2013年5月12日

普段から両手をよく使っている人は上肢麻痺になってもすぐに回復できる

元
Laterality affects spontaneous recovery of contralateral hand motor function following motor cortex injury in rhesus monkeys.
2013  5月  アメリカ

脳の利き手への偏りと上肢機能の回復との関係を調べてみたそうな。


アカゲザルの利き手と反対側の脳半球の運動皮質を人為的に損傷させて、その後の自発的な回復を測定した。

フードペレットを拾う作業を通じて、脳損傷前後での上肢機能と利き手依存度の評価を行った。


次のようになった。

・利き手依存度が大きいほど上肢運動機能の回復が悪かった。

・運動皮質の損傷が大きいほど、上肢の障害が大きく 回復も良くなかった。



利き手依存度が大きいほど、それを支配する運動皮質の損傷からの回復が良くないことがわかった。

このことから両手を均等に使える人ほど、脳卒中からの回復が早いと予想できる、


というおはなし。




感想:

一方の脳に偏っている人は、それがダメージを受けた時に他方からの支援を受けにくいんじゃないか...ってこと と理解。

2013年5月11日

若年脳梗塞患者の認知機能を長期的に調べてみた

元
Long-Term Cognitive Impairment After First-Ever Ischemic Stroke in Young Adults.
2013  5月  オランダ

50歳未満で発症する脳梗塞患者は全体の14%に達する。

彼らの脳梗塞後の認知機能について長期的に調べてみたそうな。


50歳未満で発症した277人の脳梗塞患者について認知機能を平均で11年間追跡調査した。

これを146人の健常人と比較した。


次のようになった。

・脳梗塞後の認知機能スコアは、ほとんどの項目で健常人の平均を下回り、認知障害とされる者もいた。

・反応速度の低下、作業記憶力低下、注意力低下がよく見られた。


若年脳梗塞患者は11年経ってなお、

かなりの者が認知機能の低下に悩んでいることがわかった、

というおはなし。




感想:

年齢的にこのケースに当てはまり、関心がある。

・運転しながら会話や音楽を楽しめない。

・人の名前がヤバイくらいでてこない。

・本を開いてもすぐに疲れて眠くなる。

2013年5月10日

ミツバチのおかげ、脳卒中のあとの中枢性疼痛が治った

元
Bee venom acupuncture point injection for central post stroke pain: A preliminary single-blind randomized controlled trial.
2013  5月  韓国

脳卒中後の中枢性疼痛治療に蜂毒療法を試してみたそうな。


ミツバチの毒を0.005%に希釈した溶液を麻痺した側の各ツボに0.5ml注射する。これを週に2回×3週間続けた。比較のために生理食塩水を注射するグループをつくった。

対象としたツボ:
肩髃、 肩井、 曲池、 風市、 足三里、 懸鍾


次のようになった。

・各グループ8人の脳卒中患者で実験した。

・3週間後、両グループ共に痛みレベルが低下したが、

・蜂毒グループの痛み低下は非常に著しかった。


蜂毒療法で脳卒中後の中枢性疼痛が大きく緩和された、


というおはなし。
図:ミツバチ毒と脳卒中後疼痛

2013年5月9日

脳卒中患者の10人に1人は起床時に気づく

元
Wake-Up Stroke: Incidence, Risk Factors and Outcome of Acute Stroke during Sleep in a Japanese Population. Takashima Stroke Registry 1988-2003.
2013  4月  日本

睡眠中に発症し起床時に気付く脳卒中の特徴について調べたそうな。


1988-2003に滋賀県高島郡の住人55000人を対象にした調査データを解析した結果、


次のようになった。

・897人の脳梗塞、335人の脳内出血があった。

・このうち睡眠中に発症したケースは、脳梗塞9.7%、脳内出血11.9%だった。

・高血圧と睡眠中の脳梗塞に関連があった。

・喫煙と睡眠中の脳内出血に関連があった。

・急性期の致死率は、睡眠中、覚醒中発症に関わらず違いはなかった。


睡眠中の脳卒中は10件に1件の割合で起き、高血圧、喫煙が影響する。

しかし急性期の致死率が高いわけではない、


というおはなし。




感想:

愛する人の命を救うために脳卒中症状を見つけたらすぐに119!
なんてよく聞くけど、

睡眠中に発症して、何時間も経ってから気づいても死亡割合が変わらないってことは、
実は病院に急がなくても命に別状はないんじゃない? と思った。

2013年5月8日

【尖足】装具 vs 電気刺激 ついに決着

元
Foot Drop Stimulation Versus Ankle Foot Orthosis After Stroke: 30-Week Outcomes.
2013  5月  アメリカ

脳卒中後の尖足対策としての短下肢装具と下垂足刺激装置の効果比較をしたそうな。


発症後3ヶ月以上、歩行速度0.8m/s以下の脳卒中患者197人について装具と刺激装置の2グループに分け、30週間続けさせた。
最初の6週間は理学療法も行った。


次のようになった。

・両グループとも歩行スピードが大きく改善した。

・しかしグループ間で歩行スピードの差はほとんどなかった。

・使用満足度は刺激装置の方がずっと高かった。


短下肢装具や下垂足刺激装置を使うと歩行スピードが大きく改善した。

利用満足度は下垂足刺激装置の方が高かった、


というおはなし。

2013年5月7日

【3.11】津波が脳卒中を引き起こす可能性について

元
Influence of the Great East Japan Earthquake and Tsunami 2011 on Occurrence of Cerebrovascular Diseases in Iwate, Japan.
2013  5月  日本

津波が脳血管疾患に与える影響を調べてみたそうな。


岩手県沿岸部の住人について東日本大震災前後の脳血管疾患の発生状況を、過去3年間の記録を含め調査した。

次のようになった。

・震災直後4週間の脳血管疾患の標準化罹患比は1.20でそれまでに比べ特に高いというわけではなかった。

・これを脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血ごとに見ても、それぞれ1.22、1,15、1.20だった。

・しかし、津波被害の大きかった地域の75歳以上男性の脳梗塞に限定すると、この値は2.34になった。


東日本大震災で大きな津波被害を出した地域に住んでいた高齢男性の脳梗塞の発生率が一時的に2倍以上になった、


というおはなし。




感想:

このピークは4週間後には元に戻ってしまったとのこと。

想像したほど大したことはなかった、という印象。





追記:

衆議院 2013年5月8日 震災復興特別委員会参考人
南相馬市立総合病院:副院長 及川友好(脳神経外科)


(1:28~)私自身は脳神経科医でありますので、
脳卒中の発症率をいま東京大学の国際衛生学教室と一緒になって今データを集めているところなんですが、
これはまだ暫定的なデータで確定的なものではないんですが、
ただし恐ろしいデータが出ています。


我々の地域での脳卒中発症率が65歳以上で約1.4倍。
それどころか35歳から64歳の壮年層で3.4倍にまで上がっています。
非常に恐ろしいデータが今上がってきていますね。


これらのデータをきちっと解析しながら発表していくことも我々の仕事だと思っているんです。

2013年5月6日

脳卒中のあと、障害が多いとウツになるのかな

元
A prospective study on the prevalence and risk factors of poststroke depression.
2013  1月  ベルギー

脳卒中後ウツの危険因子について調べてみたそうな。


135人の脳卒中患者について、発症3ヶ月時点での回復状況を調べた。


次のようになった。

・28.1%がウツと診断された。

・ウツがあると、自立度が低く、身体的、認知的障害が多く見られた。

・言語障害の比率もウツあり36.8%、ウツなし19.6%だった。



脳卒中後ウツは身体、認知、言語の障害を持つ自立度の低い患者により多く見られた、


というおはなし。



感想:

