元
Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020 3月 台湾
「喫煙パラドックス」は、心筋梗塞や脳梗塞からの回復良好者が喫煙者におおいことを指し、血栓溶解療法の効果にも同様のパラドックスが見られるという。
喫煙は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらずこのような矛盾がみられる原因について いまだあきらかになっていない。
そこで、台湾の2つの大規模調査のデータをつかって、喫煙パラドックスをくわしくしらべてみたそうな。
元
Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020 3月 台湾
元
"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019 10月 中国
・21の研究がみつかった。
・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。
・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス
タバコのおかげで脳梗塞で死なずに済んだ患者が続出 [喫煙パラドックス]
元2024 4月 日本
元2023 6月 中国
元
Impact of smoking on stroke outcome after endovascular treatment.
2018 5月 スイス
・21.8%の患者に喫煙習慣があった。
・彼らは年齢が若く、男性がおおく、高血圧がすくなかった。
・また 治療から3ヶ月後の回復がきわめて良好(mRS1以下)の割合が 39.1%vs.23.1% で喫煙者におおく、動脈再開通率も高く 死亡率は低かった。
・脳内出血率に喫煙者と非喫煙者でちがいはなかった。
・関連要因を考慮にいれてもなお、喫煙習慣があるだけで3ヶ月後の回復がきわめて良かった。
元2020 7月 ノルウェー
元
The smoking paradox: impact of smoking on recanalization in the setting of intra-arterial thrombolysis.
2014 5月 フランス
・227人の患者データが見つかった。
・18.5%は現役喫煙者、16.7%が前喫煙者だった。
・現役喫煙者の完全再疎通率は45.2%、前喫煙者は42.1%、非喫煙者は22.5%だった。
・喫煙経験が必ずしも良好な回復結果と関連していなかった。

元
Impact of Comorbidities and Smoking on the Outcome in Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2018 8月 ドイツ
・55.7%が回復良好(mRS 0-2)で、42.4%は回復不良(mRS 3-6)だった。くも膜下出血の発生要因である喫煙と高血圧が、回復良好の予測因子でもあった、
・1年後の回復不良リスクは喫煙習慣があると0.21倍、高血圧では0.18倍になり、いずれも保護効果を示した。
・1年後の死亡リスクについても同様で、喫煙と高血圧があきらかな予防因子だった。
・糖尿病や高コレステロール血症ではこのような保護効果はみられなかった。
元
Smoking and Mortality in Stroke Survivors: Can We Eliminate the Paradox?
2014 1月 アメリカ
・18.7%の脳卒中経験者が喫煙していた。
・死亡者数の50%は心血管系疾患によるもので、15%はガンが原因だった。
・現在喫煙者は非喫煙経験者にくらべ総死亡率が高く、がん死亡率は3.8倍だった。
・現在喫煙者の心血管系疾患死亡率は、社会経済状況を考慮に入れると高いとはいえなかった。
喫煙を経験しておいた方が脳卒中的には良い と考える理由
喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い
タバコや酒をやっていたからといって、脳卒中のあとはやくに死んでしまうわけではなかった
喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い
【パラドックス】タバコ好きの脳梗塞患者にはtPA治療が良く効くぅ
元
New Insights Into Obesity and Smoking Stroke Paradoxes
2015 4月 アメリカ
・5206102人の急性期脳梗塞患者のうち、2.6%がtPA治療を受けた。
・tPA治療をしなかった者のうち、院内死亡率は非喫煙経験者で6.36%、喫煙経験者で2.83%だった。
・tPA治療ありの場合でも、院内死亡率は非喫煙経験者で10.7%、喫煙経験者で6.8%だった。
・年齢、性別、社会経済状況等を考慮すると喫煙経験の無い者と比べたときの喫煙経験者の死亡リスクは、tPA治療ありで0.81倍、tPAなしでは0.62倍だった。
元WHOによると脳卒中など心血管疾患での死亡の10%は喫煙が原因という。さらに心血管疾患後に喫煙を再開 継続することで再発率は1.5-2倍になるという報告もある。
Persistent smoking after a cardiovascular event: A nationwide retrospective study in Korea.
2017 10月 韓国
・心血管疾患発症前の喫煙者割合は28.6%で、
・そのうちの49.4%は発症後も喫煙を続けていた。
・この割合は脳卒中や虚血性心疾患でほぼおなじだった。
・喫煙の量と期間が長かった者ほど発症後も喫煙が続いていた。
・148人の急性期脳梗塞患者があった。
・21.6%が喫煙者だった。
・喫煙者は若く、女性が少なく、血糖が高く無く、脳の還流低下が大きかった。
・脳の再還流、血管の再開通のしやすさは、喫煙者の方が非喫煙者よりも5倍前後高かった。
・3ヶ月後の自立度も、喫煙者のほうが良い状態だった。
元2025 11月 中国
元2023 1月 アメリカ
元
Lifestyle Factors and Early Clinical Outcome in Patients With Acute Stroke
2017 1月 デンマーク
・発症30日以内に18.3%が重症化し、7.8%が肺炎、12.5%が尿路感染症、9.9%が死亡した。
・ライフスタイルと脳卒中の重症度、死亡率の関連は性別により異なった。
・非健康的ライフスタイルの男性患者は脳卒中重症度と30日死亡率が低かった。はんたいに女性患者は重症度と死亡率が高かった。
・肺炎と尿路感染症については男女の違いはなく、有意なリスク上昇もなかった。
・低体重だと男女ともに30日死亡率が明らかに高かった。
元2024 4月 ノルウェー
元2021 8月 中国
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Body Mass Index and Stroke Risk Among Patients With Type 2 Diabetes Mellitus
2014 12月 アメリカ
・8.3年の追跡期間中に2883人が脳卒中になった。(脳梗塞2821人、脳出血109人)
・ボディマス指数(BMI)
18.5–24.9 [標準], 25–29.9, 30–34.9, 35–39.9, ≥40 kg/m2
に対する脳卒中リスクはそれぞれ、
1.00, 0.86, 0.83, 0.76, 0.70(脳卒中全体)
1.00, 0.87, 0.85, 0.78, 0.72(脳梗塞)
1.00, 0.76, 0.72, 0.54, 0.53(脳出血)
となった。
・この関連は人種、性別、年齢、喫煙、投薬状況に依らなかった。