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2013年1月2日

アメリカじゃTIAでヘリコプターに乗れるらしい


Interhospital helicopter transport for stroke.
2013  1月  アメリカ


田舎の病院から都会の病院へ

ヘリコプターで運ばれてきた脳卒中患者の

内訳と傾向について調べてみたそうな。




次のようになった。


・2003-2008に、脳卒中患者347人のヘリコプター移送があった。

・病名内訳は、脳内出血44%、クモ膜下出血24%、硬膜下血腫14%、脳梗塞,TIA9% だった。

・到着後、28%で血管撮影が、32%で神経外科手術、血腫除去、動脈瘤クリップが行われた。

・この間に、脳梗塞やTIAで運ばれてくる患者は3倍に増えた。

・移送前に血栓溶解(tPA)治療を受けている患者も大幅(0%→3%)に増えた。





ヘリコプター移送のおかげで田舎住まいの人でも安心


というおはなし。





感想:

退院後、請求書を見てビックリ。

どうして放っておいてくれなかったのか、

と苦情が殺到する予感。

2013年1月1日

TIAのあと脳卒中が再発する6つのリスク要因とは


Analysis of multiple risk factors for the recurrence of nondisabling stroke.
2012  8月  中国



無障害脳卒中(一過性虚血発作、軽症脳梗塞)のあとに

脳卒中が再発するリスク要因を調べてみたそうな。



2006-2009に無障害脳卒中になった患者620人について、

年齢、性別、肥満度、喫煙、飲酒歴、血圧、手足の衰え、言語障害、糖尿 

等のリスク要因と90日以内の脳卒中再発との関連を解析した。



次のようになった。

発症後90日以内の再発リスク要因、


・1時間以上続く症状

・言語障害

・手足の筋力低下

・BMI25以上

・脳血管障害歴

・超音波検査での頸動脈プラーク






無障害脳卒中のあと再発するリスク要因を6つに絞り込むことができた



というおはなし。

2012年12月31日

ボツリヌス毒素を脳に直接打ち込む計画が着々と進行中


Intracerebrally Applied Botulinum Neurotoxin in Experimental Neuroscience.
2012  10月  ドイツ



ボツリヌス毒素は神経筋疾患や美容目的で広く利用されている。


ボツリヌス毒素はシナプス間の伝達物質の放出をブロックすることができるので

現在、新たな応用として

ボツリヌス毒素を中枢神経系へ直接注入する方法が検討されている。



すでにネズミの脊髄や神経核、大脳辺縁系と皮質神経回路への

ボツリヌス毒素の影響が研究されている。



これら動物実験の結果から

疼痛、癲癇、脳卒中、パーキンソン病への応用が期待されている、


というおはなし。





感想:

2013年のあたらしいトレンドはコレにちがいない。


頭に針を突き立ててボトックスを注入、

脳が麻痺して全ての悩みから解放される。

2012年12月30日

健康なほうの脳を磁気刺激したら、麻痺した手が動き出した


Low frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to the non-lesioned hemisphere improves paretic arm reach-to-grasp performance after chronic stroke.
2012  12月  タイ



rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療の

上肢麻痺改善効果を検証してみたそうな。



発症5年前後で上肢麻痺のある

9人の脳卒中経験者について、

健常側の脳に1ヘルツのrTMSを20分間与えたあとの

手の動き、運動誘発電位等を調べた。

また、比較のための偽刺激の際には、

本刺激と同様の音を発生させるようにした。




次のようになった。


・磁気刺激後、麻痺していない方の指筋肉への運動誘発電位が大きく下がった。

・麻痺手の動作速度、動作範囲が大きくなり、正確さも増した。

・偽刺激ではこのような変化はなかった。

・非麻痺手の運動を抑制することと麻痺手の動作向上との間に相互関連が見られた。





健常側の脳を抑制するrTMSが

麻痺手の運動機能を改善することがわかった



というおはなし。





感想:

最近、rTMS関連の研究を目にする機会が減った気がする。

あらたな進展が無く、途上国にブームが移りつつある感。

2012年12月29日

脳卒中で外国語様アクセント症候群になり一躍世界から注目される爺さん


Englishman wakes up from stroke speaking fluent Welsh
2012  12月  イギリス



脳卒中がきっかけで突然別の言語をしゃべるようになった爺さんがいるそうな。


イギリスの81歳の爺さんが、脳卒中で3週間昏睡したあと

英語をすっぱりと忘れて、ウェールズ語をしゃべるようになった。



彼は第二次世界大戦中にウェールズに疎開していたことがあるものの、

ウェールズ語を勉強したことはなかった。



お医者さん曰く、

これは失語症の一種で外国語様アクセント症候群である、

とのこと。



現在は再び英語を話せるように訓練中、


というおはなし。



その爺さんへのインタビュービデオ




感想:

外国語様アクセント症候群はときどき記事になる。

脳卒中のあとでいきなり関西弁になってたらオレは泣く (;_:)

歯医者にかかったばかりに大阪弁になったらオレは泣く (;_:)



本人がでてくるのは珍しいんじゃないかな。

2012年12月28日

コーヒーを4カップ以上飲むと脳卒中予防になる!


Coffee Consumption and Stroke Risk: A Meta-analysis of Epidemiologic Studies.
2012  11月  韓国

コーヒーと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


世界の研究データベースから

2001-2011の関連する論文を抽出し、

データを統合、再解析した。



次のようになった。

・9件の研究を厳選した。

・コーヒーを多く摂る人はほとんど摂らない人に比べ脳卒中リスクが17%減だった。

・その傾向は女性や脳梗塞について大きかった。

・特に、1日に4カップ以上飲む場合に顕著だった。





コーヒーを1日に4カップ以上飲むと

脳卒中予防効果が得られることがわかった



というおはなし。



感想:

コーヒー関連の過去記事↓を思い出した。
コーヒーをたまに飲むと脳卒中になりやすい

久しぶりにコーヒーでも飲んで頑張っちゃおうかな →脳卒中で救急車

1日一杯のコーヒーが脳梗塞を防ぐ. 但し、女性限定.


2012年12月27日

脳梗塞でもないのにrt-PA治療されてしまうことがたまにある


Exclusion Criteria for Intravenous Thrombolysis in Stroke Mimics: An Observational Study.
2012  12月  チリ


脳卒中の類似症状で入院してくる患者は珍しくない。

そして彼らが血栓溶解治療(rt-PA)を受けてしまうことが稀にある。


類似症状患者を除外するための手がかりを調べてみたそうな。




2004-2011に急性期脳梗塞の疑いで入院した患者のデータを解析した。

次のようになった。

・この間に842人の入院患者があった。

・このうち113人(13.4%)が脳卒中類似症状と考えられた。

・彼らは、若く、糖尿気味で、到着が遅く、神経症状も軽く、

MRIで梗塞を確認できない、という特徴があった。

・よくある原因症状は、毒物中毒、けいれん、失語だった。

・彼らの多くは複数のrt-PA禁忌症状を持っていた。

・禁忌症状の多くは、rt-PA有効時間外、見てわからないほど軽い神経症状だった。

・家族によりrt-PA治療を拒否されることもあった。

・結局、全体の12%がrt-PA治療を受けた。





脳卒中でないのに類似症状で病院に担ぎ込まれた患者は、

運良く到着時間が遅れたおかげで

血栓溶解治療を受けずに済むことがよくある



というおはなし。





感想:

血栓溶解治療は出血の危険と隣合わせ。

症状が軽かったら、積極的な治療はお断りしたほうが無難、

ってことと理解した。



ちょっとまえの記事↓を思い出した。
【マメ知識】tPA治療は丁重にお断りしたほうが早く退院できる


2012年12月26日

脳卒中後の痛みで自殺してしまう患者がいる


Is Pain Associated with Suicidality in Stroke?
2012  12月  香港


脳卒中後の疼痛と自殺傾向との関連を調べたそうな。



発症後3ヶ月の脳梗塞患者496人について、

疼痛と自殺傾向の有無および程度を調査し、関連を解析した。

2012年12月25日

脳卒中後の肩の痛みは感覚過敏が原因だった


Central hypersensitivity in chronic hemiplegic shoulder pain.2013  1月  アメリカ



脳卒中後の肩の痛みの原因を調べてみたそうな。



慢性期脳卒中で片麻痺の、

・肩に痛みのある患者20人と

・肩に痛みのない患者20人

について、

肩の各所で圧痛閾値を測定した。



次のようになった。

・肩の痛みがある患者の圧痛閾値は、

両肩とも、痛みのない患者のそれよりも低かった。


・肩の痛みのある患者の麻痺側の圧痛閾値は、

非麻痺側よりも低かった。






脳卒中後、肩の痛みを訴える患者の

圧痛閾値が低くなっていることがわかった。

これは中枢性感覚過敏と関連があるのかも知れない



というおはなし。




感想:

リハビリ病院に入院中、

自分を含め 肩が痛いという患者が何人かいた。

でも その理由はだれも知らなかった。


いまは左を下にして寝るときだけ やや痛い。



過去記事↓

この肩の痛みは脳卒中経験者でないとわかるまい

脳卒中後、肩の痛みがなかなか治まらない人の特徴

ボツリヌス療法で肩の痛みは治るのか?



2012年12月24日

発症時刻がわかると、元気に退院できるかどうかもわかる


Timing of stroke onset determines discharge-functional status but not stroke severity: A hospital-based study.
2013  1月  台湾



脳卒中発症時刻と回復程度との関連を調べたそうな。



274人の急性期脳梗塞患者について、

発症時刻で4時間毎の6つのグループに分けて、

彼らの退院時の自立度との関連を解析した。



次のようになった。

・午前4時から8時に発症した場合、最も良好に回復していた。

・午後8時から12時の発症の場合、回復は最悪だった。

・性別、高血圧、糖尿、喫煙等を考慮に入れてなお、

 発症時刻は予後を推定する重要な因子だった。






脳梗塞患者の回復程度にも24時間周期があることがわかった


というおはなし。



写真:脳卒中24時間周期

2012年12月23日

脳卒中の医療費、入院日数、台湾、アメリカ、カナダ、中国


The Impact Factors on the Cost and Length of Stay among Acute Ischemic Stroke.
2012  12月  台湾



急性期脳卒中患者の医療費と入院日数について調べてみたそうな。



台湾のある病院で2005-2007の患者について調べたところ、

次のようになった。


・1084件の脳卒中事例があった。

・平均年齢は68、平均医療費はUS$1400(~12万円)だった。

・平均入院日数は14日間。

・医療費が高くなる要因は、入院日数、喫煙、投薬だった。

・入院日数が増える要因は、糖尿病、心房細動、再発、脳卒中の種類だった。






他の国も比較すると、

・カナダが最も医療費が高く、台湾は最も低い。

・入院日数はアメリカが6日間で最も短く、カナダは34-47日間。

・1日あたりの脳卒中医療費はアメリカが最も高く、中国が最低だった



というおはなし。





感想:

アメリカこわい。

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