ Western Aphasia Batteryスコアと発語失行スコアは両グループともに改善した。

・しかし Boston Diagnostic Aphasia Examinationスコアは、動作観察療法グループがコントロールよりもあきらかにすぐれていた。

脳卒中後の発語失行患者への動作観察療法は効果がありそう、


というおはなし。

図:発語失行のBDAEスコア



感想:

これだね↓。
ミラーニューロンを使った失語症リハビリ

2011年1月4日

ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも

元

The neuronal correlates of mirror therapy: an fMRI study on mirror induced visual illusions in patients with stroke.
2010 9月 オランダ



ミラーセラピーの効果を詳細に探るべく、
被験者の脳の活動を直接観察することのできる最先端技術、

脳機能磁気共鳴撮影法(fMRI)を用いたそうな。



片方、両方の腕を動かしたとき、
ミラーのある時と無いとき

それぞれの組み合わせで脳の神経活動を
20人ほどの患者についてモニターしたけれども、


大脳皮質の運動野やミラーニューロンに関連した系の
活動は一切見られなかった。



この事実から
巷で言われているようなミラーセラピーの臨床効果には
疑問を感じざるを得ない…、という内容。

ミラーセラピーをfMRIで検証
実際の実験風景

2012年5月9日

脳卒中リハビリはとりあえず鏡に映せば状況改善することが判明

元

Facilitation of corticospinal excitability according to motor imagery and mirror therapy in healthy subjects and stroke patients.
2011  12月  韓国




イメージトレーニング、ミラーセラピーなどの際の

脳の命令の伝わりやすさについて比べてみたそうな。



脳卒中患者と健常人それぞれ30人ずつについて

つぎの各状況(A-G)で、

健常手の動きを観察し、麻痺手の動きをイメージして

病側脳から麻痺手へ脊髄路を伝わる

運動誘発電位の大きさ、遅延時間を

磁気刺激装置(TMS)を用いて測定した。



写真:ミラーとMEP

A)リラックス状態

B)運動イメージのみ

C)他人の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージする

D)自分の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージをする

E)他人の手の動きを鏡に映して同じ動きをイメージする

F)自分の手の動きを鏡に映して同じ対称な動きをイメージする

G)自分の手の動きを鏡に映して同じ非対称な動きをイメージする





結果は、

他人の手または自分の手の動きを鏡に映してみたときは

鏡に映さない場合に比べ、運動誘発電位が強くなり、遅延時間も少なくなった。




麻痺手側に置いた鏡に映った像を見て、

映った健常手と同じ動きをイメージすると

ダメージを負った側の脳からの信号が伝わりやすくなる
ことがわかった、



というおはなし。





感想:

これ、

ミラーニューロン、ミラーセラピー、イメージトレーニング

のちゃんぽんになってて、

いまいち  わけがわからない。


とにかく "ミラー" をつけりゃイイ って風潮を感じる。



こんな記事を思い出した。
 ↓
ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも

2013年1月7日

本場インドのミラーセラピーはひとあじ違う

元
Neural interface of mirror therapy in chronic stroke patients: A functional magnetic resonance imaging study.
2012  12月 インド


ミラーセラピーで脳の活動に変化があるのか 調べてみたそうな。



慢性期脳卒中患者20人と健常な10人について、


webカメラで正常な上肢をパソコンスクリーンに左右反転して映し、

それを麻痺手と想定して、

手首を動くように念じる1時間ほどの訓練を

週5日×8週間継続した。


セラピー前、8週間後、24週後の脳の働きをfMRIで観察した。


次のようになった。

・すべての患者で上肢機能が向上した。

・8週間後、病側脳の一次運動野、運動前野の活動が活発になった。





慢性期脳卒中患者へのミラーセラピーが、

ミラーニューロンシステムの働きでもある動作観察仮説を

支持するような結果を脳にもたらすことが確認できた
、


というおはなし。






感想:

なぜわざわざパソコンに映しているのかがよくわからなかったが、

このときの記事↓とは結果が真逆。
ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも


ラマチャンドラン先生の地元インドの研究だから

ネガティブな結果が出ようはずもないけれど...

2013年6月12日

動作観察療法で麻痺した手が動き出す可能性について

元
Modulating the Motor System by Action Observation After Stroke.
2013  6月  アメリカ

動作観察療法の脳卒中リハビリへの関心が高まっている。

動作観察中の脳皮質活動が脳卒中でどう影響されるものなのかを調べてみたそうな。


右利きの健常人と、元右利きの脳卒中で左脳損傷(右片麻痺)患者について、左右の手を使った動作の観察中の脳活動状況をMRIで計測、比較した。


次のようになった。

・健常人の場合、左手動作の観察時に左右の脳に大きな活動が見られた。

・一方、脳卒中患者は右手動作の観察時に損傷脳側に大きな活動が見られた。

・両グループ共に、運動能力の劣る方の手の動作を観察したときに脳に より大きな活動が見られた。

・脳卒中患者の損傷側の脳活動の拡がりは梗塞体積と関連していた。


動作観察により、脳卒中で損傷した脳回路を活性化することができた。
動作観察療法は本当に脳卒中リハビリに役立つかも知れない、

というおはなし。



感想:

動作観察療法はこれまでも何度か記事にしてきたけど、
ミラーセラピーやイメージ訓練と区別がしにくい印象がある。

・観察したりイメージするだけのニューロリハビリテーションの効果とは

・ミラーニューロンに基づく観察療法 その威力とは

・麻痺手を動かさなくても脳を鍛える運動イメージ訓練のススメ



リハビリを始められない患者に、ジャッキーチェンの酔拳を見せてあげたら元気になるかも。



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