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2026年6月18日

片手リハビリはもう古い? 脳卒中後の両手練習が示した意外な限界

2026  5月  アメリカ


日常生活の多くは、片手だけでなく両手を協調させて行う。

食事、調理、着替え、物の持ち運びなどでは、左右の手が別々の役割を持ちながら同時に働く。しかし脳卒中後は、麻痺側の運動障害だけでなく、両手を時間的・空間的に合わせる能力も低下する。

両手練習は脳卒中リハビリで重要と考えられているが、実際に1回の両手課題練習で、動作や脳の興奮性がどう変わるのかは十分にわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2026年6月3日

運動イメージ訓練でも「両手>片手」だった!脳卒中リハビリにヒント

2026  5月  日本


運動を頭の中でくり返しイメージするメンタルプラクティスは、実際の運動能力を高める方法として知られている。脳卒中後の上肢リハビリでも、比較的簡便で低コストな方法として注目されている。

一方で、片手だけをイメージする練習と、両手を同時にイメージする練習のどちらがよいのか、またそれらをどの順番で行うべきかは十分にわかっていない。そこで、両手イメージと片手イメージの組み合わせが、実際の運動成績と脳波指標であるERDにどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年5月18日

CI療法的な“片手しばり”は本当に有利なのか 両手訓練メタ解析の衝撃

2026  5月  台湾


脳卒中後には、手や手指など遠位上肢の麻痺がよくみられる。これは日常生活動作を大きく制限し、機能回復の妨げになる重要な問題である。

上肢リハビリでは、麻痺側の腕や手を集中的に使う片側訓練がよく行われてきた。一方で、左右の腕を同時に使う両側訓練も、脳卒中後の運動回復を促す方法として注目されている。

しかし、両側訓練がとくに手先の回復にどの程度有効なのか、またどのような患者や訓練条件で効果が出やすいのかは十分に整理されていなかった。そこで、脳卒中後の遠位上肢麻痺に対する両側訓練と片側訓練の効果を比較してみたそうな。

2026年5月13日

脳卒中リハビリにtDCSは効くのか? TRANSPORT2が示した「上乗せ効果なし」の衝撃

2026  5月  アメリカ


脳卒中のあとに手や腕の動きが悪くなった人に対して、tDCSという方法が注目されてきた。これは、頭の外からごく弱い直流電流を流し、脳の働きを少し後押ししようとする方法である。

期待された理由はわかりやすい。装置が比較的安く、使い方も難しすぎず、リハビリ中に一緒に使えるからである。つまり、「ふつうのリハビリに電気刺激を足せば、回復がもっとよくなるのではないか」と考えられていた。

しかし、TRANSPORT2という大きめの多施設試験では、その期待どおりの結果は出なかった。その失敗から何を学ぶべきかを整理してみたそうな。

2026年4月26日

脳卒中リハビリ神話に一撃:発症早期に3倍訓練しても比例回復則は破れなかった

2026  3月  ニュージーランド


脳卒中のあと、麻痺した腕や手は、発症してから早い時期に大きく回復することがある。この回復には、リハビリだけでなく、脳そのものに備わった「自然に回復しようとする力」が大きく関わると考えられている。

しかし、発症早期にリハビリをたくさん行えば、この自然回復をさらに強められるのかは、まだよくわかっていない。そこで、発症2週間以内に、通常より多めで集中的な上肢リハビリを行うことで、腕や手の回復がより良くなるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月16日

麻痺手を“なんとなく”動かすだけでは回復しない──慢性期リハの冷徹な現実

2025  8月  アメリカ


脳卒中のあと、長い時間がたってからでも運動やリハビリが役に立つのかどうかは、よくわかっていなかった。

多くの研究は新しいリハビリ法を試すときに「実際の治療」と「普通のケア」を比べるが、普通のケアを受けた人たちがどれくらい良くなるかについては、はっきりとした数字が示されていなかった。

そこで、過去の試験で「コントロール群」と呼ばれる普通のケアを受けた人たちだけを集めて、腕の動きがどのくらい変化するかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月30日

「脳卒中後の機能障害における比例回復則――早期のリハビリは要らないのか?

