元2025 5月 アメリカ
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2025年5月9日
動かぬ手が動き出す:迷走神経を刺激してリハビリ限界突破
2025年2月22日
脳卒中リハビリ革命!運動イメージ療法の多彩なアプローチとその実力
元2025 2月 中国
2025年2月1日
脳内出血リハビリの新戦力?非侵襲的脳刺激(NIBS)の真価と落とし穴
元2025 1月 イタリア
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脳卒中リハビリの未来がここに!最新技術で回復が加速する理由とは?
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集中的tDCSリハビリの効果
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2020年8月12日
rTMS治療の半分以上はプラセボ効果だった
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2020年6月3日
上肢訓練プライミングのメタアナリシス
元2020 5月 ブラジル
2020年4月28日
nature.com:バイノウラルビートで脳卒中リハを加速?
元
40-Hz Binaural beats enhance training to mitigate the attentional blink
2020 4月 カナダ
非侵襲的な脳刺激法には磁気のTMSや電流のtDCSがある。
このほかに、視覚や触覚 聴覚からの感覚刺激を用いた脳刺激法がある。このうちバイノウラルビート(Binaural Beat)は両耳にわずかに周波数のことなる音を聴かせたときにその周波数差に相当するビート(うなり音)が意識に生じる現象を指す。
バイノウラルビートの周波数に脳の活動が同調する(entrainment)効果が脳波や脳磁図計測から確認されている。
いっぱんに40Hzのガンマ周波数での脳活動は注意や特徴統合、記憶、学習、と関連が深いとされている。
そこで、「注意のまばたき」(attentional blink:数100ms間隔で連続提示される視覚ターゲットの2番め(T2)は、1番目のターゲット(T1)にくらべ見落とされやすい現象)がガンマ・バイノウラルビートを使った訓練により改善するものか、実験してみたそうな。
2019年9月13日
Stroke誌:脳電気刺激の神経保護効果
元
Central Nervous System Electrical Stimulation for Neuroprotection in Acute Cerebral Ischemia
2019 9月 アメリカ
中枢神経系への電気刺激は脳卒中からの回復促進に応用されることがあり 頭皮に電極を貼り弱い電流を流すtDCSやtACS が知られている。
ほかに侵襲性の高い方法として脳深部に電極を挿し込む刺激法もある。
中枢神経系への電気刺激には虚血に陥った脳組織を保護する効果も期待されていて、動物実験での報告がおおくある。
刺激の考え方はおもに2つあって、1つは虚血脳半球に直接電極を貼る方法で、もう1つは虚血部位から離れた核(nuclei)を電気刺激する方法である。
そこで中枢神経系への電気刺激の神経保護効果についてこれまでの前臨床研究のメタアナリシスをこころみたそうな。
関係する動物実験の研究を厳選してデータを統合 再解析した。
6つの刺激戦略について最終的な梗塞体積の変化を調べた。
そのうち3つは陰極、陽極または交互にパルス刺激する方法で、
残りの3つは虚血域からはなれた以下の核をターゲットにした刺激である。
室頂核(fastigial nucleus)、
視床下血管拡張域(subthalamic vasodilator area)、
背側中脳水道周囲灰白質(dorsal periaqueductal gray)。
次のことがわかった。
・350の実験動物をふくむ21の急性脳虚血への電気刺激についての研究がみつかった。
・全体として、電気刺激なしに比べて梗塞体積は37%減少した。
・刺激方法ごとに効果はことなり、とくに虚血脳半球への刺激では陰極半球刺激(cathodal hemispheric stimulation:CHS)でのみあきらかな梗塞体積の減少(27%)がみられた。
・虚血域からはなれた核への刺激方法3つはすべてで梗塞体積が半分ほどになっていた。
・臨床応用へはCHSがもっとも有望と考えられた。
中枢神経系への電気刺激の前臨床実験では梗塞体積をちいさくすることができた。人の臨床実験には虚血半球への陰極刺激が適していると考えられる、
というおはなし。
感想:
動物では頭をあけて直接電極を貼ったり強い電流つかったりできるのでなんらかの効果を観測できる。
ところが人に応用する場合、たとえば「経頭蓋のtDCSやtACS」だとそもそも脳に電流がとどかない。
さらに通電中は電極に接する皮膚のチクチク感が常にあるため被験者にたいし盲検を設けることができないという本質的な問題もかかえる。
そのためtDCSやtACSの臨床実験では 被験者が実験意図を容易に忖度(そんたく)してしまいポジティブなデータばかりが得られてしまう。
tDCSってホントに脳を刺激してるの?
2019年4月4日
リハビリをうながすための睡眠介入方法
元
Systematic Review Investigating the Effects of Nonpharmacological Interventions During Sleep to Enhance Physical Rehabilitation Outcomes in People With Neurological Diagnoses
2019 4月 アメリカ
脳卒中後のリハビリ訓練で学習した運動感覚は数時間から数週間かけて記憶として固定される。
この記憶固定に睡眠が重要な役割をはたしていると考えられるいっぽう、脳卒中患者のおおくは睡眠障害を経験する。
睡眠中にはたらきかけ運動感覚の記憶固定をうながす有効な方法がみつかればそれはリハビリ法としても期待できるはずである。
そこで、これまでの研究から非薬物的に脳損傷患者の睡眠に介入する呼吸療法や脳刺激療法についてシステマティックレビューをこころみたそうな。
関連する論文タイトル2287件を厳選して101件についてフルテキストを精査し 9件の研究に絞った。
次のことがわかった。
・脳卒中患者等を対象とした 持続陽圧呼吸療法:CPAP(continuous positive airway pressure )に関するRCT論文のみがみつかった。
・長期に外来患者をフォローしたものもあったが、
・効果測定の方法が障害、身体活動、社会参加など研究ごとにおおきくことなっていた。
・しかし早期の脳卒中の回復に有効であるとする研究も複数みられた。
・具体的リハビリ方法やCPAPの順守率についての情報が欠けていた。
脳卒中患者の睡眠に介入できる非薬物療法としてCPAPのみがリハビリをうながす効果をしめしていた。今後きたいできる方法として睡眠中のTMS、tDCS、リズム聴覚刺激や、嗅覚刺激で記憶固定をはかるTMR(Targeted Memory Reactivation)のエビデンスが散見される、
というおはなし。

感想:
睡眠はだいじなんよ。
ビデオを観て昼寝するだけのリハビリとは
眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ
2019年3月5日
理学療法とADLのアンブレラレビュー
元
Subacute stroke physical rehabilitation evidence in activities of daily living outcomes: A systematic review of meta-analyses of randomized controlled trials
2019 2月 スペイン
脳卒中のリハビリテーションの主軸は理学療法であると考えられている。
脳卒中の理学療法について、これまでおおくの研究がなされてきたがメタアナリシスのメタアナリシスであるアンブレラレビューはわずかしかないうえに古い。
そこで、理学療法の最近の治療法もふくめてくわしいアンブレラレビューをこころみたそうな。
複数のレビュワーにより 亜急性期の脳卒中の理学療法について、
日常生活動作ADLを評価したランダム化比較試験RCTのメタアナリシスを厳選した。
データを統合 再解析して、
標準化平均値の差:Standardized mean differences (SMD)と統計学的異質性を評価したところ、
次のようになった。
・被験者13787人を含む314のRCT、21種類(ロボット、スリング、Nintendo Wii、tDCS、灸、鍼、CI療法、mCI療法、仮想現実、FES、繰り返し訓練、両手訓練、拡張現実、イメージ訓練、電気鍼、太極拳、水中訓練、ミラー療法、rTMS、サーキット、末梢電気刺激)の介入方法についての55のメタアナリシス論文がみつかった。
・仮想現実、CI療法、拡張現実、tDCS と理学療法の組み合わせでは異質性の低いわずかながらの改善効果がみられた。
・灸、太極拳、鍼(はり)はもっとも高い効果が得られていたが、異質性が高かった。
・これらのなかで鍼と理学療法の組み合わせのみが勧められるレベルにあった。
おおくの種類の介入方法が理学療法との組み合わせで試されてきているものの、ADLの改善を裏付ける質の高いエビデンスはいずれの方法でも得られていなかった、
というおはなし。
感想:
なぜ鍼のようにまったく異なる信念体系の成果が しれっと理学療法の手柄にされているのか、不思議におもい しばらく考えて気がついた。
理学療法というのは理学療法士の指導のもとでなにかしらの体のエクササイズを行うことを指していて、
体に電気をながしながらでもいいし、
踊りながらでもいい、
おなじ動作をひたすら繰り返すだけでもいい、
鏡をみながらでもテレビゲームやりながらでもいい、
もちろん鍼をさしたあとでもいい、
そこに理学療法士がいて体をうごかしたらそれはもう「すべて理学療法」なのである!!!
ようやく理学療法のなんたるかについて理解できた気がしている。
2019年3月2日
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった
元
Rethinking interhemispheric imbalance as a target for stroke neurorehabilitation
2019 2月 アメリカ
半球間競合モデル(interhemispheric-competition model)によると、左右の脳半球は平常時には脳梁を介して互いの働きを抑制しあいバランスを保っている。
ところが脳卒中で健常な側への抑制がはずれると、損傷脳半球への抑制が過剰にはたらき さらにひどい片麻痺におちいってしまう と考えられている。
このアンバランスな状態を正すことが脳卒中の運動機能回復につながると信じられていて、さまざまな脳刺激法(rTMSやtDCSなど)が試されている。
しかしこれまでのアンバランスな半球間抑制の報告は慢性期の患者ばかりである。
さらに2017年の112の研究のメタアナリシスでは 健常脳半球の過剰興奮を裏付けるエビデンスは1つもみつかっていない。
そこで、ほんとうにアンバランスな半球間抑制が急性期にも存在していて運動機能の回復と関連するものなのか、たしかめてみたそうな。
脳梗塞患者22人と健常者11人について、
半球間抑制の程度を ダブルパルスTMSパラダイムで評価し、運動機能との関連を調べた。
これを1年間、計5回(1,4,12,24,54週目)フォローしたところ、
次のことがわかった。
・指の運動に際する半球間抑制は急性期や亜急性期には正常レベルにあり、その異常は慢性期にのみ確認することができた。
・半球間抑制の影響は運動能力が回復するにしたがいひどくなった。
・さらにこの半球間抑制の程度は運動機能の種類(FMA、力、器用さ)のいずれとも関連を示さず、
・慢性期に向かって半球間抑制のアンバランスさが目立つにつれ、指の器用さの回復幅もわるくなっていった。
これらの結果から、半球間抑制のアンバランスさは片麻痺の回復がよくない原因というよりはむしろ回復結果の反映と考えられる。半球間抑制のバランスを正すことがはたして運動機能の回復につながるのかは おおいに疑問である、
というおはなし。
感想:
原因と結果を都合よく勘違いしていたってことなんやね。
「健常脳を抑制したら〇〇が良くなった」という報告がやたら目について、単純化しすぎているな、、とはおもっていたよ。
2018年11月7日
コクランレビュー:脳卒中の嚥下治療まとめ
元
Swallowing therapy for dysphagia in acute and subacute stroke
2018 10月 イギリス
脳卒中患者はしばしば嚥下障害を経験する。
嚥下障害により胸部感染症やQoLの低下、入院がながびくなどの問題が生じる。嚥下治療がこれらのリスクを下げ脳卒中からの回復をうながすと信じられている。
これまでの研究成果から脳卒中の嚥下障害の治療効果をまとめてみたそうな。
2018年6月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被験者2660人を含む41の臨床試験がみつかった。
・嚥下治療の種類として、鍼、行動介入、投薬、神経筋電気刺激、咽頭電気刺激、物理刺激、tDCS、TMS があった。
・これら嚥下治療は死亡者や障害者数を減らす効果はなかった。
・嚥下機能スコア "Penetration-Aspiration Score" を改善する効果もなかった。
・ しかし、入院日数が短くなったり、肺炎になりにくかったり、嚥下障害が軽くなったりした患者がいないわけではなかった。
・どの治療法がもっとも効果的かはあきらかでなかった。
・エビデンスレベルは非常に低かった。
脳卒中後の嚥下治療にはさまざまな方法があるが、いずれもあきらかな効果は確認されていない、
というおはなし。

感想:
ほとんどお手上げ状態、よくて気のせいレベルの改善。自発的な回復を待つしかないってこと。
このレビューで論文数がいちばん多かったのが「鍼」という時点で推して知るべしか。
2018年11月5日
失語症は腕を動かして治す
元
Robotic Arm Rehabilitation in Chronic Stroke Patients With Aphasia May Promote Speech and Language Recovery (but Effect Is Not Enhanced by Supplementary tDCS)
2018 10月 アメリカ
脳卒中を経験すると運動機能や感覚、認知、コミュニケーションに障害をもつことがある。これらを個別にリハビリしてゆくのはとても骨が折れるので、一石二鳥に回復できる方法が望まれている。
2007年に、ロボット支援の上肢訓練とtDCS(経頭蓋直流電気刺激)の組み合わせで亜急性期脳卒中の失語症がよくなった、という報告があった。
これを慢性期患者でたしかめてみたそうな。
左脳の脳卒中で失語症の慢性期患者17人について、ロボット支援の右の上肢運動訓練を週3回x12週間おこなった。
訓練前にtDCSについて on/off のグループにわけた。
この間、失語症訓練は行わなかった。
訓練前後の失語症評価を比べたところ、
次のようになった。
・ぜんたいとして運動性発話能力(ディアドコキネシス)があきらかに改善した。
・失語症の 意味カテゴリー語想起(Category naming)と失語症評価(Western Aphasia Battery)スコアも改善した。
・tDCSは失語症の改善度にまったく関連しなかった。
上肢運動訓練がその領域をこえて失語症の回復をも促す可能性を示せた、
というおはなし。
感想:
左腕を動かすと半側空間無視が治る、ってはなしと似ている。
左手を動かすと半側空間無視が改善するしくみをしらべてみた
左手を動かしてあげる → 半側空間無視対策
2018年8月24日
失語症のtDCS JAMA Neurology
元
Transcranial Direct Current Stimulation vs Sham Stimulation to Treat Aphasia After Stroke- A Randomized Clinical Trial
2018 8月 アメリカ
この10年間、脳卒中後の失語症治療にtDCS(経頭蓋直流電気刺激)が有望であるとする報告がいくつもあがってきている。
この効果をたしかめるべく(二重盲検の)ランダム化比較試験をおこなってみたそうな。
脳卒中でブローカ失語になって数年経つ患者74人についてリアルtCDSと偽tDCSの2グループに分けた。
1回45分間の失語症訓練セッションの最初の20分間を通電した状態でおこなった。
各人fMRIで確認した側頭部の言語中枢位置にプラス電極を貼った。
偽刺激では20分間のうちの最初の30秒間だけ通電した。
これを3週間、計15セッション繰り返したのち、呼称テストで効果を評価 比較した。
次のようになった。
・呼称テストの正答数は、リアルtDCSで13.9、偽tDCSは8.2、脳卒中で失語症患者へのtDCSに可能性を感じる、さらなる研究をすすめるべき、
・その差5.7は70%の改善を示しており、すくなくともtDCSが「無効」ではないことを示していた。
・有害事象はなかった。
というおはなし。
感想:
tDCSは通電中に電極部位がチクチクする。ということは
リアル刺激は20分間チクチクするいっぽう、偽刺激は最初の30秒だけしかチクチクしない。
これではとても盲検とはいえない。
この疑問にたいする答えが「チクチク感は はじめの数十秒で麻痺するから大丈夫なんです!」とのこと。 ほんとかよ?
Stroke誌:tDCSは失語症治療に効果なし
2018年3月13日
Stroke誌:tDCSは失語症治療に効果なし
元
Transcranial Direct Current Stimulation Does Not Improve Language Outcome in Subacute Poststroke Aphasia
2018 3月 オランダ
かつて経頭蓋直流電気刺激 tDCSは失語症の治療に有効であると考えられていた時期があった。
その後、慢性期や亜急性期でも効果がないという報告が相次いだ。
それらの研究は tDCSと言語訓練を別々におこなうものだった(オフラインtDCS)ので、同時におこなったら(オンラインtDCS)どうなるものか、もっとも改善著しい亜急性期での多施設間二重盲検のランダム化比較試験でたしかめてみたそうな。
4つのリハビリ施設にいる 発症から3ヶ月未満の脳卒中で失語症の患者58人について、
左脳のブローカ野付近にプラス電極を貼り、1回45分間の言語訓練中に直流電流をながした。
本刺激の26人には電流を20分継続し、偽刺激の32人には電流は始めの30秒だけながした。
5日間の訓練後、写真を見せて物の名称を言わせるテスト等をおこなったところ、
次のようになった。
・両グループともにテストスコアは改善したが、
・グループ間のあきらかな差はまったくみられなかった。
脳卒中後の失語症治療にtDCSはなんの効果ももたらさなかった、
というおはなし。
感想:
tDCSやってる人 もういないと思ってたよ。
[tDCS]の関連記事
2017年5月22日
運動野刺激療法で手がうごくようになるのか?
元
Motor cortex stimulation does not lead to functional recovery after experimental cortical injury in rats.
2017 5月 オランダ
脳損傷による運動麻痺への治療法として脳の表面に直接電極を貼る運動野刺激療法(MCS)がある。MCSは神経可塑性をうながすとされ、通常リハビリとの併用で脳卒中患者に効果があったという報告もある。
そこで MCSだけで運動麻痺がどの程度改善するものか実験してみたそうな。
人為的に脳損傷をあたえ運動麻痺をおこしたネズミの運動野に電極を貼り、1日2時間x30日間 微弱なパルス電流をながした。
この治療前後での前脚の運動機能を複数の指標で評価した。
また脳損傷部位の大きさ、代謝活動の変化をPETで測定し 比較した。
次のようになった。
・運動野と線条体を部分的に破壊し 前脚の運動障害をつくりだすことができた。
・しかし損傷部位へのMCSは、刺激なしグループとくらべていかなる運動機能の改善ももたらさなかった。
・また損傷部分のサイズや代謝活動の範囲もまったく差がなかった。
運動野刺激療法MCSは、それ単体では運動障害の改善にはならなかった、
というおはなし。
感想:
脳に直接電極を貼ってこのありさま。 おでこに乾電池をつなげるtDCSは推して知るべしだな。
2016年4月21日
tDCSってホントに脳を刺激してるの?
元
Cadaver study casts doubts on how zapping brain may boost mood, relieve pain
2016 4月 アメリカ
おでこに乾電池の電極を貼り付ける経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は記憶力アップや疼痛緩和、脳卒中リハビリに良いと言われているが、ほんとうに電気刺激が脳に届いているかはだれも知らない。
そこで死体をつかって実験してみたそうな。
今月の認知神経科学会のシンポジウムセッション7での発表。
・死体の頭部に脳まで届く電極を200本以上突き刺してtDCSによる脳への電流分布を測定した。
・90%以上の電流が皮膚に逃げていて、脳へ届く電流はわずかだった。
・生体であれば水分が豊富なぶん皮膚に逃げる電流はもっと大きいであろう。
・tDCSは通常1-2mAで行われるがこれでは脳神経を発火させるにはまったく足りない。
・最低でもスタンガンレベル(5mA~)の電流が必要である。
tDCSの電流はほとんど脳に届いていなかった。いっぽう tDCSの有効性を示す報告が多数あるので なにか別のメカニズムを考える必要があるだろう、
というおはなし。

感想:
「最近うちのパソコン遅いんだよねぇ」と言いながら、その筐体に乾電池の電極を貼ったところYouTubeの反応時間が なんか短くなった気がする、、、
これがtDCSだと思うんだ。(ようするに気のせい)
2016年4月5日
tDCSで脳卒中患者の傾きが治る可能性について
元
Polarity-Dependent Misperception of Subjective Visual Vertical during and after Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS).
2016 3月 ブラジル
主観的な垂直方向(自覚的視性垂直位)は脳卒中患者でしばしば病的に傾く。
tDCS(経頭蓋直流電気刺激)がこの感覚に影響するものか実験してみたそうな。
健常者13人について、側頭頭頂の縁上回 両側にtDCS電極を貼り自覚的視性垂直位を調べたところ、
次のようになった。
・偽刺激に比べて自覚的視性垂直位はプラス電極側に大きくシフトした。
・刺激を切ったあとに反対側に振れるリバウンド効果が確認できた。
・左プラス|右マイナス のときに自覚的視性垂直位がプラス電極側にシフトする効果がもっとも持続した。
・電界分布を計算したが内耳への影響はなさそうだった。
側頭頭頂へのtDCSで自覚的視性垂直位が明らかに影響を受けた。傾く脳卒中患者に応用できるかもしれない、
というおはなし。

感想:
確信した、tDCSは前庭感覚電気刺激GVSの別解釈だな。
GVSの真偽はともかく。↓
脳卒中患者が傾く仕組みについて
プッシャー現象 なぜ脳卒中患者は傾くのか
半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた
前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!
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脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』