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2019年9月26日

地球磁場の乱れと脳卒中死の関係


Geomagnetic disturbances driven by solar activity enhance total and cardiovascular mortality risk in 263 U.S. cities
2019  9月  アメリカ

地球の磁場は太陽黒点(sunspot)活動の11年周期に影響されて地磁気擾(じょう)乱(geomagnetic disturbances:GMD)を引き起こす。

GMDは生物の自律神経系に影響するとされ心拍変動や概日リズム 血圧 との関連も報告されている。

いっぽうGMDが強いほど心房細動が起きにくく脳卒中が少なくなるという報告もある。

そこでGMDと脳卒中など心血管疾患での死亡者数との関連を大規模にしらべてみたそうな。

2019年9月25日

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワーク


Altered Functional Connectivity within Default Mode Network in Patients with Transient Ischemic Attack- A Resting-State Functional Magnetic Resonance Imaging Study
2019  9月  中国

一過性脳虚血発作(TIA)では神経症状は24時間以内に解消し梗塞も残らない。

しかし認知障害や脳卒中を起こしやすくなることから脳の異常性をあきらかにすることは重要である。

さいきん安静時脳機能MRI(Rs-fMRI)によりデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の存在を確認できるようになった。

これまでの報告からDMNは認知機能に関連するとされ、脳卒中患者ではDMN内の一部の機能結合性の低下が指摘されている。

TIA患者でのDMNについてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。



TIA患者48人と年齢の一致する健常者41人について、
Rs-fMRIを実行し、DMNにについてシードベースの機能結合性評価をおこなった。



次のことがわかった。
・左の中側頭回(MTG) 角回(AG)と 内側前頭前皮質(mPFC)および後帯状皮質(PCC) 楔前部(Pcu)との機能結合性が健常者にくらべあきらかに低下していて、

・さらにmPFCと右Pcu,左PCC,左AG, および右Pcuと左PCCの結合性の低下も見られた。

・1年後までに次の虚血イベントを経験した患者では、mPFCと左PCCとの結合性が有意に低下していた。

・臨床症状、生理学的、生化学的マーカーと機能結合性との関連は確認できなかった。

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワークには結合性の異常な箇所がいくつか見られた。そのうち内側前頭前皮質と左の後帯状皮質との結合性低下は虚血イベントの再発と関係がありそうだった、




というおはなし。

図:デフォルト・モード・ネットワーク


感想:

上の図がデフォルト・モード・ネットワークの要所。脳が安静状態のとき、これらの活動が数十秒周期で同期するんだって。
安静時fMRIでみたTIA脳の異常

nature.com:急性期の脳機能結合と予後

感覚障害の機能的ネットワーク結合

脳幹梗塞のデフォルト・モード・ネットワーク

心房細動患者のデフォルトモードネットワークに異常

脳卒中後うつ患者の脳内ネットワーク

脳卒中後うつのfALFF解析

脳卒中後のうつ不安とデフォルトモードネットワーク

メンタルプラクティス+理学療法の効果を脳のネットワーク的に見ると、、

脳卒中患者のデフォルト・モード・ネットワークは…

2019年9月24日

Stroke誌:身体的健康感をきめる要因


Neighborhood Socioeconomic Status and Trajectories of Physical Health-Related Quality of Life Among Stroke Survivors
2019  9月  アメリカ

身体的健康感(Physical Health-Related Quality of Life:PH-QOL)の20%は医療サービスからきていて、あとの80%は社会、経済、環境、行動的要因に影響されると考えられている。

とくに脳卒中のばあい 身体的健康感がどういった要因に影響されるものか、その経時的な変化をふくめてくわしくしらべてみたそうな。



45歳以上のアメリカの脳卒中患者284人について、
身体的健康感を測定するアンケートSF-12を3年間フォローした。

被験者の住居を含む国勢統計区ごとの社会経済レベルをふくめて関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・身体的健康感は全体を平均すると時間変化はなかった。

・しかし女性や若年者に限定すると、男性や高齢者よりも身体的健康感は向上してゆく傾向にあった。

・社会経済状況の高い地域の住人は すべての時点において身体的健康感がすぐれていた。

脳卒中患者の身体的健康感は社会経済環境や性別、年齢と関連していた、


というおはなし。

図:脳卒中の身体的健康感と性別



感想:

上のグラフみると男性は最初だけイキってQOLが高いけど どんどん降下して逆転される。女性のQOLが低いといわれる理由がわかった気がする。
Stroke誌:女性のQoLが低い理由

2019年9月23日

麻痺のない手の機能障害と脳半球


Functional Deficits in the Less-Impaired Arm of Stroke Survivors Depend on Hemisphere of Damage and Extent of Paretic Arm Impairment
2019  9月  アメリカ

脳卒中で麻痺していない方の手の機能障害の報告は1967年からある。

これと損傷脳半球の左右との関係については報告によりことなる。

そこで麻痺のない方の手の機能と損傷脳半球、麻痺手の重症度との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月22日

脳梗塞のあとに心房細動がみつかると認知症


Atrial fibrillation diagnosed after stroke and dementia risk- cohort study of first-ever ischaemic stroke patients aged 65 or older
2019  9月  カナダ

高齢化がすすむにつれ心房細動(AF)の患者も増加傾向にある。かれらの認知障害や認知症のリスクは「AFなし」の2倍以上といわれている。

脳卒中の診断の後に心房細動がみつかる(atrial fibrillation diagnosed after stroke:AFDAS)は急性脳梗塞の24%にみられるという。

脳卒中になるまえから心房細動がわかっている場合(known atrial fibrillation:KAF)にくらべてAFDASは神経性の原因も加わりメカニズムはことなると考えられる。

AFDASは不整脈が30秒以上続かないことがおおいのでKAFよりも認知症リスクは低いと予想できる。しかしその関連はわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。



65歳以上9791人の脳梗塞患者をつぎのグループに分類した。

AFなし:5195人
KAF:脳梗塞まえにAFがみつかる 3162人
iAFDAS:脳梗塞で入院中にAFがみつかる 492人
oAFDAS:退院後にAFがみつかる 942人

認知症の発生を5年半ほどフォローして関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・認知症リスクは「AFなし」にくらべて KAFで1.26倍、AFDASは1.73倍だった。

・iAFDASはoAFDASよりも認知症リスクがやや高かった。

・経口抗凝固薬を使用するAFDAS患者の認知症リスクはAFなしの0.6倍だった。

脳梗塞のあとに心房細動がみつかった患者の認知症リスクはかなり高かった。かれらのうち経口抗凝固薬使用者の認知症リスクは低かった、


というおはなし。

図:脳卒中後の心房細動の認知症リスク



感想:

これ↓思い出した。
心房細動で認知症はほんとうか?

心房細動だけで認知症になることがあきらかに

2019年9月21日

ハイリスク群への葉酸サプリメントの脳卒中予防効果


The effect of folic acid in patients with cardiovascular disease- A systematic review and meta-analysis
2019  9月  中国

ホモシステインは酸化ストレスを高め血管内皮を損傷し血栓の原因をつくる。

葉酸0.5-5.0mgを含むサプリメントを摂ることでホモシステインレベルを25%程度さげることができる。

ホモシステインレベルが25%下がれば虚血性心疾患リスクが11%低くなるという報告がある。

しかし葉酸サプリメントと脳卒中リスクについての過去2つのメタアナリシスでは一致した結論が得られていないので、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。



すでに心血管疾患である患者を対象としたランダム化比較試験で
脳卒中リスク、冠動脈疾患リスク、総死亡リスクをフォローした研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者47523人を含む12の研究がみつかった。

・葉酸サプリメントを摂ることで、脳卒中リスクは0.85倍になった。

・総死亡リスクや冠動脈疾患リスクに葉酸サプリメントの有無で差はなかった。

葉酸サプリメントにより すでにハイリスクな人たちの脳卒中リスクがあきらかに低下した、



というおはなし。

図:葉酸サプリメントの脳卒中リスク



感想:

再発防止によさそうってことか。

[葉酸 サプリメント]の関連記事

2019年9月20日

BMJ誌:亜急性期の体トレは効果ないうえに危険


Physical Fitness Training in Patients with Subacute Stroke (PHYS-STROKE)- multicentre, randomised controlled, endpoint blinded trial
2019  9月  ドイツ

トレッドミルをつかった体力トレーニング(physical fitness training)は脳卒中患者の神経可塑性をうながし歩行や日常生活動作を改善すると考えられている。

じっさいアメリカ心臓協会のガイドラインでは、
亜急性期に最大心拍数の55-80%の有酸素運動20-60分間を週に3-5セットおこなうことを勧めている。

しかし亜急性期の体力トレーニングの効果をしらべたこれまでのランダム化比較試験9件のうち実際に効果を示したものは2件のみだった。

そこで体力トレーニングの効果と安全性についてマルチセンター(PHYS-STROKE)トライアルできっちりとしらべてみたそうな。



ドイツ7箇所の施設にて、発症から5-45日
NIHSSスコア8前後の中程度以上に神経症状の重い脳卒中患者200人について、

体力トレーニング105人と
リラクゼーション95人 の2グループにわけた。

体力トレーニンググループは体重支持つきトレッドミル上を最大心拍数の50-60%で25分間歩かせる。

リラクゼーショングループでは心拍に影響のない強度での筋肉緊張を解くエクササイズを25分間おこなった。

両グループともにこれらを週に5回 x4週間継続した。

3ヶ月後の日常生活動作をバーセルインデックスで、最大歩行速度を10m歩行テストでしらべた。
有害事象もフォローした。



次のようになった。

・体力トレーニングはリラクゼーションにくらべ最大歩行速度のあきらかな向上はみられなかった。

・日常生活動作についても差はなかった。

・有害事象は 22 vs. 9件 で体力トレーニングにはっきりと多く、とくに転倒リスクが高かった。

亜急性期の体力トレーニングはまったく効果ないばかりか危険だった。ガイドラインを見直したほうがいい、


というおはなし。

図:PHYS-STROKE



感想:

急性期の運動は効果ないし危険、亜急性期も効果ないし危険。

脳卒中の早期リハビリはがんばる人がバカを見る↓。
Neurology誌:早期リハビリ 気休めにもならない

コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

失語症の早期リハビリ まったく効果ない

超早期リハビリをやってはいけない理由

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2019年9月19日

シータバースト刺激が脳卒中に良い理由


Beneficial Effects of Theta-Burst Transcranial Magnetic Stimulation on Stroke Injury via Improving Neuronal Microenvironment and Mitochondrial Integrity
2019  9月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、低い頻度では神経活動を抑制し高頻度では活性化すると考えられている。

うつなどの精神疾患にも応用され アルツハイマー病やパーキンソン病ではβアミロイドを減らしBDNFなどの神経促進タンパクを増やす効果が報告されている。

脳梗塞でのrTMSの影響メカニズムをくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに3時間後からrTMSの5Hzのバーストパルスを5日間与えた。

この前後での行動、梗塞体積、脳組織の変化を観察した結果、



次のことがわかった。

・行動障害と梗塞体積があきらかに減少した。

・シナプス減少や神経退化も少なくなった。

・グリア細胞の増殖や炎症性サイトカイン、酸化ストレスによる神経ダメージも抑えられた。

・ミクログリア、アストロサイトの型が 傷害性から保護性にシフトした。

・抗炎症性のサイトカインが増加し、ミトコンドリアの細胞膜の健全性が維持されアポトーシス経路が抑制された。

rTMSのシータ刺激による脳虚血へのつよい神経保護作用がしめされた。炎症-酸化-ミトコンドリアの微小環境への改善効果が関係しているようだ


というおはなし。

図:磁気刺激 脳梗塞


感想:

ネズミ頭部に対するヘルムホルツコイルの巨大さ(上図)が気になった。

脳全体を刺激するシータリズムがミクロレベルにいいのか。

[シータバースト]の関連記事

2019年9月18日

勃起不全と脳卒中のメタアナリシス


Erectile Dysfunction Predicts Cardiovascular Events as an Independent Risk Factor- A Systematic Review and Meta-Analysis
2019  9月  中国

勃起不全(ED)は性交渉に必要な勃起レベルに達しないまたは維持できない状態をさす。ED人口は世界で1億人以上いるとされ、2025人には3億人を超えるという。

脳卒中などの心血管疾患でEDがよくみられることがわかっている。高血圧や糖尿病、喫煙、肥満など共通のリスク要因もすくなくない。

ぎゃくにED患者に心血管疾患が見られるとする報告もおおい。

これらのメカニズムはいまだよくわかっていない。

前回のメタアナリシスではサンプル数が十分でなくEDの程度と心血管疾患リスクとの関連もわかっていない。

そこで最新の研究を含めてEDからの心血管疾患についてメタアナリシスをこころみたそうな。



関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者154794人をふくむ25の研究がみつかった。

・EDなしにくらべEDがあると心血管疾患リスク1.43倍、冠動脈疾患リスク1.59倍、脳卒中リスク1.34倍、総死亡リスク1.33倍だった。

・EDの程度がひどくなるほど心血管疾患および総死亡リスクがたかくなった。

EDは心血管疾患や脳卒中、総死亡リスクとあきらかな関連があった。重度のEDほどこれらリスクは高かった、


というおはなし。

図:勃起不全の程度と心血管疾患リスク


感想:

たしかに脳が血を吹く1年くらいまえから元気がなかったわ。
左脳をやられると勃起不全

脳のここをやられると勃起不全になる

2019年9月17日

こども脳卒中のIQと言語機能と脳半球


Language and cognitive outcomes after childhood stroke- Theoretical implications for hemispheric specialization
2019  9月  フランス

子供(1ヶ月~15歳)の脳卒中率は年間10万人あたり0.2-7.9人で、脳梗塞と脳出血はほぼ同数といわれている。

彼らの3分の1は完全回復し、半数は長期に障害が遺る。

これまでなされた彼らの言語機能についての調査はすくなくサンプル数もちいさい。

そこで大規模にくわしくしらべてみたそうな。



1992-2015の子供脳卒中患者184人について、

発症4ヶ月後にウェクスラー式知能検査をおこない、最大40ヶ月後までフォローした記録を解析したところ、



次のことがわかった。
・脳卒中の種類は、脳梗塞が79人 脳出血が105人だった。

・IQの平均値は、フルスケール 85, 言語 93, パフォーマンス 85 だった。

・語彙、文法表現と理解については26-52%が障害レベルだった。

・学校の標準カリキュラムについてゆける子供は27%に過ぎず、

・別の27%は特殊学級プログラムが適用されていた。

・左脳損傷での言語関連スコアはあきらかに低く発症年齢によらなかった。

・右脳損傷では6歳以下の発症のとき言語関連スコアが低かった。

脳卒中を経験した子供のおおくは知能指数が障害レベルで、とくに左脳損傷のばあい言語機能がいちじるしく影響を受けた、


というおはなし。

図:子供脳卒中 言語スコア 左右脳損傷



感想:

必ずしもそうでもないみたいなんだよな↓。
こどもの発話障害 構音障害

こども脳の可塑性が言語回復をさまたげる

2019年9月16日

大動脈瘤とくも膜下出血の関係


Association of Aortic Aneurysms and Dissections With Subarachnoid Hemorrhage
2019  9月  アメリカ

脳動脈瘤と大動脈瘤は 共通するリスク要因はあるものの、その形成メカニズムがまだよくわかっていない。

経験的には大動脈瘤患者に脳動脈瘤がよくみつかるといわれているが、くわしい調査はないのでこれらの関連をしらべてみたそうな。

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