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2025年10月31日

血栓は増えず、出血は黙殺──医学論文がつくる安心の幻想

2025  10月  カナダ


脳の血管が詰まって起こる急性虚血性脳卒中では、発症後90日以内に再び脳卒中を起こすリスクが最も高いことが知られている。

しかし、そのリスクが再灌流療法(血の流れを再開させる治療)によって変化するのかどうかは、これまで明確でなかった。

そこで、再灌流療法を受けた人と標準的な内科治療を受けた人を比較し、発症から90日以内に再発する脳卒中や、心筋梗塞や肺塞栓などの血栓性イベントがどのくらい起こるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月30日

「再発予防」のはずが致命傷に ダプトが突きつける脳出血の現実

2025  10月  デンマーク


抗血小板薬(PT)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐための薬である。
このうち、2種類を併用するDAPT(Dual Antiplatelet Therapy)は効果が高いとされ、心臓病や脳梗塞後に広く使われてきた。

しかし、PTは脳出血(ICH)を起こす危険性もある。
特にDAPTでは出血の重症化が指摘されており、発症後の死亡率を上げる可能性がある。

過去の研究は小規模にとどまり、全国規模での実態は十分に分かっていなかった。
そこで、DAPTの使用歴が脳出血後の死亡にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月29日

太らないはずの甘味料が、血管を詰まらせる?―エリスリトール研究の衝撃

2025  10月  中国


砂糖のかわりに使われる人工甘味料は、「カロリーが少なくて体にやさしい」と思われがちである。
なかでもエリスリトールは、自然由来で安全とされ、健康志向の人にも人気が高い。

しかし近年、エリスリトールを多く摂取している人ほど脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いかもしれないという報告が出ており、専門家のあいだで議論が起きている。
従来の研究はアンケートや食事記録に基づくものが多く、ほかの生活習慣の影響を完全には取り除けなかった。

そこで、より確かな方法で「本当にエリスリトールが関係しているのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月28日

頭のいいやつほどな、脳卒中でこもるんや──そんなんで社会戻れるかい?

2025  10月  中国


脳卒中を経験した人は、体のまひや言葉の障害だけでなく、「人とのつながりを失ったような気持ち」や「恥ずかしさ(スティグマ)」にも悩むことが多い。

入院中の人ほど、自分で動けず家族や社会に頼ることになり、孤立感が強まりやすい。
これまで、年齢や収入などとスティグマの関係は調べられてきたが、「社会的疎外感(まわりから切り離された気持ち)」がどのように関係するかは、あまり明らかになっていなかった。

そこで、脳卒中で入院している人の社会的疎外感とスティグマの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月27日

4.5時間の壁を越えたテネクテプラーゼ でも、それは奇跡か、錯覚か

2025  9月  中国


脳梗塞(脳の血管が詰まるタイプの脳卒中)の治療では、発症から4.5時間以内に「血栓を溶かす薬」を使うのが一般的である。しかし、それを過ぎた患者には使えないとされてきた。

最近、「テネクテプラーゼ(TNK)」という新しい薬が注目されており、4.5時間を超えても効果があるのではないかと言われている。ただし、これまでの研究は、血管内治療(カテーテルで血栓を取り除く治療:EVT)ができる病院とできない病院が混ざっており、本当の効果がはっきりしていなかった。

そこで、EVTができる環境とできない環境を分けて、TNKの効果と安全性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月26日

ナインズ神話の崩壊――アルテプラーゼは0〜3時間でもダプトに敗れた

2025  10月  中国


脳梗塞のうち、軽症(NIHSSスコアが5以下)とされるタイプは全体の半分以上を占めるが、実際にはその後の経過で3人に1人が生活に支障を残すことが知られている。

この軽症群に対して、アルテプラーゼ(tPA)による血栓溶解療法が本当に有効なのかについては、いまも議論が多い。

一方で、アスピリンとクロピドグレルを併用する二重抗血小板療法(DAPT)は、CHANCE試験やPOINT試験で再発予防に効果があると報告されており、ARAMIS試験では軽症脳梗塞においてアルテプラーゼに劣らないとされた。

しかし、発症から治療までの時間(onset-to-treatment time:OTT)がこの治療効果にどのように関係するのかは明らかでなかった。
そこで、ARAMIS試験のデータを用い、DAPTとアルテプラーゼの効果がOTTによってどう変化するのか、特に早期神経悪化(END)との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月25日

なぜ“やばい薬”をほめるのか──クラゾセンタンに見る医療界のポジション心理

2025  10月  日本


くも膜下出血のあとに起こる「脳血管れん縮(SVS)」は、再出血や脳梗塞を引き起こして回復を悪くする原因になる。

クラゾセンタンという薬は、血管を強く縮める物質エンドセリン-1の働きを抑えるもので、海外の試験ではれん縮を防ぐ効果が確認されている。ただし、副作用としてむくみや低酸素などがあり、体の調子が変わりやすいことが知られている。

そこで、クラゾセンタンを使うと脳血管れん縮が減るだけでなく、歩き始めまでの回復も早まる可能性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月24日

女性に多いのに、回復は男女で同じ?――くも膜下出血の治療パラドックス

2025  9月  ドイツ


くも膜下出血(SAH)は、脳の中の血管(動脈瘤)が破れて起こる病気で、女性のほうが男性より2倍以上多いことが知られている。

これまでの研究では「女性の方が重症になりやすい」「脳の血流が悪くなるDCIを起こしやすい」と言われてきたが、結果はまちまちだった。

そこで、「本当に男女で違いがあるのか?」「もしあるとしたら、どの段階(発症・治療・回復)で差が出るのか?」を、650人の患者データをもとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月23日

脳卒中サバイバーの新たなリハビリ格差:デジタルを使える人、使えない人

2025  9月  ノルウェー


最近では、脳卒中の再発予防やリハビリにもスマホやパソコンが活用されている。しかし、実際に使いこなせている人ばかりではない。

特に高齢の人や、脳のダメージで認知機能が下がった人にとって、デジタル機器は大きなハードルになりやすい。

そこで、「脳卒中を経験した人たちは、どのくらいデジタル医療を使えるのか?」「どんな特徴の人が苦手なのか?」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月22日

治療は早いほど良い──その常識、くも膜下出血には通用しない

2025  9月  オーストラリア


くも膜下出血(aSAH)の原因となる脳動脈瘤は、再破裂すると致命的になりやすいため、できるだけ早く治療して瘤を閉じることが大切とされてきた。
しかし、「どのくらい早く行うのが最も良いのか」については、これまで十分な根拠がなかった。

アメリカ心臓協会(AHA)やヨーロッパ脳卒中学会(ESO)のガイドラインでは「24〜72時間以内の治療」が推奨されているが、これは専門家の合意によるものであり、科学的に裏づけられたものではない。

そこで、発症から6時間以内(超早期)、12時間以内(早期)、24時間以内(標準)の3つのタイミングで動脈瘤を治療した場合の結果を比較し、再出血、機能回復、死亡率にどのような違いがあるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月21日

「効くけど助けない薬」――クラゾセンタンが日本だけ高額で使われ続ける理由

2025  10月  パキスタン


脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)は、今でも命に関わる危険な病気である。
手術で出血源を止めても、その後に起こる「脳血管れん縮」が原因で脳梗塞や神経障害が起きることが多い。

このれん縮を防ぐ目的で、現在はカルシウム拮抗薬ニモジピンが広く使われているが、実際には「血管れん縮そのもの」を完全に抑えられているわけではない。

そこで登場したのが、クラゾセンタン(clazosentan)という薬である。
この薬は「エンドセリン-1」という強力な血管収縮物質の働きを抑える新しいタイプの薬で、れん縮を防ぐ可能性があると期待されてきた。

しかし、これまでの大規模試験(CONSCIOUS-2, -3)では結果が一致せず、本当に使う意味があるのかがはっきりしていなかった。
さらに、日本での実際の使用データを含めた大規模な検証はこれまでなかった。

そこで、過去の臨床試験と実臨床のデータをすべて集め、クラゾセンタンの効果と安全性を改めて検証してみたそうな。

2025年10月20日

全身麻酔なしで脳にカテーテル? その“常識外れ”が命を奪う

2025  10月  アメリカ


急性期の脳梗塞に対して行われる血栓回収療法(EVT)は、詰まった血管を再び開けて脳への血流を取り戻す治療であり、重症の脳梗塞患者の回復に大きく貢献している。

しかし、この治療を行う際にどの麻酔方法を選ぶべきか、すなわち「全身麻酔でしっかり眠らせるのか」「鎮静で少し意識を残したまま行うのか」という点については、これまで結論が出ていなかった。

全身麻酔は患者が動かず手技が安定する一方で、導入に時間がかかり血圧低下の懸念がある。一方、鎮静ではすぐに治療を始められるが、患者が体を動かしたり呼吸が乱れたりして、繊細な血管内手技が不安定になることがある。

そこで、どちらの麻酔法がより良い回復につながるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月19日

深部脳出血、減圧開頭に光? それとも“都合のいい演出”?

