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2019年11月6日

経鼻栄養3年からの解放「半夏厚朴湯」のおかげ


Traditional Chinese therapy initiates oral feeding in a stroked woman after three years of nasogastric tube feeding
2019  9月  日本

アジアでは経鼻栄養は脳卒中後の嚥下障害患者によく使われる。しかし経鼻栄養には身体拘束がともない患者にとっておおきなストレスになる。

漢方薬である 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ:Banxia Houpu Tang)には嚥下や咳反射を改善する効果が報告されている。

長期に経鼻栄養だった患者に半夏厚朴湯をあたえたところ口から食べられるようになった事例があったそうな。


・96歳女性が脳卒中後の嚥下障害により経鼻栄養が3年間つづいていた。

・認知症でありチューブを外してしまわぬよう手袋を着けられていた。

・嚥下反射惹起時間は9.5秒で、誤飲による肺炎のリスクが考えられた。

・唾液嚥下テストでも同様だった。

・半夏厚朴湯をチューブ経由で4週間あたえたところ、

・嚥下反射惹起時間が3.5秒になり、唾液嚥下テストも改善した。

・そこで経口栄養を開始し、経鼻栄養と手袋はまったく必要なくなった。

半夏厚朴湯のおかげで長期の経鼻栄養から解放できたのかも、、


というおはなし。

図:経鼻栄養からの回復



感想:

半夏厚朴湯はじめて知った。
ツムラ漢方半夏厚朴湯エキス顆粒

漢方頻用処方解説 半夏厚朴湯(pdf)

2019年11月5日

Stroke誌:脳卒中のあと座って過ごす3つのパターン


Movement Behavior Patterns in People With First-Ever Stroke
2019  10月  オランダ

十分な身体活動には脳卒中と再発のリスクを下げる効果がある。

ガイドラインでは週に150分の中高強度の運動が必要とされている。
しかし脳卒中経験者でこの基準を超えている者は17%に過ぎず、おおくは半分のレベルにも達していない。

脳卒中経験者は目覚めている時間の63-87%を座って過ごすという。

じゅうぶんな身体活動量があったとしても座っている時間が長いと死亡率が高いとする報告もある。

そこで、脳卒中経験者の身体活動量と座っている時間のパターンをくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月4日

「喫煙パラドックス」はなかった


"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019  10月  中国

喫煙は脳梗塞のリスク要因であり、喫煙歴だけでもネガティブな影響があるという。

さいきん喫煙者の血栓溶解治療成績が良好であるとする 「喫煙パラドックス」 "smoker's paradox" についての報告が数おおくなされている。
いっぽうそれを否定する研究者もいる。

そこで喫煙が脳梗塞の予後にあたえる影響をしらべるべくメタアナリシスをこころみたそうな。


2019年2月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・21の研究がみつかった。

・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。

・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

喫煙に脳梗塞の予後を保護する効果はみられなかった。喫煙者が若くして脳梗塞を発症していることが喫煙パラドックスの理由かも、、


というおはなし。

図:喫煙パラドックス


感想:

虚血コンディショニング効果もあるかも。↓
脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス

タバコのおかげで脳梗塞で死なずに済んだ患者が続出 [喫煙パラドックス]

2019年11月3日

喫煙でくも膜下出血になる理由


Blood cadmium concentration and risk of subarachnoid haemorrhage
2019  10月  スウェーデン

カドミウムは毒性のたかい金属で 穀物や米 たばこから体内に取り込まれる。

カドミウムは体外への排出に数十年を要し 血管壁におおく蓄積する。さらにコラーゲンの形成をさまたげ血管平滑筋細胞を減少させる。

さいきん、未破裂脳動脈瘤がみつかった者の血中カドミウム濃度が高いという報告があった。

そこでくも膜下出血と血中カドミウムとの関連をくわしくしらべてみたそうな。



28449人についてくも膜下出血の発生を10年ほどフォローして、発症時の血液サンプルからのカドミウム濃度をしらべ、関連を解析したところ、



次のようになった。

・93人がくも膜下出血になった。

・血中カドミウム濃度が高かったグループのくも膜下出血リスクはあきらかに高かった。(オッズ比 3.2)

