~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2019年11月17日

起立性低血圧と認知症 脳卒中


The association between orthostatic hypotension and cognition and stroke- a meta-analysis of prospective cohort studies
2019  11月  中国

起立性低血圧(orthostatic hypotension)はとてもありふれていて高齢者の81%に見られるという報告もある。

その定義は、立位または頭部を60°以上傾けたときに収縮期血圧が20mmHg以上、拡張期血圧が10mmHg以上の低下が3分間以上続く状態を指す。

高血圧の患者では仰向けに寝たときに収縮期血圧が30mmHg以上下がると起立性低血圧に相当するという。

起立性低血圧が心血管疾患や転倒、死亡率と関連するという報告がいくつかある。

同様に脳卒中や認知機能との関連についての報告もあるが結論が一致していないので、メタアナリシスをこころみたそうな。



関係する研究論文を厳選して、データを統合再解析したところ、



次のことがわかった。

・3490の関係論文から18を選んだ。そのうち8が脳卒中、9が認知機能、1が脳卒中と認知症についての研究だった。

・起立性低血圧だと認知機能の低下リスクが1.18倍になり、

・認知症リスクは1.30倍、脳卒中リスクは1.36倍だった。

起立性低血圧は認知機能の悪化と関連があり、とくに認知症リスクは30%、脳卒中リスクは36%高くなった、



というおはなし。

図:起立性低血圧と脳卒中リスク



感想:

脳卒中やってから、風呂上がりに頭を左におおきく傾けると視界が真っ白になるようになった。

このことか、、、といまさらながらにガッテンした。

起立性低血圧の認知症と脳梗塞

立ちくらみは脳卒中と関連があるの?

2019年11月16日

左の口内だけ食べかすでいっぱい「口腔内半側無視」とは


Buccal hemineglect- is it useful to evaluate the differences between the two halves of the oral cavity for the multidisciplinary rehabilitative management of right brain stroke survivors? Across-sectional study
2019  11月  イタリア

半側空間無視は右脳損傷の脳卒中患者におおく、反対側からの刺激にたいして不注意になる。

口腔内半側無視(Buccal hemineglect)は2000年にはじめて報告され、口腔内はんぶんの感覚 味覚の消失、よだれ、咀嚼の非対称性が特徴である。

そこで、半側空間無視のある患者の口腔内半側無視を口腔衛生の観点からくわしくしらべてみたそうな。



右利き、右脳損傷の脳卒中で片麻痺の患者21人について、
半側空間無視の有無と、

口腔内の衛生状況を左右別々に
New Method of Plaque Scoring:NMPS
Oral Hygiene Index:OHI
Gingival Index:GI
Oral Food Debris Index:ODFI
Winkel Tongue Coating Index:WTCI
の各基準で評価したところ、



次のことがわかった。

・14人に半側空間無視が認められた。

・この14人の口腔内衛生は、すべての基準で左側が右側よりもあきらかに状態が悪かった。

・いっぽう半側空間無視のない残りの7人については、基準OHIとWTCIでのみ有意な「差」が見られた。

右脳損傷で半側空間無視の脳卒中患者の口腔内ひだり側の衛生状態はあきらかに悪かった、


というおはなし。

図:口腔内半側無視



感想:

感覚よわいのでガム噛んでると左の頬も噛んでしまい出血、血豆が絶えなかったおもいで。
口の中いっぱいの大腸菌!レンサ球菌!

2019年11月15日

脳動脈瘤の左右と梗塞の起きる側


Does aneurysm side influence the infarction side and patients´ outcome after subarachnoid hemorrhage?
2019  11月  ドイツ

脳動脈瘤の位置でくも膜下出血患者の予後に違いがあるとする報告がさいきんあった。

くも膜下出血のあとに起きる脳梗塞が優位脳側であるかによっても回復度が変わるとする報告もある。

そこで、脳動脈瘤の位置の左右の違いが続く梗塞や回復度に影響するものかくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月14日

50万人が証明した「緑茶」の脳卒中予防効果


Tea consumption and risk of stroke in Chinese adults- a prospective cohort study of 0.5 million men and women
2019  11月  中国

1989年にお茶の脳卒中予防効果が報告されて以来、数多くの研究がなされてきた。

実験的エビデンスではお茶にふくまれるポリフェノールの動脈硬化を抑え 炎症を防ぐ効果が脳卒中予防に良いと考えられている。

しかし住民ベースの研究ではお茶の脳卒中予防効果を確認できたものとそうでないものが混在し、いまだ結論に至っていない。

中国は世界でもっとも茶の消費がおおい国ながら脳卒中との関連についての大規模調査がまだないのでやってみたそうな。

2019年11月13日

連続シータバースト刺激が脳を護る仕組み


Phasic GABA signaling mediates the protective effects of cTBS against cerebral ischemia in mice
2019  11月  中国

脳卒中の慢性期ではシナプス結合の再編が重要で、これには神経伝達物質が関与する。

脳虚血を起こすとグルタミン酸作動性のシグナリングが増加し、興奮毒性から神経細胞が死滅する。

神経伝達物質であるGABA(Gamma-Amino butyric acid)はこの興奮毒性を抑え神経保護をもたらすと考えられている。

いっぽう、経頭蓋磁気刺激(TMS)の一種である cTBS(連続シータバースト刺激)にはシナプスの長期抑制効果が確認され脳卒中の回復に期待されている。

このメカニズムをあきらかにするべくGABA抑制の点からくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞をおこしたネズミの後頭頂葉へ5HzのcTBSを30日間与えた。

GABAの影響をしらべるために受容体阻害薬のビククリン(Bicuculline)を用いた。
空間認知能力はモリス水迷路テストでしらべた。



次のようになった。

・錐体ニューロン間のGABAはcTBSに反応した。グルタミン酸作動性の興奮は変わらなかった。

・cTBSは持続性(tonic)ではない律動的(phasic)抑制効果をもたらした。

・GABA受容体を介した律動的抑制は脳卒中の慢性期に高まり回復を促した。

・cTBSによりもたらされた律動的抑制効果は空間認知能力も改善した。

cTBSは律動的GABAシグナリング抑制をもたらし脳卒中後の機能回復をうながした、


というおはなし。

図:空有間認知cTBS GABA



感想:

いまいちよくわからないけど
バーストものには縁があるので勉強してみた。

[シータバースト]関連記事

メモ:
Combining Theta Burst Stimulation With Training After Subcortical Stroke

2019年11月12日

nature.com:軽い脳卒中なのにうつ アパシー


Depression and Apathy After Transient Ischemic Attack or Minor Stroke- Prevalence, Evolution and Predictors
2019  11月  スペイン

脳卒中後のうつ(post-stroke depression:PSD)は29-33%にみられ予後不良の要因になるという。

いっぽう脳卒中後のアパシー(post-stroke apathy:PSA)は脳卒中患者の3人に1人またはPSD患者の40%にみられるというわりには注目されることがすくない。

これらの調査ではおおくのばあいTIAや軽い脳卒中の患者は除外されてきた。

そこでTIAや軽い脳卒中でのPSD,PSAの有病率とその経過、画像診断上の特徴についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月11日

口の中いっぱいの大腸菌!レンサ球菌!


The association between oral bacteria, the cough reflex and pneumonia in patients with acute stroke and suspected dysphagia
2019  11月  ニュージーランド

脳卒中で嚥下機能に問題をかかえると食事回数、唾液分泌、歯磨き機会の減少により口腔内や上気道に細菌が繁殖するようになる。

これが誤嚥性肺炎の原因になると考えられている。じっさい彼らへの口腔衛生指導により肺炎率や咳反射感受性が改善したという報告もある。

誤嚥性肺炎の原因菌はおもに、緑色連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、の6種類が知られている。

そこで、急性脳卒中での口腔内の細菌の種類と量、肺炎率と咳反射感受性との関連をくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中で入院して嚥下障害が疑われる患者102人について、入院時、退院時、1ヶ月後に唾液サンプルをとりPCRで細菌の種類ごとに定量分析、また咳反射感受性を測定し 肺炎の発生との関連を解析したところ、



次のようになった。

・口腔内細菌レベルは入院時にもっとも低く、退院時にはやや増加した。

・1ヶ月後までには入退院時にくらべ桁違いにおおきな増加がみられた。

・緑膿菌と肺炎桿菌、大腸菌は健常者からは検出されないが、入院中の患者の22%にこれらが確認された。

・1ヶ月後の細菌レベルと肺炎率に関連が見られたが、咳反射感受性との関連は確認できなかった。

脳卒中患者の口のなかには呼吸器感染症のもとになる細菌がおおいに増殖していた。1ヶ月後の細菌レベルが肺炎リスクと関連があった、


というおはなし。
図:連鎖球菌レベル


感想:

しばらく歯磨きできなかったときのガムの差し入れがありがたかった思い出。

2019年11月10日

安全運転に必要な「握り」能力


Impaired force control contributes to car steering dysfunction in chronic stroke
2019  11月  アメリカ

脳卒中経験者の自動車運転については視覚や認知機能をしらべたものがおおい。

ハンドル操作をおこなう上肢の運動機能についての調査はほとんどない。

そこで握力とその変動性および運転能力との関連をくわしくしらべてみたそうな。



慢性期脳卒中患者12人と健常者12人について、

最大握力と、
握力の変動性:スクリーンに表示される台形の軌跡に沿って握力をコントロールする課題でのブレの大きさ、
車線逸脱度:ドライブシミュレーションで車線からそれてしまう程度、を

それぞれ麻痺手、健常手のみで測定して関連を解析したところ、



次のようになった。

・麻痺手では健常者の非利き手にくらべても最大握力が低く、握力変動性が高く、車線逸脱度もおおきかった。

・麻痺手の握力変動性はあきらかに車線逸脱度と関連し、最大握力の関連はみられなかった。

麻痺手のハンドル操作能力は低下していた。最大握力ではなく握力コントロール能力がハンドル操作の正確さにつよく関連していた、


というおはなし。

図:脳卒中のステアリング操作



感想:

これは共感する。

左腕の感覚が非常に鈍いため握力コントロールができずいまだ食材を握りつぶすことがすくなくない。そのせいか左の片手運転は直進時のみ数秒間しか安定しない。

2019年11月9日

Neurology誌:脳梗塞のあとの頭痛


Headache after ischemic stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  11月  アメリカ

脳卒中後の頭痛はおおくのばあい慢性疼痛の1つとして過小評価され見逃されている。

頭痛は静脈洞の血栓や頸動脈の乖離、脳血管収縮などを反映していると考えられる。
また前兆付き片頭痛があると脳梗塞リスク2倍という事実もある。

いっぽう脳梗塞のあとに新たに発生する持続性の頭痛と脳卒中との関連についてはほとんど報告がないのでこれまでの研究のメタアナリシスでしてしらべてみたそうな。

2019年11月8日

体重支持トレッドミルやロボット歩行 やる意味ない


Clinical non-superiority of technology-assisted gait training with body weight support in patients with subacute stroke- A meta-analysis
2019  10月  台湾

脳卒中の歩行リハビリではできるだけたくさんの歩数を経験させることが効果的であると信じられている。

歩数を増やすための技術支援歩行訓練(technology-assisted gait training)がおおく生み出され、たとえば体重支持つきトレッドミルや それにロボットを組み合わせたものがある。

これらの技術支援歩行訓練は従来の地上歩行訓練にくらべセッションあたり5倍以上の歩数をかせぐことができるという。

そこでこれら技術支援をもちいた高強度歩行訓練の成果をメタアナリシスしてみたそうな。



発症から6ヶ月以内の脳卒中患者を対象とした関係論文を厳選してデータを統合 再解析した。

体重支持のない外骨格タイプのロボット(Ekso, HALなど)は転倒危険性が高いので除外した。



次のことがわかった。

・被験者1452人をふくむ14のロボット支援研究と10の体重支持トレッドミルの研究がみつかった。

・地上歩行訓練とくらべて技術支援歩行訓練には、運動機能障害の回復、移動能力、持久力、バランス、日常生活動作、いずれについても有意な平均値差はみられなかった。

・これは体重支持トレッドミルやロボット支援別に限定しても同様だった。

・また患者のもとの歩行能力や訓練時期を3ヶ月以内にしぼっても同様に有意な差は見られなかった。

体重支持つきの技術支援歩行訓練は地上歩行訓練にくらべすぐれているわけではなかった。繰り返し回数を増やすこと以外の戦略が求められている、


というおはなし。
図:体重支持トレッドミル



感想:

じっさいロボットリハビリは上肢もふくめていまのところ「まともな成果」はない↓。
ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まったく効果ない

HALリハビリ 期待外れだった

2019年11月7日

Stroke誌:脂質と脳梗塞 脳出血


Association of Lipids With Ischemic and Hemorrhagic Stroke
2019  10月  中国

中国では依然として脳卒中が死亡原因の1位をしめている。

改善可能なリスク要因の1つとして総コレステロールについての報告がいくつかあるがそのほかの脂質であるLDLコレステロールやHDLコレステロール、中性脂肪についての報告はおおくない。

そこで脂質と脳卒中の種類別の関連を大規模にしらべてみたそうな。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *