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2019年1月21日

2週間の加圧トレーニングで歩行速度up


Two Weeks of Ischemic Conditioning Improves Walking Speed and Reduces Neuromuscular Fatigability in Chronic Stroke Survivors
2019  1月  アメリカ

脳卒中患者の20-25%は介助なしには歩くことができない。リハビリをおこなっても歩行速度がほんの少しあがる程度である。

この状況を改善する方法として「虚血コンディショニング」が話題にのぼるようになった。

虚血コンディショニングは1986年に虚血臓器の保護目的で考え出されたもので、のちに心血管保護効果があきらかになり、さらに手脚の筋肉パフォーマンスを改善する効果が「加圧トレーニング」として注目された。

そのメカニズムはよくわかっておらず、脳卒中の手脚の麻痺への応用はまだほとんどない。

また心血管への虚血コンディショニングの経験から、有効なタイムウィンドウに短期(-12時間)と長期(24-72時間)があることがわかっている。

そこで脳卒中の麻痺脚への虚血コンディショニングを、短期効果はすでに確認済みなので、長期におこなったときに歩行能力が改善するものか実験してみたそうな。

2018年2月21日

1回の虚血コンディショニングで麻痺脚の筋力アップ


Ischemic Conditioning Increases Strength and Volitional Activation of Paretic Muscle in Chronic Stroke: A Pilot Study.
2018  2月  アメリカ

腕や脚に圧力をかけて一時的に血流を止める「虚血コンディショニング」は健康な人の筋力や機能を改善するために用いられることがおおいが、神経症状の改善効果については未だよくわかっていない。

そこで慢性期の脳卒中患者について1回の虚血コンディショニングが膝の伸筋力にどのような変化をもたらすものか実験してみたそうな。


発症から1年以上経つ脳卒中片麻痺患者10人を2グループにわけた。

虚血コンディショニングは大腿に巻いたカフで225mmHgの圧力で5分間締め付け5分間解放のサイクルを5回行った。

比較グループはカフ圧を25mmHgとした。

膝伸筋トルクと筋電強度を測定したところ、


次のようになった。
・虚血コンディショニングによって麻痺脚のトルクが10.6Nm強くなったが、

・比較グループではあきらかな違いが生じなかった。

・虚血コンディショニングで最大筋力時の筋電強度が31%強くなり、

・運動に必要な筋電しきい値レベルは5%低下した。

・麻痺のつよかった患者ほど筋力の改善効果は大きかった。

たった1回の虚血コンディショニングで慢性期脳卒中患者の麻痺脚の筋肉活動が改善し筋力が強くなった、


というおはなし。
図:虚血コンディショニング

感想:

なぜか「加圧トレーニング」をイメージしてしまうのは加圧関連団体のマーケティング成果にちがいない。

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2017年11月29日

くも膜下出血への遠隔虚血コンディショニング


Limb remote ischemic post‑conditioning reduces injury and improves long‑term behavioral recovery in rats following subarachnoid hemorrhage: Possible involvement of the autophagic process.
2017  10月  中国

くも膜下出血の死亡率は先進国で25-35%、途上国で48%にのぼる。発症後数日間のダメージが死亡率にもっとも影響し、さらに1-2週間後にも血管攣縮に関連した脳虚血のリスクがのこる。

両腕の血流を止めたり解放したりを繰り返す遠隔虚血コンディショニングは簡単にかつ長期に実行可能な回復方法の1つである。

くも膜下出血への遠隔虚血コンディショニングについてはあまり例がないので、メカニズムの解明を兼ねて細胞内タンパク質分解機能であるオートファジーに着目して実験してみたそうな。


人為的にくも膜下出血にしたネズミに、その直後から両前脚の動脈をクリップして10分、解放して10分のサイクルを1日に3回くりかえし、3日間続けた。

このあと脳浮腫の程度や行動検査、記憶力 およびオートファジー関連タンパク質の測定を1ヶ月間フォローした。


次のことがわかった。

・遠隔虚血により脳浮腫が改善し、組織の細胞死が減った。

・短長期的な神経機能と記憶力も改善し、

・皮質のオートファジー関連タンパク質が増加してオートリソソーム量が1ヶ月後も増えたままだった。

くも膜下出血直後の遠隔虚血コンディショニングは神経保護と回復をうながす非侵襲的な方法であり、オートファジー機能が関係していると考えられた、


というおはなし。
図:

感想:

遠隔虚血コンディショニングにはプレとポストがある。なにかイベントのまえに行うのがプレコンディショニングで、脳卒中リハビリに応用されるのはポストの方。

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2018年10月3日

腕の血流をとめるだけの脳卒中治療法とは


Upper Limb Ischemic Postconditioning as Adjunct Therapy in Acute Stroke Patients- A Randomized Pilot
2018  9月  中国

腕や脚の血液の流れを一時的に止めること(虚血コンディショニング)で脳の神経保護効果が得られるとする考え方がある。

虚血コンディショニングで血管内皮の一酸化窒素の放出が促されて血管が拡張し、死にかかっている脳組織の血流が回復するなどの反応が考えられている。

そこで脳卒中になった直後の患者への虚血コンディショニング効果を検証してみたそうな。


平均年齢65、発症から72時間以内の脳梗塞患者60人を2グループにわけた。

実験グループでは血圧計のカフを使って各人の収縮期血圧+20mmHgの圧で健常側の腕を5分間しめつけそのご5分間開放するサイクルを4回おこなった。

もう一方の比較グループには最大30mmHgの圧のみをかけ同様の操作をおこなった。

これを1日1回おこない14日間継続した。

90日後まで効果(NIHSS、梗塞体積、脳灌流MRI、mRS)をフォローしたところ、


次のようになった。

・実験グループでしめつけの痛みで1人がギブアップした。比較グループでのみ2件の再発があった。

・90日後、比較グループよりも実験グループであきらかな神経症状の改善があり、

・脳血流の平均通過時間の左右脳半球での差が小さくなり、

・生活自立度スコアの改善度が高くなり、

・梗塞体積は31.3%減少した。

急性脳卒中後の虚血コンディショニングは安全で、神経症状と脳血流 梗塞サイズを改善した、


というおはなし。
図:脳卒中の虚血ポストコンディショニングと梗塞体積

感想:

虚血コンディショニングには事前(pre)と事後(post)があって、preがもともとのアイデアで、徐々にpostでもいけるんじゃない?ってなってきた感がある。

お金かからないし簡単だからどんどんためしてほしい。

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2017年3月11日

遠隔虚血コンディショニングの脳卒中治療効果


RECAST (Remote Ischemic Conditioning After Stroke Trial)
A Pilot Randomized Placebo Controlled Phase II Trial in Acute Ischemic Stroke
2017  3月  イギリス

脳から離れた位置を繰り返し虚血状態にすると(遠隔虚血コンディショニング) 神経保護効果がえられるとする報告がある。しかしそのメカニズムはわかっていない。

そこで実際の脳卒中患者で実験してみたそうな。


発症後24時間以内の脳卒中患者26人を遠隔虚血コンディショニングと比較グループに分けた。

遠隔虚血コンディショニングは、入院後すぐに腕に血圧測定用の腕帯を巻き、締め付け5分間+開放5分間を計4サイクルおこなった。

この直前 直後、4日後の血液サンプルを採取した。
また、90日後の神経症状、生活自立度を比較した。


次のようになった。

・遠隔虚血グループに有害事象はなかった。

・90日後の神経症状NIHSSスコアは 1 vs. 3 で遠隔虚血グループが明らかに低かった。

・生活自立度に有意な差はなかった。

・遠隔虚血グループで熱ショックタンパク質HSP27の増加が確認できた。

急性期脳卒中への遠隔虚血コンディショニングは安全で、神経症状を改善した。神経保護メカニズムにはHSP27が関わっているかも、


というおはなし。
図:遠隔虚血コンディショニングとHSP27

感想:

これら↓も同じ背景だろうね。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

TIAは幸運の兆し、脳梗塞が軽い

TIAが脳を護る. はたして病気と呼べるのだろうか…
あと[喫煙パラドック]もなかまかな、、

2019年2月10日

80代の認知を正す「遠隔虚血コンディショニング」


Efficacy of remote ischemic conditioning on improving WMHs and cognition in very elderly patients with intracranial atherosclerotic stenosis
2019  1月  中国

