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2019年6月5日

脳卒中での腸内細菌の変化


Dysbiosis of the intestinal microbiota in neurocritically ill patients and the risk for death
2019  5月  中国

重症筋無力症やパーキンソン病、脳卒中などの神経疾患と腸内細菌との関連が指摘されている。

また腸内細菌の多様性が失われる「ディスバイオシス」が死亡リスクと関連するという報告もある。

そこで、脳神経の疾患患者の腸内細菌の構成の変化と死亡リスクとの関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月4日

脳卒中と認めてもらえない女性 JAMA Neurol.


Sex Differences in Presentation and Outcome After an Acute Transient or Minor Neurologic Event - Acute Coronary Syndromes
2019  5月  カナダ

重症度が中レベル以上の脳卒中のばあい症状のでかたが男女でことなることがしられていて、麻痺や言語障害といった典型症状は女性ですくない。

のちの機能回復度や生活の質も女性で低い傾向がある。

いっぽう脳梗塞患者の半数以上をしめる軽度または一時的な脳卒中の男女差についてはあきらかになっていない。

軽い神経症状の患者は最終的にその3分の1が脳卒中類似症状(stroke mimic)と分類されるという。

そこで軽度の脳卒中患者の入院時症状とその後の男女差を大規模にしらべてみたそうな。



2013-2017 複数の大学病院で、軽いもしくは一時的な脳虚血症状をしめす患者について、
その診断結果(脳梗塞 or 類似症状)および90日後の再発や死亡をフォローしたところ、



次のことがわかった。

・70歳前後の患者1648人を対象とした。

・MRIを撮っていても、女性が脳梗塞と診断される割合は相対比0.88で男性よりも低かった。

・しかし90日時点での再発や死亡のリスクに差はなかった。

・入院時の症状(局在 or 非局在)にあきらかな男女差はなかった。

軽い脳卒中では入院時の症状が男女おなじであっても女性のほうが類似症状とみなされることがおおかった。再発リスクに男女差がなかったことからこれら類似症状扱いされた女性は2次予防指導をうける機会を逸したと考えられる、


というおはなし。
図:脳卒中類似症状



感想:

女性は片頭痛や精神ストレスで病院にかかることがおおいため「またか...」と思われてしまうことが理由ではないか、と言ってる。
じつは脳卒中でなかった割合 in Japan

2019年6月3日

脳卒中後うつへの鍼治療の効果


The effectiveness of acupuncture therapy in patients with post-stroke depression- An updated meta-analysis of randomized controlled trials
2019  5月  中国

脳卒中後のうつは患者の29-35%にみられ、社会活動 認知機能 リハビリテーションや死亡率にも影響するという。

たいさくとして心理療法や薬物治療が考えられるが、たとえば抗うつ薬には目のかすみ 閉尿 性機能不全 ふるえ 低血圧 不眠 などの副作用がある。

いっぽう鍼をつかえば副作用のしんぱいはほとんどない。

これまで脳卒中後うつへの鍼治療研究のメタアナリシスは、2010年までの15の研究についてのものが最新で このときは鍼治療の効果は確認できなかった。

そこで、2010以降の研究についてあらたにメタアナリシスをおこなってみたそうな。

2019年6月2日

ラクナ梗塞は運動不足のせいだったのか


Self-Reported Physical Activity and Cardiovascular Disease Risk Factors in Patients with Lacunar Stroke
2019  5月  デンマーク

運動不足は脳卒中などの心血管疾患のリスクでありながら改善可能な要因の1つである。アメリカ心臓協会やWHOは1日に中強度(2-3MET:歩行など)の運動を150分以上、高強度(4MET以上)の運動75分以上、相当を薦めている。

ラクナ梗塞の患者はおそらく運動不足であろうから、これをたしかめるべく、くわしくしらべてみたそうな。

2019年6月1日

グルコサミンの脳卒中予防効果はほんとうか


Association of habitual glucosamine use with risk of cardiovascular disease- prospective study in UK Biobank
2019  5月  アメリカ

グルコサミンのサプリメントは骨関節炎の痛みをやわらげるとされている。その使用はヨーロッパの多くの国では規制され処方箋が必要である。

いっぽうアメリカやオーストラリアでは成人の20%が毎日飲んでいるという。

グルコサミンの関節痛への効果はいまだあきらかではない。さいきんグルコサミンが心血管疾患の予防になるという報告がいくつかあがってきている。

動物実験ではグルコサミンが解糖系のはたらきをおさえタンパク質をエネルギー源とするいわゆる「低炭水化物ダイエット」と同様のはたらきを示すことがわかってきた。

そこでグルコサミンと脳卒中など心血管疾患との関連を大規模にしらべてみたそうな。

2019年5月31日

ほぼまちがいなく復職できる条件


Impact of Upper Limb Function and Employment Status on Return to Work of Blue-Collar Workers after Stroke
2019  5月  日本

日本の脳卒中患者にしめる65歳未満の労働者割合は14%である。彼らにとってもとの仕事に復帰することは切実な願いでもある。

これまでの研究からブルーカラーよりもホワイトカラー労働者のほうが復職しやすいことがわかっている。

そこで、ブルーカラー労働者の復職に関連する身体的、認知的、社会的要因をくわしくしらべてみたそうな。



15-64歳で脳卒中発症時ブルーカラー(一次産業、製造、サービス、運輸、建築など)労働者だった71人について、6ヶ月後の就労状況をききとりした。
ただし、あらたに事務仕事に就いた場合は「復職」とはみなさなかった。

退院時の上下肢の運動機能および認知機能との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・38人(53.6%)が復職し、そのうち21人は自営業者だった。

・上肢運動機能のSTEFスコアが復職と関連していて そのオッズ比は1.08だった。

・「自営業者」であることと復職との関連は著しく、オッズ比は185だった。

脳卒中を経験したブルーカラー労働者の復職には上肢運動機能と自営業ステータスがつよく関わっていた、


というおはなし。

図:自営業者の復職可能性



感想:

ブルー ホワイトにかぎらず雇われ人には「体力バカ」であることが要求される。だから脳卒中後の疲れやすさは復職にとても不利。

みずからの労働を100%裁量できる自営業者が最強なのは自明。

サンプル71人にしめる自営業者が26人。比率が高すぎ、けつろんありきか。

2019年5月30日

禁煙は余命を○年のばし 再発を○○年遅らせる


Smoking cessation and risk of recurrent cardiovascular events and mortality after a first manifestation of arterial disease
2019  4月  オランダ

脳卒中患者の30-50%は喫煙者で、その中毒性ゆえに脳卒中のあともかれらの1/4-1/3は喫煙をやめることができないという。

そこで禁煙することの効果をあきらかにするべく、動脈イベントのあった患者の喫煙ステータスとその後の再発および死亡との関連をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢61、脳卒中や冠動脈 末梢動脈疾患などを経験して1年以内の患者4673人について喫煙状況をしらべ(Second Manifestations of ARTerial diseas: SMARTスタディ)、
7年前後フォローした。




次のことがわかった。

・心血管イベントのあと1/3の患者が喫煙をやめていた。フォロー期間中に794人が死亡し、692人に主要血管イベントの再発があった。

・喫煙をやめなかった患者とくらべて、禁煙した患者の再発リスクは0.66倍、死亡リスクは0.63倍だった。

・禁煙した患者は平均で5年間ながく生存し、再発が10年間おそくなった。

・特に70歳をこえて心血管イベントがおきて禁煙をはじめた患者は 非喫煙者に匹敵する生存率の改善をしめした。

脳卒中などの血管イベントのあと禁煙を実行した患者は余命が5年伸び、再発を10年遅らせることができた、


というおはなし。

図:禁煙と脳卒中の再発



感想:

たばこをやめると「5年ながいきして再発が10年ずれる」
これはわかりやすい。

2019年5月29日

超早期リハビリの費用対効果


Economic evaluation of a phase III international randomised controlled trial of very early mobilisation after stroke (AVERT)
2019  5月  オーストラリア

脳卒中経験者の65%にはなんらかの障害がのこり日常生活に介助がひつようになるという。

脳卒中の回復をうながす方法として早期リハビリテーションが有効であるとながらく信じられてきた。

これをたしかめるべくおこなわれた臨床試験AVERTにはオーストラリア、イギリス、ニュージーランド、シンガポール、マレーシアの58の病院が参加し、2104人の患者についてフェイズⅢまで調査がなされた。

その結果、24時間以内に開始する超早期リハビリテーションは3ヶ月後の回復度が通常ケアよりも悪化することがあきらかになった。

しかし12ヶ月後の効果とコストとの関係についてはまだわかっていなかったので、くわしく解析してみたそうな。



AVERTのデータから、急性期病院やリハビリ病院でかかったコスト、自宅やコミュニティでのコストを推定し、
回復度mRSスコアを0-2と3-6にわけて、
質調整生存年(QALYs:Quality Adjusted Life Years)を算出し超早期リハビリと通常ケアとを比較した。



次のようになった。

・超早期リハビリと通常ケアとではリソース利用とコストの量は等しかった。

・12ヶ月後の回復良好者の割合やQALYsにも差はなかった。

超早期リハビリは通常ケアにくらべて12ヶ月後の回復度、コスト、質調整生存年に違いはなかった。しかし3ヶ月後の回復度はあきらかに悪いので、費用対効果が良いとはいえず とても勧められない、


というおはなし。

図:超早期リハビリ



感想:

AVERT関連↓記事。
Stroke誌:超早期リハビリと認知機能

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2019年5月28日

JAMA誌:若年脳卒中 15年後の死亡率


Association of Stroke Among Adults Aged 18 to 49 Years With Long-term Mortality
2019  5月  オランダ

脳卒中の10-15%は18-49歳の若年患者がしめている。彼らの死亡リスクについての前の研究のおおくは病院ベースのもので すでに古くサンプル数もフォロー年数もすくない。

そこでこれを大規模かつ長期に脳卒中の種類別にくわしくしらべてみたそうな。



1998-2010に18-49歳で脳卒中になったオランダの15323人について、2017までフォローした。

30日以上生存した者の15年後までの総死亡リスクを推定し、一般人とくらべたところ、



次のようになった。

・トータルで3540人が死亡した。このうち1776人は30日以内に死亡した。

・30日生存者の15年死亡率は17.0%だった。

・一般人にたいする脳梗塞患者の死亡率比は、5.1だった。(年間1000人あたりの死亡率は 12.0 vs. 2.4)

・一般人にたいする脳内出血患者の死亡率比は、8.4だった。(年間1000人あたりの死亡率は 18.7 vs. 2.2)

18-49歳で脳卒中を経験した者の死亡リスクは15年後も一般人にくらべかなり高い状態が続いていた、


というおはなし。

図:脳卒中後15年までの年間死亡率



感想:

脳内出血から10年経つ。一般人死亡率の8.4倍とはいうものの まったく死ぬ気がしない。

2019年5月27日

【結論】片手訓練と両手訓練


Comparison of bilateral and unilateral upper limb training in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  5月  中国

脳卒中の上肢麻痺のリハビリテーション方法として片手訓練(unilateral upper limb training)と両手訓練(bilateral upper limb training)がある。

片手訓練は麻痺側の手の課題指向型訓練が相当し、それをさらに集中的におこなうCI療法を含む。

いっぽう両手訓練は健常手とのカップリング効果を期待して麻痺手の改善をはかる方法である。

これまで片手訓練と両手訓練の効果をくらべたメタアナリシスがいくつかなされたが そのいずれもが片手訓練にCI療法を含んでいた。

CI療法は訓練量のおおさとスケジュールの緻密さにより患者の68%が訓練を完遂できず、恩恵をうけるのはわずか20-25%のみという。

さらにその適応基準は非常にきびしく、患者は手首を10度以上伸ばせて親指と他の指が開くことを事前要求される。

結果的にCI療法は軽度の麻痺患者のみが対象になってしまうことから、これをメタアナリシスに含むことはまったく適切ではないと考えられる。

そこでCI療法を除いて、片手訓練と両手訓練についてメタアナリシスをやりなおしてみたそうな。



CI療法をふくまない片手訓練および両手訓練のこれまでの研究を厳選し、データを統合 再解析して、

評価基準
Fugl-Meyer Assessment of Upper Extremity (FMA-UE),
Wolf Motor Function Test (WMFT),
Action Research Arm Test (ARAT)
Box and Block Test (BBT)

について効果を比較したところ、



次のようになった。

・被験者842人を含む21のランダム化比較試験がみつかった。

・片手訓練にくらべて両手訓練はFMA-UEスコアがあきらかに優れていた。

・しかしWMFTの完遂率および WMFT,ARAT,BBTの機能パフォーマンスの点では有意な差は確認できなかった。

両手訓練は運動機能FMA-UEの改善にあきらかに優れていた。しかし巧緻性をしめすWMFT,ARAT,BBTの点で片手訓練と有意な差はなかった、



というおはなし。
図:片手訓練と両手訓練のメタアナリシス



感想:

「CI療法は はじめからなかったことにしましょう」←著者が言いたいこと。

2019年5月26日

じつは治っていない空間無視を見つける方法


Increased Cognitive Load Reveals Unilateral Neglect and Altitudinal Extinction in Chronic Stroke
2019  5月  ベルギー

半側空間無視は脳卒中で右脳を損傷した患者の13-82%にみられる。かれらの60-90%は3-12ヶ月のうちに回復するという。

急性期では頭部と両目の向きが脳の損傷側へ偏っているので半側空間無視に気づきやすい。

つうじょう診断には紙と鉛筆をつかったテストが用いられるが その感度の低さとテストへの慣れが問題視されている。

そしてじゅうぶんに時間が経ち無視症状がなおったようにみえる患者でも、左右同時に視覚刺激をあたえたときに対側のターゲットを消失(extinction)することがよくある。

これら隠れた注意障害をあぶりだすために認知負荷のかかる二重課題下におく方法がいくつか報告されている。

そこで かつて半側空間無視があった2人の患者についてこれを確かめてみたそうな。




右脳の脳卒中で3年以上経ち、当初あった半側空間無視の症状が通常のテストではすでにみられない患者2人について、

視野の中心部に現れるターゲットの形状 および
視野周辺部(左右、上下)のターゲットを認識させるテストを、
個別または同時に(二重課題)おこなった。




次のようになった。

・患者#1について、二重課題時に左方の無視と上方の消失があきらかになった。

・患者#2は左右方向の無視症状は示さなかったが、二重課題時にターゲットを上下同時表示した際に 下方ターゲットを試行回数の半数以上で見落とした。

・このとき上下ターゲットを別個に表示した場合には 見落としはなかったことから、水平性消失(altitudinal extinction)と考えられた。

通常の検査ではもはや半側空間無視がみとめられない慢性期の脳卒中経験者にたいして、二重課題を与えることで空間的注意障害をあらたに確認することができた、


というおはなし。

図:水平性消失



感想:

刺激が1つずつ提示されているのに見落としてしまうことを無視(neglect)、2つ同時提示したときにいっぽうを見落としてしまうことを消失(extinction)という。

ようするに注意がいっぱいいっぱいなときには思わぬ見落としがおきる。左方にかぎらず。
同側への無視が起きる条件

刺激密度が高いときの半側空間無視

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