脳卒中後の機能回復に関して、「比例回復則(proportional recovery rule, PRR)」と呼ばれる経験則が報告されています。これは、多くの脳卒中生存者において失われた機能の約70%が数か月以内に自然回復するというもので、初期障害の程度から最終的な回復量を高い精度で予測できる可能性を示唆しています

本レビューでは、この法則が成立する領域と限界、神経学的根拠、反証や批判、リハビリ介入の影響、および自然回復に関する議論について、信頼性の高い英語論文をもとに整理します。

2025年6月22日

“受け身”でも効く!?──両腕リハビリBATが切り開く脳卒中回復の新常識

2025  6月  中国


脳卒中によって多くの人が片麻痺を含む上肢機能障害を抱えるが、その回復には脳と筋肉の連携、すなわち中枢と末梢の相互作用が重要であるとされている。

特に、両腕を同時に使う"バイラテラルアームトレーニング(BAT)"は、有望なリハビリ手法として注目されてきた。

しかし、BAT中に脳と筋肉がどのように連動しているのか、すなわち神経活動と筋電活動の相関についてはこれまで十分に明らかにされてこなかった。加えて、損傷側(左麻痺か右麻痺か)によって、その神経筋協調が異なる可能性があることも見落とされていたのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月3日

CI療法、それって本当に“リハビリ”ですか?

2025  5月  中国


脳卒中のあとに手がうまく動かなくなると、日常生活に大きな支障が出てしまう。多くの人がこの後遺症に悩んでいて、リハビリの工夫が求められている。

拘束誘導運動療法(CIMT)は、元気な手をあえて使わせず、麻痺側の手をできるだけ使わせる方法だが、負担が大きく、使える人が限られていた。

そこで、もう少し柔らかくした「改良型CIMT(m-CIMT)」が注目されている。これが本当に効果があるのかを、たくさんの研究をまとめて検証してみたそうな。

2025年3月25日

FMAスコアに騙されるな!ロボット訓練に潜む“実感なき進歩”のワナ

2025  3月  韓国


ロボット支援療法は、脳卒中患者の運動回復を促進する可能性があるとして注目されてきた。高頻度かつ高強度な訓練を提供できる点で、従来のリハビリ療法にない利点を持つとされる。

しかし、実際の臨床効果、とくに上肢機能の改善における有効性については、ばらつきのある研究結果が報告されており、エビデンスが不十分であった。そこで、既存のメタアナリシスを統合し、ロボット支援療法の効果を包括的に評価してみたそうな。

2025年2月13日

その脳卒中リハビリ、やるだけ無駄?効果が薄い方法と有効な方法をコクランが公開!

2025  2月  イギリス


脳卒中後のリハビリテーションにはさまざまな方法があるが、どれが本当に効果的なのかは議論の的となっている。

特に、歩行やバランス能力の回復に焦点を当てた研究は多く、その中でも有効なアプローチとそうでないアプローチがある。

そこで、Cochraneが最新研究からどのリハビリ方法が効果的なのかをくわしくレビューしてみたそうな。

2024年2月11日

驚愕の転換点!「両側上肢トレーニング」が脳卒中患者の回復に革命をもたらす - 新たな希望の光

2024  1月  ベルギー


脳卒中後の上肢(UL)の回復を改善するために、高用量の両側動作(bilateral movements)トレーニングは、有望なリハビリテーション戦略である。

そこで、亜急性期脳卒中における上肢障害と機能的自立に対する両側ULトレーニングと片側ULトレーニングの効果を比較してみたそうな。

2022年11月23日

脳卒中運動機能リハビリテーション 2004年からの傾向

2022  11月  中国


脳卒中後の運動機能障害は後遺症の50-70%を占める。

運動機能のリハビリテーションは生活の質の向上と機能回復のための重要な手段である。

そこで 2004年から2022年までの運動機能リハビリテーション論文の傾向と新分野をあきらかにするべく書誌解析をこころみたそうな。

2022年10月22日

健常側を筋力トレーニングする理由

2022  10月  中国


脳卒中患者では非麻痺側にも筋力の低下が生じているという報告がすくなくない。

また、非麻痺側のトレーニングが麻痺側に「転移」する現象クロスエデュケーションも報告されている。

そこで非麻痺側の筋力トレーニングが運動機能におよぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。

2022年2月17日

両腕トレーニングの左右脳卒中の違い

2021  1月  パキスタン


脳卒中経験者のおおくは上下肢に知覚運動障害を負う。

もっともおおいのは上肢で、脳卒中の慢性期では40%が障害を経験しているという。

リハビリ戦略の1つとして麻痺手を強制使用するCI療法があるが、安全性への懸念や参加のための前提条件などおおくの制限がある。

いっぽう麻痺手と非麻痺手を同時に使用する「両腕トレーニング(bilateral arm training)」にはそれらの条件はない。

両腕トレーニングの有効性を示すエビデンスは十分にあるが、損傷脳半球の左右による効果の違いはあきらかになっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年2月21日

「リマインド・トゥ・ムーブ」が上肢の運動野を活性化


"Remind-to-Move" Treatment Enhanced Activation of the Primary Motor Cortex in Patients with Stroke
2020  2月  香港

脳卒中経験者の70%には半身になんらかの麻痺が残る。その結果、たとえば健常なほうの手ばかりを使って麻痺側の手の使用頻度が低下する。これを「学習された不使用」とよぶ。

この対策としてCI療法があるが、CI療法ではすでに手を開いたり閉じたりできるハイパフォーマンスな患者しか対象とならない。さらに1日6時間以上 健常手を束縛する厳しさから完遂できる患者がきわめて限られる。

CI療法の代わりとしての "Remind-to-Move" (リマインド・トゥ・ムーブ:RTM)の報告がいくつかある。RTMでは麻痺手に着けたデバイスが視覚メッセージとバイブレーションで手を使うことを思い起こさせてくれる。

RTMでは健常手を抑制する必要がないもののCI療法と同レベルの効果が得られているという報告もある。

さらに振動刺激が体性感覚野を活性化する効果、運動準備のための注意をうながし背外側前頭前野の活動を高める効果も期待される。

そこで、RTMによる脳皮質の活動を脳卒中患者と健常者で比べてみたそうな。

2019年10月17日

重度上肢麻痺の両手準備運動の効果


Bilateral motor priming for post stroke upper extremity hemiparesis- A randomized pilot study
2019  10月  アメリカ

脳卒中の上肢リハビリにはCI療法があるが ごく軽い麻痺患者にしか適用できない。中-重度麻痺患者への ロボットやミラー、VRなどのリハビリ方法が試みられているがいずれも成果は芳しくない。

両手準備運動(Bilateral motor priming)では麻痺していない手の動きにあわせて麻痺手が左右対称に連動する装置をもちいる。この動きにより左右脳半球の働きがバランスされリハビリがすすむという報告がいくつかある。

そこで、上肢の重度麻痺患者に対し両手準備運動の効果を検証してみたそうな。



脳卒中の発症から6ヶ月以上経つ重度の上肢麻痺の患者16人について上肢の課題訓練(45分間)をおこなった。

課題訓練の直前に、
両手準備運動15分間 または
パソコンゲーム15分間(コントロール)をおこなうグループにわけた。

「両手準備運動」は両手が連動して鏡像運動する装置の上で手首の曲げ伸ばしを1周期1秒のペースでおこなった。

これらを1日2時間 x  週に2-3回ペースで 計15セッション行った。

TMSをつかって半球間抑制の程度も測定した。

上肢機能を、Chedoke Arm and Hand Activity Index9:CAHAI-9 および Fugl Meyer Upper Extremity:FMUE で6週間後までフォローした。



次のようになった。
・CAHAIスコアの改善度にはグループ間であきらかな差はみられなかった。

・FMUEでは両手準備運動グループが有意にすぐれた改善を示し、介入前後で10ポイント向上していた。(コントロールは4.4ポイントの向上)

・半球間抑制の持続性も両手準備運動グループであきらかにおおきかった。

上肢リハビリのまえに15分間の両手準備運動を加えることで重度麻痺患者の運動機能スコアがおおきく向上した、


というおはなし。

図:両手準備運動


感想:

これって 両手のひらをあわせて指を絡めて離れないようにして、健常手でリードしながら両手首を左右にクキクキ動かすのと同じことと考える。特別な装置はいらないとおもうよ。

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まっっったく効果ない

2019年5月27日

【結論】片手訓練と両手訓練


Comparison of bilateral and unilateral upper limb training in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  5月  中国

脳卒中の上肢麻痺のリハビリテーション方法として片手訓練(unilateral upper limb training)と両手訓練(bilateral upper limb training)がある。

片手訓練は麻痺側の手の課題指向型訓練が相当し、それをさらに集中的におこなうCI療法を含む。

いっぽう両手訓練は健常手とのカップリング効果を期待して麻痺手の改善をはかる方法である。

これまで片手訓練と両手訓練の効果をくらべたメタアナリシスがいくつかなされたが そのいずれもが片手訓練にCI療法を含んでいた。

CI療法は訓練量のおおさとスケジュールの緻密さにより患者の68%が訓練を完遂できず、恩恵をうけるのはわずか20-25%のみという。

さらにその適応基準は非常にきびしく、患者は手首を10度以上伸ばせて親指と他の指が開くことを事前要求される。

結果的にCI療法は軽度の麻痺患者のみが対象になってしまうことから、これをメタアナリシスに含むことはまったく適切ではないと考えられる。

そこでCI療法を除いて、片手訓練と両手訓練についてメタアナリシスをやりなおしてみたそうな。



CI療法をふくまない片手訓練および両手訓練のこれまでの研究を厳選し、データを統合 再解析して、

評価基準
Fugl-Meyer Assessment of Upper Extremity (FMA-UE),
Wolf Motor Function Test (WMFT),
Action Research Arm Test (ARAT)
Box and Block Test (BBT)

について効果を比較したところ、



次のようになった。

・被験者842人を含む21のランダム化比較試験がみつかった。

・片手訓練にくらべて両手訓練はFMA-UEスコアがあきらかに優れていた。

・しかしWMFTの完遂率および WMFT,ARAT,BBTの機能パフォーマンスの点では有意な差は確認できなかった。

両手訓練は運動機能FMA-UEの改善にあきらかに優れていた。しかし巧緻性をしめすWMFT,ARAT,BBTの点で片手訓練と有意な差はなかった、



というおはなし。
図:片手訓練と両手訓練のメタアナリシス



感想:

「CI療法は はじめからなかったことにしましょう」←著者が言いたいこと。

2019年4月30日

ボバースコンセプトのリハビリ効果


Effectiveness of the Bobath concept in the treatment of stroke- a systematic review
2019  4月  スペイン

ボバースコンセプトは1940年代に登場し、中枢神経系や感覚運動制御と筋肉構造の3つの可塑的変化をうながす神経発達学的治療法とされている。

ボバースコンセプトは脳卒中リハビリテーションでもっともおおく採用されてきたアプローチのひとつではあるものの、これまでのシステマティックレビューでは目立った成果は確認されていない。

最新のシステマティックレビューは10年前のものなので、こんかいあらためてレビューしてみたそうな。



2018年1月までの関連論文を複数のレビュワーが厳選し、そのエビデンスレベルをPDroスケールで評価したところ、



次のことがわかった。

・15の臨床試験がみつかった。

・ボバースコンセプトは他のアプローチにくらべ、下肢の運動機能、バランス、日常生活動作 の点でなんら優れた点はなかった。

・上肢について CI療法よりはやや効果的だった。

ボバースコンセプトの脳卒中リハビリテーションは下肢で優れた点はなく、上肢でやや効果がある程度だった、


というおはなし。

図:ボバースコンセプト研究


感想:

CI療法はいまやこの状況↓なのでボバースも推して知るべし。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

治療法に人のなまえがついたままであることそれ自体が、手法の一般化ができずに限られた信者だけのものになっているあかしと考える。

2018年12月12日

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは


A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018  12月  アイルランド

脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。

これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。

そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。

・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。

・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、

・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。

・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、

・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。

・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。

中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、


というおはなし。

図:中低所得国の脳卒中リハビリ


感想:

むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。

CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、

ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。

そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。

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