~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

検索キーワード「ミラーニューロン」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「ミラーニューロン」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2025年8月5日

「歌えば脳が変わる」は本当だった!右脳が目覚める、ことば回復の“裏ルート”とは?

2025  7月  フィンランド


脳卒中の後に言葉が出にくくなる「失語症」は、患者の生活や社会参加を大きく制限する問題である。特に慢性期(発症から半年以上)の患者では、自然な回復だけでは限界があることが多い。

これまでにも、音楽を取り入れたリハビリが言葉の回復を助ける可能性があると指摘されてきた。中でも「みんなで歌う」という活動は、脳の構造そのものを変える力があることがわかってきた。しかし、脳の動きをリアルタイムで見る方法(fMRI)を使って、歌が脳にどんな変化を起こすのかを調べた研究は少なかった。

そこで、グループでの歌唱トレーニングが、脳のどこにどんな働きを引き出すのかをくわしくしらべてみたそうな。

2023年2月22日

運動イメージ・メンタルプラクティスで上肢リハビリ

2023  1月  スペイン


脳卒中患者の30-66%はリハビリテーションをおこなっても上肢機能が十分に回復しない。

運動イメージ(MI)やメンタルプラクティス(MP)は、実際に運動をおこなうことなく認知プロセスのみで運動をシミュレートし、共通する中枢神経系の再活性化をはかるものである。

これらのメカニズムはミラーニューロン理論によっても支持され、たとえば手の動きの映像を観察することでも回復を促すことができる。

亜急性期、慢性期脳卒中患者の上肢機能へのMI・MPの有効性について体系的にレビューをこころみたそうな。

2022年4月13日

動作観察トレーニング一人称視点の効果

2022  4月  韓国


脳卒中患者の上肢機能障害のリハビリとして動作観察トレーニングがある。

そのメカニズムにはミラーニューロンが関係しているとされ、脳機能イメージングの研究では観察が一人称視点と三人称視点とで脳の活動パターンが異なることが報告されている。

そこで、動作観察トレーニングの観察視点での効果の違いを脳卒中患者で確かめてみたそうな。

2020年7月28日

視覚フィードバック療法の上肢機能への効果

2020  4月  中国


脳卒中患者の上肢機能回復と運動関連皮質機能の回復についての、

ミラーニューロン理論に基づく視覚フィードバック療法(VFT:visual feedback therapy)の効果をfMRIを用いてくわしくしらべてみたそうな。

2020年7月5日

VRゴーグルを買う理由 ミラーニューロンシステム訓練

2020  7月  中国


脳卒中患者へのミラーニューロンシステム訓練(MNST:Mirror neuron system-based training)の上肢機能と認知機能の改善効果をくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月30日

Brain誌:急性期発話機能の前頭 側頭-頭頂での乖離


Dissociation between frontal and temporal-parietal contributions to connected speech in acute stroke
2020  3月  アメリカ

人は単語を検索して複雑な文章に統合することができる。

これまでの研究では、発話に必要な脳領域の特定は 主に慢性期脳卒中の患者を対象とすることがおおかったが、慢性期では脳の機能がすでに再編成しおえて他の領域に移行している可能性があった。

急性期患者であれば重症でない小病変の患者も対象にすることができ、機能と病変とのマッピングがより詳細にできると考えられる。

そこで、脳卒中急性期の52人の自発的な発話内容の構造と脳の損傷パターンとの関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月1日

発語失行の動作観察療法


The Effectiveness of Action Observation Therapy Based on Mirror Neuron Theory in Chinese Patients with Apraxia of Speech after Stroke
2019  10月  中国

脳卒中後の慢性期ではなんらかの失語症が25-50%にみられるという。

そのなかで発語失行(apraxia of speech)は発語運動のプランニング障害で韻律に異常がみられ、有効な治療法がほとんどない。

ミラーニューロンシステムにもとずく動作観察療法(action observation therapy)の失語症への応用はいくつか報告されているが発語失行についてはないので実験してみたそうな。



