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2011年10月14日

磁気刺激治療は歩行リハビリにも効果があるよ


rTMS Combined With Task-Oriented Training to Improve Symmetry of Interhemispheric Corticomotor Excitability and Gait Performance After Stroke: A Randomized Trial.
2011  10月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法の

脳卒中上肢麻痺への応用はよくあるはなし。


rTMSを下肢の麻痺治療に応用したそうな。




症状のよく似た脳卒中患者24人について、


・rTMS+歩行トレーニング

・偽のrTMS+歩行トレーニング




の2グループに分けて、10セット、2週間

治療を行った。



rTMSは脳の健常側、運動野の足関連部位に

1ヘルツの抑制刺激を10分間与えた。



その結果、

rTMSを受けたグループで

運動誘発電位と歩行の対称性が著しく改善された。




rTMSは左右脳の活動バランスをとり、

さらには歩行リハビリにも効果があるかもしれない、


というおはなし。


2011年10月13日

メロディック・イントネーション・セラピーとtDCSを組み合わせてみた


Non-invasive brain stimulation enhances the effects of melodic intonation therapy.
2011  9月  アメリカ



失語症のメロディックイントネーションセラピー (MIT)に

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)

を組み合わせた時の効果を調べたそうな。



脳卒中で左脳にダメージのある

非流暢性失語症の患者6人について、


tDCSMIT

偽のtDCS+MIT



を時期をずらして施行し、

直後の発話にかかる時間を評価した。


tDCSは乾電池のプラス電極を右脳に貼りつけた。



その結果、

tDCSのある場合に、発話に必要な時間が著しく短縮された。



tDCSとメロディックイントネーションセラピーにより

脳の可塑性が促され、右脳が代わりに働くように

なったのではないか…


というおはなし。




感想:

ネットで見つけた

メロディックイントネーションセラピーの資料はこちら。(←)


読んだらなんとなくわかったような気がした。







ただ、tDCSの怪しさは異常。

乾電池のプラス極を頭にくっつけると脳の働きが亢進、

マイナス極だと抑制される。


シンジラレナイ。

2011年10月12日

たばこ増税が脳卒中を減らす可能性について


Smoking and Smoking Cessation in Relation to All-Cause Mortality and Cardiovascular Events in 25,464 Healthy Male Japanese Workers.
2011  10月  日本



喫煙と心血管系疾患(脳卒中など)との関連を

日本人について調べたそうな。


20-61歳の健康な男性25464人について7年半

追跡調査した結果、

次のことがわかった。



1日に吸うタバコの本数と

総死亡率、心血管系疾患のリスクの比

(タバコをまったく吸わない人との比較)


・1-10本/日
1.51、1.91

・11-20本/日
1.68、2.94

・21本/日 以上
1.30、3.25





また、

4年間以上タバコをやめると

続ける場合よりも両リスクが半分くらいになった。


1日にタバコを11本以上吸うと

心血管系疾患になるリスクは跳ね上がり、

止めればうーんと下がる、


というおはなし。


2011年10月11日

先に麻痺している腕を袖に通して… それが案外難しい


Task-specific practice of dressing tasks in a hospital setting improved dressing performance post-stroke: A feasibility study.
2011  10月  オーストラリア




脳卒中入院患者向けの更衣に特化したグループトレーニングの効果について調べてみたそうな。


1回1時間、週2回のグループ更衣トレーニングに参加した患者は119人。



退院までに自立度を表すFIM評価の点数が

上半身更衣で2.2ポイント

下半身更衣で2.7ポイント



向上した。


というおはなし。






感想:

いまさらこういう地味なことを研究している理由が理解できなくて興味が湧いた。



たしかに片麻痺の更衣にはコツが要る。


グニャグニャになっている腕をトレーナーの袖に通すのは本当に難しかった思い出。

2011年10月10日

心配で心配で 夜も眠れない→ 脳卒中で死亡


Sleep loss due to worry and future risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: the Scottish Health Survey.
2011  10月  イギリス




心配に起因する睡眠不足

脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べたそうな。



平均年齢53歳、11905人の健常人を8年間追跡調査した。

この間に1249人が心血管疾患で死亡した。


このうち15.6%が直前の4週間あまり、

心配がもとで睡眠不足になっていた。




解析の結果、

心配が起因する睡眠不足により


・心血管系疾患の発症の危険性が7割増しになり、

・総死亡率が2倍になることがわかった。




これらの関連性の多くは、

睡眠不足が原因の喫煙や酒、運動不足により

説明がつくであろう、


というおはなし。

2011年10月9日

体重免荷トレッドミルって実際に使っている施設はあるの?


Body weight supported treadmill training versus traditional training in patients dependent on walking assistance after stroke: a randomized controlled trial.
2011  9月  ノルウェー



体重免荷トレッドミルの効果について調べたそうな。



60人の脳卒中患者をつぎの2グループに分けた


・体重免荷トレッドミル+PTがアシストする従来型歩行リハビリ

・PTがアシストする従来型歩行リハビリ のみ




両グープとも1回あたり合計1時間の訓練を行った。



5週間ほど後、

両グループ共に歩行能力が大きく改善した。


グループ間で その改善程度に

統計学的に有意な違いは見られなかった、


というおはなし。






感想:

体重免荷トレッドミルの例
写真:体重免荷トレッドミル

かえって人手を煩わしそうで、あまり現実的とは思えない。

2011年10月8日

1月の憂うつな月曜日には脳卒中に注意


Seasonal and Weekly Patterns of Occurrence of Acute Cardiovascular Diseases: Does a Gender Difference Exist?
2011  10月  イタリア



脳卒中や心筋梗塞などの発症は季節や曜日などと

関連があると言われている。

この関連に、性別も影響するかどうかを調べたそうな。



・季節について:

13万人あまりの心血管系患者について調べたところ、

発症ピークの季節は1月 冬、性別による違いはなかった。


・曜日について:

16万人あまりの患者について、

そのピークは月曜日、性別の違いはなかった。




心血管系疾患の季節、曜日による違いは

性別とは関連がなかった、


というおはなし。





感想:

以前、3月に脳卒中が多いというはなしがあった。



でもなぜか月曜日は共通している。


サザエさん症候群と関連があるかも知れない。

写真:サザエさん症候群

2011年10月7日

触覚麻痺はセルフタッチで改善する


The role of self-touch in somatosensory and body representation disorders after stroke.
2011  10月  オランダ



体性感覚の障害は脳卒中患者の約半分が経験する。

これらの障害は、単に触覚の鈍さ や

物や自身の体への認識低下までさまざまである。

そこで、セルフタッチ(自分で自分に触れる)による体性感覚への影響を調べたそうな。


セルフタッチの研究は多くないながらも、

健常人ではセルフタッチが身体表象

(Body Representation:自分の身体の具体的なイメージ)に

影響を与えることがわかっている。


脳卒中で四肢不一致症や片麻痺憎悪になった患者に

セルフタッチの身体表象への影響について聞き取りした結果、

身体保持感覚を得るまでの時間はさまざまだった。


セルフタッチは身体保持感覚の低下を改善し、

身体表象を再獲得するための助けになるかも知れないことがわかった、


というおはなし。
図:セルフタッチと身体表象

感想:

なんとなくわかるような気がする。

自分も左手足の触覚がほとんど無い。


触覚の正常な右手で左の手や腕、脚などに触れると右手の平 表面に生じた触覚があたかも感覚の麻痺した左手足の側に生じたような錯覚を起こす。

これが触覚を取り戻した気持ちにさせるためなのか、とても心地が良いのである。

2011年10月6日

認知障害への作業療法の効果は不明


The Cochrane review of occupational therapy for cognitive impairment in stroke patients.
2011  9月  オーストラリア




脳卒中後の認知障害にたいする

作業療法の効果について再検証したそうな。



様々な論文データベースを検索して

信頼のおけそうな研究のみを厳選した。



1639件の検索結果から

17件の論文を抽出し、さらに精査したところ、

1件の研究論文のみが残った。



これは認知障害への

作業療法のポジティブな効果を示すものではなかった。

また 被験者数も少ない(33人)ことから

その有効性について結論を出すには至らなかった。




作業療法の効果を検証できる

規模の大きいちゃんとした研究が必要、


というおはなし。







感想:

発症後間もない脳卒中患者ができることは とても少ない。

だから作業療法は貴重な 楽しい暇つぶしの時間でもある。



効率やエビデンスばかり求めていると人との関係がギスギスしてくる。


こういう仕事があってもイイんじゃないかな と思う今日この頃。



写真:作業療法

2011年10月5日

脳卒中 縮む余命は 約10年


Premature mortality due to stroke and trend in stroke mortality in Japan (1980-2005).
2011  10月  日本

日本人の脳卒中による損失生存年数を調べたそうな。


1980-2005の脳卒中死亡率をWHOデータベースから取得し解析した。


この間、脳卒中死亡率は男性で68%、女性が74% 低下した。

年毎の損失生存年数平均値
(ある健康リスク要因が短縮させる余命年数)は、

以下のとおりだった。


男性
1980→20.6
1995→11.2
2005→11.7


女性
1980→19.4
1995→10.5
2005→10.5



というおはなし。

図:脳卒中患者の余命男女



感想:

意外に少ない と感じた。

たとえ脳卒中で死んだとしても、すでに十分に長生きしている人が多い、ってことなんだと思う。

2011年10月4日

HALを片麻痺患者の歩行訓練に使ってみた


Efficacy of a hybrid assistive limb in post-stroke hemiplegic patients: a preliminary report.
2011  9月  日本



ロボットスーツHALを使った脳卒中片麻痺患者の

歩行訓練効果を調べたそうな。




16人の片麻痺患者で試したところ、

12人がHAL装着後歩行スピードが

著しく低下した。




HALで効果を得るためには

事前にある程度歩行ができるようになっている

必要があることがわかった。




もうちょっと研究すれば

HALが歩行リハビリに役立つようになるかも知れない、


というおはなし。








感想:

このリハビリ手法の目的は、

片麻痺患者の歩行をHALがアシストして

たくさん歩行できる機会を作り、

それが神経の可塑性を促して、

やがては自力で歩行できるようになること

を期待する点にある  と考える。




ところが現実は、

患者側にHALに対する非常に高い順応力が求められる。



その歩行は危なっかしくて理学療法士が

常に付きっきりでいなくてはならない。


この状況は簡単には改善されないと思う。





手すりでも付けたトレッドミル訓練の方が

患者を選ばず、安全性も高く、療法士の負担も軽く、


多くの点ではるかに ずっと優れているだろう。




追記:

HALリハビリ 期待外れだった

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