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2019年10月7日

アスピリンの予防効果と安全性


The Efficacy And Safety Of Aspirin As The Primary Prevention Of Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis
2019  9月  中国

脳卒中など心血管疾患へのアスピリンの2次予防効果はあきらかである。

しかし1次予防効果については結論がでていない。低用量アスピリンはアメリカでは推奨されているが ヨーロッパでは推奨されていない。

そこで、さいきん公開された臨床試験 ASPREE, ARRIVE, ASCEND 等をふくめてメタアナリシスをやり直してみたそうな。

2019年10月6日

エアロバイク訓練の効果 メタアナリシス


Effects of aerobic exercise using cycle ergometry on balance and functional capacity in post-stroke patients- a systematic review and meta-analysis of randomised clinical trials
2019  10月  ブラジル

脳卒中患者の有酸素運動は心身の機能を維持するうえで効果的と考えられている。

とくに自転車エルゴメータを用いたそれ(エアロバイク)は筋力 体幹コントロール 歩行スピード バランス能力を改善するとされている。

これを確かめるべく、いままでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月5日

脳卒中を予見できる「握力」の評価方法とは


Effect of relative handgrip strength on cardiovascular disease among Korean adults aged 45 years and older- Results from the Korean Longitudinal Study of Aging (2006-2016)
2019  9月  韓国

高齢になると 筋力が衰える「フレイル」もしくは筋肉量が減少する「サルコペニア」な状態になりやすくなる。

これらの状態は筋力測定に反映されると考えられる。とくに「握力(hand grip strength:HGS)」はシンプルで信頼性の高い計測パラメータである。

いくつかの報告では握力と脳卒中など心血管疾患との関連が指摘されているいっぽう、それを否定する報告もある。

こういった矛盾を解決するために体重を考慮して握力をBMIで割った 「相対握力」の使用が提唱されている。

そこで心血管疾患を予測しうる相対握力のしきい値をもとめるべく大規模調査をおこなってみたそうな。

2019年10月4日

BMJ誌:血圧130-140を降圧治療する意義


Benefits and harms of lower blood pressure treatment targets- systematic review and meta-analysis of randomised placebo-controlled trials
2019  9月  スウェーデン

過去数十年間、高血圧の定義は「140/90mmHg以上」だった。

しかし2017にアメリカがガイドラインを改訂して「130/80mmHg以上」とした。
ヨーロッパもこれにならおうとしている。

さらにSPRINT研究では収縮期血圧を120mmHg以下を目標にしたほうがよいとする結論をだした。

これら研究のおおくはランダム化比較試験(RCT)ではあるがダブルブラインドになっていないものがおおくバイアスの懸念がある。

そこで もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果と安全性について、ダブルブラインドのRCTに限定して選びメタアナリシスをこころみたそうな。



2018までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者92567人をふくむ18のダブルブラインドのRCTがみつかった。

・総死亡リスク、主要心血管イベントリスクへの効果は確認できず、

・有害事象による服薬中断のリスクが1.23倍になった。

・心筋梗塞や脳卒中への効果も確認できず、

・低血圧関連の有害事象が増えた。

ダブルブラインドRCTのメタアナリシスの結果、もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果は確認できず、有害事象が増えるのみだった、



というおはなし。

図:血圧測定


感想:

再発予防には低めがいいみたいなんだよ↓。
日本人の再発予防に適した血圧 JAMA Neurol.

NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね

2019年10月3日

正中神経電気刺激と脳ネットワーク


Median Nerve Electrical Stimulation-Induced Changes in Effective Connectivity in Patients With Stroke as Assessed With Functional Near-Infrared Spectroscopy
2019  9月  中国

正中神経電気刺激(Median Nerve Electrical Stimulation:MNES)は手首をとおる正中神経を経皮的に電気刺激して感覚システムへの求心性のイップットをもたらす神経調節テクニックである。

MNESが脳卒中の皮質可塑性へもたらすメカニズムについてはわかっていないので、機能的近赤外分光(fNIRS)をつかって脳皮質の各部位が働きかける方向を考慮した 実効的結合(effective connectivity:EC)解析からしらべてみたそうな。



脳卒中で右片麻痺の患者20人について、

安静時と
右手首へのMNES時のfNIRS測定をおこなった。

MNESは右手首内側に電極を貼り50Hzのパルスを 筋肉が収縮しかつ我慢できる最大強度で数十秒おきに10分間しげきした。

fNIRSは左右の、前頭前野(PFC),運動野(MC)、後頭葉(OL)、にセンサーをおいた。



次のようになった。

・安静時にくらべMNES時では左右PFCから左OLへの実効的結合があきらかに増え、

・さらに左MCと左OLから右PFCへのカップリング強度も有意に高くなった。

・左PFCから左右の運動野 後頭野へのカップリングも観察され、MNESが病側の前頭前野からの調節を促していると考えられた。

・非損傷脳からの損傷脳MCへのカップリングが低下していた。

麻痺手へのMNESによる感覚運動刺激が脳皮質の機能再編のきっかけになりうると考えられた、


というおはなし。

図:MNES



感想:

いまいちよくわからないけど、単にビリビリするだけではないなにか特別なことが脳におこっていた、ということなんだな。

低周波治療器の電極をそれらしい位置(上図)に貼ればすぐに実験できる↓。
nature.com:上肢麻痺を改善する電気刺激のやりかた

2時間で指の動きがよくなる電気刺激方法とは

脳の可塑性を促す腕の電気刺激方法

2019年10月2日

オメガ3サプリメントの効果 最新メタアナリシス


Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants
2019  10月  アメリカ

魚を多く摂ると心臓病リスクが低くなることがわかっているが、魚におおく含まれるオメガ3長鎖脂肪酸であるEPAやDHAのサプリメントと心血管疾患との関連は必ずしもあきらかではない。

これまでの10のランダム化比較試験のメタアナリシスでも効果は確認できなかった。

そこで、さいきん行われた3つの大規模臨床試験を加えて、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月1日

安静時脳ネットワークにみるイメージ訓練の効果


The reorganization of resting-state brain networks associated with motor imagery training in chronic stroke patients
2019  9月  中国

運動イメージ訓練(motor imagery training:MIT)は脳卒中患者の上肢リハビリで高い成果をあげている。

その効果は脳皮質上の活動変化として いくつものタスクベースのfMRI研究で確認されている。

いっぽう安静時fMRIをつかった研究はまだ1件しかない。

そこでMITの脳卒中リハビリへの効果が安静時fMRIのネットワーク解析結果にどう反映されるものか、実験してみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の34人を、
通常リハビリ
通常リハビリ+MIT
の2グループにわけた。

MITはリラックスした状態の1人称視点で手の動作を思い描く。これを1日30分間x4週間おこなった。

この前後での安静時fMRIを測定し、上肢の機能回復度(FM-UL)との関連を解析したところ、



次のようになった。
・MITグループでFM-ULスコアがよりおおきく改善した。

・両グループともに半球間結合が高まり、損傷脳半球内での一次運動野(M1)間の結合が低下した。

・しかしMITグループでは、損傷脳半球内のM1と中心前回および中心後回 中部帯状回 縁上回の結合がたかまった。いっぽう通常リハビリグループではこれらの結合は低下していた。

・脳ネットワークのクラスター係数はMITグループでのみあきらかに上昇していて、これはFM-ULスコアと正の相関があった。

運動イメージ訓練は脳内ネットワークの再編をとおして運動機能の回復にむすびついていると考えられる、


というおはなし。

図:MITの上肢機能とクラスタリング係数



感想:

安静時fMRIだから手をうごかせない患者でもMITリハビリの進展をモニターできるな。
運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、

2019年9月30日

軽いしびれやめまいがガチ脳梗塞の率 JAMA Neurol.


