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2025年9月15日

変人の集い? それとも新しい支援の形? 脳卒中サバイバーがSNSで見せる素顔

2025  9月  スウェーデン


脳卒中は突然生活を変えてしまい、身体の動きだけでなく気持ちや人とのつながりにも大きな影響を与える。とくに働き盛りや子育て世代の人にとっては、役割を失ったり孤独を感じたりしやすい。

近年、同じ経験をした人どうしがSNSなどで支え合う場が広がっているが、そこでどのように体験が語られ、「自分らしさ」が作り直されているのかはあまり知られていないので、くわしくしらべてみたそうな。

2025年7月21日

音楽療法と脳卒中リハビリ – 聴く音楽がもたらす驚きの回復効果

脳卒中からのリハビリテーションに「音楽療法」が注目されています。音楽療法(特に音楽を聴くリスニング療法)は、クラシック音楽や自然音、患者さんの好きな曲、さらにはバイノウラルビートなど幅広い音を活用し、脳と心身にポジティブな刺激を与えるアプローチです。実は近年の医学論文で、音楽を取り入れることで運動機能や認知機能の回復、感情面の安定、睡眠の質向上、疼痛(痛み)緩和など様々な効果が報告されています。ここではエビデンスに基づき、音楽療法が脳卒中患者にもたらす驚きの効果を前向きな論調で解説します。


聴く音楽療法



運動機能の改善 – リズミカルな音楽がまひした手足の動きを引き出し、歩行やバランスの向上に役立つ可能性があります。

認知機能の向上 – お気に入りの音楽を聴くことで記憶力や注意力が回復し、さらには言葉のリハビリにもつながることが示されています。

感情・心理面への効果 – 音楽は気分を高揚させ、うつ症状や不安を軽減します。リハビリの意欲向上やストレス緩和にも有効です。

睡眠の質改善 – 穏やかな音楽や自然音は寝つきを良くし、深い睡眠を促進します。睡眠障害に悩む脳卒中患者さんの安眠ケアとして期待されています。

疼痛緩和 – 心地よい音楽に集中することで痛みの知覚が和らぐ可能性が報告されています。痛みや緊張を音で紛らわせる効果です。

それでは、各効果について医学研究の結果を詳しく見ていきましょう。

脳卒中リハビリに音楽療法が注目される理由

脳卒中後の後遺症には麻痺や言語障害、認知障害、感情面の不調など多岐にわたります。リハビリ初期の急性期から回復期・慢性期まで、音楽療法は各段階で患者を支える「隠れた名脇役」になり得ます。医学的な視点で見ると、音楽を聴くことは脳にとって豊かな刺激です。音楽を聴くと人間の脳では、注意・記憶・運動・情動処理に関わる広範なネットワークが左右両半球で活性化されます。また音楽刺激はドーパミン系を介して快感や意欲を高め、感情や認知機能を向上させることも知られています。こうした科学的知見が背景にあり、「音楽の力で脳を再活性化しよう」という発想が脳卒中リハビリに取り入れられてきたのです。

さらに音楽療法は安全で安価かつ取り組みやすいという利点もあります。フィンランドのヘルシンキ大学の研究者サルカモら(2008年)は「脳卒中直後の早期リハビリ期間に音楽を日常的に聴くことは、他の積極的リハビリが難しい時期でも手軽に導入でき、患者の認知面・感情面の回復を促す有用な方法」だと述べています。実際、入院中の患者さんはリハビリの合間、多くの時間をベッド上で過ごしがちですが、その“空白の時間”に音楽を聴くことで脳に刺激を与え、回復を後押しできるわけです。このように、音楽療法は従来のリハビリを置き換えるものではなく「価値あるプラスアルファ」として注目されています。

音楽療法の種類:クラシックから自然音・バイノウラルビートまで

一口に音楽療法と言っても、そのアプローチはさまざまです。ここでは脳卒中患者に用いられている主な「聴く音楽療法」の種類と特徴を紹介します。

クラシック音楽 – モーツァルトやバッハなどクラシックは研究で用いられる代表格です。クラシック音楽は構造が安定しておりリラックス効果も高いため、注意力や空間認知を改善する目的で使われます。実際、クラシック音楽を流すと空間の片側を見落とす半側空間無視の患者で視覚注意が向上したとの報告があります。静かなクラシックは心拍を落ち着け、不安軽減にもつながります。

自然音・環境音 – 小川のせせらぎ、波の音、鳥のさえずりなどの自然音は、まるで森林浴をしているようなリラックス効果を生みます。病院や自宅で環境音楽を流すことで、ストレスホルモンを抑えリラックス状態を促進する取り組みもあります。直接の医学論文は多くありませんが、不眠や不安の軽減目的で自然音を用いる療法も実践されています。心が安らぐ環境音は、脳卒中後の睡眠環境の改善や情緒安定に貢献すると期待されています。

好きな音楽(患者の選曲) – 患者さん本人が「これが聴きたい!」と思う曲こそ最高の音楽療法です。ジャンルはポップスでも演歌でもジャズでも構いません。実際の研究でも、患者が自分で選んだお気に入りの音楽を毎日聴いてもらう方法が取られています。ヘルシンキ大学の研究ではポップ、クラシック、ジャズ、フォークなど本人の好みに合わせた曲を自由に聴いてもらいました。好きな曲は脳の報酬系を強く刺激し、やる気や快感情を引き出すため、リハビリ効果を高めるエンジンになってくれます。

バイノウラルビート – 左右の耳にわずかに異なる周波数の音を聴かせると、脳内でその差周波数に同調した音が知覚されます。これをバイノウラルビートといい、近年脳波や認知機能への影響が研究され始めました。あるパイロット研究(2025年)では、バイノウラルビートを聴いた脳卒中患者で前頭前野の脳活動が一時的に高まり、神経系の反応性が改善する可能性が示唆されています。まだ予備的な段階ですが、脳を直接「周波数でマッサージする」ようなユニークな試みとして注目されています。

このように、音楽療法と一口に言っても癒やしのクラシックから自然音、モチベーションを上げる大好きな曲、新しい音響技術まで多彩です。患者さん一人ひとりに合った音を選ぶことで、その効果を最大限に引き出すことができます。

運動機能の改善:リズムと音が身体を動かす

脳卒中後の麻痺した手足の機能回復に、音楽が力を発揮します。特にリズムは運動機能リハビリの強い味方です。例えば、音楽に合わせて歩行訓練を行うリズミック・オーディトリ・ステimulation(RAS, リズム聴覚刺激)は、歩幅や歩行速度、バランス能力の改善に有効であるとするメタ分析結果があります。あるレビュー研究では、RASによって歩行機能やバランス機能が有意に向上したと結論づけています。

また、音楽に合わせた運動療法(Music-Supported Therapy)も注目されています。これは楽器演奏やリズムに乗せた動作練習など音楽を積極的に用いるリハビリで、上肢機能の改善に効果があると報告されています。実際、10件の臨床試験(計358名)を統合した系統的レビューでは、音楽を取り入れたリハビリ群は通常リハビリ群に比べ、指先の巧緻動作テスト(ボックス&ブロックテスト)の成績が有意に向上し(効果量SMD=0.64)、上肢全体の運動機能でも有意な改善傾向が見られました。さらに、2件の試験では歩行の歩幅が伸び、歩行速度も向上するなど、下肢を含めた全体的な運動機能にも音楽療法が良い影響を及ぼしています。

音楽が運動機能に効く理由の一つは、「楽しいからたくさん動いてしまう」点にあります。曲に合わせて身体を動かすことで苦しいリハビリ訓練も遊びのように継続できます。また、楽器を使う場合、自分の動きがそのまま音になって返ってくる即時フィードバックが得られます。たとえば、麻痺した腕でもタンバリンを叩けば音が鳴り、小さく動かせただけでも達成感があります。国立長寿医療研究センターの佐藤正之氏も「楽器を用いた訓練では、運動の結果が音としてリアルタイムに返る利点が大きい」と述べています。この達成感や喜びが脳内報酬系を刺激し、さらなるリハビリ意欲や神経回路の活性化につながると考えられます。

ポイントは患者さんが楽しめるリズムや曲を選ぶことです。アップテンポの行進曲に合わせて足踏みしたり、ゆったりしたワルツに乗って腕を動かしたりと、音楽はトレーナーでありパートナーです。音の波に乗ることで、「麻痺した足が自然と前に出た!」という喜びを引き出し、身体の再学習を促すーーそれが音楽療法の持つ力なのです。

認知機能の向上:音楽刺激で脳を活性化

音楽は脳の認知機能(記憶や注意、言語など)にも良い影響を与えます。特に脳卒中の急性期から回復期において、意識がはっきりしている患者さんには積極的に音楽を聴いてもらうことで認知面の回復を早めるエビデンスがあります。フィンランドのヘルシンキ大学病院で行われた有名な研究(サルカモら、Brain誌2008年)では、脳卒中後すぐの患者60名を対象に毎日音楽を「聴く」グループ、オーディオブックを聴くグループ、何も聴かないグループに分け経過を追いました。その結果、3か月後に音楽を聴いたグループは、何もしなかったグループに比べて言語記憶(言葉の記憶)が大幅に改善し、その改善率は発症直後から約60%もアップしました(対照群は29%の改善)。また注意力(選択的注意)も音楽群のみ有意に向上し、オーディオブック群や対照群では改善が見られなかったのです。驚くべきことに、この差は6か月後の追跡調査でも維持されていました。研究チームは「これほど顕著な認知機能の差は日常的に音楽を聴いた効果によるもの**だ」と結論づけています。

