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2019年6月16日

ハイテクトイレが脳卒中患者を支援


Technology-assisted toilets- Improving independence and hygiene in stroke rehabilitation
2017  8月  カナダ

トイレを使用して自らの肛門や会陰周辺を清潔に保つ能力は高齢になるほど衰える。

とくに脳卒中を経験して片麻痺になると「拭く動作」に困難が生じ、トイレ使用が自立できた者は退院時で51.6%、6ヶ月経っても16.4%が依存状態とする報告もある。

水流による洗浄からファンでの乾燥まで自動でおこなってくれるハイテクトイレは日本では普及しているが北アメリカやヨーロッパではいまだ贅沢品のあつかいである。

ハイテクトイレはリハビリ過程にある脳卒中患者の自立をうながし、介護者の負担をへらし、さらには衛生状況の改善も期待できる。

この点についての先行研究はほとんどないのでやってみたそうな。



リハビリ入院中の脳卒中患者30人について、

いくつかの状況下で
福祉機器の心理評価スケール(PIADS:Psychosocial Impact of Assistive Devices Scale)
をもちいてハイテクトイレを採点させた。



次のようになった。

・通常のトイレにくらべハイテクトイレのPIADSスコアはあきらかに高く、

・73%のケースで完璧に洗浄できていた。

ハイテクトイレには通常トイレにくらべ脳卒中患者の心理社会的自立をうながす効果があり、かれらほとんどの肛門をキレイキレイにした、


というおはなし。

図:ウォシュレット


感想:

この実験に使用したハイテクトイレは
TOTO Washlet S350e(←動画リンク)で、
便座が自動開閉し ハンドリモコンですべて操作できる。

リモコン?とおもったけど、右麻痺にはありがたいかも。

2019年6月15日

くも膜下出血の遅発性脳虚血の割合


Delayed cerebral ischaemia in patients with aneurysmal subarachnoid haemorrhage- Functional outcome and long-term mortality
2019  6月  デンマーク

くも膜下出血は脳卒中ぜんたいの3%をしめ、その80-85%は脳動脈瘤の破裂によるもので、発生率は年間10万人あたり8-20人である。

遅発性脳虚血(delayed cerebral ischaemia:DCI)はくも膜下出血から4-14日後におきやすいという。

DCIは血管攣縮や炎症 酸化ストレスが原因とされカルシウム拮抗薬のニモジピンに若干の予防効果があるとされるものの他には有効な予防手段がない。

DCIは患者の20-30%にみられるとされているが 昏睡状態にあるとわからないことから過小評価されていると考えられる。

そこでくも膜下出血患者のDCI率と長期死亡率をくわしくしらべてみたそうな。



デンマーク国立病院の2010-2013のくも膜下出血患者492人の記録を抽出した。

患者を3グループにわけた。
a)DCIグループ:意識の低下または1時間以上つづく局在症状とした。
b)DCIなしグループ
c)評価不能グループ(unassessable ):昏睡状態のため。

6ヶ月後のmRSスコアとDCIの有無、4年後の死亡率との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・患者の23%にDCIがおきた。これは意識があり評価可能だった患者の33%に相当した。

・DCIなしグループの回復度がもっとも高く、

・評価不能グループはDCIグループよりも回復がわるかった。

・DCIグループの死亡率はDCIなしグループよりもあきらかに高かった。

遅発性脳虚血はくも膜下出血患者のおよそ3割にみられ、短期的 長期的な回復の悪さと関連していた、

というおはなし。

図:遅発性脳虚血 くも膜下出血 mRS



感想:

クリップやコイルは再出血予防のためであって、DCIには影響ないようだ。

数十年まえはあわてて救急車をよぶ習慣がなくて、くも膜下出血であたまがいたくても何週間も病院にゆかないことがふつーにあった。
Stroke誌:クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率

2019年6月14日

Stroke誌:くも膜下出血のあと精神病になる割合


Antipsychotic Use Among 1144 Patients After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2019  5月  フィンランド

