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2025年12月11日

アスピリンも、代替薬も効かない?再発予防“サラサラ薬”治療の限界が露わに

2025  12月  アメリカ


アスピリンをきちんと飲んでいたのに脳梗塞を起こしてしまう人は少なくない。このような場合、医療現場では「アスピリンが効かなかったのなら、別の抗血栓薬に変えたほうがよいのではないか」という考え方が一般的である。

しかし、薬を変えることで本当に再発が減るのかについては、これまで十分に整理されていなかった。

そこで、この疑問に答えるため、アスピリン内服中に脳梗塞を発症した患者で薬剤変更がどれほど意味を持つのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月10日

アルテプラーゼ神話の崩壊:低用量でも止まらない“出血リスク”の現実

2025  10月  中国


アルテプラーゼ(rt-PA)は、脳梗塞の発作が起きた直後に血栓を溶かすための薬として使われている。
世界のガイドラインでは0.9 mg/kgの標準用量が推奨されているが、この量では脳出血を起こす危険があることが知られている。

特にアジア人は体格や血管の特徴が欧米人と異なるため、0.6 mg/kgという「低用量」での治療が安全ではないかという考えが広まってきた。
しかし、実際の医療現場で低用量がどのように使われているのか、また結果がどう違うのかについては、はっきりした答えがなかった。

そこで、病院での実際の治療データを使い、低用量と標準用量のどちらがどのような患者に使われ、結果がどう違うのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月4日

「血栓を溶かせば救われる」は嘘だった──テネクテプラーゼ神話の崩壊

2025  10月  カナダ


軽い脳梗塞の患者に対して、血栓を溶かす薬を使うべきかどうかは、長く議論されてきたテーマである。

特に、言葉が出にくい、手足が少し動かしにくいといった、生活に支障のある症状(いわゆる「障害」)を持つ場合には、治療で回復が見込めるのではないかという期待があった。

そこで、軽症であっても障害のある人に、テネクテプラーゼ(tenecteplase)という血栓溶解薬を使う意味があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月30日

「再発予防」のはずが致命傷に ダプトが突きつける脳出血の現実

2025  10月  デンマーク


抗血小板薬(PT)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐための薬である。
このうち、2種類を併用するDAPT(Dual Antiplatelet Therapy)は効果が高いとされ、心臓病や脳梗塞後に広く使われてきた。

しかし、PTは脳出血(ICH)を起こす危険性もある。
特にDAPTでは出血の重症化が指摘されており、発症後の死亡率を上げる可能性がある。

過去の研究は小規模にとどまり、全国規模での実態は十分に分かっていなかった。
そこで、DAPTの使用歴が脳出血後の死亡にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月26日

ナインズ神話の崩壊――アルテプラーゼは0〜3時間でもダプトに敗れた

2025  10月  中国


脳梗塞のうち、軽症(NIHSSスコアが5以下)とされるタイプは全体の半分以上を占めるが、実際にはその後の経過で3人に1人が生活に支障を残すことが知られている。

この軽症群に対して、アルテプラーゼ(tPA)による血栓溶解療法が本当に有効なのかについては、いまも議論が多い。

一方で、アスピリンとクロピドグレルを併用する二重抗血小板療法(DAPT)は、CHANCE試験やPOINT試験で再発予防に効果があると報告されており、ARAMIS試験では軽症脳梗塞においてアルテプラーゼに劣らないとされた。

しかし、発症から治療までの時間(onset-to-treatment time:OTT)がこの治療効果にどのように関係するのかは明らかでなかった。
そこで、ARAMIS試験のデータを用い、DAPTとアルテプラーゼの効果がOTTによってどう変化するのか、特に早期神経悪化(END)との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月15日

絞め技の一週間後、脳が沈黙した──若者を襲った“見えない解離”

2025  9月  オーストラリア


若い世代の脳卒中の原因には、動脈硬化ではなく頸動脈や椎骨動脈の“解離”が関わっていることが多い。

この動脈解離は、交通事故のような大きな外傷だけでなく、スポーツ中のちょっとした首のねじれや圧迫からも起こることがある。
とくにブラジリアン柔術(BJJ)の絞め技(chokehold)は、頸動脈に強い力が加わる動作であり、解離のリスクがあると以前から言われてきた。
「絞め技がどのように頸動脈を傷つけうるのか」を明らかにした貴重な症例がみつかったそうな。

2025年10月8日

サラサラ薬ダブルで出血2倍、しかも日本人に効果なし

2025  10月  日本


脳梗塞の患者の中には、心房細動(しんぼうさいどう)と動脈硬化を両方もっている人が少なくない。

こうした人は、心臓の中にも血管の壁にも血のかたまり(血栓)ができやすく、再発の危険がとても高い。

心房細動には抗凝固薬(こうぎょうこやく)が必要であり、動脈硬化には抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)が使われる。
そのため、「両方の薬を使えば、もっとしっかり血栓を防げるのではないか」と考えられてきた。

一方で、「出血が増えて危ないのでは」という意見もあり、どちらが正しいのかははっきりしていなかった。
そこで、日本人を対象に、より安全な治療をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月3日

脳梗塞を防いだはずが…サラサラ薬が招く“出血地獄”

2025  10月  アメリカ


慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)は、高齢者に多くみられる病気である。頭の中にじわじわ血がたまって脳を圧迫し、物忘れや歩行のふらつき、認知症に似た症状を起こすことがある。

その大きな原因のひとつが、脳梗塞や心臓病の予防に使われる「血液サラサラ薬(抗血栓薬=AT)」である。こうした薬は必要な人には大切だが、本当に必要かどうか曖昧なまま処方され続けている場合もある。

そこで、慢性硬膜下血腫で治療を受けた人の中で「不要な抗血栓薬」がどれくらい使われていたのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月24日

祭りのノリが命を削る? 神輿と脳卒中の危険な関係

2025  9月  日本


頸動脈解離(けいどうみゃくかいり)は、首の血管が傷つくことで起きる病気で、若い人でも脳梗塞の原因になることがある。

多くは交通事故やスポーツのケガで見られるが、今回、日本の伝統行事である「神輿(みこし)担ぎ」によって起きた非常に珍しい症例がみつかったそうな。

2025年9月19日

「深部は減り、表層が増える」逆転現象:日本の脳内出血30年

2025  9月  日本


脳内出血は、命にかかわり後遺症をもたらす危険な病気である。そのため「どのくらい発症しているのか」を長い目で見て調べることは、とても大事である。

さらに、出血する場所によって原因や治療の仕方がちがうため、「どの部位でどれくらい起きているか」を知ることも予防や治療の手がかりになる。

これまで日本の研究では脳卒中全体の動向は報告されてきたが、脳内出血を出血部位ごとに細かく追った研究は少なかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月26日

脳卒中経験者は“薬漬け”!?──減薬で命と生活を守る新常識【ポリファーマシー研究からの警告】

2025  8月  アメリカ


脳卒中を経験した高齢の人は、多くの薬を同時に飲む「ポリファーマシー」になりやすい。薬が増えると、副作用や飲み合わせによるトラブルが起こりやすくなり、転倒や認知機能の低下、入院のリスクも高まることが知られている。

こうした問題を避けるために「減薬(デプリスクリプション)」という考え方が広がってきたが、実際に脳卒中を経験した人が減薬についてどう感じているのかは、まだはっきりしていなかった。その実態をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月24日

血管内治療の幻想崩壊──ステントもバルーンも“危険装置”だった

2025  8月  ヨルダン
   

脳の動脈が動脈硬化で細くなる「頭蓋内動脈狭窄(sICAS)」は、脳梗塞の再発リスクが高い重大な病態である。
これまで「血管内治療(カテーテルで広げればよい)」という考え方が根強くあり、とくにステントやバルーンによる治療は“未来の標準”と期待されてきた。

しかし一方で、薬だけの治療(抗血小板薬や生活習慣管理)でも十分に再発を防げるという報告が増えつつあった。

本当に血管内治療は有効なのか──その真偽を確かめるため、メタ解析をこころみたそうな。

2025年7月25日

クロピドグレルでは脳卒中は防げない──日本人に効かない理由

2025  7月  中国


クロピドグレルとアスピリンは、脳卒中や心臓の病気を防ぐためによく使われている薬である。特にクロピドグレルは、アスピリンが使えない人(胃に負担がある人やアレルギーのある人など)に代わりとして処方されることが多い。

しかし、アジア人では、体質的にクロピドグレルがうまく効かない「薬剤抵抗性」があることが知られている。

本当にアスピリンの代わりになるのか、その効果とリスクを、アメリカの健康調査データを使ってくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月6日

血をサラサラにしても意味がない?──ESUS脳梗塞に抗凝固薬はほとんど無力だった現実

2025  7月  アメリカ


原因不明の塞栓性脳卒中(ESUS)は、いろいろな原因で血のかたまりが飛んできて起こる脳梗塞であるが、どの薬が効くのかははっきりしていない。

最近の大きな研究では、抗凝固薬が抗血小板薬より特に優れているという結果は出ていなかった。

そこで、現実の医療現場のデータを使って、ESUSの患者に対して抗血小板薬と抗凝固薬のどちらが良いのかを、考えられる原因ごとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月29日

軽い脳梗塞にメスを入れた結果──治療で悪化する日本人患者たち

2025  4月  日本


軽症(NIHSS≤5)の急性虚血性脳卒中(AIS)に対する血管内治療(EVT)の効果と安全性は、依然として明確なエビデンスが不足している。

特に、EVT施行後にみられる早期神経学的悪化(END)の臨床的意義については十分に検討されていない。軽症患者では、自然経過での回復が期待できる一方、治療介入に伴うリスクが無視できず、適応判断が難しい。

そこで、軽症AIS患者に対するEVT後のEND発生率、リスク因子、ならびにその予後への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月27日

鉄欠乏が静かに血管を殺す──若年脳梗塞の新たな犯人

2025  4月  アメリカ


鉄欠乏性貧血(Iron Deficiency Anemia, IDA)は、世界でもっとも多い栄養不足の病気であり、特に若い女性や子どもに多く見られる。

これまで、IDAは子どもにおける脳梗塞リスクと関係していることがわかっていたが、若い大人については小さな報告しかなく、はっきりとした証拠はなかった。

脳卒中は高齢者の病気と思われがちだが、若い人にも脳梗塞は起きており、その原因を明らかにすることが求められていたのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月11日

診断5倍増の真相!頸動脈解離は病気か、それとも見つけすぎか

2025  4月  アメリカ


頸動脈解離(cervical artery dissection: CeAD)は、特に55歳未満の若い人にとって、脳の血管が詰まるタイプの脳卒中(虚血性脳卒中)の原因としてよく知られている。

ただし、CeADがどのくらいの頻度で起きているのか、またその後に脳卒中を起こす危険性については、はっきりとしたデータが少なかった。

そこで、アメリカでCeADの入院がどのように増えているのか、またCeADになった人がどのくらい脳卒中を起こしやすいのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年3月19日

脳卒中治療の現実:家族が即決しない理由とは?

2025  3月  中国


急性脳梗塞に対する血栓溶解療法(tPA)は、発症後できるだけ早く投与することで効果が最大化される。しかし、患者本人が意思決定できない場合、家族が治療の承諾をする必要がある。

この際、家族が決断を遅らせることがあり、貴重な時間を失うことがある。特に中国では家族全体での意思決定が一般的であり、その背景にはどのような要因があるのか明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年3月12日

脳外科医が多いほうが安心…本当に?」—脳卒中治療の知られざる真実

2025  3月 韓国


脳卒中は世界的に主要な死因の一つであり、高齢化社会においてその発生率が高まっている。脳卒中の治療においては、迅速な対応が予後を大きく左右する。

特に、神経外科医の数が治療の選択にどのような影響を与えるのかは十分に解明されていないので、急性脳卒中患者の治療選択における神経外科医の人数の影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年1月23日

日本人へ警告!サラサラ薬の新常識、用量は半分が正解?

2025  1月  中国


脳卒中の再発予防には、抗血小板薬の使用が重要だ。しかし、抗血小板薬は血栓を防ぐ効果がある一方で、出血リスクを伴う。

このバランスをどう取るかは、脳卒中経験者にとって大きな課題である。

そこで、低用量の抗血小板薬が標準用量と比較してどのような効果やリスクがあるのかをメタ解析でくわしくしらべてみたそうな。

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