・しかし喫煙歴を考慮にいれるとこの関連は有意なほどではなくなった。

血中カドミウム濃度はくも膜下出血リスクと関連があったが ほとんど喫煙で説明がついた。たばこにふくまれるカドミウムがくも膜下出血の原因物質であるか についてはさらなる研究が必要、


というおはなし。

図:喫煙とカドミウム



感想:

これ↓おもいだした。
無煙タバコと脳卒中

2019年11月2日

5年間の復職曲線


Return to work after stroke- A Swedish nationwide registry-based study
2019  10月  スウェーデン

労働可能年齢層の5人に1人は脳卒中を経験するという。かれらにとって復職はおおきなテーマである。

復職の関連要因についてこれまでの研究はばらつきがおおきい。復職率は10-70%の幅がありフォロー年数は短く 自己申告による調査がおおい。

そこで脳卒中後の復職可能期間と復職意志をふくむ関連要因について大規模にしらべてみたそうな。



スウェーデンの脳卒中患者データベースから2011年の18-58歳の1695人について、
復職の有無を傷病手当金の支給状況から推測して5年後までフォローし、
他の要因との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・復職率は、3ヶ月以内50%、70%が1年以内、80%は2年以内で、85%にたっするまで復職は続いた。

・復職をうながす要因として、男性、脳梗塞、大学までの教育歴、があり、

・復職の障害要因は、発症時の意識障害、年齢が高い、だった。

・1年後での「復職の意志」がある者の5年間の復職成功のオッズ比は3倍だった。

復職事例は脳卒中のあと5年近くつづいていた。復職する意志をもっていることが重要だった、


というおはなし。

図:脳卒中からの復職カーブ



感想:

復職の意志はたいせつ。

仕事を辞める理由をさがしていたタイミングでの脳内出血だったので、好機ととらえ1度も会社に顔を出さず速攻で退職した思い出。

2019年11月1日

発語失行の動作観察療法


The Effectiveness of Action Observation Therapy Based on Mirror Neuron Theory in Chinese Patients with Apraxia of Speech after Stroke
2019  10月  中国

脳卒中後の慢性期ではなんらかの失語症が25-50%にみられるという。

そのなかで発語失行(apraxia of speech)は発語運動のプランニング障害で韻律に異常がみられ、有効な治療法がほとんどない。

ミラーニューロンシステムにもとずく動作観察療法(action observation therapy)の失語症への応用はいくつか報告されているが発語失行についてはないので実験してみたそうな。



脳卒中のあと発語失行と診断された患者42人を2グループにわけた。

両グループともに通常の言語療法を4週間おこなった。

いっぽうのグループには言語療法の直前に動作観察療法を加えた。

動作観察療法では、日常生活動作に関連する単語30種類のビデオを10分間観る。
各ビデオは単語を発話する唇の動きと それに関連するジェスチャーを伴う内容になっている。



次のようになった。

・ Western Aphasia Batteryスコアと発語失行スコアは両グループともに改善した。

・しかし Boston Diagnostic Aphasia Examinationスコアは、動作観察療法グループがコントロールよりもあきらかにすぐれていた。

脳卒中後の発語失行患者への動作観察療法は効果がありそう、


というおはなし。

図:発語失行のBDAEスコア



感想:

これだね↓。
ミラーニューロンを使った失語症リハビリ

2019年10月31日

慢性期脳卒中の幹細胞治療 メタアナリシス


From the Lab to Patients- a Systematic Review and Meta-Analysis of Mesenchymal Stem Cell Therapy for Stroke
2019  10月  カナダ

脳卒中の回復いちじるしい期間はせいぜい6ヶ月である。再生医療はこの期間を延長することができるとして期待されている。

その一つに体性幹細胞でもある間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)をつかった治療がある。

MSCは動物実験では感覚運動機能、シナプス形成や神経新生をうながしさらに脳損傷を抑えるとされている。

脳卒中急性期への臨床試験でも安全であると考えられている。

そこで慢性期の脳卒中へのMSC効果について これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月30日

nature.com:失語症患者が再発しにくい理由


In-hospital recurrence in a Chinese large cohort with acute ischemic stroke
2019  10月  中国

急性脳梗塞は再発リスクが高い。ドイツでは院内での再発率は0.8%だったという報告がある。

中国での調査はまだないので院内再発の頻度とリスク要因についてくわしくしらべてみたそうな。



急性脳梗塞の入院患者1027人の記録について、最初の発症から24時間以上のちにおきた脳卒中イベントを「再発」としたところ、



次のことがわかった。

・14日前後の入院期間中5.68%が再発した。

・再発はおもに入院後5日以内に起きていた。

・再発患者の入院日数と死亡率はあきらかにおおきかった。

・再発のリスク要因は、主幹動脈のアテローム性動脈硬化、感染症、高血糖、だった。

・なぜか失語症患者は再発リスクが非常に低かった。

中国では脳梗塞患者の院内再発率はかなり高かった。再発はおもに入院後5日以内におきていた、


というおはなし。

図:失語症の再発リスク



感想:

失語症患者の再発リスクが低い理由として、彼らは症状をうまく訴えることができないから再発していてもスルーされているのではないか、、とのこと。

2019年10月29日

カルシウムと脳卒中の関係に結論


The Evidence and Controversy Between Dietary Calcium Intake and Calcium Supplementation and the Risk of Cardiovascular Disease- A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies and Randomized Controlled Trials
2019  10月  中国

カルシウムの摂取は骨と心血管系に重要で、高齢者には1日あたり1200-1500mgが推奨されている。

とくに心血管疾患へのカルシウムの良い効果が注目され、サプリメントも広く使用されている。

いっぽうその効果に疑問を呈する調査結果もおおく報告されるようになった。

これらの調査を統合するべくメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月28日

Neurology誌:脳梗塞になったら血圧を上げて治す


Therapeutic-induced hypertension in patients with noncardioembolic acute stroke
2019  10月  韓国

脳梗塞の治療には血栓溶解療法や血栓回収療法があるが時間制限があるため適用できる患者はすくない。

これまで脳梗塞患者の血圧を薬で昇圧して脳循環を改善する試みがいくつかなされてきたが いずれもサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで脳梗塞の昇圧療法についてマルチセンターランダム化比較試験 SETIN-HYPERTENSION(Safety and Efficacy of Therapeutic Induced Hypertension in Acute Non-Cardioembolic Ischemic Stroke)トライアルをやってみたそうな。



非心原性の脳梗塞から24時間以内で通常の血行再建術ができない患者について、
76人を昇圧グループ
77人をコントロールとした。

昇圧グループは薬フェニレフリンでゆっくりと昇圧し、
収縮期血圧が200mmHgをしたまわる範囲でNIHSSスコアが2ポイント以上改善するまで昇圧し続けた。

その上限値を24時間以上維持したのち除々に昇圧を解いていった。

さらに90日後のmRSスコアも評価した。



次のようになった。

・年齢、重症度を考慮してなお昇圧グループのほうが神経症状(NIHSS)スコア、90日後の回復良好者(mRS0-2)割合 ともにあきらかにすぐれていた。

・とくに昇圧グループの88.2%はNIHSSスコアが2ポイント以上改善し、このときの平均収縮期血圧は179.7mmHgだった。

・安全性の面でグループ間にあきらかな違いはなかった。

脳梗塞患者への薬による昇圧療法は安全でかつすぐに神経症状が改善し、長期の回復度も向上した、



というおはなし。

図:脳梗塞への昇圧効果



感想:

「血圧が高い」には脳のすみずみにまで血液を巡らせるメリットがある。

それを降圧薬で無理やり下げてしまうとボケがすすむ原因になる、と考えるひとも少なくない。
降圧薬のうちきりが認知症をふせぐ?

2019年10月27日

Neurology誌:別病院への再入院はいろいろヤバい


Readmission to a different hospital following acute stroke is associated with worse outcomes
2019  10月  アメリカ

急性脳卒中のあと再入院すると最初の入院時よりも死亡率が2倍高いという報告がある。
さらに医療コストも20%増しになるという。

そこで、脳卒中で退院したあと30日以内に別の病院へ再入院したばあいの入院日数、医療コスト、死亡率について大規模にしらべてみたそうな。

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