くも膜下出血は55歳前後の若年者におおく、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどを占める。

脳動脈瘤は一般人口の3%にみられおおくは破裂にいたらないが年間10万人あたり7-12人がくも膜下出血をおこす。

くも膜下出血では頭蓋内出血、脳室内出血、遅延性脳虚血、水頭症、頭蓋内圧亢進症や再出血予防手術による合併症などにより脳の損傷がおきる。

くも膜下出血患者の長期の精神疾患と抗精神病薬の使用についての研究はなさそうなので大規模にしらべてみたそうな。



くも膜下出血後12ヶ月間生存できた1144人と年齢性別のいっちする一般人3432人について、その後の抗精神病薬の使用を9年前後フォローしたところ、



次のことがわかった。

・患者の12%がくも膜下出血のあとに抗精神病薬をはじめた。いっぽう一般人では4%だった。

・抗精神病薬の利用率は1年後6%、5年後9%で、一般人では順に1%、2%だった。

・回復良好患者(mRS0-1、シャントなし、脳内出血や脳室内出血なし)での抗精神病薬の5年後利用率は2%で、

・シャントや水頭症だった患者の抗精神病薬の5年後利用率は23%だった。

・抗精神病薬利用者の63%は抗うつ薬と抗てんかん薬を同時にのんでいた。

くも膜下出血を経験した患者は一般人にくらべあきらかに高率で抗精神病薬をのんでいた。かれらは抗うつ薬や抗てんかん薬もいっしょに飲んでいた。脳への直接のダメージがなかった者はこれらの薬を飲む割合が低かった、


というおはなし。

図:抗精神病薬 くも膜下出血後の



感想:

メンタルの不調をうったえるといろんな薬をもらえるんだな。

2019年6月13日

自然な光環境とメンタルヘルス


An exploratory investigation of the effect of naturalistic light on depression, anxiety, and cognitive outcomes in stroke patients during admission for rehabilitation: A randomized controlled trial
2019  5月  デンマーク

サーカディアン(概日)リズムは神経伝達物質の放出や体内時計遺伝子の発現に影響することがわかっている。

また太陽光に含まれる波長の短い成分ブルーライトにたいしてサーカディアン・リズムは敏感である。

そこで室内にいることのおおい脳卒中患者を、自然光を模した環境においたときのうつ 不安 認知機能への影響をしらべてみたそうな。

2019年6月12日

アジア人の身長と脳卒中死亡リスク


Association of taller stature with lower cardiovascular disease mortality in Asian people- a systematic review
2019  6月  日本

身長には遺伝のほかに栄養や経済状態などの環境要因が反映していると考えられ 健康度の指標とされることがある。

じっさいこれまでの研究から身長が6.5cm高くなるごとに総死亡リスクが3%低下し、心血管疾患についても同様の傾向があることがわかっている。

しかしこれらの研究のおおくは西洋人を対象としたもので、身長が低いアジア人についてはよくわかっていない。

そこで、アジア人の身長と脳卒中など心血管疾患での死亡リスクについて これまでの研究を総括してみたそうな。

2019年6月11日

梗塞の[位置+体積]と機能的自立度FIM


Predictive value of the combination of lesion location and volume of ischemic infarction with rehabilitation outcomes
2019  6月  アメリカ

これまで脳梗塞のリハビリ病院での回復度と脳の損傷位置や体積との関係を別個にしらべた報告はある。

しかし位置と体積を組み合わせた調査はすくない。

そこで脳梗塞の位置と体積および機能的自立度FIM(Functional Independence Measure)との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月10日

O型の脳内出血が止まりにくいはほんとうか?


Blood Type O Predicts Hematoma Expansion in Patients With Intracerebral Hemorrhage
2019  6月  中国
脳内出血は脳卒中の20%を占め死亡率がたかい。その3分の1には血腫増大がおき予後が悪化するといわれている。

血腫増大には止血の仕組み(Hemostasis)がつよく関わっているとされ、とくに血液O型では第8凝固因子とフォン・ヴィレブランド因子があきらかに少ないことから他の血液型にくらべ出血がつづきやすいと考えられる。

そこで脳内出血から早い時期での血腫増大がO型でおきやすいものかたしかめてみたそうな。



発症後6時間以内にCTを撮ることのできた患者のうち48時間後CTと比較して、33%もしくは6mL以上拡大したばあいを「血腫増大」とした。

患者210人の記録を解析したところ、



次のことがわかった。

・患者の34.3%がO型だった。

・かれらのうち41.7%に血腫増大がおきた。他の血液型での血腫増大は18.1%だった。

・O型および入院時意識レベル(GCS)スコアは独立した血腫増大の予測因子だった。

血液O型の脳内出血患者は血腫増大リスクが高かった、


というおはなし。

図:O型と血腫増大


感想:

じつはこっちの調査↓ではB型で血腫増大した。
脳内出血がとまりにくい血液型
その理由として初回CTのタイムリミットを24時間以内としていたため早期の血腫増大をみのがしていたからではないか、、、と言ってる。

2019年6月9日

Stroke誌:血液中の金属と脳卒中


CirculatingZ Multiple Metals and Incident Stroke in Chinese Adults
2019  6月  中国

環境に存在する重金属は人間の代謝や機能に影響し有害となりうる。

これまでの研究から、ヒ素、鉛、銅、セレニウムの単体と心血管疾患との関連があきらかになっている。

しかし脳卒中との関連については結論がでていない。

そこで、同時に複数の金属にさらされているばあいの脳卒中との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月8日

【メタ解析】ロボット支援歩行リハビリ...効果ない


Robotic-Assisted Gait Training Effect on Function and Gait Speed in Subacute and Chronic Stroke Population: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
2019  6月  サウジアラビア

脳卒中経験者の65%は下肢運動機能になんらかの問題を抱えているという。

ロボティクスの脳卒中リハビリへの応用は セラピストを支援して患者の麻痺脚のアクティビティを高めることができると期待されている。

そこで下肢運動機能の回復にロボット訓練がどのていど有効なものかこれまでの研究をメタアナリシスしてみたそうな。



研究データベースから信頼度の高い(PEDroスコア6-8)ランダム化比較試験を厳選して、データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・1371の研究から9つに絞り込んだ。そのうち4件は慢性期、5件は亜急性期のものだった。

・歩行スピードの点でロボット訓練と通常訓練ではあきらかな差がなかった。

・しかし慢性期患者に限定すると効果量0.04のごくごくわずかなアドバンテージがみられた。

ロボット支援の歩行訓練は通常訓練よりもすぐれているとはいえなかった、


というおはなし。
図:ロボットリハビリ



感想:

派手な見た目は「客寄せパンダ」として優秀。
HALリハビリ 期待外れだった
上肢も↓
ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まったく効果ない

2019年6月7日

〇〇なひとは「PM2.5→脳内出血→死亡」


Association between incidence of fatal intracerebral hemorrhagic stroke and fine particulate air pollution
2019  6月  中国

脳卒中は病気死亡原因の2番目に位置し 患者の3分の2は低中所得国にいる。大気汚染と脳卒中の研究から脳梗塞についてはその関連があきらかになってきた。

脳出血の報告は増えてきたが とくに脳内出血と大気汚染との関連はよくわかっていない。

中国は深刻な大気汚染に直面している。そこでPM2.5と致命的脳内出血との関連をくわしくしらべてみたそうな。



2012-2014、上海市の疾病予防センターのデータベースから脳内出血での死亡事例5286件を抽出して、発症3日まえまでのPM2.5濃度との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・平均のPM2.5濃度は77.45μg/m3 だった。

・致命的脳内出血発生率はPM2.5濃度とあきらかに関連し、

・とくに糖尿病のある者でそのリスクが高かった。

・高濃度PM2.5への暴露から2日後の関連が強かった。

・高血圧と喫煙による影響はみとめられなかった。
死に至るほどの脳内出血の発生とPM2.5濃度にはあきらかな関連があった。とくに糖尿病患者でこのリスクが高かった、



というおはなし。

図:PM2.5 脳内出血



感想:

PM2.5の日本の環境基準の上限は 35μg/m3。
中国のPM2.5と脳卒中の種類

PM2.5は脳梗塞か それとも脳出血か?

中国から流れてくるPM2.5は脳卒中を引き起こすのか?

2019年6月6日

脳卒中後うつと死亡率


Post stroke depression and risk of stroke recurrence and mortality- A systematic review and meta-analysis
2019  3月  中国

脳卒中後うつは、強い不安、睡眠障害といった自律神経兆候、活力の低下、認知障害、社会的孤立、自殺などと関連があるとされる精神症状で脳卒中患者の30%にみられるという。

脳卒中後うつと再発または死亡との関連について これまでいくつかのメタアナリシスがあるが一致した見解が得られていない。

最新の知見をふくめてあらためてメタアナリシスを試みたそうな。

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