障害がウツを呼ぶみたいな物言いが気になる。

ちょとちがう、と思うョ。

2013年5月5日

脳梗塞は左脳がなりやすいことがわかった

元
Hemispheric differences in ischemic stroke: is left-hemisphere stroke more common?
2013  4月  アメリカ

脳梗塞が右脳と左脳のどちらで起きやすいか調べてみたそうな。


317人の脳梗塞患者(脳出血等は除く)を調べた結果、


次のようになった。

・左脳梗塞54%、右脳梗塞46%で、十分に有意な差だった。

・入院時の神経症状は左脳梗塞で重かった。

・また、死亡率も高かった。



脳梗塞は左脳が右脳よりも多く、予後も悪い、

というおはなし。

 
写真:脳

2013年5月4日

前庭リハビリで半側空間無視が治るのか

元
Effects of primary caregiver participation in vestibular rehabilitation for unilateral neglect patients with right hemispheric stroke: a randomized controlled trial.
2013  4月  台湾

前庭リハビリテーションの半側空間無視改善効果を検証してみたそうな。

右脳損傷で半側空間無視の脳卒中患者48人について、
前庭リハビリあり、なしのグループに分けてその改善度を比較した。

並行して両グループにはPT,OTを毎日1時間ずつ施した。


前庭リハビリは、

開眼、閉眼、目の前の目標物を凝視の各状況下で
頭を上下に20回/分、左右に20回/分で振る。
これの繰り返しで 30分間×毎日×2週間続ける。
また、指導役として家族も参加させた。


次のようになった。

・時間が経つに連れ、両グループともに半側空間無視、日常生活動作、バランスが著しく改善した。

・特に、前庭リハビリグループでは著しい交互効果が確認できた。

・転倒回数は両グループで違いはなかった。


前庭リハビリテーションで脳卒中による半側空間無視が改善することがわかった、


というおはなし。




これが前庭リハビリだ。



[半側空間無視 治療]の関連記事

2013年5月3日

【ようやく】脳卒中リハビリはやった方がいいことがわかった

元
Stroke rehabilitation in China: a systematic review and meta-analysis.
2013  4月  オーストラリア

脳卒中後のリハビリテーションはいまや何の疑問もなく行われているため、研究比較のためにリハビリ無しにすることは倫理的に許されない。

しかし中国では依然として脳卒中リハビリは標準的治療には含まれていないので、中国の研究データを用いればリハビリ無しの比較ができる、と考えたそうな。


中国の医学研究データベースから脳卒中リハビリ無しの研究データを抽出し、西洋の脳卒中研究と統合、再解析したところ、


次のようになった。

・リハビリ無しよりもリハビリした方が身体機能の回復がずっと良かった。



脳卒中後のリハビリテーションは、やらないよりやった方がずっとイイことがわかった、


というおはなし。




感想:

こんな状況ですから、どうか療法士さんを大目に見てやってください、おながいしまつ。

2013年5月2日

ボツリヌス療法とCI療法は上肢リハビリにほとんど役立たないことが判明

元
A meta-analysis evaluating the effectiveness of two different upper limb hemiparesis interventions on improving health-related quality of life following stroke.
2013  4月  イギリス

脳卒中患者の上肢麻痺治療法の効果を定量的に評価してみたそうな。


ボツリヌス療法とCI療法について信頼の置ける研究を厳選して、そのデータを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ボツリヌス療法2件の研究データからは健康関連QOLについて意味のある改善結果は得られなかった。

・CI療法4件の研究データからも日常生活、手の機能いずれについても明らかな改善が見られなかった。

・他の側面(可動性、やる気、社会参加など)についても同様に目立った効果はなかった。


ボツリヌス療法やCI療法をいくらやっても生活で実感できるレベルの改善は得られないことがわかった、

というおはなし。





感想:

業界の空気を読めない研究者がときどきこういうことを言い出す。

非常識だ、まったくけしからんと思う。

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