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2019年9月15日

cell.com:脳をガッツリ再生するNeuroD1遺伝子治療


A NeuroD1 AAV-Based Gene Therapy For Functional Brain Repair After Ischemic Injury Through In Vivo Astrocyte-To-Neuron Conversion
2019  9月  アメリカ

哺乳類の脳は海馬や脳室下帯をのぞいて神経再生機能をもっていない。そのため虚血で損傷した脳組織が自力で再生できる割合は失われた神経の1%にも満たないとされている。

神経前駆細胞を外部から導入する実験では動物や人で期待できる成果が得られている。
いっぽう神経幹細胞の導入には免疫拒絶や腫瘍化など問題がおおい。

さいきん、脳に豊富にあるグリア細胞(アストロサイト)を神経細胞に変身させる転写因子「NeuroD1」が実験室レベルでみつかった。

これを実際に脳の中で働かせることができれば失われた神経細胞を再生でき、しかももともと周辺にあった細胞なので機能回復に好都合かもしれない。

そのための技術を開発し動物で実験してみたそうな。

2019年9月14日

若年脳卒中にがんが見つかる率


Increased risk for cancer after stroke at a young age- etiological relevance or incidental finding?
2019  9月  ドイツ

脳卒中患者のほとんどは75歳以上であるが、およそ10%は55歳以下という。

彼ら若年者が脳卒中になる原因は血管リスク要因だけでは説明がつかない。

潜在的ながんにより引き起こされる血栓形成傾向(thrombophilia)についての報告がいくつもあがっている。

これらの研究のおおくはがん患者の脳卒中の発生をしらべたもので、脳卒中になったのちがんが診断されたケースの調査はすくない。

そこで脳卒中患者を10年間フォローした研究データをつかってくわしくしらべてみたそうな。



ドイツの医薬品疾病データベースから
がんと診断されていない脳梗塞患者18668人と、同数の脳卒中でない患者記録を抽出してその後10年間のがん診断の有無との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・全体の15.5%が55歳以下だった。

・脳卒中患者のがん診断率は、高齢で29.4%、55歳以下17.3%だった。

・非脳卒中患者とくらべ脳卒中患者のがん診断率は高く、55歳以下では17.3% vs. 9.5%、高齢では29.4% vs. 24.9%だった。

若年で脳卒中になった患者の10年間のがん診断率は非脳卒中患者のおよそ2倍だった、


というおはなし。

図:若年脳卒中のがん発症率


感想:

これ↓おもいだした。
脳卒中患者にしめるがんの率

脳卒中のあと がんになりやすいは本当?

脳卒中後のがんは6ヶ月以内にみつかりすでに手遅れ

がんの宣告を受けると脳梗塞になる

軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

若い脳梗塞患者でガンで亡くなってしまう人の特徴

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

2019年9月13日

Stroke誌:脳電気刺激の神経保護効果


Central Nervous System Electrical Stimulation for Neuroprotection in Acute Cerebral Ischemia
2019  9月  アメリカ

中枢神経系への電気刺激は脳卒中からの回復促進に応用されることがあり 頭皮に電極を貼り弱い電流を流すtDCSやtACS が知られている。

ほかに侵襲性の高い方法として脳深部に電極を挿し込む刺激法もある。

中枢神経系への電気刺激には虚血に陥った脳組織を保護する効果も期待されていて、動物実験での報告がおおくある。

刺激の考え方はおもに2つあって、1つは虚血脳半球に直接電極を貼る方法で、もう1つは虚血部位から離れた核(nuclei)を電気刺激する方法である。

そこで中枢神経系への電気刺激の神経保護効果についてこれまでの前臨床研究のメタアナリシスをこころみたそうな。



関係する動物実験の研究を厳選してデータを統合 再解析した。

6つの刺激戦略について最終的な梗塞体積の変化を調べた。

そのうち3つは陰極、陽極または交互にパルス刺激する方法で、

残りの3つは虚血域からはなれた以下の核をターゲットにした刺激である。
室頂核(fastigial nucleus)、
視床下血管拡張域(subthalamic vasodilator area)、
背側中脳水道周囲灰白質(dorsal periaqueductal gray)。



次のことがわかった。

・350の実験動物をふくむ21の急性脳虚血への電気刺激についての研究がみつかった。

・全体として、電気刺激なしに比べて梗塞体積は37%減少した。

・刺激方法ごとに効果はことなり、とくに虚血脳半球への刺激では陰極半球刺激(cathodal hemispheric stimulation:CHS)でのみあきらかな梗塞体積の減少(27%)がみられた。

・虚血域からはなれた核への刺激方法3つはすべてで梗塞体積が半分ほどになっていた。

・臨床応用へはCHSがもっとも有望と考えられた。

中枢神経系への電気刺激の前臨床実験では梗塞体積をちいさくすることができた。人の臨床実験には虚血半球への陰極刺激が適していると考えられる、


というおはなし。

図:陰極半球刺激と梗塞体積のメタアナリシス



感想:

動物では頭をあけて直接電極を貼ったり強い電流つかったりできるのでなんらかの効果を観測できる。

ところが人に応用する場合、たとえば「経頭蓋のtDCSやtACS」だとそもそも脳に電流がとどかない。
さらに通電中は電極に接する皮膚のチクチク感が常にあるため被験者にたいし盲検を設けることができないという本質的な問題もかかえる。

そのためtDCSやtACSの臨床実験では 被験者が実験意図を容易に忖度(そんたく)してしまいポジティブなデータばかりが得られてしまう。
tDCSってホントに脳を刺激してるの?

