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2024年7月4日

もやもや病の救世主:予防と回復を実現する遠隔虚血コンディショニング!

2024  7月  中国


もやもや病(MMD)は小児の脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)のおもな原因である。

さいきんの成人MMDを対象とした臨床試験では、遠隔虚血コンディショニング(RIC)が脳血流を増加し、動脈の狭窄や閉塞の進行を遅らせる効果が報告された。

そこで、小児MMDに対する遠隔虚血コンディショニング(RIC)の安全性と有効性をくわしくしらべてみたそうな。

2023年10月5日

遠隔虚血コンディショニング:JAMA衝撃報告

2023  10月  デンマーク


いくつかの有望な前臨床および臨床データがあるにもかかわらず、一時的な四肢虚血と再灌流を繰り返す遠隔虚血コンディショニング(RIC)が脳卒中に対する有効な治療法であるかどうかは依然として不明である。
 
RICの効果を評価するべく、大規模にランダム化比較試験をおこなったそうな。

2023年5月19日

脳梗塞再発を防ぐ:遠隔虚血コンディショニングの衝撃

2023  5月  中国


脳梗塞は脳卒中全体の87%を占める。

脳梗塞の治療には血栓溶解療法があるが、この恩恵を受けられる者は5%未満にすぎない。

遠隔虚血コンディショニングは1986年以来、動物実験ではその効果が実証されている。

血圧測定用のカフで四肢の血流を一時的に止めることで離れた臓器である腎臓や心臓、脳を保護する効果が得られると考えられている。

とくに神経保護効果を検証したヒトでのメタアナリシスはまだないので、こころみたそうな。

2022年12月19日

早期リハビリには遠隔虚血コンディショニング

2022  11月  中国


脳卒中患者への運動リハビリテーションは不可欠であるが、早期におこなうと脳のダメージを悪化させることがわかってきた。

いっぽう、遠隔虚血コンディショニング(RIC)は患者が受動的に利用しやすい治療法であり神経保護作用が報告されている。

そこで、脳卒中患者への早期リハビリテーションにRICを組み合わせてみたそうな。

2022年8月19日

JAMA誌:脳梗塞の遠隔虚血コンディショニングは効く

2022  8月  中国


上肢動脈の閉塞と開放を繰り返す「遠隔虚血コンディショニング」の神経保護効果が示唆されている。

しかし脳梗塞患者でのあきらかなエビデンスはないので、大規模な臨床試験をやってみたそうな。

2022年7月5日

もやもや病と脳梗塞のちがい

2022  6月  アメリカ


もやもや病はウィリス動脈輪とその周辺血管の慢性的な進行性の閉塞疾患であり、脳梗塞と似た症状を示すため62%が誤診されるという。

そこでもやもや病を迅速に診断できるようにその特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2022年6月19日

遠隔虚血コンディショニングで脳梗塞の再発予防

2022  6月  中国


内頚動脈や中大脳動脈の狭窄は脳梗塞の原因になる。

これらの患者の脳梗塞発症率は、抗血栓薬を使用していても年間 5-35%と考えられている。

遠隔虚血コンディショニングでは、たとえば上腕を一時的に虚血にすることで離れた脳の灌流を改善し側副血行路の再建を促進できると期待されている。

そこで、主幹動脈の狭窄により脳卒中を起こした患者への長期の遠隔虚血コンディショニングによる再発予防効果を検証してみたそうな。

2022年3月1日

もやもや病の遠隔虚血コンディショニング

2022  2月  中国


もやもや病は主に小児から若年者に生じる脳血管障害で、慢性的な脳の低灌流により脳梗塞や認知障害、さらには脳出血を起こすことがある。

もやもや病の発症メカニズムはあきらかになっておらず、有効な治療法もない。

遠隔虚血コンディショニングは、上肢に虚血と再灌流の刺激を繰り返すことで離れた臓器(脳)を保護する非侵襲的アプローチである。

遠隔虚血コンディショニングによって脳卒中患者などで脳の血管新生や脳灌流を改善する効果が報告されている。

そこで、もやもや病患者への遠隔虚血コンディショニングの安全性と有効性をしらべるべくランダム化比較試験をやったそうな。

2021年4月14日

低酸素療法の認知障害への効果

2021  3月  オーストラリア


脳卒中後の認知障害は代表的な後遺症の1つであり、その治療は困難とされている。

これまで、脳卒中後に低酸素環境に一定期間曝す「低酸素ポストコンディショニング」LOPC が脳卒中後の運動機能を改善し、神経細胞の減少を抑えるという報告がいくつかある。

そこで、脳卒中後のLOPCが認知機能も改善する可能性についてくわしくしらべてみたそうな。

2020年12月26日

Neurology誌:遠隔虚血ポストコンディショニングの実績

2020  12月  中国


遠隔虚血ポストコンディショニング(remote ischemic postconditioning:RIPC)はターゲットとする臓器から離れた部位を一時的に虚血にすることで、たとえば脳卒中後の脳ダメージを抑える効果が期待できる。

これまで脳卒中への臨床応用として、血栓溶解治療後の1セッションのみのRIPC報告はあった。しかしRIPCを繰り返し適用した研究はまだなかったので実験してみたそうな。

2020年3月29日

90歳超えでも復活する日本人脳梗塞


Clinical outcomes of cerebral infarction in nonagenarians compared among four age groups
2020  3月  日本

日本の女性の平均寿命は約90歳であり、医療現場では90歳以上の脳卒中患者に遭遇することがときどきある。

そこで、90歳以上の脳梗塞患者の臨床的特徴と回復可能性についてくわしくしらべてみたそうな。

2020年1月12日

遠隔虚血コンディショニングと脳卒中後の認知障害


Efficacy of remote limb ischemic conditioning on poststroke cognitive impairment
2019  12月  中国

脳卒中後の認知障害はめずらしくなく、さらに認知症へ進む者もいる。

遠隔虚血コンディショニング(remote limb ischemic conditioning:RLIC)は腕や脚の血流を一時的に止めて虚血による離れた臓器の保護反応を引き出すという考え方で、RLICには脳卒中などの虚血イベントのまえ(pre)とあと(post)におこなうものがある。

脳卒中後のRLICには梗塞拡大を防ぐ効果が報告されているが認知機能の低下については報告がほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年8月27日

血管性認知症を治す遠隔虚血コンディショニング


Remote ischemic conditioning improves cognition in patients with subcortical ischemic vascular dementia
2019  8月  中国

血管性認知症はアルツハイマー病に次ぐ認知症原因で15%を占める。そのうち皮質下血管性認知症(subcortical ischemic vascular dementia)はもっともおおくお墨付きの治療法はない。

期待される治療法として遠隔虚血コンディショニング(remote ischemic conditioning:RIC)がある。

RICでは たとえば脳から離れた位置の腕を一時的に虚血状態にすることで虚血からの保護効果を誘起しようとするものである。

そのメカニズムは複雑で 抗炎症性のさまざまな反応が絡み、結果として局所脳血流が改善すると考えられていて、脳卒中の再発予防への応用も報告されている。

そこで血管性認知症患者へRICを半年間ほどこしたときの効果を実験してみたそうな。



皮質下血管性認知症の患者37人ついて、RICグループ18人とコントロール19人にわけた。

RICでは両腕にカフを巻き200mmHgで圧迫して血流を止め開放するサイクルを1セット5回繰り返し、これを1日2セットx6ヶ月間継続した。

コントロールではカフの圧を60mmHgに設定し、血流が止まらないようにした。

その後の各種神経心理テストおよびC反応性タンパク質や白質病巣体積などを評価 比較したところ、



次のようになった。

・RICグループは、神経心理テストのHLVT-R,COWAT,TMT-A,TMT-B,JLOであきらかにすぐれたスコアを示した。

・コントロールでは6ヶ月間に改善はほとんどなくHVLT-R,TMT-Rにわずかな変化があったのみだった。

・とくに Judgment of Line Orientation (JLO)でRICグループがすぐれていた。

・C反応性タンパク質や白質病巣体積はRICグループで減少傾向にあった。

皮質下血管性認知症患者への6ヶ月間の遠隔虚血コンディショニングは認知機能の改善に安全で効果的と考えられた、


というおはなし。

図:


感想:

こんなにシンプルならやらない理由はないね。

さらに簡単な方法があって↓
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

2019年3月25日

rt-PAの害と虚血コンディショニング


rt-PA with remote ischemic postconditioning for acute ischemic stroke
2019  1月  中国

脳梗塞には rt-PAをつかった血栓溶解治療がもっとも効果的といわれているものの、患者の50%近くにはなんらかの障害が残る。

rt-PAの線維素溶解作用により脳はさらに傷つき 血液脳関門が破壊され脳内出血のリスクが高まる。じっさい rt-PA治療を受けた者の9-27%に脳内出血が生じ、5%はあきらかな神経症状をしめす。

それゆえ rt-PAによる有害事象をふせぎ脳神経を護る対策がもとめられている。

遠隔虚血コンディショニング(remote ischemic conditioning:RIC)は腕や脚を一時的に虚血にして解放するサイクルを幾度か繰り返すことで 活性酸素レベルを下げ、血管内皮機能を高め、脳血流を増加させることができる。

動物実験ではRICが脳の梗塞体積をちいさくし機能回復をうながす効果が報告されている。

臨床実験はrt-PAの直前にRICを行った例が2014に報告されているので、rt-PA「直後」にRICをおこなうポストコンディショニングの実行可能性と安全性をたしかめてみたそうな。



ガイドラインにしたがいrt-PA治療となった患者30人を2グループにわけ、
いっぽうにはRICを、もういっぽうには通常のケアをおこなった。

RICは両腕にカフを巻き200mmHgで5分間締め付け 5分間解放のサイクルを1セット5回、1日2セット、rt-PAの直後からはじめて7日間つづけた。

RICに要した時間、血中ミオグロビン、出血性変化ほか有害事象を調べたところ、



つぎのようになった。

・RICを完遂した患者は97.0%で、1セット完了までの平均時間は66分間だった。

・RICグループで出血性変化が1例みられた。

・ミオグロビンレベルにグループ間の差はなかった。

急性脳梗塞患者へのrt-PA治療直後の遠隔虚血ポストコンディショニングは実行可能でかつ安全であると考えられた、


というおはなし。

図:虚血コンディショニングの紅斑
有害事象例


感想:

rt-PAは危険だから慎重に扱われてきたのに、いろんなちからが働いてついに学会から「発症からの時間にかかわらず恣意的な運用が可能!」とのお墨付きがでてしまった。↓↓↓ ええんか?
脳梗塞 “血栓溶かす治療をより多くの患者に” 治療指針変更(3月22日 NHK News)

2019年2月10日

80代の認知を正す「遠隔虚血コンディショニング」


Efficacy of remote ischemic conditioning on improving WMHs and cognition in very elderly patients with intracranial atherosclerotic stenosis
2019  1月  中国

MRIで観察できる脳の白質病変は のちの認知障害や脳卒中のリスクとされている。

白質病変の原因はよくわかっていない。近年、とくにアジアで脳動脈の狭窄による慢性的な脳の虚血状態が認知障害や脳卒中を起こすとされ、白質病変との関連を示す報告が増えている。

白質病変の有効な治療法はいまだない。

いっぽう腕や脚を一時的に虚血 再還流することにより全身の虚血耐性を高めるとする「遠隔虚血コンディショニング」が注目をあつめ多くの報告があがってきている。

そこで、脳動脈に狭窄のある80代を対象として長期の遠隔虚血コンディショニング(RIC : remote ischemic conditioning)による白質病変および認知機能への影響をくわしくしらべてみたそうな。


頭蓋内の動脈に狭窄のある平均年齢84の患者58人を2グループにわけ、いっぽうにはRICを施した。

RICは、両腕に巻いたカフに200mmHgの圧力をかけ血流を5分間とめ 5分間再還流の5セットを 1日に2回行い、
300日間継続した。

コントロールの偽のRICグループではカフ圧を30mmHgとした。

180日後、300日後の白質病変および認知機能の程度をそれぞれ複数の指標で評価したところ、


次のことがわかった。

・RICグループでは、180日、300日後の白質病変スコアがあきらかに低下した。コントロールグループではこのような低下はみられなかった。

・認知機能スコアは180日、300日後いずれもRICグループで統計学的有意にすぐれていた。

遠隔虚血コンディショニングは超高齢者の白質病変の進行を抑え 認知障害を改善できる有望な治療法かも


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニングのやり方

感想:

これ、なにげにすごいことだと思うんだけど。

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2018年11月20日

遠隔虚血コンディショニングはいつはじめたらいいの?


Very Delayed Remote Ischemic Post-conditioning Induces Sustained Neurological Recovery by Mechanisms Involving Enhanced Angioneurogenesis and Peripheral Immunosuppression Reversal
2018  10月  ドイツ

脳卒中のあとに腕や脚の血流を一時的にとめて虚血状態にすることで脳神経を保護できるとする考え方があって、「遠隔虚血コンディショニング」とよばれ おもに動物実験で成果が得られている。

これら実験のおおくは脳卒中のあと24時間以内に虚血コンディショニングがおこなわれているが、臨床応用を考えると早期の適用は現実的ではない。

そこで有効なタイムウィンドウをしらべるべく120時間遅らせた場合で実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミについて、
12時間、24時間、5日(120時間)後に両後脚を止血帯で10分しばり10分開放を3サイクルおこない、2週間ほど継続した。


次のようになった。

・梗塞のおおきさは、24時間以内に開始したグループではとても小さくなったが、5日後のグループではそれほどでもなかった。

・しかし神経症状の回復は24時間以内グループでは一時的なのにたいし、5日後グループは長期(3ヶ月間)に持続した。

・24時間以内グループでは熱ショックタンパク質HSP70が関与し、プロテアーゼの働きを弱め、炎症をおさえていた。

・5日後グループでは血管新生がふえ、各種の神経栄養因子、成長因子があきらかに増加していた。

脳卒中後の遠隔虚血コンディショニングはそのタイミングがおおはばに遅れても効果があった。大規模な臨床試験を期待する、


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニングの長期効果

感想:

たいして危険そうでないので、臨床報告が待ちきれないひとは自分でやるか近所の加圧トレーナーにでも相談してみるといい。

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2018年7月8日

脳梗塞への遠隔虚血コンディショニングの効果


Remote ischaemic conditioning for preventing and treating ischaemic stroke
2018  7月  中国

遠隔虚血コンディショニング(Remote Ischaemic Conditioning :RIC)は腕や脚をカフで強く加圧して一時的に血流をとめたのち再灌流することで脳神経の保護や脳梗塞からの回復を期待するものとしていくつもの研究がなされている。

しかしその効果と安全性については結論がでていない。

そこでRICと脳梗塞に関するこれまでの研究を総括してみたそうな。

2018年2月11日

遠隔虚血ポストコンディショニングの脳卒中治療効果


Remote limb ischemic postconditioning promotes motor function recovery in a rat model of ischemic stroke via the up-regulation of endogenous tissue kallikrein.
2018  2月  中国

腕や脚を一時的に虚血にすることで離れた位置の臓器(心臓や肝臓、肺、腎臓、脳)を障害から護ることができるとする考え方があり
遠隔虚血コンディショニング(RIC : Remote Iscemic Conditionig)とよばれている。

RICの脳卒中への応用については、障害イベントの事前(pre)のコンディショニング効果についての研究がおおいので事後(post)の効果について動物で実験してみたそうな。

また神経保護効果のある組織カリクレインとの関係もしらべた。


人為的に脳梗塞にしたネズミを用意した。
RICでは後ろ脚を10分間しばって虚血にして10分間解放する操作を1日3回x21日間つづけた。

運動機能、梗塞サイズ、発現タンパク質をしらべたところ、


次のようになった。

・RICグループで運動機能の回復がすぐれていた。

・RICグループでは梗塞サイズや神経の消失がすくなく、損傷部位での微小血管密度が増加していた。

・さらに損傷部位で組織カリクレイン濃度が増加していた。

・組織カリクレインの拮抗薬を与えたところ、これらの改善がもどってしまった。

急性脳梗塞への遠隔虚血ポストコンディショニングは運動機能の回復および脳の保護に効果的だった。このプロセスには組織カリクレインの関与が考えられた、


というおはなし。
図:遠隔虚血ポストコンディショニングの脳卒中治療効果


感想:

おそらくこの考え方をすでに人で実験した結果がこれ↓。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

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2017年11月29日

くも膜下出血への遠隔虚血コンディショニング


Limb remote ischemic post‑conditioning reduces injury and improves long‑term behavioral recovery in rats following subarachnoid hemorrhage: Possible involvement of the autophagic process.
2017  10月  中国

くも膜下出血の死亡率は先進国で25-35%、途上国で48%にのぼる。発症後数日間のダメージが死亡率にもっとも影響し、さらに1-2週間後にも血管攣縮に関連した脳虚血のリスクがのこる。

両腕の血流を止めたり解放したりを繰り返す遠隔虚血コンディショニングは簡単にかつ長期に実行可能な回復方法の1つである。

くも膜下出血への遠隔虚血コンディショニングについてはあまり例がないので、メカニズムの解明を兼ねて細胞内タンパク質分解機能であるオートファジーに着目して実験してみたそうな。


人為的にくも膜下出血にしたネズミに、その直後から両前脚の動脈をクリップして10分、解放して10分のサイクルを1日に3回くりかえし、3日間続けた。

このあと脳浮腫の程度や行動検査、記憶力 およびオートファジー関連タンパク質の測定を1ヶ月間フォローした。


次のことがわかった。

・遠隔虚血により脳浮腫が改善し、組織の細胞死が減った。

・短長期的な神経機能と記憶力も改善し、

・皮質のオートファジー関連タンパク質が増加してオートリソソーム量が1ヶ月後も増えたままだった。

くも膜下出血直後の遠隔虚血コンディショニングは神経保護と回復をうながす非侵襲的な方法であり、オートファジー機能が関係していると考えられた、


というおはなし。
図:

感想:

遠隔虚血コンディショニングにはプレとポストがある。なにかイベントのまえに行うのがプレコンディショニングで、脳卒中リハビリに応用されるのはポストの方。

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2017年10月19日

脳の白質病変が小さくなる簡単な方法 RICとは


Remote Ischemic Conditioning May Improve Outcomes of Patients With Cerebral Small-Vessel Disease
2017  10月  中国

ラクナ梗塞、微小脳出血や白質病変は脳小血管障害(cSVD)とも言われ、血管性認知症の主な原因でありアルツハイマー病とも関係すると考えられている。

しかしcSVDの有効な治療法はない。

いっぽうで 遠隔虚血コンディショニング(RIC)はターゲットとなる臓器から離れた組織に虚血再灌流を短時間繰り返すことで保護効果が得られるとする現象である。

最近では脳卒中の再発予防や抗炎症 抗血栓効果、さらには白質病変や脳の灌流状態を改善する効果の報告もある。

そこで遠隔虚血コンディショニングの脳小血管障害と軽度認知障害への効果を実験でたしかめてみたそうな。


cSVDで軽度認知障害の患者30人について、RICグループ14人と偽RICグループ16人にわけた。

RICは両腕に巻いた腕帯を200mmHgの圧力で締めつけ、そして開放する。このサイクルを5分間に5回行い、1日2セット、1年間継続した。

偽RICでは締めつけ圧力を50mmHgにして血流が止まらないようにした。


次のようになった。

・1年後、白質病変体積がRICグループではおおきく減少し(9.1→6.5cc)、偽RICでは有意な差は生じなかった。

・ラクナ梗塞の数は両グループで差はなかった。

・視空間認知と実行能力はRICグループで明らかにすぐれていた。

・RICグループでは中性脂肪、総コレステロール、低密度リポ蛋白、ホモシステインがおおきく減少していた。

・中大脳動脈の脈動性にも差が生じていた。

遠隔虚血コンディショニングには脳小血管障害の白質病変を小さくし、認知能力の衰えを遅らせる効果がありそうだ、


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニング装置

感想:

これは流行る予感。

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