音楽はまた、脳の「注意を向ける」力を引き出すことも示されています。右脳梗塞で左側への注意が弱くなる「半側空間無視」の患者16名を対象にした実験では、クラシック音楽を流しながら課題を行うと、何も音がない時より課題成績が向上しました。逆に不快なノイズを流すと成績が悪化し、静寂時が最も悪い結果に。多くの患者さんで音楽により覚醒度や注意喚起レベルが上がったと自己報告されており、心地よい音が脳の注意ネットワークを活性化する可能性が示唆されています。これは音楽が持つ覚醒効果・気分調整効果のおかげで、脳が刺激され集中しやすくなるためと考えられます。

さらに、音楽は言語能力の回復にも役立ちます。脳卒中後に言葉が出にくくなる失語症に対して、メロディック・イントネーション・セラピー(MIT、メロディーに乗せて発語を促す療法)が有名です。患者に簡単なフレーズをメロディに合わせて歌わせるこの方法で、残存する右脳のネットワークを活用して言語中枢を再訓練できるとされています。実際、ブローカ失語の患者で歌唱訓練により日常会話フレーズの発話が改善したとの報告もあり、音楽が「言葉を取り戻す橋渡し」となるケースもあるのです。

このように、音楽を聴くことは記憶や注意、言語といった高次脳機能へのセラピーにもなり得ます。脳卒中によるダメージからの回復には脳の可塑性(神経のつなぎ替え)が重要ですが、音楽は脳の多領域を同時に刺激してネットワーク再編を促すため、認知機能のリハビリ効果を高める理にかなったツールなのです。

感情・心理面への効果:音楽が心に与える癒しと活力

音楽の持つ心への癒し効果は、誰もが一度は実感したことがあるでしょう。脳卒中後は身体機能の障害だけでなく、うつ病や不安、意欲低下など心理面の課題も生じやすくなります。そんな時、音楽療法が心の処方箋として寄与するエビデンスが続々と報告されています。

まず、前述のフィンランドの研究(2008年)では、毎日音楽を聴いていたグループは対照群に比べて抑うつ気分や混乱が少なく、ポジティブな気分を保てたことが示されました。音楽を聴かなかった患者では落ち込みがちだったのに対し、好きな曲を聴いていた患者は「音楽に励まされ前向きな気分になれた」と自己報告しています。音楽には気持ちを明るく切り替える力があるのです。

さらに注目すべきは、音楽療法が臨床的なうつ症状を有意に軽減するという大規模な分析結果です。中国の研究チームが行った最新のメタ分析(2025年、対象2776人のRCT37件統合)によると、音楽療法介入を受けた脳卒中後うつ(PSD)患者は通常ケアのみの患者に比べ、うつ病評価スコア(HAM-D)がおよそ5ポイント改善し、不安評価スコアも大きく低下しました。加えて日常生活動作(ADL)の自立度が向上し、神経学的後遺症の程度も有意に改善しています。興味深いことに、生化学的指標では脳内のセロトニン(5-HT)濃度が有意に上昇しており、音楽療法が脳の幸せホルモンを増やすことで気分改善につながっている可能性があります。研究者らは「音楽療法は脳卒中後うつ病の抑うつ症状、ADL、神経機能、そしてセロトニンレベルを有意に改善する臨床的有効性が示された」と結論づけています。

また、他の研究でも、楽器演奏を取り入れた音楽療法で患者の抑うつスコアが低下し、自己評価の生活の質が向上したとの報告があります。音楽そのものに即効性のリラックス効果・高揚効果がある上、音楽療法セッションに参加することで「自分も積極的に何かできた」という達成感や社会交流が得られる点も、心理的安定につながります。

このように音楽は、うつや不安を和らげ、前向きな気持ちを呼び起こす強力なツールです。不安なときに好きな曲を聴くとホッとしたり、落ち込んだ日に明るい音楽で元気が出たりする――その延長線上に、医学的にも証明された音楽療法の効果があります。「心に効くリハビリ」として音楽を活用することで、患者さんのメンタルヘルスと意欲向上をしっかり支えていけるのです。

睡眠の質改善:穏やかな音で安眠サポート

脳卒中後、入院中や在宅療養中に不眠や睡眠障害に悩まされる方も少なくありません。夜間の痛みや不安、環境の変化、脳の損傷による睡眠リズムの乱れなど、原因は様々ですが、質の良い睡眠は脳の回復にとって不可欠です。そこで役立つのが音楽による安眠サポートです。

音楽のリラックス効果を睡眠に応用した研究は多数あり、総合すると音楽療法は主観的な睡眠の質を有意に改善することがわかっています。2025年のレビュー研究では、異なる手法の27研究を分析し、寝る前の音楽療法が入眠を早め、眠りの深さなど主観的睡眠の質を向上させたことが確認されました。特に音楽が不眠に効く理由は、音楽を聴くことで不安が和らぎ気分が落ち着くためです。ゆったりした曲調の音楽は副交感神経を優位にし、心拍や呼吸を穏やかに整えるため、心身が睡眠モードに入りやすくなります。

脳卒中患者さんの場合も、例えば就寝前に穏やかなクラシック音楽や自然音を静かに流すことで、病院の消灯後の不安感を軽減したり、在宅での夜間トイレ後の入眠をスムーズにしたりといった効果が期待できます。実際、脳卒中リハビリ病棟で環境音楽を取り入れた取り組みでは「音楽を流すようにしたら夜間せん妄が減り、みなよく眠れるようになった」との声もあります(※看護ケアの報告事例)。

もっとも、音楽による睡眠効果は個人差も大きく、「この曲を聴けば誰でも熟睡」といった万能薬ではありません。音楽選びは人それぞれ好みがありますので、本人が心地よいと感じる音を選ぶのが大原則です。ある人には波音が安らぎを与える一方、別の人にはピアノ曲が安心感をもたらすかもしれません。大切なのは「聴いていて不快でないこと」。リラックスできる音に身を委ねることで、緊張がほぐれスムーズな眠りにつながるでしょう。

睡眠は脳の回復時間。その質を高める手段として、副作用のない音楽という安眠薬をぜひ活用したいですね。

疼痛緩和:音による痛みの軽減効果に期待

音楽には痛みを和らげる不思議な力もあります。脳卒中そのものによる中枢痛や、麻痺に伴う肩の痛み・関節痛、長期臥床による腰痛など、患者さんが抱える痛みは様々です。痛みがあるとリハビリ意欲も下がりがちですが、そこでも音楽療法が助けになる可能性があります。

研究によれば、音楽を聴くことで痛みの知覚や痛みに対する耐性が変化します。たとえば手術後の疼痛や慢性痛の患者で、好きな音楽を聴かせると痛みスコアが低下したという報告が多数あります。脳卒中リハビリ領域でのエビデンスは限定的ですが、カナダのストロークエンジン(脳卒中リハ情報データベース)は「音楽療法は脳卒中後の痛みの知覚を改善する可能性が示唆されている」と述べています。

音楽による疼痛緩和のメカニズムは完全には解明されていませんが、有力な説として注意のそらし効果があります。好きな音楽に聴き入っている間は痛みから意識がそれるため、痛みを感じにくくなるのです。特に歌詞のある歌や思わず口ずさみたくなる曲は、痛みへの注意を逸らすのに有効でしょう。また音楽によってリラックスし筋緊張がほぐれることで、筋肉や関節の痛みそのものが軽減するケースもあります。

脳卒中患者さんではありませんが、ある研究で心臓手術後の患者に小川のせせらぎ音を聞かせたところ、痛み止めの使用量が減ったとの報告もあります。自然音やヒーリング音楽による穏やかな環境は、痛みに伴うストレス反応(血圧上昇や心拍数増加)を抑え、痛みの悪循環を断つ助けとなるのでしょう。

以上のように、音楽療法は「痛みと上手に付き合う」一手段としても有望です。痛みが強いときこそお気に入りの曲で気を紛らわせ、リラックスする習慣を取り入れてみると良いかもしれません。薬と違って副作用は一切なく、むしろ心まで軽くしてくれる点が音楽療法の魅力です。

音楽療法を取り入れる上でのポイントとまとめ

音楽療法は脳卒中からの回復を多方面でサポートする、有望なリハビリ手法です。急性期の意識がある段階から慢性期の在宅生活まで、音楽は常に寄り添い、脳と心と体に働きかけてくれます。病院でのリハビリ期間は通常6ヶ月程度で終了しますが、その後の慢性期の在宅における機能維持・向上に音楽療法が果たす役割は大きいと専門家も指摘しています。

最後に、音楽療法を上手に活用するためのポイントと本記事のまとめを述べます。

好きな音楽を毎日の習慣に: 科学的エビデンスからも、本人が好きな曲を繰り返し聴くことが最も効果的です。通院途中やリハビリ前後のリラックスタイムに、お気に入りの音楽をイヤホンで聴く習慣をつけてみましょう。気分が上がり、脳も活性化してリハビリ効率が高まります。

目的に合わせて音楽を選ぶ: 就寝前はゆったりした曲や自然音、運動リハビリ時はテンポの良い曲、といったように目的にフィットする音を選びましょう。たとえば歩行訓練ではリズミカルな曲で足運びがスムーズになり、注意訓練ではハッピーな音楽で集中力が増すとの報告もあります。音楽の「処方箋」を使い分ける感覚です。

専門家の助言を活用: 音楽療法士がいる場合はぜひ相談を。専門家は患者さんの状態に合った音楽やアクティビティ(歌唱や楽器演奏なども含む)を提案してくれます。グループ音楽療法なら仲間と一緒に歌ったり演奏したりする楽しさで孤独感も薄れ、社会的交流がリハビリ意欲につながります。音楽療法士不在でも、リハスタッフに音楽の活用を相談すれば何らかの形で取り入れてもらえるでしょう。

無理のない範囲で楽しく: 音楽療法のモットーは「Enjoy!(楽しもう!)」です。決して「毎日◯時間聴かなきゃ」と義務に感じる必要はありません。調子が悪い日は小鳥のさえずりを5分聞くだけでもOK。心地よく感じる範囲で、長く続けることが大切です。

最後に強調したいのは、音楽の力は想像以上だということです。記憶を呼び覚まし、足を前に踏み出させ、心に灯をともす音楽は、まさに脳卒中リハビリの名脇役と言えるでしょう。医学論文の裏付けも年々増え、音楽療法はエビデンスに基づく補完療法として確立されつつあります。ぜひ日々のリハビリに音楽を取り入れてみてください。好きな音楽とともにリハビリに取り組めば、きっと脳も体もいつもより元気に応えてくれるはずです。

参考文献

Särkämö T. et al., Brain, 2008 – Music listening activates broad bilateral brain networks (attention, memory, motor, emotion) and enhances cognitive & emotional functions.

Särkämö T. et al., Brain, 2008 – Early post-stroke daily music listening improved verbal memory and focused attention more than audiobooks or no input, and prevented depressed mood.

Zhao J. et al., Scientific Reports, 2016 – Meta-analysis: Music-supported therapy significantly improved fine motor skills (Box and Block test) and showed positive trends in overall motor function in stroke patients.

Wang L. et al., Frontiers in Neuroscience, 2022 – Systematic review: Rhythmic auditory stimulation improved gait parameters, walking function, and balance in individuals with stroke.

Särkämö T. et al., Brain, 2008 – Music listeners had approximately 60% improvement in verbal memory versus 18–29% in others at 3 months, and reported less depression and confusion.

Tsai P-L. et al., American Journal of Occupational Therapy, 2013 – Listening to classical music improved visual attention in stroke patients with unilateral neglect compared to silence or noise.

Li Y. et al., Medicine (Baltimore), 2025 – Meta-analysis of 37 randomized controlled trials: Music therapy in post-stroke depression significantly reduced depression, anxiety, improved activities of daily living, reduced neurological deficits, and increased serotonin levels.

Gou D. et al., Frontiers in Psychology, 2025 – Meta-narrative review: Music therapy significantly improves subjective sleep quality by reducing anxiety and regulating mood, though effects on objective sleep measures are inconclusive.

Zhong Y-T. et al., Medicine, 2025 – Pilot EEG study: In stroke patients, binaural beats stimulation enhanced prefrontal cortex activity and may improve nervous system responsiveness.

佐藤正之, 音楽医療研究, 2024 – 楽器を用いた音楽訓練は運動結果が音として即時にフィードバックされ、慢性期在宅リハビリに有用である。

StrokEngine, Music Therapy, 2017 – Review suggests limited evidence that music therapy can improve arm movement, walking, pain perception, mood, and behavior after stroke.

StrokEngine, Music Therapy – Melodic Intonation Therapy (singing phrases with rhythm) has been shown to improve language and aphasia outcomes in stroke patients.



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脳卒中のあと、心まで壊れていませんか?──孤独を癒すのは“家族の力”だった

2025  5月  中国


高齢者が脳卒中を経験したあと、孤独を感じることが多く、それが心の健康や回復に悪影響を及ぼすことがわかってきている。

脳卒中は体の動きだけでなく、まわりの人とのつながりや気持ちの面でも大きな影響を与える。

そこで、家族がどれだけうまく協力しながら困難に対応できるか(=家族レジリエンス)が、孤独を減らすうえでどんな役割を果たしているのか、あわせて社会的な支えや家族のまとまり、前向きな気持ち(心理的資本)との関係もくわしくしらべてみたそうな。

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「もう昔の自分には戻れない」──脳卒中患者が語る“生き直し”のリアル

2025  5月  オランダ


脳卒中を経験すると、身体的障害のみならず、心理的・社会的側面にも多大な影響が生じる。しかしながら、現在の医療現場では身体機能のリハビリテーションが中心であり、心理的サポートは後回しにされがちである。

個々人により異なる回復の道筋に即したケアの必要性が叫ばれているにもかかわらず、それに即した実践は乏しい。

そこで、「脳卒中後、人はどのようにして人生を再構築していくのか」を、患者自身の語りをもとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年2月3日

若年脳卒中サバイバーの現実!リハビリ成功の鍵と落とし穴

2025  1月  イギリス


脳卒中は高齢者に多い病気とされるが、18~45歳の若年成人でも発症することがある。

若年者は、就労や家庭生活、社会的役割を持つことが多いため、脳卒中後のリハビリには特有の課題がある。しかし、現在のリハビリプログラムは主に高齢者向けに設計されており、若年者のニーズに十分応えられていないのが実情だ。

そこで、若年脳卒中サバイバーのリハビリ経験を包括的に分析した研究をもとに、ポジティブな成果と直面する困難を整理し、若年者向けのリハビリのあり方をくわしく探ってみたそうな。

2024年12月25日

脳卒中後の悲しみ、孤独、失望を断ち切る!注意を払うだけで感情をリセットする方法

2024  12月  カナダ


脳卒中後は感情調整が困難になる。脳の損傷が感情をコントロールする能力を低下させ、ネガティブな感情(悲しみ、孤独、失望)が長く持続しやすくなる。

このような課題に対し、マインドフルネスと呼ばれる実践が感情調整に効果を持つことが知られているが、脳卒中経験者における効果については十分に研究されていなかった。

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2024年10月19日

失語症患者の孤独が限界突破?脳卒中後に迫る精神崩壊の危機!

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脳卒中後の失語症は、言語能力に多大な影響を与えるだけでなく、患者の内的な精神状態にも深刻な負荷をかける。

言葉が出ない、思いを伝えられない状況で、日常的なフラストレーションや孤立感が増大し、多くの失語症患者は常に「ギリギリ」の精神状態にある。

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孤独が蝕む命!脳卒中リスクが56%も増大する驚きの事実

2024  6月  アメリカ


近年、孤独感が健康に与える影響が注目されており、特に脳卒中のリスク要因として重要視されている。

しかし、「孤独」と「社会的孤立」は異なる概念である。社会的孤立は人との接触が少ない状態を指し、孤独感は人間関係の質に対する主観的な感情である。

そこで、孤独感が脳卒中リスクにどのように影響を与えるかを、社会的孤立や抑うつ症状もふくめてくわしくしらべてみたそうな。

2024年9月8日

孤立が脳卒中リスクを66%引き上げる!予防の鍵は人間関係にあった

2024  9月  中国


脳卒中は多くの人にとって重大な健康リスクであり、その回復過程においても様々な困難が伴う。

脳卒中のリスク要因としては、高血圧や糖尿病、喫煙などが知られているが、近年の研究では「社会的孤立」と「孤独感」という要因が脳卒中のリスクを高め、また脳卒中後の死亡率にも影響を与えることが明らかになっている。

そこで、社会的孤立と孤独感が脳卒中に与える影響について、最新研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2023年8月20日

孤独と怒り:脳卒中後のサイレント・バトル

2023  8月  ギリシャ


脳卒中は頻度の高い死因であり、障害やうつ病の最も一般的な原因のひとつである。

とくにうつ病は脳卒中患者の機能制限、セルフケアの低下、死亡率の上昇と関連している。

これらの患者ではしばしば「怒り」が生じ、回復の過程を阻害する可能性がある。

そこで、脳卒中患者の抑うつ症状の有無、怒りの表出、機能・自立の程度をくわしくしらべてみたそうな。

2023年6月4日

孤独への帰還:脳卒中患者の一人暮らし復帰

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脳卒中患者の退院の際には、日常生活動作の能力に加えて、年齢、性別、家族構成、居住地域、社会リソースなどの要因が考慮される。

一人暮らしだった脳卒中患者が再び一人暮らしに復帰するための基準を社会的要因をふくめて日本人についてくわしくしらべてみたそうな。

2021年1月5日

脳卒中後の「孤立」で海馬の再生力が低下

2020  12月  アメリカ


社会的孤立と孤独は脳卒中のリスク因子である。
国勢調査では、65歳以の女性が一人暮らしをしている可能性が高いことが示されている。

しかし、高齢女性での孤立の影響メカニズムについては十分にわかっていない。

近年、社会的孤立がマイクロRNAの発現に反映されているとする報告が続いているので、脳卒中後の孤立との関連を動物実験でたしかめてみたそうな。

2020年5月25日

社会的孤立は心臓発作、脳卒中、死亡のリスクを高める

2020  5月  ドイツ


COVID-19パンデミックで社会的接触が制限されているなか、「孤立」が脳卒中など心血管疾患に及ぼす影響に注目があつまっている。

今週の欧州神経会議 European Academy of Neurology (EAN) Virtual Congress での発表内容。

2019年10月12日

Circulation誌:犬飼ってると脳卒中でも死なない


Dog Ownership and Survival After a Major Cardiovascular Event A Register-Based Prospective Study
2019  10月  スウェーデン

脳卒中など心血管疾患のあとの、うつや一人暮らし、社会的孤立で死亡リスクが高くなることが知られている。

犬などのペットを飼うと身体活動レベルが上がり、孤独やうつが癒やされ、血圧やストレスの低下につながると考えられる。

ペットを飼うことと心血管疾患による死亡リスクのこれまでの研究はサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで、犬に限定して大規模にしらべてみたそうな。

2018年8月5日

孤独感 社会的孤立と 脳卒中


Loneliness, social isolation and risk of cardiovascular disease in the English Longitudinal Study of Ageing
2018  8月  イギリス

孤独感や社会的孤立が脳卒中など心血管疾患のリスクを上げるとする報告が増えている。

孤独感や孤立による喫煙や運動不足、自己肯定感の低下、急性ストレスへの反応変化がそのメカニズムとして考えられている。

主観的な孤独感と客観的な人的関係量のどちらがよりおおきく影響するのか、
イギリス住民を対象とした大規模調査ELSAの記録からしらべてみたそうな。


50歳以上の男女5397人について2004-2010の脳卒中と心血管疾患の発生をフォローした。

孤独感(loneliness)スコアは、孤独感を感じる頻度に関する3種類の質問に1-3点で評価、最大9点。

社会的孤立(social isolation)スコアは、一人暮らし、 子や親戚、友人に会う機会が月1未満、なんらかの社会組織に属さないなどを評価し 最大が6点とした。


次のようになった。

・571人が心血管疾患になった。

・他の要因を考慮にいれても、孤独感があると心血管疾患リスクが1.27倍になった。

・社会的孤立スコアは心血管疾患リスクと関連はなく累積効果もなかった。

孤独感はそれだけで冠動脈疾患や脳卒中のリスクとなり得た、


というおはなし。
図:孤独

感想:

独りで寂しそうにみえるひとでも、本人が寂しいと思っていなければ脳卒中的には問題ではないってことか。

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2018年4月1日

孤独感と社会的孤立、脳卒中で死ぬのはどっちだ


Social isolation and loneliness as risk factors for myocardial infarction, stroke and mortality: UK Biobank cohort study of 479 054 men and women.
2018  3月  フィンランド

孤独感や社会的孤立にさらされていると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるとする報告がおおくある。

しかしこれらの調査はいずれもサンプル数がすくなく、心筋梗塞や脳卒中のあとの死亡率までしらべていない。

そこで、孤独感や社会的孤立が心筋梗塞や脳卒中、その後の死亡率にたいして独立したリスク要因であるのかを大規模に調べてみたそうな。


イギリスのBiobank研究の47万人あまりの調査データを使用して解析した。

「孤独感」は 頻繁な主観的孤独 と親しい人に悩みを打ち明ける頻度から、

「社会的孤立」は 世帯人数 友人や家族との交流頻度と社会参加の頻度から評価した。


次のことがわかった。

・平均7.1年間のフォロー中に5731件の急性心筋梗塞と3471件の脳卒中があった。

・社会的孤立は急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんど消えた。

・孤独感も急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんんど消えた。

・しかし孤独感ではなく社会的孤立だけは他の要因をすべて考慮にいれても死亡リスクとあきらかな相関があり、急性心筋梗塞死亡リスクが1.25倍、脳卒中死亡リスクは1.32倍だった。

孤独感と社会的孤立は急性心筋梗塞や脳卒中リスクと相関をしめしたが、大部分が他の心血管リスクで説明がついた。しかし社会的孤立だけはそれ自体が急性心筋梗塞や脳卒中の死亡リスクと相関があった、


というおはなし。

図:社会的孤立と脳卒中死亡リスク



感想:

他人と心からわかりあえるはずなどないから 人生に孤独感はつきもの。

社会生活を営むのはそのフィールドで生き残るためだから 孤立したら死はとうぜん。

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2018年2月6日

親友のいない脳卒中患者の血圧は改善しない


DESERVE: Strong social networks reduce vascular risk in stroke, TIA
2018  1月  アメリカ

脳卒中患者のさまざまなニーズを積極的にサポートすることのできる親しい間柄にある人の数と血圧改善度との関係をしらべてみたそうな。

先月の国際脳卒中学会 in ロスアンゼルスでの報告。


脳卒中患者552人について、重要なテーマについて親身になって話し合ってくれる人物を5名まであげてもらった。

12ヶ月後の血圧改善度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・16%が親しい人ゼロで、1-2人が57%、3-5人が27%だった。

・親しい人が少なくとも1人以上の者のうち、73%は家族だった。

・親しい人が家族以外の友人にもいる患者の血圧はあきらかにひくく、

・親しい人が3人以上いるばあい、接触頻度、語り合う内容、親密さによらず血圧改善度がおおきかった。

親しい人とのつながりのどのような活動が血圧改善につながっているのかさらにくわしく調査したい、



というおはなし。
図:孤独死

感想:

身につまされる。

2017年11月2日

人間関係とBDNF そして脳卒中


Associations between social relationship measures, serum brain-derived neurotrophic factor, and risk of stroke and dementia.
2017  10月  アメリカ

人との社会的関係は心身の健康と密接な関連がある。

このメカニズムはよくわかっていないが、たとえば神経の維持 成長 分化を促進するタンパク質:脳由来神経栄養因子(BDNF)がこれを仲介するという説がある。
仲間の多い環境にいるとBDNFが増え これに関連して脳卒中や認知症リスクが低下することが動物実験で示されている。

人間ではどうか、フラミンガム心臓研究のデータを使ってしらべてみたそうな。


3294人の記録について人との社会的関係と血清BDNFおよび脳卒中や認知症との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・社会的孤立度が高いほどBDNFは少なかった。

・交友関係がおおいほど脳卒中や認知症リスクは低かった。

・話を聞いてくれる、アドバイスをくれる、愛情をしめしてくれる人以上に、感情的サポートを得られる人との関係を持つ者の脳卒中や認知症リスクが低く 特に喫煙者でこの関連がつよかった。

人から多くのサポートを得られる状況にある者ほどBDNFはおおく、脳卒中や認知症のリスクは低かった、


というおはなし。
図:人間関係と脳卒中 認知症リスク

感想:

こころから親身になって話を聞いてくれる人なんて何人もいないんだよふつう。そこを勘違いするとかえって孤独を感じるんじゃないかな。

2017年4月28日

ほんとうに "回復良好" な脳卒中患者とは


“Good Outcome” Isn’t Good Enough
Cognitive Impairment, Depressive Symptoms, and Social Restrictions in Physically Recovered Stroke Patients
2017  4月  カナダ

脳卒中からの回復はおもに日常生活動作についてのみ評価される。
しかし脳卒中患者は身体機能が回復したのちも社会参加や精神機能、孤独感、生活の質に困難をおぼえることが考えられる。

そういった問題がどのくらいの割合で起きているのかしらべてみたそうな。


発症から2-3年経つ脳卒中患者142人について複数の指標で回復程度を評価したところ、


次のことがわかった。
・全体の68%の患者は日常生活動作にあきらかな障害がないレベル(modified Rankin Scale<2)の回復を遂げていた。

・彼らのうち54%は "Montreal Cognitive Assessment" で認知障害が認められ、

・52%には "Reintegration to normal living index" で社会復帰に制約があった。

・また32%は " Patient Health Questionnaire-2" でうつ症状が認められた。

・mRS上での活動制限の有無は他の指標のスコアにほとんど反映されなかった。


日常生活動作の点で回復良好な脳卒中患者であっても 半数以上が認知障害や社会参加、3分の1がうつになやんでいた。なにをもって回復良好とするか考え直したほうがいいのではないか、


というおはなし。
図:脳卒中患者のmRSと他の指標


感想:

せっかく手足がうごくようになっていい気でいるのに『君には認知障害、社会不適合、うつの兆候がある』なんてわざわざ言って欲しくないわな。

2017年4月2日

脳卒中経験者の社会ネットワークの変化


A Typology to Explain Changing Social Networks Post Stroke.
2017  3月  イギリス

脳卒中のあと人々は社会との接点をうしないがちになるという。

脳卒中経験者の社会的ネットワークがどのように変化するのかしらべてみたそうな。


シティ・オブ・ロンドンの脳卒中センター2箇所の患者87人について6-15ヶ月ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・彼らの社会的ネットワークは、多様なつながり、友人ベース、家族ベース、親しい家族のみ、家族なし、のいずれかに分類できた。

・ぜんたいのおよそ3分の1が 多様なネットワークから家族中心のネットワークに移っていた。

・もともと友人関係の強い人や家族のいない人の友人ネットワークは安定していた。

・家族がいない人でさらに社会的に孤立するケースが、脳卒中前の3%から脳卒中後17%に増加していた。

・引きこもりになりがちな要因として 身体障害のみならず地域に根ざしたサポートの不足や精神的なダメージが考えられた。

脳卒中を経験すると社会的ネットワークが変化しがちである。身体的、精神的ダメージにより 家族よりも友人たちとの接点が失われてゆく傾向がある、



というおはなし。
図:

感想:

みな死ぬときはひとりなんだから、その前段階として孤独が深まるのは自然なこと。無理して社会とつながることはないかな。

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