2019年9月12日

くも膜下出血がおきやすい時間帯


Relationship between Circadian Variation in Ictus of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage and Physical Activity
2019  9月  韓国

くも膜下出血の発生は24時間の概日(circadian)パターンをしめすとする報告が数おおくあがっている。

これには1日の身体活動変化の影響も考えられるが くわしい報告がないのでしらべてみたそうな。

2019年9月11日

痙縮が強くなる姿勢


Influence of positional changes on spasticity of the upper extremity in poststroke hemiplegic patients
2019  9月  中国

痙縮は脳卒中経験者の20-40%にあらわれるという。

上肢の痙縮は寝ているときよりも立って歩いているときに よりわかりやすい。

片麻痺患者の姿勢と上肢の痙縮についての報告はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月10日

nature.com:脳梗塞が再発しやすい両上腕血圧差


Inter-arm Blood Pressure Difference is Associated with Recurrent Stroke in Non-cardioembolic Stroke Patients
2019  9月  韓国

血圧管理の最新のガイドラインでは両腕での血圧測定をすすめている。

両腕で血圧が異なるケースは珍しくなく、両上腕血圧差(inter-arm blood pressure difference:IABD)と呼ばれ 一般人の4%、糖尿病の7%、脳卒中の10%に見られるという。

IABDは大動脈や鎖骨下動脈系の動脈硬化や狭窄を反映していると考えられている。

IABDと脳卒中の再発との関連についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。



心原性タイプでない脳梗塞の患者1226人について、

24ヶ月間 再発ケースをフォローした。

入院時のABI(Ankle-brachial index:足関節上腕血圧比)検査からIABDをもとめて関連を解析したところ、



次のようになった。

・両腕の血圧差が10mmHg以上ある者は、収縮期血圧で9.7%、拡張期血圧で5.0%いた。

・この間に8.5%が脳梗塞を再発した。

・IABDが10mmg以上あった者の再発リスクは、収縮期血圧の場合で1.77倍、拡張期血圧では2.92倍だった。

両上腕血圧差が10mmHg以上あるとあきらかに脳梗塞が再発しやすかった、


というおはなし。

図:両上腕血圧差と生存曲線



感想:

以前はかったら15くらい差があって、ビビって2度とはかっていない。
脳卒中やったひとは両腕で血圧が違うかも

2019年9月9日

食事マグネシウムと脳卒中の関係


The Effect of Magnesium Intake on Stroke Incidence- A Systematic Review and Meta-Analysis With Trial Sequential Analysis
2019  8月  中国

食事からのマグネシウムの不足は アルツハイマー病、喘息、ADHD、糖尿病、高血圧、心血管疾患、片頭痛、骨粗鬆症、がん、などと関連しているという。

しかしマグネシウムと脳卒中については食事ガイドラインで適量を勧められるほどには用量関係があきらかになっていない。

そこで最新の研究もふくめたメタアナリシスに逐次解析(trial sequential analysis)を適用してマグネシウムと脳卒中の用量関係をあきらかにしてみたそうな。

2019年9月8日

ベジタリアンの脳卒中リスク


Risks of ischaemic heart disease and stroke in meat eaters, fish eaters, and vegetarians over 18 years of follow-up- results from the prospective EPIC-Oxford study
2019  9月  イギリス
健康、環境、動物愛護の観点からベジタリアンやビーガンになる人が増加している。

これまでの研究ではベジタリアンは虚血性心疾患のリスクが低いとされている。

しかし脳卒中との関連については報告がほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月7日

日本人の脳卒中死はラーメン屋のせい


Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan- an ecological study
2019  9月  日本

日本の食事には塩分がおおく動物性脂肪が少ないと言われている。

ライフスタイルの変化により冠動脈疾患にくらべ脳卒中死亡率はおおきく低下してきた。

しかしどういうわけか東日本の脳卒中死亡率は西日本よりも高い。

この背景に日本の国民食「ラーメン」があると考え、仮説を検証してみたそうな。

2019年9月6日

サーモセラピーで筋力アップとうつ解消


Thermotherapy Combined With Therapeutic Exercise Improves Muscle Strength and Depression in Patients With Ischemic Stroke
2019  9月  インドネシア

脳卒中患者へのサーモセラピー(温熱療法)では筋肉に血流が増え弛緩すると考えられていて、その結果として関節可動域や筋力、柔軟性、疼痛しきい値が上がったなどの改善効果が報告されている。

超音波や電気をつかって深部まで温める方法もあるものの、熱したウォータパックを筋肉に当てる方法が低コストかつシンプルであり低中所得国の患者に適している。

そこでサーモセラピーにエクササイズを組み合わせた4週間の自宅リハビリで筋力とうつに改善効果がみられるものか実験してみたそうな。

2019年9月5日

フローダイバーターの合併症率


Flow diversion treatment for acutely ruptured aneurysms
2019  9月  オランダ

くも膜下出血で脳動脈瘤の再破裂をふせぐためにコイルを詰める方法がある。しかしコイル手術には破れた脳動脈瘤をさらに傷つけてしまう可能性もある。

さいきん、フローダイバーターというステントを母血管に挿入することで血管内腔を再建して破裂動脈瘤に触れずに塞いでしまう方法が利用できるようになった。

しかしこの方法には血栓による脳梗塞や頭蓋内出血の合併症をおこすリスクもある。

このあたりの安全性情報が少ないのでくわしくしらべてみたそうな。

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