Rate and Prognosis of Brain Ischemia in Patients With Lower-Risk Transient or Persistent Minor Neurologic Events
2019  9月  カナダ

一過性脳虚血発作(TIA)の10-17%は90日以内に脳卒中をおこすという。

彼らのおよそ半数は運動や言語症状のない 軽いしびれやめまい ふらつきなどの症状が5分以下しか続かないケースであり、くわしい検査もなしに脳虚血ではない単なる類似症状とみなされることもすくなくない。

こういったばあいに本当に脳虚血が起きているケースがどのくらいの頻度であるものか、MRIの拡散強調画像(Diffusion Weighted Imaging:DWI)でくわしくしらべてみたそうな。



複数国の病院施設での、5分以下しか続かない軽いしびれやめまい症状から8日以内の患者1028人について、追加でMRIのDWIを撮り急性梗塞の有無を判定したところ、



次のことがわかった。

・135人(13.5%)がDWIポジティブで急性脳卒中と診断された。

・最終的に、脳卒中の取り消しも含め 308人(30.0%)の診断が覆った。

・これらローリスク患者の1年後再発率は0.7%で非常に低かった。

軽いしびれやめまいの一過性の患者をMRIで精査したところ、13.5%がほんとうの脳梗塞だった。MRI検査は欠かせない、


というおはなし。

図:MRI検査



感想:

お医者さんもめんどくさいからCTをサッと撮って「異常ありませんね」と家に帰す。

だから「MRIでディフュージョン撮ってください!」と言ってみよう。

2019年9月29日

脳動脈瘤があるなら腹部大動脈瘤にも注意!


Prevalence of Previously Undiagnosed Abdominal Aortic Aneurysms in Patients with Intracranial Aneurysms- From the Brain and Aortic Aneurysms Study (BAAS)
2019  9月  アメリカ

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の死亡率は26-36%で、腹部大動脈瘤のそれは36-58%という。

ゲノムワイド関連解析によると脳動脈瘤と腹部大動脈瘤には共通の遺伝子が関係していることがわかった。

未破裂の腹部大動脈瘤は破裂予防手術ができることから、くも膜下出血患者には腹部大動脈瘤のスクリーニング検査を受けさせるべきとする考え方がある。

じっさい脳動脈瘤と腹部大動脈瘤が一緒のケースがどのくらいの頻度でありうるのか、くわしくしらべてみたそうな。

2019年9月28日

Stroke誌:復職できる歩行スピード


Return to Employment After Stroke in Young Adults
How Important Is the Speed and Energy Cost of Walking?
2019  9月  イギリス

65歳以下の脳卒中経験者の25-44%は復職できていないという。

その原因はおもに歩行能力の問題と考えられるが 「若年」脳卒中経験者の歩行能力と復職との関係についての調査はおおくないのでくわしくしらべてみたそうな。



18-65歳 発症から3年以内で 3分間以上連続自立歩行のできる脳卒中経験者46人と、年齢の近い健常者15人について、

歩行パラメータの3D解析と歩行中の酸素消費量測定を行い
復職状況との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中経験者の歩行は健常者にくらべ著しく遅く、代謝が非効率だった。

・23%のみが復職できていた。

・数ある歩行パラメータのうち、「歩行スピード」が復職のもっとも強い予測因子で、

・ROCカーブ解析では歩行スピードが0.93m/s以上あるとあきらかに復職しやすかった。

若年脳卒中経験者の歩行はとても遅く非効率だった。歩行スピードは復職の予測因子で 0.93m/s以上が望ましいと考えられた、


というおはなし。

図:歩行



感想:

ようするに普通の人なみに歩ければOKってことで、感心するよな情報ではなかった。

2019年9月27日

自己犠牲マインドは脳卒中のもと?


Self-silencing may lead to increased risk of stroke - EurekAlert! Science News
2019  9月  アメリカ

じぶんの本当の気持ちを表現することはメンタル的にも身体的にもよいと考えられる。

他者との衝突や関係を失うことを恐れて 自分の気持ちを抑え他人の欲求を優先させる 自己犠牲傾向(Self-silencing)が頸動脈プラークを増大させて脳卒中の原因になりうる、という仮説を検証してみたそうな。

今週開催中の北米閉経学会(NAMS)での発表。

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