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2023年1月22日

ボバースセラピーは麻痺上肢に効果あるの?

2022  12月  オーストラリア


1950年代に開発されたボバースセラピーは長年、脳卒中リハビリテーションの主流であった。

特殊な手技によって自発的な動きが促進されるとし、セラピストによる姿勢と体幹にフォーカスした感覚入力が重視されている。

ボバースセラピーによる麻痺上肢の改善効果は、いくつかのメタアナリシスで評価が低いので、

他のリハビリ法と介入用量(時間)をマッチさせた比較をするべく、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年10月29日

ボバース療法を選ぶ理由

2020  10月  オーストラリア


脳卒中患者へのボバース療法、とくに成人下肢への効果についてシステマティックレビューをこころみたそうな。

2012年12月19日

ボバース法で脳卒中の上肢痙縮がおおきく改善した


NDT-Bobath method in normalization of muscle tone in post-stroke patients.
2012  12月  ポーランド


ボバース法の脳卒中上肢リハビリ効果を評価してみたそうな。



60人の脳梗塞患者について、2週間に10セッションのボバース法治療を施した。


治療前後での上肢筋肉の緊張度合いを測定した。


次のようになった。

・16人(27%)で改善効果が見られた。

・1人(2%)で悪化。

・8人(13%)で微かな変化があった。





ボバース法により脳卒中患者の上肢筋緊張が大きく改善した


というおはなし。





感想:

ボバース法って、よく目にするわりには中身が不明。

ネットで調べても具体的な説明はほとんど出てこない。


この研究ではボバース以外の療法の比較グループを設けていない。



あとは推して知るべし。


追記:
ボバースコンセプトのリハビリ効果

2019年4月30日

ボバースコンセプトのリハビリ効果


Effectiveness of the Bobath concept in the treatment of stroke- a systematic review
2019  4月  スペイン

ボバースコンセプトは1940年代に登場し、中枢神経系や感覚運動制御と筋肉構造の3つの可塑的変化をうながす神経発達学的治療法とされている。

ボバースコンセプトは脳卒中リハビリテーションでもっともおおく採用されてきたアプローチのひとつではあるものの、これまでのシステマティックレビューでは目立った成果は確認されていない。

最新のシステマティックレビューは10年前のものなので、こんかいあらためてレビューしてみたそうな。



2018年1月までの関連論文を複数のレビュワーが厳選し、そのエビデンスレベルをPDroスケールで評価したところ、



次のことがわかった。

・15の臨床試験がみつかった。

・ボバースコンセプトは他のアプローチにくらべ、下肢の運動機能、バランス、日常生活動作 の点でなんら優れた点はなかった。

・上肢について CI療法よりはやや効果的だった。

ボバースコンセプトの脳卒中リハビリテーションは下肢で優れた点はなく、上肢でやや効果がある程度だった、


というおはなし。

図:ボバースコンセプト研究


感想:

CI療法はいまやこの状況↓なのでボバースも推して知るべし。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

治療法に人のなまえがついたままであることそれ自体が、手法の一般化ができずに限られた信者だけのものになっているあかしと考える。

2020年6月16日

マトリックスリズムセラピーの効果

2020  6月  トルコ


脳卒中の片麻痺への治療法には、ボバースセラピー、運動トレーニング、電気刺激、支持装具、鍼などがある。

マトリックスリズムセラピー(MRT:Matrix rhythm therapy)では、痙縮を起こした筋肉にα波に相当する8-12ヘルツの振動を与えると、細胞レベルでの微小循環に影響して筋紡錘やゴルジ腱器官のはたらきを改善できるとする最新の治療方法である。

MRTの脳卒中患者への適用はほとんど例がないので実験してみたそうな。

2010年11月28日

運動再学習計画に完敗  ボバースとはなんなのか


Can physiotherapy after stroke based on the Bobath concept result in improved quality of movement compared to the motor relearning programme.
2010 11月 ノルウェー


急性期脳卒中患者に対して、
ボバースアプローチとMotor Relearning Program:運動再学習計画
に基づいたリハビリのどちらが動作改善に役立つのかを調べたそうな。


さまざまな評価項目について
さまざまな評価方法で調べた結果、
ボバースアプローチが優れていた点は1つもなく、
ほとんどの評価について運動再学習計画のような
課題解決型のリハビリの方が圧倒的に優れていることがわかった、
という内容。



どこかボバースに対して悪意を感じる。


しかしボバースアプローチとはいったいなんなのか?
検索しても答えになるような説明が一切見つからない。

そもそも比較対照になるようなものではないような気がする。



一方こちらはわかりやすい
Motor Relearning Program:運動再学習計画(大山リハビリテーション病院のページより):
" Motor Relearning Program(以下MRP)は、行うべき運動を4ステップで構成しています。簡単に説明するとステップ1では正確な動作が出来ない原因を突き止めます。ステップ2ではその原因となる要素の練習を、ステップ3ではステップ2で練習した要素を踏まえて一連の動作練習、ステップ4では日常生活の中への動作の転移です。ここで重要となるのはステップ1~2はセラピスト(治療者)が中心となって施療するのですが、ステップ3~4は患者様が中心となった自主訓練であり、その中でセラピストは口頭による指導や介助を行うということです。"

2010年8月22日

ボバース法に電気刺激を組み合わせると肩関節脱臼がなくなった


The effect of electrical stimulation in combination with Bobath techniques in the prevention of shoulder subluxation in acute stroke patients.
2010 8月 トルコ



48人の脳卒中患者を2グループに分けて
両グループにボバース概念に基づくリハビリを、
そして一方には肩筋肉に電気刺激を与えたそうな。

その結果、
電気刺激のあったグループは入院期間が短く、
肩関節脱臼の割合も、そうでないグループが9件(38%)
もあったにもかかわらず、1件もなかった、とのこと。

ボバース法と電気刺激の組み合わせはすごい、という内容。











そもそもボバース概念なるものがよくわからない。
検索しても詳しいことがでてこない。

電気刺激がすごいってことなんじゃないかと思う。

2011年12月1日

歩行リハビリ決戦 : イメージトレーニング vs ボバーステクニック


Task-oriented circuit class training program with motor imagery for gait rehabilitation in poststroke patients: a randomized controlled trial.
2011  12月  インド




脳卒中患者の80%は歩行機能に障害を受ける。

亜急性期脳卒中患者への

歩行イメージトレーニングの効果を調べたそうな。



発症後4-12週の脳卒中患者30人を


イメージトレーニング+サーキットトレーニング

ボバーステクニックに基づくトレーニングのみ



の2グループに分けて6週間フォローし、

歩行機能を評価、比較した。




その結果、

イメージトレーニング+サーキットトレーニング

を行ったグループの歩行機能が、

統計学的にも明らかに、著しく良好な結果を示した、



というおはなし。








感想:

この研究ではイメトレがボバースに勝利、

に見えるけど、


ところで ボバースとはいったいなんなのか?


検索しても具体的な説明が一切出てこない。


...

2025年2月13日

その脳卒中リハビリ、やるだけ無駄?効果が薄い方法と有効な方法をコクランが公開!

2025  2月  イギリス


脳卒中後のリハビリテーションにはさまざまな方法があるが、どれが本当に効果的なのかは議論の的となっている。

特に、歩行やバランス能力の回復に焦点を当てた研究は多く、その中でも有効なアプローチとそうでないアプローチがある。

そこで、Cochraneが最新研究からどのリハビリ方法が効果的なのかをくわしくレビューしてみたそうな。

2012年1月26日

宿命の対決:ボバースコンセプト vs CIセラピー → 僅差でCIの勝ち


Bobath Concept versus constraint-induced movement therapy to improve arm functionalcovery in stroke patients: a randomized controlled trial.
2012  1月  トルコ




ボバースコンセプトとCIセラピーのどちらが

脳卒中で麻痺した手の治療に

効果がありそうなのか実験してみたそうな。




24人の脳卒中経験者を


・ボバースコンセプトグループ と

・CIセラピーグループに分けて、


それぞれ、10日間の治療を行った。




その結果を様々な評価尺度で

計測したところ、



・両グープともに、改善程度に大差はなかった。


・しかし、麻痺手の使用頻度、動作の質の点で

CIグループの成績が若干 上回っていた。



というおはなし。






感想:

両者は思想、信条がまったく異なるもので、

同じ土俵には立てないだろう...

と思っていたけど、


どうしても対決させたかったらしい。

2014年3月31日

ボディアウェアネス療法の脳卒中リハビリ効果とは


Body awareness therapy in persons with stroke: a pilot randomized controlled trial.
2014  3月  スウェーデン

ボディアウェアネス療法の脳卒中歩行リハビリへの効果を調べてみたそうな。

発症後6ヶ月以上で100メートル程度は歩くことのできる脳卒中患者46人について、
*週1回×8週間のボディアウェアネス療法のグループと
*なにもしない比較グループに分けた。

その後、バランスや歩行能力等を評価、比較した。


次のようになった。

・両グループ共に歩行能力に改善があった。

・しかしグループ間で明らかな違いは見られなかった。


8週間のボディアウェアネス療法は脳卒中歩行リハビリについて特筆すべき効果は確認できなかった、


というおはなし。

写真:ボディアウェアネス療法


感想:

ボディアウェアネス療法を初めて知った。

日本での事例は?だけど、海外では盛んなようだ。

多分に心理的要素を含んだ 理学療法のひとつの考え方らしい。

ボバースとか促通とか なにかそういう漠としたものと並ぶ印象を持った。

2019年4月18日

HALリハビリ 期待外れだった


A Randomized and Controlled Crossover Study Investigating the Improvement of Walking and Posture Functions in Chronic Stroke Patients Using HAL Exoskeleton - The HALESTRO Study (HAL-Exoskeleton STROke Study)
2019  3月  ドイツ

脳卒中慢性期の下肢リハビリとして外骨格ロボットを着けた歩行訓練が期待されている。

とくにHAL( hybrid assistive limb)では患者の筋電シグナルをトリガーとして動作することから神経の可塑性をうながす効果が考えられる。

そこで、前時代的な考えかた(ボバースコンセプトや促通)にもとずく通常の理学療法とHALをつかったリハビリの効果を比較してみたそうな。



慢性期脳卒中で中レベル以上に歩行困難な片麻痺患者18人について、

通常の理学療法もしくは体重支持付きHALトレッドミルを各6週間、30分間x30セッションおこなった。

じっさいには患者を2グループにわけて理学療法とHALリハビリの両方をグループごとに1週間の間をあけて理学療法とHALリハの順番を換えて(Crossover Study)おこなった。

10m歩行タイム、タイムアップアンドゴー、6分間歩行距離、歩行自立度FAC、バランス能力を評価 比較したところ、



次のようになった。

・両リハビリ方法ともにいくつかの指標で有意な改善はみられたものの、

・いずれもあきらかな差は確認できなかった。

HALリハビリが理学療法よりも効果的であるとは言えなかった、


というおはなし。
図:体重支持つきHAL


感想:

実はこの種のロボット下肢リハビリを肯定する質の高いエビデンスはほとんど存在していない。↓
下肢ウェアラブルロボットのリハビリ効果

脳卒中患者が歩行困難な理由は 脚にちからがはいらないからではなく、感覚麻痺によりちからをいれるタイミングがわからないがゆえにバランスをとれないからである。↓
慢性期の下肢感覚麻痺の割合と転倒

だからパワーだけをアシストされたところで患者は立っていることすらままならない。これでいったいなにをリハビリするというのか?

どうかHALを着けた患者を天井から吊るす「滑稽さ」に思い至ってほしい。

2017年2月4日

太ももの裏をサワサワするとリハビリがはかどる


Effect of sensory training of the posterior thigh on trunk control and upper extremity functions in stroke patients.
2017  1月  トルコ

脳卒中患者への触覚刺激が運動機能の回復をうながすとする報告がいくつかある。

実験で確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中患者26人を触覚トレーニングと比較グループに分けた。

触覚トレーニングでは患者の両腿のうしろを次の方法で刺激する。

*トゲトゲボールをやさしくころがす。
*バイブレータで振動刺激をあたえる。
*硬さのことなるスポンジでこする。
*電気刺激をあたえる。

これら刺激の組み合わせを1回45分間、2週間で計10セッション行った。

両グループに通常のリハビリも施し、体幹、上肢、肩、バランス、ADL、触覚能力の評価を行ったところ、


次のようになった。

・セッション終了後、触覚トレーニングの患者で座位での上肢前方リーチ課題のスコアが明らかにすぐれていた。

・触覚トレーニングから10日後、生活自立度の向上も確認できた。

・触覚能力にグループ間の差はなかった。

ふともも裏への触覚刺激トレーニングを脳卒中リハビリに追加するべき、


というおはなし。
図:脳卒中の触覚トレーニング

感想:

こういう考え方は ボバース法に通じるところがあるんだって。

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