2025  10月  スイス


深部の脳内出血(intracerebral hemorrhage:ICH)は、命に関わることが多く、たとえ助かっても重い後遺症が残ることが多い。

これまでのSTICH試験では、血のかたまり(血腫)を取り除く手術は、内科的治療と比べて明らかな効果がなかった。

しかし「減圧開頭術(decompressive craniectomy:DC)」は血腫を取らずに、頭の骨を外して脳の圧を下げる方法であり、別のメカニズムで助けられる可能性がある。
SWITCH試験では、この減圧開頭術によって「死亡または重度の障害(mRS 5–6)」が13%ほど減ったという結果が出ていた。

ただし、その効果が出血の場所(被殻だけなのか、内包や視床まで広がっているのか)によって違うのかは分かっていなかったので、出血の場所ごとに減圧開頭の効果をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月18日

軽症くも膜下出血の7.8%が悪化 その原因は“病気”ではなく“治療”か?

2025  10月  中国


くも膜下出血(aSAH)は「重い病気」という印象が強いが、実際には発症時に意識がはっきりしていて、頭痛だけで見つかるような軽症タイプ(good-grade:WFNS I〜III)が全体の約8割を占める。

このタイプの多くは回復が良いとされるものの、中には治療後に後遺症を残したり、思わぬ経過をたどる人もいる。

なぜ軽症のはずなのに悪くなるのか、その理由はこれまでよくわかっていなかった。
そこで、「軽症くも膜下の中で悪くなる人」にはどんな特徴があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月17日

小さい動脈瘤ほど破裂する?──定説をくつがえす最新研究

2025  10月  ドイツ


脳の動脈瘤は、血管の一部がふくらんでできる小さなこぶのような病変である。近年、MRIなどの画像診断の普及により、破裂していない小さな動脈瘤が見つかる機会が増えている。

これまで医療現場では「大きな瘤ほど危険で、小さい瘤は破裂しにくい」と考えられてきた。しかし、複数の動脈瘤をもつ患者では、実際には小さな瘤が破裂することがあるとの報告が相次いでいる。

過去の研究では、くも膜下出血を起こした患者の20~30パーセントで、最大の瘤ではなく小さいほうが破裂していたとされる。それにもかかわらず、小さな瘤がどのような条件で破裂するのかを系統的に調べた研究はこれまで存在しなかったので、
小さい瘤が破裂する要因を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月16日

くも膜下出血の真相:歯周病が原因なら、瘤を塞ぐ意味はある?

2025  10月  中国


くも膜下出血は、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)が破れて起こる、命にかかわる病気である。
これまで、動脈瘤が破裂する理由としては「血圧が高い」「血管がもろい」などの物理的な原因が考えられてきた。
ところが近年、「慢性的な炎症」も血管を弱くするのではないか、と注目されている。

その中でも歯ぐきの病気――歯周病(ししゅうびょう)は、心筋梗塞や脳梗塞との関係が知られているが、脳動脈瘤の破裂にも関係しているのではないか?

それを確かめるべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月15日

絞め技の一週間後、脳が沈黙した──若者を襲った“見えない解離”

2025  9月  オーストラリア


若い世代の脳卒中の原因には、動脈硬化ではなく頸動脈や椎骨動脈の“解離”が関わっていることが多い。

この動脈解離は、交通事故のような大きな外傷だけでなく、スポーツ中のちょっとした首のねじれや圧迫からも起こることがある。
とくにブラジリアン柔術(BJJ)の絞め技(chokehold)は、頸動脈に強い力が加わる動作であり、解離のリスクがあると以前から言われてきた。
「絞め技がどのように頸動脈を傷つけうるのか」を明らかにした貴重な症例がみつかったそうな。

2025年10月14日

若い人ほど出血しない! 未破裂AVMは“静かに見守る”が正解

2025  10月  アメリカ


脳の動静脈奇形(AVM)は、生まれつき動脈と静脈が異常につながっている血管のかたまりである。
この異常な血管が破裂すると脳内出血を起こし、重い後遺症を残すことがあるため、
「破裂する前に治療すべきか」「そのまま経過をみるべきか」が長年の議論となってきた。

しかし、これまで「未破裂AVMがどのくらいの頻度で出血するのか」という正確な数字は得られていなかった。
多くの教科書や臨床現場では、年間出血率を2〜4%と説明していたが、
それが本当に妥当かどうかは不明であった。

この研究(MARS研究)では、「未破裂AVMを治療せずに経過観察した場合、実際にどのくらい出血するのか」
そして「どのような特徴を持つ人が出血しやすいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月13日

日本発・クラゾセンタン論文、AIの判定は「要注意」。信じてはいけない理由。

2025  10月  日本


くも膜下出血(aSAH)は依然として重い後遺症を残す病気であり、とくに発症後に起こる遅発性脳虚血(DCI)が問題である。

世界的にはニモジピンがDCI予防に使われているが、日本では未承認であるため、これまでファスジルやシロスタゾール、スタチンが代わりに用いられてきた。

2022年に登場したクラゾセンタンは、脳血管攣縮を抑える新しい薬として期待されている。
そこで、クラゾセンタンの使用が実際に予後を改善するかどうかを、日本の複数施設データを用いてくわしく検証してみたそうな。

2025年10月12日

ロボットリハビリの“奇跡”は、患者の演技力だった?

2025  10月  イギリス


脳卒中のあと、どのくらい機能が回復するかには個人差があり、一般的には年齢や発症時の重症度、発症前の生活レベルなどが、その予測に使われている。

でも実は、「性格」も回復の具合に関係しているのではないか、という考え方がある。

性格というのは、ある人の考え方や感じ方、行動の傾向のことを指す。なかでも、ビッグファイブと呼ばれる有名な性格モデルでは、神経症傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性の5つの特性がある。

これまでの研究では、たとえば神経症傾向が強い人は脳卒中後にうつや疲れを感じやすいことが分かっている。でも、こういった性格の違いが、日常生活の回復などに直接どれくらい影響するのかは、まだよくわかっていない。

そこで、「性格」と「脳卒中後の機能的な回復」との関係を調べた過去の論文を集めて、全体としてどんな傾向があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月11日

脳卒中経験者が食べていい玉子の量がついに判明!――1日何個までならOK?

2025  10月  中国


脳卒中を経験した人は、再発や心臓の病気で命を落とすリスクが高い。
そのため、食事の内容、特に脂質やコレステロールの摂取量には注意が必要とされている。

一方で、卵は栄養価の高い食品でありながら、
「コレステロールが多い」として長年議論の的になってきた。
近年は「健康な人なら卵を制限する必要はない」との意見も広まったが、
脳卒中を経験した人にとってはどうなのかは、まだはっきりしていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月10日

コーヒーは脳を守る?――DNAが語る“意外な真実”

2025  9月  中国


コーヒーは世界中で最も多く消費される嗜好飲料の一つであり、その健康影響については長年議論が続いている。

とくに脳卒中との関係については、
「コーヒーが血管を守る」とする報告と、「高血圧を促す」とする報告が混在しており、
保護的か有害かが明確に定まっていなかった。

そこで、遺伝的にコーヒーを飲みやすい体質の人を対象とすることで、因果関係をよりくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月9日

コイルかクリップか──その論争こそが最大の病巣だ

2025  9月  ノルウェー


くも膜下出血の原因の多くは、脳の血管にできた動脈瘤が破れることによって起こる。
その治療には、大きく分けて二つの方法がある。ひとつは頭を開いて動脈瘤の根元をクリップで挟む「クリッピング手術」、もうひとつは血管の中からコイルを詰めて血流を止める「コイル治療(血管内治療)」である。

2000年代に行われたISATという大規模試験では、コイルのほうが短期的な回復が良いとされ、世界的にコイル治療が主流になった。
しかしこの試験は軽症の患者が中心で、重症例や長期的な生存率については十分に検証されていなかった。

そこで、ノルウェー・オスロ大学病院の研究チームは、自院で12年間にわたって治療した患者の記録をもとに、現代の医療現場で本当にどちらの治療が長生きにつながるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月8日

サラサラ薬ダブルで出血2倍、しかも日本人に効果なし

2025  10月  日本


脳梗塞の患者の中には、心房細動(しんぼうさいどう)と動脈硬化を両方もっている人が少なくない。

こうした人は、心臓の中にも血管の壁にも血のかたまり(血栓)ができやすく、再発の危険がとても高い。

心房細動には抗凝固薬(こうぎょうこやく)が必要であり、動脈硬化には抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)が使われる。
そのため、「両方の薬を使えば、もっとしっかり血栓を防げるのではないか」と考えられてきた。

一方で、「出血が増えて危ないのでは」という意見もあり、どちらが正しいのかははっきりしていなかった。
そこで、日本人を対象に、より安全な治療をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月7日

たった1回のジェットコースターが命取りに──健康な子どもにも起こる“見えない外傷”

2025  10月  日本


最近のジェットコースターは、スピードも高さもどんどん進化している。
その分、乗っているあいだに体には強い加速度(G)がかかり、一瞬で首や血管に大きな力が加わるようになっている。

これまでにも「乗ったあとに頭痛やしびれが出た」といった報告はあったが、
子どもにどんな影響があるのかは、はっきり分かっていなかった。

そこで、岡山大学の研究グループが、この“スリル”が子どもの脳や血管にどんなリスクをもたらすのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月6日

脳卒中後の筋トレ、安全性に“異議なし”!──コクランが示した決定的エビデンス

2025  9月  イギリス


脳卒中の後遺症としてもっとも一般的な問題の一つが、筋力低下である。
麻痺側の筋肉が弱くなることはもちろん、非麻痺側でも活動量の低下により筋肉が衰える。

この筋力低下は歩行速度の低下、転倒リスクの上昇、さらには再発リスクの増大とも関連している。

しかし、従来のリハビリテーションでは「筋トレは血圧を上げて危険ではないか」「痙縮が悪化するのではないか」という懸念から、積極的に取り入れられてこなかった。

そこで、脳卒中後の筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)が本当に安全で効果的かを、最新のエビデンスで検証してみたそうな。

2025年10月5日

くも膜下出血は“免疫と炎症”が原因だった──いま見えてきた本当の根本治療とは?

2025  10月  中国


くも膜下出血(aSAH)は、脳動脈瘤が破裂して起こる命にかかわる脳卒中である。
これまで「血圧が高い」「喫煙している」といった危険因子は知られていたが、
免疫や炎症の働きが“破裂そのもの”にどう関係しているのかはよくわかっていなかった。

そこで、「免疫細胞」と「炎症タンパク」がどのように影響しあい、さらに“因果関係”があるのかを明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月4日

医師は拍手、患者は墓場──血管内治療の不都合な真実

2025  10月  ドイツ


近年、機械的血栓回収療法(MT)は急性期の脳梗塞に対して標準的な治療になっている。

これまで多くの研究は「90日後に歩けるかどうか」や「入院中に亡くなるかどうか」に焦点を当ててきたが、**退院してからの死亡率**についてはほとんど分かっていなかった。

そこで、ドイツ全国の医療データを使い、退院後3か月以内にどのくらいの患者が亡くなるのか、またその原因となる要因は何かをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月3日

脳梗塞を防いだはずが…サラサラ薬が招く“出血地獄”

2025  10月  アメリカ


慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)は、高齢者に多くみられる病気である。頭の中にじわじわ血がたまって脳を圧迫し、物忘れや歩行のふらつき、認知症に似た症状を起こすことがある。

その大きな原因のひとつが、脳梗塞や心臓病の予防に使われる「血液サラサラ薬(抗血栓薬=AT)」である。こうした薬は必要な人には大切だが、本当に必要かどうか曖昧なまま処方され続けている場合もある。

そこで、慢性硬膜下血腫で治療を受けた人の中で「不要な抗血栓薬」がどれくらい使われていたのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月2日

ニモジピン排除の日本、クラゾセンタン依存は愚策か──国際レビューが突きつける現実

 元  

Evaluating clazosentan sodium for the treatment of aneurysmal subarachnoid hemorrhage

2025  9月  アメリカ


くも膜下出血は依然として高い死亡率と後遺症率を伴う疾患であり、その主要な原因の一つが遅発性脳虚血(DCI)である。

国際的にはニモジピンが唯一のFDA承認薬として標準治療に位置づけられているが、効果は限定的であり、新たな治療選択肢の開発が求められてきた。

エンドセリン受容体拮抗薬クラゾセンタンは、日本と韓国で承認されている薬剤であり、その有効性と安全性をくわしく整理してみたそうな。

2025年10月1日

脳卒中疑いは飛行機の緊急着陸率20倍──空の医療トラブルが動かす巨大リスク

2025  9月  アメリカ


飛行機の中では医療資源が限られ、体調不良が起きると対応が難しい。これまでいくつかの報告はあったが、世界規模で「どんな病気がどれくらい起きて、どう処置されているのか」を調べた大きな研究はなかった。

特に脳卒中のような重い病気がどれだけ飛行機を緊急着陸に追い込むのかはよくわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

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