MRIで観察できる脳の白質病変は のちの認知障害や脳卒中のリスクとされている。

白質病変の原因はよくわかっていない。近年、とくにアジアで脳動脈の狭窄による慢性的な脳の虚血状態が認知障害や脳卒中を起こすとされ、白質病変との関連を示す報告が増えている。

白質病変の有効な治療法はいまだない。

いっぽう腕や脚を一時的に虚血 再還流することにより全身の虚血耐性を高めるとする「遠隔虚血コンディショニング」が注目をあつめ多くの報告があがってきている。

そこで、脳動脈に狭窄のある80代を対象として長期の遠隔虚血コンディショニング(RIC : remote ischemic conditioning)による白質病変および認知機能への影響をくわしくしらべてみたそうな。


頭蓋内の動脈に狭窄のある平均年齢84の患者58人を2グループにわけ、いっぽうにはRICを施した。

RICは、両腕に巻いたカフに200mmHgの圧力をかけ血流を5分間とめ 5分間再還流の5セットを 1日に2回行い、
300日間継続した。

コントロールの偽のRICグループではカフ圧を30mmHgとした。

180日後、300日後の白質病変および認知機能の程度をそれぞれ複数の指標で評価したところ、


次のことがわかった。

・RICグループでは、180日、300日後の白質病変スコアがあきらかに低下した。コントロールグループではこのような低下はみられなかった。

・認知機能スコアは180日、300日後いずれもRICグループで統計学的有意にすぐれていた。

遠隔虚血コンディショニングは超高齢者の白質病変の進行を抑え 認知障害を改善できる有望な治療法かも


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニングのやり方

感想:

これ、なにげにすごいことだと思うんだけど。

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2020年1月12日

遠隔虚血コンディショニングと脳卒中後の認知障害


Efficacy of remote limb ischemic conditioning on poststroke cognitive impairment
2019  12月  中国

脳卒中後の認知障害はめずらしくなく、さらに認知症へ進む者もいる。

遠隔虚血コンディショニング(remote limb ischemic conditioning:RLIC)は腕や脚の血流を一時的に止めて虚血による離れた臓器の保護反応を引き出すという考え方で、RLICには脳卒中などの虚血イベントのまえ(pre)とあと(post)におこなうものがある。

脳卒中後のRLICには梗塞拡大を防ぐ効果が報告されているが認知機能の低下については報告がほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2018年7月8日

脳梗塞への遠隔虚血コンディショニングの効果


Remote ischaemic conditioning for preventing and treating ischaemic stroke
2018  7月  中国

遠隔虚血コンディショニング(Remote Ischaemic Conditioning :RIC)は腕や脚をカフで強く加圧して一時的に血流をとめたのち再灌流することで脳神経の保護や脳梗塞からの回復を期待するものとしていくつもの研究がなされている。

しかしその効果と安全性については結論がでていない。

そこでRICと脳梗塞に関するこれまでの研究を総括してみたそうな。

2018年11月20日

遠隔虚血コンディショニングはいつはじめたらいいの?


Very Delayed Remote Ischemic Post-conditioning Induces Sustained Neurological Recovery by Mechanisms Involving Enhanced Angioneurogenesis and Peripheral Immunosuppression Reversal
2018  10月  ドイツ

脳卒中のあとに腕や脚の血流を一時的にとめて虚血状態にすることで脳神経を保護できるとする考え方があって、「遠隔虚血コンディショニング」とよばれ おもに動物実験で成果が得られている。

これら実験のおおくは脳卒中のあと24時間以内に虚血コンディショニングがおこなわれているが、臨床応用を考えると早期の適用は現実的ではない。

そこで有効なタイムウィンドウをしらべるべく120時間遅らせた場合で実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミについて、
12時間、24時間、5日(120時間)後に両後脚を止血帯で10分しばり10分開放を3サイクルおこない、2週間ほど継続した。


次のようになった。

・梗塞のおおきさは、24時間以内に開始したグループではとても小さくなったが、5日後のグループではそれほどでもなかった。

・しかし神経症状の回復は24時間以内グループでは一時的なのにたいし、5日後グループは長期(3ヶ月間)に持続した。

・24時間以内グループでは熱ショックタンパク質HSP70が関与し、プロテアーゼの働きを弱め、炎症をおさえていた。

・5日後グループでは血管新生がふえ、各種の神経栄養因子、成長因子があきらかに増加していた。

脳卒中後の遠隔虚血コンディショニングはそのタイミングがおおはばに遅れても効果があった。大規模な臨床試験を期待する、


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニングの長期効果

感想:

たいして危険そうでないので、臨床報告が待ちきれないひとは自分でやるか近所の加圧トレーナーにでも相談してみるといい。

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2017年10月19日

脳の白質病変が小さくなる簡単な方法 RICとは


Remote Ischemic Conditioning May Improve Outcomes of Patients With Cerebral Small-Vessel Disease
2017  10月  中国

ラクナ梗塞、微小脳出血や白質病変は脳小血管障害(cSVD)とも言われ、血管性認知症の主な原因でありアルツハイマー病とも関係すると考えられている。

しかしcSVDの有効な治療法はない。

いっぽうで 遠隔虚血コンディショニング(RIC)はターゲットとなる臓器から離れた組織に虚血再灌流を短時間繰り返すことで保護効果が得られるとする現象である。

最近では脳卒中の再発予防や抗炎症 抗血栓効果、さらには白質病変や脳の灌流状態を改善する効果の報告もある。

そこで遠隔虚血コンディショニングの脳小血管障害と軽度認知障害への効果を実験でたしかめてみたそうな。


cSVDで軽度認知障害の患者30人について、RICグループ14人と偽RICグループ16人にわけた。

RICは両腕に巻いた腕帯を200mmHgの圧力で締めつけ、そして開放する。このサイクルを5分間に5回行い、1日2セット、1年間継続した。

偽RICでは締めつけ圧力を50mmHgにして血流が止まらないようにした。


次のようになった。

・1年後、白質病変体積がRICグループではおおきく減少し(9.1→6.5cc)、偽RICでは有意な差は生じなかった。

・ラクナ梗塞の数は両グループで差はなかった。

・視空間認知と実行能力はRICグループで明らかにすぐれていた。

・RICグループでは中性脂肪、総コレステロール、低密度リポ蛋白、ホモシステインがおおきく減少していた。

・中大脳動脈の脈動性にも差が生じていた。

遠隔虚血コンディショニングには脳小血管障害の白質病変を小さくし、認知能力の衰えを遅らせる効果がありそうだ、


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニング装置

感想:

これは流行る予感。

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2019年3月25日

rt-PAの害と虚血コンディショニング


rt-PA with remote ischemic postconditioning for acute ischemic stroke
2019  1月  中国

脳梗塞には rt-PAをつかった血栓溶解治療がもっとも効果的といわれているものの、患者の50%近くにはなんらかの障害が残る。

rt-PAの線維素溶解作用により脳はさらに傷つき 血液脳関門が破壊され脳内出血のリスクが高まる。じっさい rt-PA治療を受けた者の9-27%に脳内出血が生じ、5%はあきらかな神経症状をしめす。

それゆえ rt-PAによる有害事象をふせぎ脳神経を護る対策がもとめられている。

遠隔虚血コンディショニング(remote ischemic conditioning:RIC)は腕や脚を一時的に虚血にして解放するサイクルを幾度か繰り返すことで 活性酸素レベルを下げ、血管内皮機能を高め、脳血流を増加させることができる。

動物実験ではRICが脳の梗塞体積をちいさくし機能回復をうながす効果が報告されている。

臨床実験はrt-PAの直前にRICを行った例が2014に報告されているので、rt-PA「直後」にRICをおこなうポストコンディショニングの実行可能性と安全性をたしかめてみたそうな。



ガイドラインにしたがいrt-PA治療となった患者30人を2グループにわけ、
いっぽうにはRICを、もういっぽうには通常のケアをおこなった。

RICは両腕にカフを巻き200mmHgで5分間締め付け 5分間解放のサイクルを1セット5回、1日2セット、rt-PAの直後からはじめて7日間つづけた。

RICに要した時間、血中ミオグロビン、出血性変化ほか有害事象を調べたところ、



つぎのようになった。

・RICを完遂した患者は97.0%で、1セット完了までの平均時間は66分間だった。

・RICグループで出血性変化が1例みられた。

・ミオグロビンレベルにグループ間の差はなかった。

急性脳梗塞患者へのrt-PA治療直後の遠隔虚血ポストコンディショニングは実行可能でかつ安全であると考えられた、


というおはなし。

図:虚血コンディショニングの紅斑
有害事象例


感想:

rt-PAは危険だから慎重に扱われてきたのに、いろんなちからが働いてついに学会から「発症からの時間にかかわらず恣意的な運用が可能!」とのお墨付きがでてしまった。↓↓↓ ええんか?
脳梗塞 “血栓溶かす治療をより多くの患者に” 治療指針変更(3月22日 NHK News)

2018年2月11日

遠隔虚血ポストコンディショニングの脳卒中治療効果


Remote limb ischemic postconditioning promotes motor function recovery in a rat model of ischemic stroke via the up-regulation of endogenous tissue kallikrein.
2018  2月  中国

腕や脚を一時的に虚血にすることで離れた位置の臓器(心臓や肝臓、肺、腎臓、脳)を障害から護ることができるとする考え方があり
遠隔虚血コンディショニング(RIC : Remote Iscemic Conditionig)とよばれている。

RICの脳卒中への応用については、障害イベントの事前(pre)のコンディショニング効果についての研究がおおいので事後(post)の効果について動物で実験してみたそうな。

また神経保護効果のある組織カリクレインとの関係もしらべた。


人為的に脳梗塞にしたネズミを用意した。
RICでは後ろ脚を10分間しばって虚血にして10分間解放する操作を1日3回x21日間つづけた。

運動機能、梗塞サイズ、発現タンパク質をしらべたところ、


次のようになった。

・RICグループで運動機能の回復がすぐれていた。

・RICグループでは梗塞サイズや神経の消失がすくなく、損傷部位での微小血管密度が増加していた。

・さらに損傷部位で組織カリクレイン濃度が増加していた。

・組織カリクレインの拮抗薬を与えたところ、これらの改善がもどってしまった。

急性脳梗塞への遠隔虚血ポストコンディショニングは運動機能の回復および脳の保護に効果的だった。このプロセスには組織カリクレインの関与が考えられた、


というおはなし。
図:遠隔虚血ポストコンディショニングの脳卒中治療効果


感想:

おそらくこの考え方をすでに人で実験した結果がこれ↓。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

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2016年10月29日

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは


Limb remote ischemic conditioning increases Notch signaling activity and promotes arteriogenesis in the ischemic rat brain.
2016  10月  中国

下肢遠隔虚血コンディショニング(LRIC)は下肢を壊死しない程度に圧迫/開放を繰り返す手法で、心臓や脳に対して虚血耐性をもたらすと考えられている。

脳卒中にたいしてどんな効果があるのか実験してみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミの両下肢に10分間の圧迫/開放を1日3回x14日間継続した。

運動機能および脳組織を調べたところ、


次のことがわかった。

・LRICグループでは局所脳血流が増加し、

・血管新生が進み 動脈径の拡大と血管平滑筋細胞の増殖が見られた。

・動脈新生の増加と運動機能の回復には明らかな関連があった。

・さらにLRICは梗塞周辺での神経 血管分化に関係するNotch1経路の活性化に関わっていた。

下肢遠隔虚血コンディショニングには脳の虚血からの回復過程でNotch1経路が関係する血管新生を促す効果がありそうである、


というおはなし。
図:下肢遠隔虚血の動脈新生効果

感想:

やってることは加圧トレーニングなんだよな、、

2019年8月27日

血管性認知症を治す遠隔虚血コンディショニング


Remote ischemic conditioning improves cognition in patients with subcortical ischemic vascular dementia
2019  8月  中国

血管性認知症はアルツハイマー病に次ぐ認知症原因で15%を占める。そのうち皮質下血管性認知症(subcortical ischemic vascular dementia)はもっともおおくお墨付きの治療法はない。

期待される治療法として遠隔虚血コンディショニング(remote ischemic conditioning:RIC)がある。

RICでは たとえば脳から離れた位置の腕を一時的に虚血状態にすることで虚血からの保護効果を誘起しようとするものである。

そのメカニズムは複雑で 抗炎症性のさまざまな反応が絡み、結果として局所脳血流が改善すると考えられていて、脳卒中の再発予防への応用も報告されている。

そこで血管性認知症患者へRICを半年間ほどこしたときの効果を実験してみたそうな。



皮質下血管性認知症の患者37人ついて、RICグループ18人とコントロール19人にわけた。

RICでは両腕にカフを巻き200mmHgで圧迫して血流を止め開放するサイクルを1セット5回繰り返し、これを1日2セットx6ヶ月間継続した。

コントロールではカフの圧を60mmHgに設定し、血流が止まらないようにした。

その後の各種神経心理テストおよびC反応性タンパク質や白質病巣体積などを評価 比較したところ、



次のようになった。

・RICグループは、神経心理テストのHLVT-R,COWAT,TMT-A,TMT-B,JLOであきらかにすぐれたスコアを示した。

・コントロールでは6ヶ月間に改善はほとんどなくHVLT-R,TMT-Rにわずかな変化があったのみだった。

・とくに Judgment of Line Orientation (JLO)でRICグループがすぐれていた。

・C反応性タンパク質や白質病巣体積はRICグループで減少傾向にあった。

皮質下血管性認知症患者への6ヶ月間の遠隔虚血コンディショニングは認知機能の改善に安全で効果的と考えられた、


というおはなし。

図:


感想:

こんなにシンプルならやらない理由はないね。

さらに簡単な方法があって↓
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

2017年1月18日

ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス


Physiological Ischemic Training Promotes Brain Collateral Formation and Improves Functions in Patients with Acute Cerebral Infarction.
2016  12月  中国

生理学的虚血トレーニング(Physiological Ischemic Training)という考え方があって、たとえば手脚への虚血刺激で 離れた位置にある心臓の血管新生が促され血のめぐりがよくなるという。

ハンドグリップを用いたアイソメトリック運動での心臓の報告があることから、脳についても同様の効果を確かめてみたそうな。


脳梗塞患者10人と健常者10人について、虚血トレーニングと通常リハビリにグループ分けした。

虚血トレーニングでは、
[ハンドグリップを全力で1分握って1分休み]を10セット x 4回/日 x 5回/週 x 4週間とした。

この前後での脳の還流状態をMRIで測定し、運動機能や血液中の血管増殖因子なども調べたところ、


次のことがわかった。

・トレーニング後、いずれのグループも運動機能、ADL、QoLがおおきく改善した。

・通常リハにくらべ虚血トレーニングでは運動機能とQoLスコアがあきらかに高かった。

・さらに虚血トレーニングでは局所脳血流が通常リハよりも有意に高く、

・同様に血中のVEGF(血管内皮細胞増殖因子 )、EPCs(内皮前駆細胞)も多かった。

・運動機能と局所脳血流レベル、VEGFレベル、EPCs数に正の相関があった。

生理学的虚血トレーニングは血管新生をうながし脳の血の巡りをよくする。その結果、脳卒中患者の運動機能や日常生活動作、生活の質の改善につながるのだろう、


というおはなし。
図:脳血流と生理学的虚血トレーニング

感想:

ようするに健側だけでもいいから筋トレやれってことじゃないかな。

これ↓思い出した。
脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

2018年5月8日

脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス


Impact of smoking on stroke outcome after endovascular treatment.
2018  5月  スイス

喫煙習慣はあきらかに脳卒中のリスク要因の1つである。いっぽう喫煙習慣のある脳卒中患者への経静脈血栓溶解療法の効果が非常に高く回復が良いとする「喫煙パラドックス」についての報告も増えている。

この関連が血栓の機械的除去や動脈内血栓溶解療法(ウロキナーゼ)などの血管内治療についてもみられるものか詳しくしらべてみたそうな。


2003-2015に脳梗塞で血管内治療をうけた935人について調査したところ、


次のことがわかった。

・21.8%の患者に喫煙習慣があった。

・彼らは年齢が若く、男性がおおく、高血圧がすくなかった。

・また 治療から3ヶ月後の回復がきわめて良好(mRS1以下)の割合が 39.1%vs.23.1% で喫煙者におおく、動脈再開通率も高く 死亡率は低かった。

・脳内出血率に喫煙者と非喫煙者でちがいはなかった。

・関連要因を考慮にいれてもなお、喫煙習慣があるだけで3ヶ月後の回復がきわめて良かった。

脳梗塞患者に喫煙習慣があると血管内治療後の回復が非常によかった。だからといって喫煙が健康に良いわけではないので勘違いしないように、


というおはなし。
図:血管内治療の喫煙習慣パラドックス

感想:

どうやら虚血コンディショニング効果ではないか、、って言ってる。

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2018年9月3日

低酸素コンディショニングの治療効果


Low Oxygen Post Conditioning as an Efficient Non-pharmacological Strategy to Promote Motor Function After Stroke
2018  8月  オーストラリア

ここ数年、低酸素状態におく(Low oxygen post conditioning)ことの心筋梗塞の再生効果や神経再生、血管再生、認知機能改善効果がつぎつぎと報告され、薬を必要としないシンプルな治療法として期待されている。

そこで脳梗塞にたいする低酸素コンディショニングの効果を動物でしらべてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にした48時間後から1日8時間 酸素濃度11%の環境におき、これを2週間続けた。

運動機能と脳組織の状態を4週間後までフォローしたところ、


次のようになった。

・運動障害は低酸素コンディショニング2週間でほぼ元のレベルに戻った。

・この機能改善は脳の毛細血管密度の増加とBDNFレベルの上昇、脳実質欠損の低下およびミクログリア活動の低下と関連していた。

・これらの効果は低酸素コンディショニングのさらに2週間後も持続していた。
低酸素コンディショニングの脳卒中後の運動機能改善と神経保護効果を確認できた。臨床試験が待ち遠しい、


というおはなし。

図:低酸素療法の脳保護効果

感想:

虚血コンディショニングよりももっと直接的だな。

wikipediaみると↓ 11%って意識飛ぶ寸前でマフィアの拷問なみか。
* 酸素濃度16%: 呼吸脈拍増、頭痛悪心、はきけ、集中力の低下
* 酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、はきけ、体温上昇
* 酸素濃度10%: 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
* 酸素濃度 8%: 昏睡
* 酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止

2020年3月29日

90歳超えでも復活する日本人脳梗塞


Clinical outcomes of cerebral infarction in nonagenarians compared among four age groups
2020  3月  日本

日本の女性の平均寿命は約90歳であり、医療現場では90歳以上の脳卒中患者に遭遇することがときどきある。

そこで、90歳以上の脳梗塞患者の臨床的特徴と回復可能性についてくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月16日

Stroke誌:喫煙パラドックスのからくり


Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020  3月  台湾

「喫煙パラドックス」は、心筋梗塞や脳梗塞からの回復良好者が喫煙者におおいことを指し、血栓溶解療法の効果にも同様のパラドックスが見られるという。

喫煙は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらずこのような矛盾がみられる原因について いまだあきらかになっていない。

そこで、台湾の2つの大規模調査のデータをつかって、喫煙パラドックスをくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月4日

「喫煙パラドックス」はなかった


"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019  10月  中国

喫煙は脳梗塞のリスク要因であり、喫煙歴だけでもネガティブな影響があるという。

さいきん喫煙者の血栓溶解治療成績が良好であるとする 「喫煙パラドックス」 "smoker's paradox" についての報告が数おおくなされている。
いっぽうそれを否定する研究者もいる。

そこで喫煙が脳梗塞の予後にあたえる影響をしらべるべくメタアナリシスをこころみたそうな。


2019年2月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・21の研究がみつかった。

・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。

・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

喫煙に脳梗塞の予後を保護する効果はみられなかった。喫煙者が若くして脳梗塞を発症していることが喫煙パラドックスの理由かも、、


というおはなし。

図:喫煙パラドックス


感想:

虚血コンディショニング効果もあるかも。↓
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