~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2019年5月25日

玉子とコレステロールとapoE4と脳卒中


Egg consumption, cholesterol intake, and risk of incident stroke in men- the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study
2019  5月  フィンランド

玉子は黄身にコレステロールがおおくふくまれることからながらく摂り過ぎないように とされてきた。

玉子と脳卒中リスクについての研究は比較的すくないものの、最近のいくつかのメタアナリシスでは脳卒中リスクが上がる、下がる、変わらないとする相反した結論が得られている。

玉子と血圧についても同様で調査により結論がことなる。

いっぱんに食事から摂るコレステロールは血中コレステロールにほとんど影響しない。しかしアポリポタンパク質E (apoE)の遺伝子の特定の型を持つ者は食事コレステロールにおうじて血中のLDLコレステロールが増える可能性があることが知られている。

apoEのうち4型遺伝子が表現型にある者は脳卒中など心血管疾患になりやすいという。またフィンランド人の3分の1は apoE4表現型を持つ。

そこで、玉子と食事コレステロールと脳卒中との関連をapoE4表現型のキャリアーもふくめてくわしくしらべてみたそうな。

2019年5月24日

ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まったく効果ない


Robot assisted training for the upper limb after stroke (RATULS): a multicentre randomised controlled trial
2019  5月  イギリス

ロボット支援の上肢トレーニングは麻痺が比較的重い患者であっても多くの繰り返し動作をおこなうことができるため期待されている。

しかしこれまでの研究のおおくは手法や訓練量、評価方法に偏りがつよくいっちした見解がえられていない。

そこでマルチセンターの大規模ランダム化比較試験(RATULSトライアル)をやってみたそうな。



脳卒中から5年以内で中レベル以上の上肢麻痺の患者770人について、
つぎの3グループにわけた。

ロボット支援(RT:robot-assisted training MIT-Manus robotic gym)
上肢集中訓練(EULT:enhanced upper limb therapy)
通常ケア(UC:usual care)

各訓練は、45分間x週3回x12週間 おこない、

ARATスコアで改善度を評価した。



次のようになった。

・ARATスコアであきらかな改善をしめした患者の割合は、RT44%、EULT50%、UC42%だった。

・通常ケアUCにくらべロボット支援RTと上肢集中訓練EULTはすぐれているとは言えず、

・RTとEULTにあきらかな効果の違いはみられなかった。

・深刻な有害事象は、RT15%、EULT13%、であり、UC8%よりもおおかった。

中レベル以上に重い上肢麻痺の脳卒中患者へのロボット支援リハビリテーションは通常ケアをうわまわる効果はなかった。日常のリハビリテーションに取り入れるべき根拠はまったくないと考えられる、


というおはなし。

図:脳卒中のロボット上肢リハ



感想:

繰り返し訓練自体に効果がないのだからロボットつかったところで改善しないのは自明。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

2019年5月23日

NEJM誌:血栓溶解治療が9時間までOKな理由


Thrombolysis Guided by Perfusion Imaging up to 9 Hours after Onset of Stroke
2019  5月  オーストラリア

血栓溶解治療は脳梗塞の発症から4.5時間以内と決められている。このガイドラインは非造影のCTをつかった初期の調査結果にもとずいている。

しかしさいきんでは造影剤をつかったCTパーフュージョンとMRIディフュージョン検査を組み合わせることで、再灌流が可能な脳組織が4.5時間を超えて存在しうることがわかってきた。

そこで再灌流域がおおきく残っている患者への4.5-9時間での血栓溶解治療を実験してみたそうな。

2019年5月22日

抗凝固薬が認知症をふせぐ?


Less dementia and stroke in low-risk patients with atrial fibrillation taking oral anticoagulation
2019  5月  スウェーデン

心房細動があると認知症のリスクが高まるとする報告がいくつかある。

おおきな血栓が脳卒中を起こすように微小な血栓が脳組織への血流を阻み認知機能を低下させると考えられている。

じっさい、抗凝固薬を使用することで認知症リスクが半分になったという報告もある。

しかし因果関係はわかっておらず、ランダム化比較試験を行おうにも脳卒中リスクのある心房細動患者に抗凝固薬を与えないわけにもいかない。

そこで、心房細動だけで脳卒中リスクのない患者について抗凝固薬と認知症との関連をしらべ、因果関係を推定してみたそうな。



スウェーデンの患者データベースから2006-2014に心房細動と診断された456960人について、

脳梗塞リスクを評価する CHA2DS2-VASc(心不全、高血圧、高齢、糖尿病、脳梗塞歴、冠動脈疾患、女性)スコア が2点以上の者を除いた。

残りの患者91254人を凝固薬の使用の有無(43%が使用)で2グループに分け、他の条件の一致する23746人ずつにしぼり 認知症の発生を5年ほどフォローしたところ、



次のようになった。

・抗凝固薬グループの認知症リスクはあきらかに低く、非使用者の0.62倍だった。

・脳梗塞や脳出血のリスクは65歳以上では12%低かったが、

・60歳未満では有害事象のほうがおおかった。
心房細動で抗凝固薬を使用している者の認知証リスクは非使用者よりも低かった。65歳以上であれば脳梗塞リスクによらず抗凝固薬のベネフィットがおおきいと考えられた、


というおはなし。

図:抗凝固薬と認知症リスク


感想:

抗凝固薬みなおした。でもこわいのでおれは納豆とたまねぎを食べる。
血液サラサラの薬で認知症予防

2019年5月21日

若年脳梗塞患者はt-PA率が低いはず?


Thrombolysis in young adults with stroke:Findings from Get With The Guidelines-Stroke
2019  5月  アメリカ

t-PAによる血栓溶解治療の患者のほとんどは高齢者である。

若年者は脳卒中に関心がひくいため病院に遅れがちで、病院に着いてもまず別の病気を疑われることから診断がでるまで時間を要しt-PA治療が間に合わなくなることがおおいと考えられる。
また出血の副作用のおおきさも高齢者とはことなるはずである。

そこで若年者にたいするt-PA治療の実際をアメリカの全国規模のデータベースをつかってくわしくしらべてみたそうな。



2009-2015の1983病院の脳梗塞患者1320965人の記録を解析したところ、



次のことがわかった。

・2.3%が18-40歳の若年患者だった。

・このうち 12.5%がt-PA治療を受けた。40歳以上のt-PA率は8.8%だった。

・しかし病院到着から25分以内に脳の画像検査を受ける率は若年患者が低く、

・60分以内にt-PA治療を受ける率も若年患者で低かった。

・頭蓋内出血をおこす率は1.7% vs 4.5%で若年患者が低く、院内死亡率も2.0% vs 4.3%で若年患者が低かった。

予想に反してt-PA治療は高齢患者よりも若年患者に適用されやすかった。診断から治療までの時間はおおくかかっていたが、回復はよく頭蓋内出血も少なかった、


というおはなし。

図:t-PA若年vs高齢



感想:

若い患者は血管が丈夫だから診断にまよったらとりあえずt-PA打っちゃえってことなんだろな。
病院へ急がなくてもよいことになった

2019年5月20日

飛行機の騒音と脳卒中


Aircraft Noise and the Risk of Stroke
2019  4月  ドイツ

騒音による自律神経系へのストレスにより血圧やインスリン抵抗性、睡眠への障害が考えられる。

ドイツでは日中の騒音規制レベルを55dB未満、夜は45dB未満としている。

騒音と虚血性心疾患との関連はあきらかになっているが脳卒中についてはよくわかっていない。

そこで航空機の騒音について脳卒中との関連をしらべるべく、初のシステマティックレビューをこころみたそうな。



騒音レベルを 日中、夕方+5dB、夜間+10dB と重み付け平均した day–evening–night noiselevels:LDEN とし、

これまでの関係する研究論文を厳選してデータを統合 再解析した。



次のことがわかった。

・9の研究がみつかった。LDENが10dBあがるごとに脳卒中リスクが1.013倍(1.3%の上昇)になった。

・しかしこれらの研究は、脳梗塞や脳出血の区別がなく、騒音推定方法もまちまちで、質が高いとは言えなかった。

・さらに最大騒音値での評価がなかったため影響が過小評価されている可能性が残った。

航空機騒音と脳卒中リスクの関連がみられたが、統計学的有意なほどではなかった、


というおはなし。

図:飛行機騒音

感想:

ちょうどこの記事↓をみた直後だったので関心をもった。
「どうにかしてほしい」市民から悲鳴 普天間飛行場で過去最高の124・5デシベル 人間の聴力の限界に迫る騒音

2019年5月19日

身長が高いと脳梗塞になりにくい理由


Greater Height Is Associated with a Larger Carotid Lumen Diameter
2019  5月  アメリカ

身長が高いほど脳梗塞リスクが低くなることがわかっている。しかしこのメカニズムはあきらかではなく諸説ある。

そのなかの1つに背の高い者は動脈が太く、プラークがつもるまでに時間をようするからという説がある。

これをたしかめるべく、総頚動脈について身長との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年5月18日

後ろに歩かせると違いがわかる


Assessment of backward walking unmasks mobility impairments in post-stroke community ambulators
2019  5月  アメリカ

脳卒中のリハビリで後方歩行(backward walking)を気にすることはすくない。

じっさい長い距離を後方歩行する機会は通常ない。しかし狭い場所や混み合った部屋、ドアの開閉、着席時には短い後方歩行が必要になる。

前方歩行とはことなり後方歩行にはとくべつな視覚情報処理、筋肉活動、エネルギー代謝が必要で、

これら注意需要を反映して脳の感覚運動野と前頭前皮質が通常よりも活発になると考えられている。

健常者は後方歩行をタイムリバースするかのように前方歩行にくらべおおきな変化もなくやってのけるが、脳卒中患者の後方歩行について運動力学的な観察はすくないのでしらべてみたそうな。

2019年5月17日

入院中の栄養不良率 in Japan


Relationship of Malnutrition During Hospitalization With Functional Recovery and Postdischarge Destination in Elderly Stroke Patients
2019  5月  日本

脳卒中で入院中の栄養不良は6.1-79%の患者におこるとされ、その後の日常生活動作や退院先に影響すると考えられている。

いっぽう数ある栄養評価方法のうち、高齢者向けの栄養評価指標 Geriatric Nutritional Risk Index. (GNRI)は 血清アルブミンと身長 体重のみから計算できるので、コミュニケーションや意識に障害のある急性期脳卒中患者に適していると考えられる。


そこで これまでの脳卒中患者のデータをつかって 入退院時のGNRIにもとずく栄養状態と退院時ADLおよび退院先との関連をくわしくしらべてみたそうな。



2010-2016の高齢脳卒中患者205人について、
栄養状態GNRIを次式でもとめた。

GNRI=(1.489×血清アルブミン(g/L))+41.7×(現体重(kg)/標準体重(kg))

98以上のとき栄養じゅうぶん。

他の要因との関連を解析したところ、



次のようになった。

・入院時の42%、退院時76%の患者が栄養不良だった。

・入院時の栄養状態によらず、高齢、脳内出血、嚥下障害があると栄養不良になりやすく、

・入院中にGNRIがあがった患者はADLは改善し、自宅に退院できていた。
脳卒中患者には栄養不良がおおく 入院中に栄養状態がさらに悪化していた。GNRIの入退院時の差分がその後の回復とあきらかに関連していた、


というおはなし。
図:経鼻栄養



感想:

かるい脳卒中ですぐに退院した患者の退院時データがなかったそうなので、実際はこれ↓に近いかと。
退院後の栄養不良と予後

2019年5月16日

よろけたときによくある踏み出しパターン


Stepping characteristics during externally induced lateral reactive and voluntary steps in chronic stroke
2019  5月  アメリカ
脳卒中患者のおよそ40%は最初の1年間に転倒を経験し、骨折につながるリスクは一般人の4倍という。

バランスをくずした際にとっさにステップを踏み出せる能力は転倒予防に重要である。

そこで、外部から動揺をくわえたときのステップの特徴を脳卒中患者についてくわしくしらべてみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の患者10人と 年齢のいっちする一般人10人について、

腰にひもをつけて機械で横方向に瞬間的にひっぱるときのステップを観察した。

踏み出しにようする時間、歩幅、速度等を記録した。
視覚合図にたいして自発的に踏み出す場合も測定した。

踏み出したステップが複数歩になってしまうときの腰ひもの力をバランス限界(Balance tolerance limit:BTL)とした。

BTL時の最初のステップのパターンを次の3つに分類した。

1. lateral step : 引かれた側の足を外へ踏み出す。
2. crossover step : 引かれる側でない足を踏み出しまえでクロスする。
3. medial step : 引かれる側でない足を内側へクロスしない程度に踏み込む。



次のようになった。

・腰ひもを引かれてから反応するまでの時間にグループ間のあきらかな差はなく、自発的に踏み出すよりも速かった。

・脳卒中患者の踏み出し速度はおそく、歩幅はせまかった。

・脳卒中患者のBTLは低く、medial step(内側へのステップ)がおおかった。

両グループともにバランスのくずれへの反応は速かった。脳卒中患者の踏み出しは遅く狭かった。おおくの場合 負荷のかかっていない足を内側へ踏み出していた。これは続く外側への踏み出しに要する大腿関節のトルクを軽減させるためと考えられた、


というおはなし。
図:medial step内側へのステップ



感想:

ついさいきん転んだ↓ので関心をもった。
退院後なんども転ぶ患者の割合と特徴

2019年5月15日

こんな人がアスピリンで脳内出血 JAMA Neurol.


Frequency of Intracranial Hemorrhage With Low-Dose Aspirin in Individuals Without Symptomatic Cardiovascular Disease- A Systematic Review and Meta-analysis
2019  5月  台湾

心筋梗塞や脳梗塞の再発予防にアスピリンは期待されている。しかし1次予防効果については出血のリスクが予防効果を上回るとする報告がすくなくない。

とくに頭蓋内での出血は死亡率が高く深刻である。

頭蓋内出血には、脳内出血、くも膜下出血、硬膜下と硬膜外の出血がある。これら種類別のメタアナリシスは無いので最新の報告も含めてくわしくしらべてみたそうな。



冠動脈疾患や脳卒中、末梢動脈疾患のない者への低用量アスピリンの効果について1966-2018のランダム化比較試験を厳選し、
データを統合再解析して、頭蓋内出血のリスクを評価したところ、



次のようになった。

・被験者134446人を含む13のアスピリンの1次予防効果についてのランダム化比較試験がみつかった。

・アスピリン使用者の頭蓋内出血リスクは非使用者の1.37倍だった。

・とくに、硬膜下 硬膜外出血のリスクが脳内出血やくも膜下出血よりも高かった。

・アスピリンによって脳内出血をおこしやすい特徴はアジア人や低BMIの者だった。

1次予防目的のアスピリンの使用は頭蓋内出血リスクの上昇と関連していた。とくにアジア人または低BMIだと脳内出血リスクが高かった、


というおはなし。

図:アスピリンで頭蓋内出血



感想:

アジア人データは日本のものなので、やせた日本人はとくに注意。

「血液サラサラ」とは血管の外にサラサラと流れ出るの意味のようだ。
NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *