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2025年12月13日

サラサラ薬はほんとうに無罪か?「自然発症」脳内出血の裏にある“最後の一押し”

2025  12月  イギリス


脳内出血は長いあいだ「高血圧のせいで起こる病気」として説明されてきた。ところが実際には、生まれつきの体質や遺伝、生活習慣や他の持病、小さな血管の傷みやアミロイド血管症、さらには血液サラサラ薬(抗血栓薬)など、さまざまな要素が関わっていそうだという知見が積み重なっている。

それにもかかわらず、これらの要素がどのように重なり合い、どのような流れを経て脳内出血に至るのかを、一つの「筋道」として整理した解説は多くなかった。

そこで、脳内出血を「一つの原因で突然起こる病気」ではなく、いくつもの要因が積み重なって発症する病気として位置づけ直し、その全体像を分かりやすく整理してみたそうな。

2025年12月12日

血管内治療中の攣縮で予後悪化、その予防薬は日本だけ未承認

2025  12月  ドイツ


脳の太い血管がつまったときに行う血管内治療(カテーテルで血栓を取りにいく治療)は、いまや標準治療になっている。

ところが、その手技の途中でときどき起こる「血管攣縮」(血管がキュッと細く締まってしまう現象)が、どのくらい患者の予後を悪くしているのかは、はっきりしていなかった。

また、攣縮が起きたときにカテーテルから直接ニモジピンという薬を流すと本当に効果があるのかも、十分なデータがなかった。そこで、「どんな人に攣縮が起こりやすいのか」「攣縮が起こるとその後の生活の質や死亡にどれくらい影響するのか」「攣縮に対するニモジピン動注は役立つのか」をひとまとめにくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月11日

アスピリンも、代替薬も効かない?再発予防“サラサラ薬”治療の限界が露わに

2025  12月  アメリカ


アスピリンをきちんと飲んでいたのに脳梗塞を起こしてしまう人は少なくない。このような場合、医療現場では「アスピリンが効かなかったのなら、別の抗血栓薬に変えたほうがよいのではないか」という考え方が一般的である。

しかし、薬を変えることで本当に再発が減るのかについては、これまで十分に整理されていなかった。

そこで、この疑問に答えるため、アスピリン内服中に脳梗塞を発症した患者で薬剤変更がどれほど意味を持つのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月10日

脳内出血の手術、ほんとうに必要なのか? STICH 以降に揺れる“血腫除去”の真実

2025  11月  中国


脳内出血(ICH)に対して血腫を取り除く手術は、STICH や STICH II といった大規模試験で効果がはっきり示されず、長いあいだ積極的には行われてこなかった。

しかし近年、体への負担を減らした「低侵襲手術(MIS)」が登場し、条件をしぼれば効果があるのではないかという研究が増えてきている。

そこで、これまでの手術成績をまとめて比較し、「結局どの手術がどこまで役に立つのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月9日

異常率が高すぎる――コロナが脳に残す痕跡とその不可解な沈黙

2025  10月  中国


COVID-19 は当初、主に肺の病気として知られていたが、近年は脳や神経にも大きな影響を与えることがわかってきた。

とくに、脳卒中につながりうる血管障害や白質のダメージ、微小出血などの報告が増えている。しかし、それらがどの程度の頻度で起こるのか、全体像ははっきりしていなかった。

そこで、COVID-19 患者や回復者の脳画像データを幅広く集め、脳がどのように影響を受けているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月8日

未破裂脳動脈瘤の「予防手術」は本当に必要か──10人に1人が重い障害を負う現実

2025  12月  


未破裂の脳動脈瘤は、破裂するとクモ膜下出血を起こし、命に関わる非常に危険な状態になる。そのため、破裂する前に治療するべきかどうかを判断するときには、「自然に破れる確率」と「治療自体のリスク」の両方を比べる必要がある。

しかし、これまで一般に広まっていた手術リスクの数字は、一部の専門施設や優れた術者によるデータに偏りがちで、世界全体の実情を反映しているとは言いにくかった。特に開頭クリッピングは「昔より安全になった」と語られてきたが、その裏付けとなる大規模データは不足していた。

そこで、世界20施設・3705例という大規模な国際データを用いて、未破裂脳動脈瘤の予防的手術が現在どれほど安全なのかを実際の数値としてしらべてみたそうな。

2025年12月7日

パンデミック収束後の罠:日本人男性に起きたコロナ後のくも膜下出血

2025  9月  日本


COVID-19は、感染後に血管が弱くなる、炎症が続く、血が固まりやすくなるといった影響は依然として報告されている。

その中でも、脳の動脈が裂ける「動脈解離」がCOVID-19と関連して起きるケースは非常に少なく、特に前大脳動脈A1部での解離は極めてまれである。

そこで、COVID-19回復期の患者に重症のくも膜下出血が発生した例を通して、見落とされがちな“感染後の脳血管リスク”をくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月6日

脳動脈瘤の本当の恐怖は“説明”から始まる。最新研究が示した心理ダメージ

2025  12月  ハンガリー


未破裂の脳動脈瘤は、ほとんどが無症状のまま見つかる。一方で、破裂するとくも膜下出血になり重い後遺症を残すこともあるため、多くの人が「やがて破裂するのでは」と不安を抱きがちである。

しかし、破裂した人と、破裂していない人の心の状態や生活の質が実際にどう違うのかは、これまで十分に調べられてこなかった。

そこで、両者を同じ基準で比較し、心理面や認知面が生活の質にどのようにつながっているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月5日

心房細動の進行を止める薬はすでに存在したのか――糖尿病薬メトホルミンが見せた意外な“心臓保護力”

2025  12月  デンマーク


心房細動は脳梗塞の主要な原因であり、一度起こると心房の性質が変わり、発作が続きやすくなることが知られている。

この「心房リモデリング」が進むほど、脳梗塞の危険は高くなるため、リモデリングの進行を抑える方法が求められてきた。

最近、糖尿病薬メトホルミンが炎症や代謝の乱れを整える作用を持つことから、心房細動の起こりやすさに影響する可能性が指摘されている。
しかし、リモデリングそのものを長期間おさえられるかどうかは、まだはっきりしていなかった。

そこで、人間に近い特徴を持つ馬を使い、メトホルミンが心房細動の進行をどこまで抑えられるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月4日

2025年12月3日

ワクチン接種者を除外した理由──COVID後の脳梗塞リスクは本当か?

2025  11月  スウェーデン


COVID-19のあと、心臓や脳の病気になるリスクがどれくらい続くのか、特に入院を必要とした重症例と軽症例で差があるのかは、これまで十分に分かっていなかった。

そこで、スウェーデン全国のデータを用いて、COVIDのあとに心臓と脳血管の病気、そして死亡のリスクがどのように変化するかを長期にわたってくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月2日

再発は減る、でもボケる?──降圧薬が脳に与えるもう一つの代償

2025  11月  中国


急性期脳梗塞に対して降圧治療をいつ開始するべきかについては、いまだ明確な基準が定まっていない。

特に、治療の開始時期が発症後の認知機能に与える影響は十分に検証されていない。

そこで、降圧治療の早期開始と遅延開始による認知機能の違いをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月1日

脳卒中後に食べ物が「まずい」と感じる理由―嗅覚と味覚の異常が回復を遅らせる

2025  11月  スイス


脳卒中というと手足の麻痺や言語の問題ばかりが注目されるが、実は「嗅覚」と「味覚」の低下がよく起こる。これらの感覚の低下は、食べる楽しさを奪い、食欲低下や栄養状態の悪化につながる可能性が高い。

しかし、脳卒中が嗅覚・味覚にどれほど影響するのかについては、まだ十分に研究されていない。特に、食べ物を「おいしい」と感じる気持ち(食の好み)がどれほど変化するのかも不明であった。

そこで、脳卒中患者の嗅覚・味覚能力と食の好みを、健康な人と比較してみたそうな。

2025年11月30日

「スマホ長時間使用で、くも膜下出血リスク2倍?」その裏に潜む“ほんとうの危険”とは

2025  11月  中国


スマートフォンの長時間使用が体や脳にどんな影響を与えるのかは、世間でも関心が高まっている。とりわけ命に関わる「くも膜下出血」と関係しているのではないか、という指摘が出始めているが、その因果ははっきりしていない。

そこで、スマホを長く使う習慣と、脳動脈瘤が破れるリスクに関連があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月29日

日本人の達成率たった26.7%。それでも130/80を追い続けるのは誰のため?

2025  11月  日本


高血圧は脳卒中を含む心血管疾患の大きな危険因子であり、日本では数千万人が高血圧と推計されている。

新しい JSH2025 ガイドラインでは、年齢にかかわらず一律に「130/80mmHg 未満」が目標とされており、現場とのギャップがどの程度あるのかが問題となっている。

そこで、日本全国のデータを用いて
・降圧薬開始後、血圧がどの程度コントロールされているか
・都道府県間で目標達成率にどれくらい差があるか
・その差が脳卒中死亡率や医師の偏在と関係しているか
をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月28日

脳卒中リハビリの成果が変わる―回復を加速させる腸内細菌の育て方

2025  11月  ナイジェリア


脳卒中の後遺症には、手足の麻痺や歩行障害といった身体機能の問題だけでなく、抑うつや不安などの気分の問題、さらには記憶力や判断力の低下といった認知面の障害も多くみられる。
運動リハビリは回復に役立つことが示されているが、それだけでは十分ではない場合がある。

近年、腸内細菌と脳の働きが互いに影響し合う「腸‐脳相関」が注目されている。脳卒中により腸内細菌のバランスが崩れ、炎症や回復の遅れにつながる可能性が指摘されており、腸内環境を整えるプロバイオティクスにより回復が促される可能性がある。

しかし、運動とプロバイオティクスを組み合わせた場合の効果はこれまで十分に調べられていなかった。そこで、両者を併用することでより大きな改善効果が得られるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月27日

仕事のストレスで脳卒中死のリスク1.5倍という現実

2025  11月  エジプト


「ストレスがたまると脳卒中になりやすい」ことは、多くの人が何となく知っていることである。しかし、これまでの研究には
・ストレスと「うつ病」がごちゃまぜになっている
・研究ごとの人数や期間がバラバラで、全体像がわかりにくい
という弱点があった。

そこで、
・うつ病の人をできるだけ除いて、「ストレスそのもの」の影響を確かめること
・たくさんの研究をまとめて、「どれくらい脳卒中リスクが上がるのか」をあらためて数字で示すべく、
メタアナリシスをこころみたそうな。

2025年11月26日

ロングコビッドの正体は「溶けない血栓」か――スパイクタンパクと脳卒中リスク

2025  10月  フランス


COVID-19が治ったあとも、だるさ、息切れ、頭がぼんやりするなどの症状が長く続く人が多く報告されている。これがいわゆるLong COVIDである。

しかし症状がなぜ長期化するのかは明確になっていない。

そこで、Long COVID患者の血液に、ごく小さな血栓(microclots)が大量に存在する可能性に注目し、それが症状の原因になっているかどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月25日

脳卒中後のうつは再発のガチリスク―甘えではなかった

2025  11月  トルコ


脳卒中のあとに起こるうつ症状(いわゆる脳卒中後うつ:PSD)は多くの患者にみられるものである。

うつが回復や日常生活の質を下げることは以前から知られていたが、うつそのものが脳卒中の再発を引き起こす要因になるのか、また認知機能の低下と直接的な関係を持つのかについては、十分に明らかではなかった。

さらに、脳のどの部位の損傷がうつの発生と関係するのかも不明な点が多かった。
そこで、脳卒中後のうつが再発リスクや認知機能障害にどの程度関わるのか、そして病変部位との関係についてくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月24日

こんなに多いとは──“手術しないくも膜下出血”の衝撃

2025  11月  スウェーデン


くも膜下出血は、長いあいだ「ほとんどが脳動脈瘤の破裂で起きる」と理解されてきた。

しかし実際には、検査をしても動脈瘤が見つからない症例が一定数存在し、
これは非動脈瘤性くも膜下出血(NASAH)と呼ばれる。

そこで、NASAHがどれほどの割合で起きているのか、
さらに動脈瘤破裂によるくも膜下出血(aSAH)とどのように異なるのかをくわしくしらべてみたそうな。

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