脳卒中のあと発語失行と診断された患者42人を2グループにわけた。

両グループともに通常の言語療法を4週間おこなった。

いっぽうのグループには言語療法の直前に動作観察療法を加えた。

動作観察療法では、日常生活動作に関連する単語30種類のビデオを10分間観る。
各ビデオは単語を発話する唇の動きと それに関連するジェスチャーを伴う内容になっている。



次のようになった。

・ Western Aphasia Batteryスコアと発語失行スコアは両グループともに改善した。

・しかし Boston Diagnostic Aphasia Examinationスコアは、動作観察療法グループがコントロールよりもあきらかにすぐれていた。

脳卒中後の発語失行患者への動作観察療法は効果がありそう、


というおはなし。

図:発語失行のBDAEスコア



感想:

これだね↓。
ミラーニューロンを使った失語症リハビリ

2019年9月3日

動作観察トレーニングのメタアナリシス


The effects of action observation training on improving upper limb motor functions in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  8月  中国
脳卒中患者の最大80%は上肢に麻痺を生じ、およそ50%はその状態が何年もつづく。

上肢リハビリ法のおおくは麻痺手のくりかえし運動がベースになっている。しかし麻痺手が動かない重症の患者には適していない。

動作観察(action observation)によりミラーニューロンシステムを介し運動皮質への働きかけが進むことがわかっていて、麻痺手の運動を必要としない「動作観察トレーニング」として期待されている。

動作観察トレーニングの効果を検証するべくこれまでの研究をメタアナリシスしてみたそうな。



関係する研究論文のうち、脳卒中患者への訓練セッション5回以上のランダム化比較試験を厳選して データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中被験者276人をふくむ7つの研究がみつかった。

・動作観察による上肢トレーニングは効果がちいさいながらもあきらかな改善を示していた。

脳卒中で上肢麻痺の患者への動作観察トレーニングは有効そうである、


というおはなし。

図:動作観察トレーニングのメタアナリシス


感想:

ミラーニューロンがどうのといってるけど これは運動イメージ訓練のImplicitタイプなんだよな↓。
エビデンスレベルⅠ 推奨度Aの脳卒中リハビリ法とは

2019年8月12日

エビデンスレベルⅠ 推奨度Aの脳卒中リハビリ法とは


Motor imagery as a complementary technique for functional recovery after stroke- a systematic review
2019  7月  スペイン

脳卒中後のリハビリのおおくは特定動作を繰り返させるやり方にもとずいている。しかし重い麻痺をかかえている患者にとってこのような方法はほとんど意味をなさない。

その点、運動イメージ訓練(Motor Imagery:MI)は実際の動作をともなうことなく頭のなかだけで訓練が完結するので重度麻痺にも適している。

運動イメージ訓練により運動野から小脳 大脳基底核が活性化し機能の再構築がすすむという。

運動イメージ訓練には2種類あって、1つは暗示的(Implicit)MIとよばれ、他人の動作やビデオを見てミラーニューロンシステムを介するもの。

もう1つは明示的(Explicit)MIと呼ばれ、意識的 自発的にイメージ動作を構築するものである。

そこでこれまでの研究について脳卒中患者への運動イメージ訓練の効果のシステマティックレビューをこころみたそうな。



関係する論文を、2007-2017に出版されたものに限って厳選した。



次のことがわかった。

・13のランダム化比較試験がみつかった。

・方法論的 研究の質を CriticalReview Form-Quantitative Studiesで評価したところ、15点中9-13点に相当した。

・エビデンスレベルと推奨度を U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) assessment で評価したところ、最高レベルの IA 、II-B1 に相当した。

・とくに上肢機能、バランス、歩行機能であきらかな改善がみられていた。

運動イメージ訓練を通常のリハビリに加えると脳卒中患者の機能回復に効果的である、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練のエビデンスレベル


感想:

数あるリハビリ法のなかでもっとも成果をあげているのが運動イメージ訓練なんよ(イメージトレーニング、メンタルプラクティス、メンタルリハーサルともいう)。
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2019年8月3日

動作観察リハビリにリアルな手は必要か?


Is it necessary to show virtual limbs in action observation neurorehabilitation systems?
2019  7月  スペイン

ミラーニューロンシステムは前頭葉と頭頂葉にまたがって存在し、運動を実行する際のみならず動作を観察したばあいにも活性化する。

動作の観察がミラーニューロンシステムを介して運動の実行にリンクすることから神経リハビリテーションの場、とくに実際の運動ができない脳卒中患者への応用が期待されている。

動作観察リハビリテーションでは通常、バーチャルな手の動作を観察することが求められている。

しかしほんとうにバーチャルな手を見せることが必要であるかについては確認できていないので、実験してみたそうな。



14人の健常者について、
バーチャルリアリティシステムをもちいてキャンセレーションタスク(5つの物体から任意の1つを指し示す)を実行させた。

その際に、バーチャルな手を表示するもしくはドットのみを表示する場合にわけて脳の働きをfMRIで観察して比較したところ、



次のことがわかった。

・バーチャルな手の表示の有無にかかわらず、ミラーニューロンシステムの活性化パターンにあきらかな違いがみいだせなかった。

動作観察リハビリテーションにかならずしもバーチャルな手の表示は必要なかった、


というおはなし。

図:ミラーニューロンシステム



感想:

ようするにイメージのなかで動作とむすびつきさえすればイイってこと。

40年以上まえのテレビゲームは棒と点しか表示できなかったけど、テニスやサーキット走行、エイリアンから地球を守る戦いまで すさまじい臨場感で体験できていた。

そういうことだとおもう。

2019年7月6日

クロスエデュケーション+ミラーセラピーで背屈筋アップ


Unilateral dorsiflexor strengthening with mirror therapy to improve motor function after stroke- A pilot randomized study
2019  7月  アイルランド

クロスエデュケーションは片側の手脚を鍛えると もう片方の手脚にも筋力増強効果が現れる現象で、脳卒中患者の下肢では30%を超える背屈筋力向上の報告もある。

いっぽうミラーセラピーではミラーニューロンシステムの活性化により両側の一次運動野の働きが強化され、さらに鏡像による感覚フィードバックは脳半球抑制バランスを改善するという。

これまでクロスエデュケーションとミラーセラピーを組み合わせた研究は少ないので、下肢についてその効果をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢62の慢性期の脳卒中経験者35人について、
クロスエデュケーションのみ、と
クロスエデュケーション+ミラーセラピー、の2グループにわけた。

非麻痺足首の背屈筋アイソメトリックトレーニングを週3回x4週間おこなった。

最大随意筋力 MVC、
歩行速度 10-m walk test,
timed up and go (TUG),
Modified Ashworth Scale (MAS),
London Handicap Scale (LHS)
をトレーニング前後で測定したところ、



次のようになった。
・31人が訓練を完遂し、有害事象はなかった。

・クロスエデュケーション+ミラーセラピーグループで、歩行速度のあきらかな向上(0.09m/s)がみられた。

・歩行速度を除いていずれの項目もグループ間での有意な差はなかった。

クロスエデュケーションにミラーセラピーを組み合わせた訓練は、麻痺側の訓練がむつかしい患者の運動機能を改善できるかもしれない


というおはなし。

図:ミラーセラピーとクロスエデュケーション



感想:

効果のほどはそれほどではないにしても、麻痺側をひたすら訓練させるような考え方にくらべたらずっと好感がもてる。
ミラーセラピーは両側性転移を促す

ミラー訓練がクロスエデュケーションを強化する...

上肢ミラーセラピーの効果的なやり方

2019年5月14日

ベテラン理学療法士の片麻痺共感脳力


Effects of pseudoexperience on the understanding of hemiplegic movements in physical therapists- An fMRI study
2019  4月  日本

理学療法士には 観察をとおして患者の身体と心の状態を推し量る能力が求められる。

他者の精神や機能の推測には心の理論(Theory of Mind)から、ミラーニューロンシステムをふくむ脳の領域「Action Observation Network:AON」 および「right Temporo-parietal junction:rTPJ」が関係していることがわかっている。

日常的に片麻痺患者をみている理学療法士は、これら脳の領域(AON,rTPJ)に患者への共感過程(pseudoexperience)でなんらかの変化がおきていることが考えられる。
これを脳機能MRIでたしかめてみたそうな。

2019年2月20日

ミラーニューロンを使った失語症リハビリ


Aphasia rehabilitation based on mirror neuron theory- a randomized-block-design study of neuropsychology and functional magnetic resonance imaging
2019  2月  中国

ミラーニューロンシステムは他者のジェスチャーの意味を読み取るコミュニケーション上の必要性から発達してきたとする考え方があり、じっさいブローカ野やウェルニッケ野にもまたがっている。

そこで、言語訓練に並行して手の動作を見せることでミラーニューロンシステムが刺激をうけ言語皮質の可塑性が促されて失語症が改善するという仮説を立てた。
これを検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症の患者24人をつぎの3グループにわけた。

*動作観察(目的別に手で物を扱うビデオ)+物の呼称を繰り返し
*物体観察(台上で物が回るだけのビデオ)+物の呼称を繰り返し
*通常の言語リハビリ

それぞれ、1回35分間x週5回x2週間 行った。

また、一部の患者と健常者のfMRIを撮り比べた。


次のようになった。

・物体観察グループにくらべ動作観察グループの失語症検査(Western Aphasia Battery)スコアは高く、

・トータルで通常の失語症リハビリにも匹敵し、

・語彙抽出と自発発語の点ではむしろ優れていた。

・fMRIでは 動作観察グループで ブローカ野や ウェルニッケ野 縁上回を含むミラーニューロンシステムがより強く活性化していた。

手の動作観察により言語野をふくむミラーニューロンシステムが活性化され、可塑性がうながされ訓練効果があがったと考えられる、


というおはなし。

図:動作観察 失語リハビリ


感想:

まいどミラーニューロンの万能感。

いちど闘ったあいての技をコピーしてしまう北斗神拳奥義「水影心」もまたミラーニューロンのはたらきなのだろうか。

[ミラーニューロン]の関連記事

2018年11月10日

コクランレビュー:動作観察の上肢リハビリ効果


Action observation for upper limb rehabilitation after stroke
2018  10月  ブラジル

脳卒中で上肢麻痺があると日常生活動作や社会参加のさまたげになる。

このリハビリ方法として「動作観察」がある。

健常者の動きを直接もしくはビデオで観察することでミラーニューロンシステムが刺激され、実際の運動動作とおなじ脳の活動をしめすようになるという。

動作観察療法は安全でかつ特別な装置やセラピストの監督も必要でないことからとても期待されている。

その効果をこれまでの研究からまとめてみたそうな。


脳卒中患者の手や腕の機能と動作観察療法に関係する2017年10月までの研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者478人を含む12の研究がみつかった。

・ほとんどがビデオを観たあとに実際の動作をおこない、徐々に難度を高めてゆくものだった。

・おおむねポジティブな結果で、腕よりも手の機能改善効果が顕著だった。

・日常生活動作の改善効果もみられた。

・サンプルサイズが小さいなどエビデンスレベルは低かった。

動作観察で上肢運動機能や日常生活動作の改善がみられた。エビデンスの質が良くないのでしばらく見守りたい、


というおはなし。

図:動作観察

感想:

インド映画みてると一緒に踊りたくてそわそわしてくる感じがそれなのかな、、、とおもう。

2018年10月20日

下肢動作観察のミラーニューロンシステム


Activation of mirror neuron system during gait observation in sub-acute stroke patients and healthy persons
2018  10月  日本

歩行訓練と動作観察の組み合わせが慢性期脳卒中の歩行リハビリをうながすとする報告がいくつかある。

これにはミラーニューロンシステム(下頭頂小葉-上側頭溝-下前頭回)が関与していると考えられている。

亜急性期の脳卒中患者でも動作観察でミラーニューロンシステムが活性化するのか については報告がないので、実験してみたそうな。


入院していて歩行リハビリ中の神経症状の軽い脳卒中患者5人と健常者9人について、

健常者の歩行ビデオを30秒おきに見せながらのfMRIをトータル6分間撮影した。


次のようになった。

・動作観察中、脳卒中患者の左側の下頭頂小葉と左右の下前頭回の活動があきらかに高くなった。

・健常者では、左側の下頭頂小葉と下前頭回 中前頭回 上側頭葉および左右の中側頭回で活動が高くなった。

亜急性期の脳卒中患者でも動作観察によりミラーニューロンシステムが活性化することが確認できた、


というおはなし。

図:動作観察とミラーニューロンシステム


感想:

ミラーニューロンシステムが活性化したから脳卒中患者の歩行が改善したとは思わない。

なぜなら運動神経の経路にダメージがなければ、なにもしなくても勝手に治るものだから。↓
Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかること

2018年1月22日

動作観察訓練の効果


Action observation training to improve motor function recovery: a systematic review.
2018  1月  イタリア

ミラーニューロンシステムには他者の動作を見て それを自分のことのように脳内を活性化するはたらきがあり 90年代に発見された。

動作観察訓練(Action observation training)もミラーニューロンシステムで説明ができる。脳卒中などの中枢神経の損傷により手足が動かない患者に他人の動作をビデオ等で観察させることで脳の関連ネットワークを刺激し劣化を防ぎ、その後のリハビリを円滑にできると考えられている。

そこで動作観察訓練についてのこれまでの研究をまとめてみたそうな。


神経科や整形での動作観察訓練について、信頼性の高い研究を厳選してコクランツールでバイアスリスクを評価したところ、


次のことがわかった。

・20件のランダム化比較試験がみつかった。

・4つの研究で慢性期脳卒中の上肢機能の改善があり、亜急性期と急性期脳卒中の研究も1つずつあった。

・6つの研究で慢性期脳卒中の歩行改善効果があり そのうち3つでバランス能力の改善があった。

・パーキンソン病での日常生活動作および上下肢の自発的運動の改善効果もあった。

・脳性小児麻痺の子どもや術後の整形外科患者での改善効果も示されていた。

動作観察訓練は通常リハビリへのおまけとしては概ね効果的だった。さらにくわしい研究が期待される、


というおはなし。

図:動作観察訓練のランダム化比較試験

感想:

重症でなくても入院してしばらくのあいだは手足が絶望的にうごかない。そんなときにリハビリがんばっても自信をなくして落ち込むだけ。

そこでNetflixのアクション映画で動作観察をおすすめしたい。

2017年10月23日

メンタルプラクティスとミラーセラピーのちがい


Immediate effect of mental practice with and without mirror therapy on muscle activation in hemiparetic stroke patients.
2017  10月  ブラジル

メンタルプラクティスとミラーセラピーは実際の運動をともなわないという点で共通している。

これらの違いをさぐるべく、筋肉反応を測定してみたそうな。


脳卒中で上肢麻痺の男女4人ずつについて、

a)手首を曲げるイメージを繰り返す。(メンタルプラクティス)
b)麻痺手を隠すようにおいた鏡の前に健常手を置き、鏡に映る手首曲げ動作を麻痺手の動きであると考える。(ミラーセラピー)
c)実際に手首を曲げる。

これら3つの動作時の筋電図をとり比較した結果、


次のようになった。
・実際の動作よりもメンタルプラクティスとミラーセラピー時に筋電活動が大きかった。

・メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動の大きさに明らかな差はなかった。

・これらの反応は麻痺手および健常手にも同様に観察できた。

メンタルプラクティスとミラーセラピーで筋電活動にすぐに反応がでた。その反応の大きさに両者の違いはなかった、


というおはなし。
図:メンタルプラクティスとミラーセラピー

感想:

ようするにミラーセラピーはメンタルプラクティスとおなじ。
鏡に映すのはイメージしやすくするための方便であって、ミラーニューロンがどうのこうのはあとづけの理屈にすぎない。

2016年9月22日

ミラーセラピーは両側性転移を促す


Mirror Visual Feedback Training Improves Intermanual Transfer in a Sport-Specific Task: A Comparison between Different Skill Levels.
2016  8月  ドイツ

ミラーセラピーは脳卒中で片麻痺のリハビリにも用いられ その効果はミラーニューロンネットワークを介した両側性転移またはクロスエディケーションで説明できる。

これをスポーツスキルの異なる健常者で確かめてみたそうな。


健康でバスケットボール経験のある39人と ほとんど素人の41人について、
右手でドリブル訓練を行った。

このとき、高さ120cmのミラーボックスの前で鏡像を見るグループと、
ドリブルを直視するグループに分けた。

4日間の訓練の後、左右各々の手でのドリブルパフォーマンスの改善度を比較したところ、


次のようになった。

・ミラー無しグループのパフォーマンス改善度を明らかに上回っていたのは、ミラーフィードバックがあるバスケ経験者の左手ドリブルのみだった。

両側間の運動能力転移がミラーフィードバックにより強化されたと考えられた。しかしこの効果は個人のスキルレベルに影響される、


というおはなし。
図:ミラーフィードバック ドリブル

感想:

なるほどねぇ~

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

2015年11月22日

ミラーニューロンに基づく失語症リハビリの方法とは


Mirror neuron system based therapy for aphasia rehabilitation.
2010  10月  中国

ミラーニューロンシステムの働きは運動と言語機能に関連している。そこで、ミラーニューロンシステムを刺激しながら言語訓練をしたときの失語症リハビリ効果を実験してみたそうな。


脳卒中で失語症の患者6人について、次の2種類の訓練を行った。

A: 手の動作ビデオを見ながら、対象物の名称を繰り返し答える。
B: 静止画をみながら、写っている物の名称を繰り返し答える。

これを1回30分間x毎日x1週間ずつ、ABAまたはBABの順で計3週間行った。

1週間毎に訓練成果を確認し、関連を解析した。

また、fMRI検査も行い脳の活動部位を比較した。


次のことがわかった。

・6人全ての患者でAの動作観察訓練あとに、言語機能テストのほとんどの側面でスコアが改善した。

・fMRIではAの動作観察訓練あとに、ミラーニューロンネットワークがより広く活動していた。


ミラーニューロンネットワークを利用した言語訓練法は、脳卒中の失語症リハビリに有効かも知れない、


というおはなし。

図:ミラーニューロンシステム


感想:

これほんとだとしたら、huluでアクション映画観ながらその実況を独り言しているだけで効果があるはず。

2015年9月23日

患者同士をペアにして相手を観察させるとリハビリがはかどる、、


Dyad Training Protocol on Learning of Bimanual Cup Stacking in Individuals with Stroke: Effects of Observation Duration.
2015  9月  タイ

脳卒中患者をペアにして互いの動作を観察させる訓練方法がある。

この観察時間と訓練効果の関連を調べてみたそうな。


慢性期の軽症脳卒中患者12人をペリングして、さらに2グループに分けて、

両手でカップスタッキング訓練を行った。

ペアの一方がカップスタッキング中、もう一方はその動作を観察する。

実験グループでは、6分毎に交代して4セッション、
比較グループでは、1分毎に交代して24セッション行った。

2日目に両グループ同条件下で、カップスタッキングに要する時間および反応時間を測定 比較した。


次のことがわかった。

・初日の訓練で両グループともカップスタッキング完成時間を短縮できたが、

・実験グループの改善度は明らかに優れていた。

・2日目、実験グループのみが初日のタイムを更新できた。

・反応時間についても同様の傾向が見られた。


慢性脳卒中患者のペア訓練では1分間よりも6分間毎に交代させるほうが学習効果が高かった、


というおはなし。

写真:カップスタッキング


感想:

ミラーニューロンがどうのこうのという前置きがあったが、
実のところ1分間じゃ考える時間が少なすぎてちっとも上手くならない、ってことでもあるみたい。

むしろペアの相手を異性にしたときの効果を実験してほしかった。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *