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2018年1月17日

下肢で比例回復則Fitterなら上肢でもFitter?


Is the proportional recovery rule applicable to the lower limb after a first-ever ischemic stroke?
2018  1月  オランダ

脳卒中のあと6ヶ月間の神経障害からの回復は単に時間の問題であり、回復はほとんどすべて自然に起こるという報告がいくつもある。しかしこのしくみについてはよくわかっていない。

その回復ぶんは上肢、半側空間無視、失語で共通していて、脳卒中で低下した機能スコアの60-97%の回復が期待でき、"proportional recovery rule"(比例回復則)とよばれる。

この比例回復則が上肢機能に適合しない患者は、半側空間無視にも適合しないことから神経障害に共通した自発的回復メカニズムがあることをうかがわせる。

そこでほとんど検証されていない下肢機能の比例回復則の有無と適合者(Fitter)および非適合者(non-Fitter)を見分ける特徴とその条件が上肢機能にもあてはまるものか確かめてみたそうな。


脳梗塞患者202人について、発症後72時間以内と6ヶ月後に下肢機能(FMA-LE)および上肢機能(FMA-UE)を評価した。

発症直後の下肢機能から比例回復則で予測される機能回復を果たした適合者と予測から外れた非適合者の特徴をしらべた。


次のようになった。

・87%の患者の下肢機能が比例回復則にしたがっていた。

・その回復は機能低下ぶんの64%だった。

・発症直後のFMA-LEスコアが14ポイント以上のすべての患者は比例回復則に適合していた。

・しかし14ポイント未満であっても78人のうち51人が比例回復則に適合していた。

・非適合者は適合者よりも初期の神経症状が重かった。

・下肢機能の比例回復則に適合しなかったすべての患者は上肢機能の比例回復則にも適合しなかった。

比例回復則への適合度は患者ごとに下肢と上肢で一貫しているようにみえた。適合者を見分ける方法が確立すればリハビリ計画におおきく役立つだろう、


というおはなし。
図:下肢の比例回復則 Fitter non-Fitter

感想:

昨年の報告でも下肢のFitter率は非常に高い。
Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかること
つまり重症患者を除くと、歩行訓練はやってもやらなくても ほとんど全員が自然と歩けるようになるということ。

[比例回復則 "proportional recovery rule"]の関連記事

2020年5月18日

上肢機能の主観的回復曲線


2020  5月  スウェーデン

脳卒中後の上肢麻痺は、急性期では患者の50-70%に、慢性期では40%に見られるという。

上肢機能の客観指標として、NIHSSやFMA-UE、ARATなどがある。

いっぽう ABILHANDアンケートは患者視点での日常生活動作を反映することができる。

ABILHANDスコアの重症度別、長期の回復過程についての研究はないのでくわしくしらべてみたそうな。

2021年12月30日

6ヶ月以降の上肢運動機能の回復は

2021  12月  ドイツ


脳卒中経験者の30%は永続的な障害を負うという。

とくに手指の運動機能は日常生活に不可欠であるが、回復は遅く不完全な場合がすくなくない。

この運動機能回復を長期にフォローした研究はすくないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年2月10日

上肢機能の2年間回復曲線


Recovery of upper limb function is greatest early after stroke but does continue to improve during the chronic phase: a two-year, observational study
2019  10月  オーストラリア

脳卒中患者の最大70%は上肢機能に障害をうけるという。

その回復プロセスには上肢の能力とパーフォーマンスの側面がある。

これらを長期にしらべた報告はすくないので、脳卒中の早期から24ヶ月間までの回復をフォローしてみたそうな。

2017年4月6日

Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかること


Proportional Recovery From Lower Limb Motor Impairment After Stroke
2017  3月  ニュージーランド

脳卒中のあと皮質脊髄路にダメージが無い場合、その後のリハビリ訓練量にかかわらず 低下した運動機能の一定の割合≒70%が3ヶ月後には自発的に回復するという経験則があり "Proportional Recovery Rule"(比例回復則)ともいわれている。

比例回復則は上肢機能についてはよく調べられているが下肢の報告は無いのでしらべてみたそうな。


脳卒中患者32人の下肢運動機能を3日後と3ヶ月後に評価した。

皮質脊髄路の健全性はTMSとMRIで評価した。
これらと運動機能の回復度、リハビリ訓練時間との関連を解析したところ、


次のようになった。

・3ヶ月後、低下した下肢運動機能の74%が回復した。

・皮質脊髄路の健全性は下肢回復度の予測の役に立たず、

・しかも回復度はリハビリ訓練時間にもよらず、初期の運動機能低下度のみで決まった。

・上肢の研究では患者の30%は比例回復則にフィットしないはずなのに、今回そういった患者群はなかった。

脳卒中での下肢運動機能の低下は 3ヶ月後にその70%まで回復した。上肢研究でみられた比例回復則に沿わない患者群がいなかったことは 微力ながら別の神経経路(網様体脊髄路)の寄与があったことをうかがわせる。訓練量にもよらなかったことから、比例回復則はもともと備わっている生体プロセスなのであろう、


というおはなし。
図:下肢の比例回復ルール
回復度ΔFMは訓練時間と相関しない。


感想:

比例回復則は2006年ごろから話題になりはじめて、すでに失語や半側空間無視でも同様の効果が確認されている。

ようするに神経インフラさえ残っていれば、リハビリしようがしまいが 落ち込んだ機能スコアぶんの70%は勝手に回復する ってこと。

リハビリ訓練と回復はまったく関係ないというこれ↓に通じるものがある。
題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

[比例回復則 "proportional recovery rule"]の関連記事

2020年1月1日

腹筋トレで上肢機能が回復する


Abdominal muscle strength and the recovery of upper extremity function in stroke patients- a study using propensity score matching
2019  12月  日本

さいきん体幹機能と脳卒中患者の上肢機能との関連をしめす報告があった。体幹姿勢を安定させる支持具をとりつけると上肢機能が直ちに改善したという。

そこで体幹機能のうちとくに「腹筋力」に着目して上肢機能との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2018年10月12日

迷走神経刺激の慢性期上肢リハビリ効果


Vagus Nerve Stimulation Paired With Upper Limb Rehabilitation After Chronic Stroke
2018  9月  アメリカ

脳卒中患者にとって上肢機能の麻痺はもっとも深刻な問題の1つである。

しかも上肢訓練の繰り返し回数をふやしてもまったく効果がないことが臨床試験であきらにされたいま、回復を促すべつの方法が求められている。

迷走神経刺激を上肢訓練に組み合わせると機能改善がうながされるとする結果が動物実験で得られている。人でも若干の報告がある。

そこで、慢性期の脳卒中患者について迷走神経刺激の上肢リハビリ効果を検証してみたそうな。


慢性期の脳卒中患者17人について、
全員の身体に迷走神経刺激装置を埋め込んだ。

実験グループ8人と比較グループ9人にわけた。
まず病院で6週間の上肢リハビリを行い、家に帰って90日間上肢リハビリを継続した。家での最初の30日間は迷走神経は刺激しなかった。

電流強度は実験グループが0.8mAで、比較グループには電流を流さなかった。

実験終了後、比較グループには実験グループと同様の電流0.8mAで上肢訓練プログラム(6週間+90日間)を再実行した。

上肢機能スコアFMA-UEを比べたところ、


次のようになった。

・埋め込み手術の際の有害事象が3件あった。

・上肢機能は最終的に、実験グループで9.5ポイント、比較グループで3.8ポイント改善した。

・FMA-UEスコアが6ポイント以上改善した患者の割合は、実験グループで88%、比較グループでは33%だった。

・実験終了後に比較グループにも電気を流し再訓練した結果、実験グループと同様の改善が見られた。

慢性期の脳卒中で上肢麻痺患者に迷走神経刺激と上肢訓練を組み合わせた結果、安全性と機能改善傾向が確認できた、


というおはなし。

図:迷走神経刺激の上肢機能回復効果

感想:

上図のIn-clinicの期間にどのグループもやたら回復しているところが奇妙だ。

インプラント手術を承諾するほど熱烈に実験に期待している患者だから医療現場の雰囲気にのまれ治った気になり易い。

しかも完全にブラインド実験とはいうものの、おそらくは頸部への電流の有無が本人にはわかるため、家に帰って頭が冷えたあとは 電流刺激のないグループは治ったフリをするのをやめてしまう、、、

そういうことだと思う。

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2014年10月18日

メンタルプラクティスでリハビリがはかどり脳の働きも変わった


Changes in brain activation in stroke patients after mental practice and physical exercise: a functional MRI study.
2014  8月  中国

メンタルプラクティスが運動機能の改善に伴う脳の活動にどう関連するものなのか調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中患者15人の上肢機能について、通常の理学療法を行い、そのうち10人には運動イメージ訓練を伴うメンタルプラクティスを追加した。

4週間の訓練の後、脳の活動域をfMRIで確認し、上肢の機能回復程度との関連を解析した。


次のことがわかった。

・メンタルプラクティスのグループでは上肢の機能回復程度が著しく高かった。

・fMRIでは左脳感覚野の活動が増強され、右脳運動野の活動強度が弱くなった。

・そして 麻痺した右手の運動イメージ中の右小脳の活動が強くなった。

・これら脳皮質上の変化は上肢機能の回復度と関連があった。


上肢機能の回復につながったメンタルプラクティスのあとに大脳皮質および小脳機能の再編が起きたに違いない、


というおはなし。
MP+PPとFMA
MPありだと成績がこんなに伸びる


感想:

この結果と似ている。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

この機会に用語をまとめてみた。

運動イメージ(motor imagery)は外部からの運動動作上の細かい指示に従うことを指し、視覚的シミュレーションは伴わない。
メンタルプラクティスは運動全体の様子を目的意識を持って主に一人称視点で視覚的に思い描くこと。
・これに加えて、五感や感情までも含めたリアルな体験を頭のなかで行うのがイメージトレーニング

こんなふうに理解している。

2018年7月16日

感覚障害も比例回復則するの?


Is There Full or Proportional Somatosensory Recovery in the Upper Limb After Stroke? Investigating Behavioral Outcome and Neural Correlates
2018  7月  ベルギー

近年、脳卒中で麻痺した上肢の運動機能は リハビリの有無にかかわらずその機能低下ぶんの70%が数ヶ月内に自発的に回復することが確認され、比例回復則(proportional recovery rule)と呼ばれている。

しかし皮質脊髄路の健全性に問題がある患者では このルールに則らない(nonFitter)ことがあると考えられている。

今回、上肢の体性感覚機能についても比例回復則があてはまるものかくわしくしらべてみたそうな。


32人の脳卒中患者について発症から4日、7日、6ヶ月後の感覚機能をEm-NSA(Erasmus MC modification of the revised Nottingham Sensory Assessment)で評価した。

Em-NSAでは、体性感覚機能を
1)感覚の有無
2)シャープさや鈍さを受動的に識別する能力(パッシブ処理)
3)感覚を統合して立体物を能動的に識別する能力(アクティブ処理)
にわけて評価した。

また、MRIを使って視床-皮質、島-弁蓋路の病変量を測定し関連を解析したところ、


次のようになった。

・上肢運動機能には比例回復則がみられ、nonFitterグループも確認できた。

・上肢の体性感覚は6ヶ月後にはほぼ全員が回復していた。

・パッシブおよびアクティブ感覚処理には比例回復則が確認でき、それぞれ86%、69%が自発的に回復した。

・4,7日時点で感覚障害のあった患者には視床-皮質、島-弁蓋路の病変量がおおきかった。

今回のサンプルでは全員がはやくに体性感覚を取り戻したが、パッシブおよびアクティブ感覚処理の回復は比例回復則にしたがっていた、


というおはなし。
図:比例回復則 上肢の運動機能と体性感覚

感想:

たしかに今も左腕の感覚は弱いものの、まったくの「ゼロ」だった期間は短く数週間だったよ。

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2022年9月18日

脳卒中リハビリセンターに求められていること

2022  9月  イギリス


脳卒中患者の40%は上肢機能の低下が永く続き、日常生活に重大な障害を抱えている。

身の回りの作業や有意義な活動のほとんどは両腕と両手の動きを必要としている。

しかし脳卒中のリハビリテーションは下肢機能が優先されていることがおおいので、脳卒中経験者にそのあたりの不満を長期にくわしく聞き取りしてみたそうな。

2019年11月28日

反対側へのシータバーストと慢性期脳卒中の機能回復


Low-intensity contralesional electrical theta burst stimulation modulates ipsilesional excitability and enhances stroke recovery
2019  10月  ニュージーランド

脳の両半球は互いのはたらきを抑制しあっているという考え方があって、脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うと反対側からの抑制に歯止めが効かなくなりダメージを負った脳のはたらきがさらに悪化するという。

このアンバランスを正すために反対側にrTMSをあてて過剰な抑制が起こらないようにする臨床実験が数おおくおこなわれてきたが、いまだ一致した結果が得られていない。

動物実験では反対側の脳に電極から直接シータバーストパルスをあてることで過剰抑制を低下させ脳卒中の運動機能を回復させることに成功している。

これらの実験は急性期のものしかなかったので、慢性期であらためてその効果を確認してみたそうな。

2020年11月6日

ロボット支援上肢リハビリ 大規模研究の結果

2020  10月  イギリス


脳卒中後の腕の機能低下はよくあることで、ロボット支援トレーニングはこれを改善できる可能性がある。

その有効性と費用対効果を、集中的上肢リハビリプログラムと通常ケアとで大規模に比較してみたそうな。(RATULSトライアル)

2019年4月27日

脳出血の上肢は1-3ヶ月にグイッと回復する


Upper extremity recovery after ischaemic and haemorrhagic stroke- Part of the SALGOT study
2016  12月  スウェーデン
脳卒中後の上肢麻痺はめずらしくなく、その回復はおもに最初の3ヶ月間に起きるとされている。

発症直後は脳梗塞よりも脳内出血で上肢麻痺が重いとするいっぽう、回復は脳出血のほうが脳梗塞よりも良いという報告もある。

そこで、上肢麻痺の1年間の回復パターンを脳梗塞と脳出血とでくわしくしらべてみたそうな。

2013年5月12日

普段から両手をよく使っている人は上肢麻痺になってもすぐに回復できる


Laterality affects spontaneous recovery of contralateral hand motor function following motor cortex injury in rhesus monkeys.
2013  5月  アメリカ

脳の利き手への偏りと上肢機能の回復との関係を調べてみたそうな。


アカゲザルの利き手と反対側の脳半球の運動皮質を人為的に損傷させて、その後の自発的な回復を測定した。

フードペレットを拾う作業を通じて、脳損傷前後での上肢機能と利き手依存度の評価を行った。


次のようになった。

・利き手依存度が大きいほど上肢運動機能の回復が悪かった。

・運動皮質の損傷が大きいほど、上肢の障害が大きく 回復も良くなかった。



利き手依存度が大きいほど、それを支配する運動皮質の損傷からの回復が良くないことがわかった。

このことから両手を均等に使える人ほど、脳卒中からの回復が早いと予想できる


というおはなし。




感想:

一方の脳に偏っている人は、それがダメージを受けた時に他方からの支援を受けにくいんじゃないか...ってこと と理解。

2015年7月21日

上肢機能の回復を促す準備刺激とは


Primed Physical Therapy Enhances Recovery of Upper Limb Function in Chronic Stroke Patients.
2015  7月  ニュージーランド

上肢リハビリ直前の磁気パルス準備刺激の効果について調べてみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者18人について45分間の上肢理学療法の直前にシータバースト磁気刺激を与えた。

偽刺激グループも設けて、これを2週間行い 1ヶ月後、3ヶ月後の機能改善度、皮質運動興奮性、脳機能MRIの結果を比較した。


次のようになった。

・上肢機能を示すアクション・リサーチアームテストのスコアは1か月後も改善値を保っていた。

・治療2週間の中盤から成果が現れ始め 用量効果を示していた。

・1か月後、上肢機能の改善度と 皮質運動興奮性バランスおよび損傷脳側の前運動皮質の活動増加との関連が認められた。


リハビリ直前にシータバースト準備刺激を与えることで慢性期脳卒中患者の上肢機能が改善し、1ヶ月間以上効果が持続した。通常のリハビリ単体では十分な効果が得られなかった、


というおはなし。

iTBS



感想:

この研究者グループは準備刺激が好きで、かつて両手パタパタ法を提唱していた。
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

こんかい、通常ならTMS治療の話になるところを「準備刺激」にキーワードをすり替えている。タイトルにTMSと載せると時代遅れに見えてだれも読んでくれなくなるからではないだろうか。


おまけ:シータバーストとはなんなのか

2019年5月6日

シータバーストで上肢リハビリ


Intermittent theta burst stimulation enhances upper limb motor function in patients with chronic stroke- a pilot randomized controlled trial
2019  4月  台湾
脳卒中を経験した50-60%はリハビリをおこなったとしても運動機能になんらかの麻痺がのこる。

rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)は非侵襲的に運動機能の回復をうながすことができると期待されてきたが、さいきんのメタアナリシスでは上肢機能の改善効果はなにもないことが示された。

いっぽうrTMSの別の一形態である iTBS(間欠的シータバースト磁気刺激)はその効果がより持続するとしてあらたに期待されている。

半球間競合モデルにもとずいて、損傷脳半球の運動野をiTBSで活性化する、または反対側の脳半球の運動野をcTBS(連続シータバースト磁気刺激)で抑制する使い方が考えられているが、いまだ結論に一致をみない。

そこで脳卒中後の上肢機能についてiTBSの効果をランダム化比較試験してみたそうな。



30-70歳で慢性期脳卒中で片麻痺の患者22人について、

損傷脳半球の運動野へのiTBSまたは偽刺激(コイルの向きを変える)を1日1セッションx週5回x2週間の計10セッションおこなった。

刺激強度は運動しきい値を超えないように設定し、被験者がどちらの刺激をうけているのかわからないようにした。

介入前後の
Modified Ashworth Scale (MAS),
Fugl-Meyer Assessment Upper Extremity (FMA-UE),
Action Research Arm Test (ARAT),
Box and Block test (BBT),
Motor Activity Log (MAL) を評価したところ、



次のようになった。

・iTBSグループで痙縮度MASと上肢機能FMA-UE、上肢アクティビティのARAT、手の巧緻性BBTスコア が偽刺激グループよりもおおきくスコアをのばした。

・上肢使用頻度のMALはグループ間の差はみられなかった。

損傷脳半球への間欠的シータバースト磁気刺激は慢性期患者の上肢の痙縮をやわらげ、上肢運動機能の特に巧緻性を改善した。こんごに期待したい、



というおはなし。
図:iTBS刺激
Magstim Rapid stimulator



感想:

半球間競合モデルにはちょっと疑いがある↓。
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった
iTBSもこれ↓のなかまだから推して知るべしか。
[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について

2023年4月7日

積極的上肢リハビリの有効性と訓練量

2023  4月  ベルギー


脳卒中患者の3分の1は入院時に重度の上肢障害を負う。

そのうち20%が上肢機能の改善を経験し、完全回復するのは5%のみである。

そこで、急性期、亜急性期に重度上肢障害の機能改善を目的に実施された積極的なリハビリテーションの効果についてシステマチックレビューをこころみたそうな。

2021年10月20日

Stroke誌:比例回復則は生活の質QoLに影響する?

2021  7月  アメリカ


脳卒中後の運動障害は、発症後数カ月間のうちに、その失われたぶんの運動機能の70%が自発的に回復する。これを比例回復則とよぶ。

しかし、重度の障害があった患者では比例回復則に当てはまらない。

健康関連QoLが比例回復則と関連するものかどうか、くわしくしらべてみたそうな。

2017年5月15日

上肢機能の回復はBDNF遺伝子の型で決まっていた


Association Between Brain-Derived Neurotrophic Factor Genotype and Upper Extremity Motor Outcome After Stroke
2017  5月  韓国

脳卒中後の回復の鍵となる神経可塑性には脳由来神経栄養因子(BDNF)が深くかかわっていると考えられている。

BDNFには遺伝子多型 "Val66Met"(66番目のアミノ酸がバリン→メチオニンに変化)があり、BDNFの分泌能低下との関係が報告されている。

そこで、脳卒中後の上肢運動機能とBDNF遺伝子型との関連をしらべてみたそうな。

2013年4月1日

6ヶ月以上経ってから上肢機能が回復する患者の特徴


Temporal recovery and predictors of upper limb dexterity in the first year of stroke: A prospective study of patients admitted to a rehabilitation centre.
2013  1月  シンガポール



脳卒中患者が手先をうまく使えるようになるまでの時間を調べたそうな。


100人の脳梗塞患者について調査したところ、


次のようになった。

・18%、26%、32%の患者がそれぞれ3,6,12ヶ月後に手先の器用さを取り戻した。

・6ヶ月以上経ってから回復する患者には、若くかつ入院時の麻痺が重いという特徴があった。

・上肢機能の回復の程度は入院時の運動機能検査結果との相関が強かった。





32%の脳卒中患者が1年以内にその上肢機能を取り戻している。

一方、時間が経ってから回復する患者は非常に少ないことが再確認できた



というおはなし。

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